無事に下山できた 氷雪技術訓練


●場 所 長野県上松町・木曽町・宮田村
●標高 木曽前岳 2826m 
●山行日 1992年12月11日(金)〜13日(日)
●多治見から登山口まで 多治見ー名古屋県連事務所(泊)=菅の台バスセンター⇒しらび平→ロープウェイで千畳敷へ
 
※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
●参加者 丹羽・(愛知労山の講師・受講者と共に)
●コースタイム 12/12(土)
起床
県連事務所
菅の台バス停
千畳敷
第1次訓練
就寝
・・・
12/13(日)
起床
出発
テント着
下山開始
ロープウエイ駅
事務所着

3:50
6:00発
7時頃
9:30着
16:20頃まで
21:00
・・・

4:10
6:00
10:00
11:00
12:40着〜13:10発


 12/11(金)

雨の中を仕事先から帰り、すぐお風呂・夕食を済ませ、忘れ物はないか装備表を何度も見直し パッキングの仕上げをする。

千種で飯山さんと会い、21:30に間に合わせるためタクシーに乗る。

事務所に着いたら、ちょうど遭難対策会議が終わった所。

すぐに、A・B・C・Dの4パーティーに分かれ、講師より装備の点検をうけ共同装備の分担を決める。

メンバーは、野村さん、増田さん、広瀬さん、丹羽、講師(洞井さん)の5人

大きい物(テント・フライ・ポール・内張・コッフェル)を講師を含めた男性3人
持ってもらうことにする。
家からここまでくる間だけでも頭より高いザックなの に、そのうえまた荷物を持っことなんて、
体力からしてとても無理だと思えたから、進んで持ちますとは言い出せなかった。

次に、ザイルワーク

1人1本のシュリンゲを貰い、コーチから指導を受ける。

24:00に近づいたところでシュラフにもぐり込んで寝る。

 12/12(土)

3:50起床。すぐパッキングをし、洞井さんの事で出発。4:45。

途中、1度、SAで休憩。

6:50、ICを出る。
ほかの車を待つ間、車を停めて見た月と宝剣(お山は真っ白) が印象的。

菅の台駐車場に着。

  

  

8:12のバスまで約1時間。
お握りを食べ、ずいぶんと待つ。

バスは満員。一般乗客は4〜5人のみ。

ロープウエイは待たずにすぐ乗車

真っ青な空に白い雪  9:30千畳敷着。

  

待合室で装備を整える。
ヘルメット、雨具、ハーネス(カラビナ・シュリンゲを全部付けて)、サングラス、手袋、オーバー手袋。

トンネルのような通路を通って外へ出る。
バッチリ日焼けしそうないい天気。

稜線では時折雪煙が上がり、風が強いことを教えてくれる。

少し下った、夏ならお花畑のあたりでザックを下ろし第1次訓練の始まり。

(1)「つぼあし」
講師の付けた足跡の通りに、足を持ち上げてすっぽりすっぽり と入れていく。
これが結構大変。
雪が深いものだから「よいしょ」っと足を上げないとお目当ての足跡にはまらない。

(2)自分がトップになってすっぽりすっぽり足跡を付けていく。
「崩すな」と言われているので、時々は自分の足を持ち上げてやらなければならない。

  

  

(3)ラッセルの仕方
ピッケルで雪を胸の所へ掻き寄せ、膝でぐっと雪を押し、その押した雪を階段として踏み、
上へ体を持ち上げる・・・というパターン。

4)スコップで雪を縦に断層状に削ったところを、指でツーッと下へおろす
・・・と、 昨日降ったばかりの柔らかい雪のところは何の抵抗もなく指がおろせるが、
降った雪が一度溶けてまた凍った場合はガリガリといった具合で、
触感が全然違うことが簡単 に分かるという説明の後、
一人一人雪の壁の前に陣取りツーッと指を下ろし「ほんと 〜」と驚く。

