初冬の北八ヶ岳 |
(ロープウェー駅〜縞枯山〜茶臼山〜麦草峠〜青苔荘(泊) 〜高見石〜中山〜黒百合ヒュッテ〜渋の湯) |
中山の手前で |
●場 所 | 長野県茅野市 | ||
●標高 | 縞枯山2403m 茶臼山1415m 高見石2300m 中山2496m |
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●山行日 | 1991年11月23日〜11月24日 | |||
●コース | ピラタスロープウエー駅〜北横岳〜双子池 〜蓼科山〜プール平 |
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●多治見から 登山口まで |
JR根本駅ーJR塩尻駅ーJR茅野駅⇒ピラタスロープウェイ⇔ロープウェイで坪庭(登山口) ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ⇔その他 |
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●参加者 | 林、丹羽、伊東、佐藤、犬飼 | |||
●コースタイム | 1日目 11月23日(土)
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2日目 11月24日(日)
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JR千種駅で、「しなの」の一番後ろの車両に乗車。ここで5人全員集合。 塩尻まで一駅止まるのみ。乗り換えて茅野で下車。すぐにバスに連絡。ビラタスロープ ェーで終点下車。 ロープウェーもすぐ乗車。トントン拍子で山頂駅に着く。 身支度、腹ごしらえの後、出発。坪庭は見ないで右へ曲がる。雪は、少しあるだけ。 縞枯山荘の前を過ぎ、平坦な道を行くとすぐに雨池峠。 石へ曲がると急な登りが続き、雪も深くなる。 登山道は雪に隠れ、岩の角が顔を覗かせるだけ。ツルッ、ツルッと滑りやすい道をストックでこらえ、こらえ登っていく。 上からアイゼンを着けた若者が楽々と降りてくる。 出発から30分過ぎたが、「今ここで休むと歩けなくなりそう」の声もあり、稜線までひたすら登る。 汗が流れ、暑かった体が縞枯山の山頂に立つとすぐにぞくぞくと冷え、「さあ、行こうか」と声がかかる。 縞枯山で ここからの稜線歩きはルンルン気分。1年前の12月に来たときよりは雪は少ないが、十分真っ白の世界が楽しめる。 縞枯山を下る前に、「あの平らな山が硫黄、一番右が赤岳、その左が横岳」と講習会が開かれる。 せっかく登った高さを下り、目の前の茶臼に向かう。 下りは、登り以上に神経と 踏ん張りがいる。 アイゼンがあればキュッ、キュッと正面向いて下りられるのに、へっぴり腰でエッジを使って下りなければならない。 最低部まで下りると到木がたくさんあり、またいだり潜ったりする。 さあまた登りだ。ストックを突き刺し突き刺し喘いで登る。 ここの登りは短い。 登り詰めた所が茶臼の頂上。 若者グループがお湯を沸かしている。 林さんの「後でお汁粉食べようね」の声に励まされ、展望台へ行く。 茶臼山の展望台で 断崖絶壁の展望台は風が強い強い。砂埃が吹き付け、目が開けれない。 少し戻ってザックの中からサングラスを出し、やっとの事で景色が見える。 なるほど、周りの雪の上は転々と赤茶色の砂模様。 寒い寒い。早々に元の分岐点まで戻る。 こんろを出し、インスタントお汁粉を作る。「後は下るだけ、のんびり行こうよ。」 5人で、一口ずつの熱いお汁粉をおなかにいれる。 茶臼から麦草まで快適な雪道を楽しみながら下る。 突然、立派な車道へ出る。車道を渡り 一休み。後かここから30分程。 ゆっくり休んでから出発。 左へ曲がり、林の中の道をたらたらと下る。 1年前はクロスカントリーのスキーヤーたちとすれ違ったところ。 また、さっきの車道 に出て、自駒池の駐車場の所から林に入る。 青苔荘着、15:00。 いつもはテント場の申し込みだが、今日は宿泊の申し込み。 「大きいザックは、向こうに置いて。」と指示。 荷物の整理をしていると、「お〜い。お茶が冷めるぞう。」の呼び声。 「えっ、お茶?」と、半信半疑で食堂に入るとテーブルの上にコーヒーカップ。 一口飲むと何と紅茶。アルコールも入っているような味。 大きなストーブで熱いほど。 「ここで、ビールを飲めば、最高。」ということで、缶ビールを頼む。 汗をかいて顔が塩っ辛いので顔を洗ってさっぱりさせる。 (蛇口から出る水で、白駒池の中央部からモーターで汲み上げているって) 「カンパーイ。お・い・し・い〜」 非常食兼おつまみを出し合い、宴会の始まり〜 4時から気象情報が始まるので、それを聞いてからスキヤキにすることに決定。 「聞くだけででいいわ」と言っていたが、「小屋番さんから『天気図を取らないかん』と言われ あわてて用意する。 詳しい地図は林さんが、簡単な地図は私が。と二人で書いて突き合わせると、 寒冷前線が長く本州にかかりそう。 天気は崩れる。が、行ってしまえば高気圧が後ろに控えているので天気はよくなりそう・・・と、わかる。 