(5)その雪の壁の上で、わかんを履いた谷口さんに飛び上がってもらう
・・・と何と、1番上の柔らかい雪の層が、ずずっと前へ迫り出して来た。こわ〜い。

(6)弱層テスト
直径が肩幅位の雪の円柱を、周りの雪をどかして作り、両手でそっと引いてみると
なんと!新雪の部分がそっくり取れてしまった。こわ〜い。

(7)人間が横になって寝られるだけの穴を掘り、埋没体験
最初は指名で男性。両手で口の周りに空間を作って横向きに寝る
その上に雪をどんどん放りこみ、山盛りにして上からどんどん踏み付ける。
思わず「ああ〜っ」と悲鳴。
「かわいそう」の 声も。
「よし、もういい」の声で今度は雪の山に向かって、「おお〜い」と呼び掛け
ばっと耳を当てると雪の下から「おお〜い」の声。
うわあ、すごい!
それぞれが「おお〜い」と呼び掛け、自分の耳で雪の下の人間の声を確かめる

掘り出す時は、最初はスコップで、近付いてきたら手で掘り上げる。

青い色のヤッ ケが見えたときは、思わず「わ〜」と口に出る。

上半身の雪をどかしても、自力で抜け出すことばできなくて、
足の方も雪をどかさないことには這い出る事はできなかった。

「やりたい人は?」と聞かれ、「やりたいで〜す」と答える。
3番手になる。

襟元など雪が入らないようにきっちり締めて、雪の穴に横になる。

どさっ、どさっと雪がかかる。
冷たくはない。
顔にも、頭にも容赦なく雪が放り込まれる。

両手で顔を覆っているので息はできる

段々真っ暗になり、みしっ、みしっと体が締め付けら れる

動けない、重たい。

でもまだ雪は被さってくる。

体の上をどんどんと歩いているような足音が重たい。

そのうち、おお〜い」の声
「おお〜い」と答える。
また、「おお〜い」の声。
「おもたいよ〜」と答える

おお〜い」の声。
「おもたいよ〜」と答え る。

両手で覆っているだけの空気が段々と減っていくような気がして息苦しい。

つい深呼吸をしてしまうが、そうすれば減っていくスピードが早くなるような気もして
パニ ックになりそう。

こんな死にかたは、いやだ!

体の上でざわざわと音がして、まだ雪をかけているのかと思っていたら
ごつんとヘルメットにスコップがあたる

「いたい!」

それからは手で掻き分けるのだから、なかなか時間がかかる

やっと上半身が出てほっとする。

やっぱり、引いても足は出てこない
手で掻き分けてもはかどらず、スコップのお陰でやっと出れた。

4番目は、半田ファミリーの女性。
今までよりもうんと雪を多く盛ったから大変。 「ぉぉ〜い」と呼んでも声が返ってこない。

また呼んでもまたまた呼んでも返事がな い

「すぐ掘り出せ!」の声で、皆必死に雪をどけると・・・ちゃんと生きていた

聞こえていたし、返事もしたそうだが上まで届かなかったのだろうか。
・・・・・・・・・・・・・

しばらく休憩してから、アイゼンを着けて出発。

浄土乗越に向かって登る。

    

Aパーティーが先頭。

洞井コーチのすぐ後をついて行く。

ゆっぐりゆっくりなので、荷物は重いが心臓がどきどきするわけでもなく、
距離が離れるわけでもなく登って行く。

と、「もっと左だ」ということで横へトラバースしていくと、
「広瀬さんを2番手に」と指示が出る。

広瀬さんはどこ?と探すと、私の後ろだが、
トラバースの所から足元がふらついて雪にのめり込んでいる。

足もアイゼンを引っ掛ナそうにクロスして いる。

「しっかり歩け!」と、叱咤激励されやっとのことで合流。

サポートの憲味もあっ て若い増田さんを3番手にして私はその後ろ。

後ろから見ていると、よろよろふらふらで足元がおぼつかない。

少し上がった所で それぞれのパーティーのリーダーを集め、
広瀬さんの荷物を分担することになった。

軽めのザックに替わってからは足取りもしっかりして来たのでほっとする。

岩の所で休憩。12:40〜50。

ここからばジグザグに固い雪の登りとなる。

風で飛ばされてしまうのか、先ほどの 軟雪とは全然変わった様相を示している。

アイゼンは効いているけれど、傾斜がきつくなってきたのでフラット歩行ができず
ただバランスを崩さないようにとそればか り念じて1歩1歩と登って行く。

稜線着、13:30。

  

  

  