さあ、スキヤキの用意。自炊は11人らしいので、混みあわないうちに始める。 カートリッジにブースターを付け、点火。お湯はもう大きなやかんで湧いているので、すぐに野菜、竹輪などを入れ煮始める。 もう一つのこんろでお酒の燗。熱燗とスキヤキで第二次の宴会。 犬飼さんは、紅茶の頃から机に突っ伏して眠そう。 後でわかったが、気分が悪かったとか。 しばらくお布団の中で眠り、夕食も少々。 1.8リットル入りのお酒は、あっという間に軽くなってしまう。 次の自炊グループが用意を始めたのをしおに、第三次会へ移る。 ストープの回りを陣取り、話に花をさかす。 女性群は8時にダウ ン。 男性群は、場所を食堂へ移して、第四次会。9時には消灯。 夕食の頃から降り出した雪は、夜半から雨に変わる。 ザーザーと風も出、雨だれの音もひっきり無しに聞こえる。 「明日は雨か・・・ せっかく新雪を踏んでさくっ、さくっと歩くつもりだったたのに・・・」と、思いながら寝ている。 お酒の飲みすぎで喉が乾く。 |
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温泉に入る時間をみながら、逆算して起きる時間を決めたら6:30だったが、そんなに寝れなくて10分前に起床。 すでに、電気もつき、ストープもついているので、朝食作りは簡単。 餅入りラーメンと、昨日の野菜の残り、それにベーコンのリッチな朝食。 起きた時はまだぽつり、ぽつりと雨が降っていたが、出発のころは止み、雨具はいらないくらい。 ガスで濡れるかもと思いヤッケだけ着る。 池のほとりから右へ折れ、池に沿って歩く。 池は、薄氷が張り、向こう岸はがスのため見えず。 昨日の雨のお陰で道は凍っていず、みぞれの状態で滑らないので有り掛い。 白駒在の前を過ぎ、高見石への道をとる。 7月の始め、オサバグサの咲いていた道。 雪が深くなり、歩きやすくなる。 約30分の登りで高見右小屋着。 登り始めてすぐ暑くなってヤッケを脱ぎ、それでも足りずに腕まくりをしながら歩くが、休むとたちまち寒くなり、5分がやっと。 中山への登りは果てしなく続くようで、上を見るとずううっと登り道が続いている。 ここはやっぱり7月、「シヤクナゲ街道」と名前を付けた道。 今は、凍り付いたようようこ、葉が裏側にくるっと巻いてずいぶん細くなったようにみえる。 しばらく歩いて上を見ても、まだずううっと登り道。 溜め息を付いてまた黙々と歩く。 急な登りではないけれど、確実に上へ上へと道が続いている。 もう充分以上登ったと思った頃、やっとの事で稜線に出る。 「もう登らなくていいよう〜」と、後ろへ伝える。 暑い暑い、休憩。 中山の手前 ここからは、たらたらの道。 風が強いのか木の枝にエビのシッポが付いている。 「展望台」は名前の通り、風通しもよくビュービューと吹き荒れ、慌ててヤッケを着込む。 石の上にもエビのシッポが付いているのが珍しい。 中山の頂上は何の変鉄もないただの小広場。 吹き荒れていた風も木立ちの中に入ると嘘のように消え、静かになる。 7月、紫色だった木の実(花?ミニ松ぼっくり様のもの)が今は茶色になっている。 天狗や、硫黄が見える場所も、ガスのためミルク色で何も見えず。 楽しいのは、エビのシッポを観賞する事。 松の細い葉1本1本に付いているエビのシッポ、細い枝に付いているエビノシッポ、太めの枝に付いているエビのシッポ、5ミリぐらいから10ミリを超えるものまで色々で、つい賞味もしたくなり口にいれカリカリと食べる。 (*エビノシッポ⇒岩などに付着しエビのしっぽのような形状に発達する霧氷の一種 風あたりの強い稜線などでよく見られる) 樹氷もまたきれいで、枯れ木に白い花の真っ盛り。 ・・・と、楽しんでいるうちにもう中山峠。 右へ曲り黒百合ヒュッテへ。 黒百合ヒュッテ前で マイナス10℃というほどには、寒くは感じられない。 ここでコーヒータイム。 ランプのぶら下がっている小屋に入り、コーヒーを頼む。 まわりの人が食べていたおいしそうな手作りケーキも頼む。 豆を引くコリコリという音の後でコーヒーが来る。 ケーキには木の実がいっぱい入っている。緑色の木の実ってなんだったろう? この前とは少々味が違っていた。 さあ、ここからは下りばかり。 石の上、木の橋の上が滑りそうで怖い。 しかし凍っていないので有り難い。 1歩1歩に気をつけて足を出す。 ここの登りも大変だろうなあと思われるくらい、長い長い下り道。 唐沢鉱泉との分岐で休憩。 空は青空になり、サングラスをかけた方が楽。 軽く登ってからは、たらたらの道がどこまでも続き、こんなことでは麓へ行けるかしら・・・と、思うほど、 やっとのことで下りになる。 またまた長〜い下り。 雪も段々少なく汚くなってくる。 川の方へ下りる道と、山あいの道とに分かれていて、後の方を選んだが、下りてから考えると、川の方へ下りたほうが早かったかな?と思われる。 硫黄の匂いがしてからだいぶたってから、やっとのことで渋の湯に到着。 バスの時間までたっぷりとあるので、温泉ー宴会ー温泉と、2回も入浴。 塩尻―中津川(普通)、中津川―多治見(しなの)に乗車。 |