全員揃うのを待って、小屋の近くまで行き、幕営地とする。

早速、スコップで風よけ用のブロック積み

小屋の下は風下で雪の吹き溜まりとなっている。
その吹き溜まりの雪にスパッ、スパッと切れ目を入れすくうとブロック1丁出来上がり〜

ブロックといっても固いわけではない。
スコップで貰う時、そっと持たないと潰れ てしまう。
それを、風上に3段くらい積み上げる

次は、整地。

傾斜をできるだけなくすために、低い方へ雪をどんどん送り
アイゼ ン付きの靴でかき混ぜる

これに結構時間がかかる。

次に、テント張り

ポールを雪の上に置かない様気をつける。(凍ってしまうから)

風が強く、飛んでしまわないようにしっかり持っている。

竹ペグは、ピッケルで深く打ち込まないと引っ張ったら抜けてしまう。
洞井さんにやってもらう。

手袋をはめたままでペグの紐をロープに結び付けるなんて・・・

「丹羽さんは内張をはって」の指示で、テントにもぐって操作する。

テント設営完了、14:30。
・・・・・・・・・・・・・・・・

ザックを皆テントの中へ入れてから、伊那前岳での訓練にでかける。

風が強くなってきているので目出帽も着用する。

登りは何の指示もなく普通に歩いて行ったが、頂上でザイルをつける訓練。

腰からシュリンゲをとり、アンザイレンとなった。

ループを放して歩く練習らしい。

各パーティーでザイルを結んでいるときザイルの袋が風で飛ばされ
洞井さんが急斜面を走って取りに行くというこわ〜いハプニングが起きた。

さて、アンザイレンで降りようとすると、
同じスピードで進んでいかないと腰が引っ張られてしまう。

足元の悪い所では、「ちょっと待ってくださ〜い」と言ってしまったが、
「そんなことを言っていてはだめだ」と叱られる。
・・・・・・・・・・・

少し安全な稜線に着いたらザイルをはずし、アイゼンワークの練習。

(1)腰を落とし確実にアイゼンを雪に叩き込む

(2)斜面では、山側の足を進行方向に向け、谷側の足は斜めに出す。

(3)もっと急な斜面では、1直線上を歩くように
1足1足、山側のアイゼンのエッ ジを雪に叩きこむ。
・・・などを、何度も何度も繰り返した。

太陽が山にはいる頃やっと今日の訓練は終わり。16:20。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

雪を払って靴のままテントに入り、すぐガスをつけて暖をとる。

狭いテントに大きな荷物が5つ、それに5人の人間。

後ろを向かないで姿勢を前に向けるようにとの注意。

ビニール袋に雪を集め、その雪を溶かしてまずは水作りから。

増田さんのテルモス のお湯を貰いどんどん雪を入れる。
コッフェルー杯の雪でも溶けてしまえばほんのち ょっぴり

ポリタン2杯に水を作ってから、やっと夕食作りにとりかかる。

下拵えばみんなで きているので、
お湯の中に材料を入れ味付けをしてから酒粕をいれて「粕汁」のできあがり。

食事にうるさい洞井さんにも合格したよう。

おかわりをしたので御飯が食べれなく なってしまった。

それから、ドリップ式のコーヒーを入れて飲む優雅な儀式の始まり。

新人では許さ れない洞井さんの特権みたいなもの。

半田ファミリーは、こんな特権階級を許してい るんだ。

まあ、パテた人の荷物をひょいと担いでしまう実力があるからだろうけど・・・
講師が作ってくれたトイレに行き、お互いにシュラフが用意できるまでコンロを抱え持って
安全に就寝の用意。

できたところでコンロを消す。
就寝。21:00

夜中、パラパラっと雪の音、ヒューヒューと風の音、はらはらと顔にかかる雪の冷たさなどで
何度も目を覚ますが、時計を見ると余計苛々するので
じっと睡魔が襲って来るのを待ってまた寝る。


 12/13(日)

「4時10分です」の広瀬さんの声で起床。

洞井さんは、「僕は朝は苦手なので構わず朝食の準備をしてください。
朝食はいりませんので」・・・の昨夜の言葉を思い出して (これも特権)4人で用意。

コンロをすぐ点け、1人が持っているところで、ほかの3人がシュラフを畳むといった形で、
暖房と片付けと朝食の用意を同時に行う。

朝は、広瀬さんの手作りのパンとスープ・チーズ・蜂蜜・サラダ巻きなど。

そのうち洞井さんも起床。

またまたドリップのコーヒーの儀式。

テルモスに暖かいお茶をいれ、テントの中でアイゼン以外全部身支度を整える

今日は寒そうなので、ウールのセーターも高所帽も身に付ける。

6:00出発。
・・・・・・・・・・

今日は木曽駒へ行く途中の中岳のコルへ

雪が深く足を取られそうになる。

広瀬さんは、足がもつれアイをンを引っ掛けそうで 後ろからみていて怖い。

ゴーグルに雪がついたのか、曇ったのか、前が見えないという訴 え。

しかし、ゴーグルはヘルメットの下なので、1度ヘルメットを外してからでないと取れない

しばらく時間を取って用意をする。

同じ山歩会の人も心配をしていろいろアドバイス。

出発。
・・・・・・・・・・・・・・・

中岳で休憩。岩陰に身を寄せ風当たりを防ぐ。

今度は下り。
そして適当な頓斜のあるところで訓練の始まり

アイゼンとハーネスも取って、
(1)雪面をならす
シリセードで降りてはまた上がり、シリセードで降りるを何度 も繰り返す。

(2)柔らかい雪の場合両腕で雪を抱え込むようにして、
靴の側面のエッジを利かしての停止訓練


アイゼンを着けて、
(3)横2列に並び、足を開いて座る。
1で体を右にねじり、2でピッケルを打ち込むと共に、
右ももの上にのっているシャフトに体重を掛けて滑落停止


(4)3を少し上がった地点から滑りながらの停止訓練。
雪面に体重をかけるのでば なく、ももに体重を掛けるのだと何度も注意される。(労山方式)

(5)岳連方式   ピッケルの石突き(左側)へ体を回転させ、ピッケルを打ち込む。
横2列で練習してから、少し上がった所から滑りおりながら回転して停止。

1度で止まらなかったら何度でも挑戦すること。

(4)の頃はまだ青空が覗くこともあったが、
(5)の頃には木曽駒山頂も見えなくなってしまったので、テントを撤収して下山。
続きは千畳敷でということになり引き返す。

風が強くなったので、耐風姿勢(山側に体を向けて)を実地に練習しながらテ ントへ向かう。

風が益々強くなってきて、地吹雪で雪が下から叩き付けるように舞い上がり、顔と目が痛い。

耐風姿勢で風をやり過ごしながらと思っても、なかなか吹き止まないため
仕方なくふらふらと歩く。

テント着、10:00。
すぐ荷物をまとめる。
狭い所での5人なので、きちんとパッキングができない

早く早くとそればかり考え、大きいものから願に手当たり次第に詰め ていく。

ザックを外へ出し、テントの撤収にかかる。

風はいよいよ強く、テントのボールが風で折れた

テントは濡れたためと、きちんと畳む暇がなく袋に入りきらない
適当に折って洞井さんのザックの上に。

ザックが重い。
こんな重さであの急斜面を、この強風の中降りられるのかと不安。

広瀬さんの胸のバックルに手間取ったがイマイチ旨くできない。
諦めて集合場所へ行く。

しっかり前の人にくっついて降りること」と言う訓辞を聞き下山。11:10。

乗越から昨日休んだ岩の辺りまでの怖かったこと!
急斜面!

昨日のアイゼンワーク通りに叩き付けるように打ち込み打ち込み
1歩1歩降りるのだが、下が見える分怖い

バランスを崩さないように、風に負けないようにとついて行く。

広瀬さんは何度も何度もよろめいて危なっかしい。
膝をついてしまうとザックの重みでなかなか起き上がれない。

岩の辺りで、洞井さんが後ろに向かって「おおーい、 おおーい」と呼びがける。
・・・が、答えはなし。

視界が悪く数メートル離れたらもう真っ白で何も見えない。

何度も呼びかける。
答えはなし。


増田さんがホイッスルを吹くけれど凍ってしまったのか冴えた音が出ない

10数分待ってから、やっと谷口さんの黄色いヤッケが見えてきた。

そろった所で降り始めるが、少し行ったところで洞井さんと谷口さんが相談して
上へ上がれ−」の指示。

ルートが間違ったのかなと軽く考 えていたが、
帰りの車の中で分かったことだが、
あの指示は、「このまま降りると雪崩の危険が大きいので
もう一度稜線でテントを張る
」と言うことだった。

所がなかなか進まない。

そうこうしているうちに横をザイルで繋がった一団がどんどん降りていく

これも後で分かったことだが、谷口さんは計画書を先頭のプロのガイドに渡して、
「留守宅へ計画の変更を連絡してほしい」と交渉していた
のだそうだ。

しかし、「上から降りて来る人がいて登れませ−ん」という声で
やっぱり下山する ことに決定。

ガイドに連れられた人がザイルをずーっと後ろまで延ばしていたのも
訳があったのだった。(雪崩に遭遇した時の発見の手掛かり)

この頃にはもう鼻水はもちろん凍り、呼気で暖まった水蒸気は眉毛で凍り、
目出帽の回りで凍り、顔中氷で囲まれた状態
に誰もがなっていた。

そのうち幾ら瞬きをして も視界がどんよりとしできて(コンタクトが凍った?
小さな穴の中から外を見ているようになった。

地吹雪さばビュービューと顔を襲い、目をつぶって防ぐが、
開いた目もはっきりしな い(上下のまつげも凍った?)では
恐ろしく歩行が困難になってしまう。

あっちへよろよろ、こっちへよろよろとなり、
雪がまた柔らかくて深いときているので、歩きにくくて仕方がない。

前の人の背中を見失うと大変だと分かっていても、足が真っ直ぐ進まない

そんな時、増田さんが腕を支えてくれた

それだけでどんなに歩きやすくなったか、不思議なほど。 有り難い。

少し平らなところへきたら歩きやすくなった。

先ほど通り過ぎて行ったガイド連れの踏み跡も一瞬にして消えてしまう

やや平らな千畳敷カールに出て、赤い旗を見付けほっとする。

もう着いたも同然なの だが、ロープと金具の頭が所々にちょっぴりのぞいているだけで、
それも見えなくなってしまうとお手上げ。

あつた労山の人達がいるのに出会う。
彼等もルートを探しているようだった。

視界さえ良ければ難無くロープウエイ駅が見えるところなのに、ルートが分からない。

雪を掘ってみてもロープは出てこないし、まるっきりのホワイトアウト

洞井さんと谷口さんでルートを探し探し、一瞬ぼうっと見えた建物を目指して進んでいくと
ロープと金具が見付かった。

それを辿ってやっと駅こ着。12:40。

女性が一人だけでどんどん行動をしていたので、
同じパーティーの男性から詰問さ れていたのが印象的。

たまたま彼女の選んだ道は正しかったが、
勝手な行動は大きな危険を伴うことを忘れてしまったのだろうか。

駅に繋がるトンネルの外で全員が集合するのを待っている問、
お互い顔に張り付いた凍りを取り合ったりしていた。

自分の顔は分からないものだから自分は平気なのだが、
他人の顔をみてぎょっとなる。

雪を落としロビーに入る。

やっと人間世界へ戻ってきたような人心地。

ヘルメットと頭との間にもどっさり雪。
ロングスパッツの下にもどっさり雪。

お湯の出る手洗いで暖かいお場の恩恵に預かり、顔も洗えた。

強風のためロープウエイが止まるかも?と言うことで早々に並ぶ。

吹きっさらしの風で、雪の中にいるよりも寒い。

超満員でロープウエーが発車、13:10。

バスの連絡の間に缶コーヒーを手に入れ、暫く暖かさを楽しんだ後、
バスの中で分けて飲む


菅の台に近付くと雪は雨になり、中央道は土砂降り

しかし、岐阜県に近付くと雨も上がり名古屋は雨なし

事務所で皆を待って、反省会

アイゼンが外れたハプニングだの、嘔吐しそうなのを我慢し飲み下だしただの、
テン トの中で休んでいただの、全力を使い果たした時が駅だっただの・・・

へえーっと驚く報告もされた

黒瀧さんの事で、飯山さんと高蔵寺駅まで送って貰った。
 

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