雪のない奥秩父 金峰山


   ●場 所 山梨県甲府市・長野県南佐久郡川上村
   ●標高 2,599m
   ●山行日 1992年12月28日(月)~30日(水)
   ●コース 瑞牆山荘・・・富士見小屋・・・大日小屋・・・大日岩・・・金峰山往復
   ●多治見から登山口まで 多治見IC=須玉IC=増冨温泉=瑞牆山荘(P)・・・登山口
 
※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
   ●参加者 谷口、丹羽、林、中山
   ●コースタイム  12/28
多治見IC
須玉IC
瑞牆山荘
富士見小屋
大日小屋テント場
12/29
大日小屋テント場
大日岩
金峰山山頂
テント場
12/30
テント場
富士見小屋
瑞牆山荘
増冨温泉
多治見IC
12/28
5:37
8:25
9:25~10:10
11:15~11:25
12:35着
12/29
7:45
8:12~8:17
10:45~11:05
13:00
12/30
7:25
8:20~8:37
9:05~9:35
9:50~10:30
14:25
        周辺地図はこちら  


 12/28(月)

タクシーで多治見ICへ。5:37。
待っていた谷口車に乗り込む。
雨、ガスの中央高速をひた走り、須玉のICで下りる。8:25。

増富温泉までの道は、うらうらと暖かそうで、これから冬山登山とは信じられないほど。

雪など何処を見ても何もなし

しかし、川の縁の方には氷が張り付き、道路も所々シャーベット状になっていて、
一度はあれれ・・・と思う間もなくガードレールにタッチしそうになり
肝を潰しそうになった。

周りの山水画風の景色も目の片隅だけにとどめ、
一心に前を見ていたものだから肩が凝ってしまった。

瑞牆山荘前に車を止め、雨具を着けて出発。9:25~10:10。

黒宮参道の急坂を登る。
やはり、雪はちょっぴりあるのみ。

落葉樹が多く、紅葉の頃はさぞかし・・・と思われるほど。

落ち葉を踏み、木の根につまづかないようにして登る。

ザックが重いので下ばかり向いてただ黙々と登る。

休憩をまだかまだかと待つが、リーダーからの声はなし。

やっと屋根に着いた所で、休憩の声。
汗びっしょり
中山さんは雨具の下を半袖だけにする。10:40~10:55。

木の枝越しに、特異な形の瑞璃山が見える。

「のんびり行きましょう」とゆっくり休む。

林さんはおろしたてのプラブーツの履き心地が良くないとかで
紐の締め具合をいろいろ調節している。

さあ、次は富士見小屋までのたらたら歩き。

無人の富士見小屋に到着。
雪は、少しあるのみ。
ここの小屋番が、女牲一人客を殺した話を聞き、
『ええっ、ここがあの・・・』と、現実的になる。

ここからのたらたら通は、荷物が肩にのしかかり
時々ザックを揺すり上げながら歩く。

時々見える白い南アルプスと八ヶ岳に励まされ、まだか、まだかと歩く。

谷口さんは相変わらずの早足なので、
少し先に行ったところで後ろを振り返りながら待っている。

そのペースに巻き込まれるとかえって疲れてしまうので、マイペースで歩く。

『大日小屋まであと10分』の看板を見てほっとしたが、
中山さんに伝えると「まだ10分も」と答えるので思わず笑ってしまう。

下って登ったところが大日小屋のテント場。12:35着。

  

  

  

  

雪は、所々にあるのみ。
雪がいっぱいならどこにでも張れてしまうテントも、
こんなんでは限られてしまう。

霜柱でがりがりの所を避け、比較的ましな所に決める。

あっというまに設営。
フライも内張り(裏表逆になり通気口が合わない)も完成。

水場がちょろちょろとではあるけれど存在していたので、
雪から水を作る手間もいらず、すぐに食事の用意ができてしまう。

メニューは、焼き肉。ワイン、おつまみ。

食べてしまえば長い長い夜が待っている。
12時間以上も寝ると、あちこちの関節や背中・腰がいたくなるが、我慢我慢。

冬用の重いシュラフのお陰で、
セーターも雨具もテントシューズもなしで快適に眠る。


 12/29(火)

夜、ぱらぱらと雨の音。雪かも。

起床。空には星。6:00。

アイゼン、ピッケルの出で立ちで出発。7:45。

雪は少ないが、昨日とけた雪が凍り、つるつるになっている。

岩の所では、アイゼンがキーコキーコと嫌な音をたてる。

すぐ大日岩

  

  

  

  

ここからの南アルプスの眺めは抜群!

カメラ休憩にする。8:12。

この大日岩を、アイゼンを着けて登らなければならない。

地図に「危」と書いてあっ た場所。

岩につかまって足元もおぼつかなく、やっとのことで登りきる。

たらたらの道を少し登ると小川山への分岐。

ここに大きな金峰山の看板。
そそっか しい人なら、「ここが金峰山だあ」・・・と喜んでしまうほどの立派な看板。

樹林の間から、金峰山頂上の特徴のある五条岩が見える

ここら辺りからやっと雪道になる。

尾根を目指してジグザグにひたすら登る。

砂払いノ頭に着。

ここからバッチリ富士山が見える。南アルプスも

岩稜地帯になるので注意すること(左はハイマツ地帯、
右は山梨側で『千代ノ吹上げ』と呼ばれる危険地帯)
日焼け止めも必要ならするように・・・と指示がでる。

心を引き締めて岩にとり付く。
岩の上の雪は少なく凍っているぐらいなので、アイゼ ンを利かせて登るのだが、
両手を使い、膝を付き、足をおもいっきり高くにとり、岩を乗り越える・・・
ような所がたびたび現れる。

特異な形をした五条岩を見ながら、樹氷の間を抜け頂上着。10:45。

  

  

  

  

  

大きな岩陰で休憩。

南アルプス、八ヶ岳、浅間山、小川山などぐるりの展望を楽しみ、
記念撮影もして、 さあ、下山。 11:05発、

元来た道を戻る。

登りに手強かった岩も難無く通過。

風も少し出てきた。

登山者とすれ違ったが、アイゼンも着けず
ピッケルのプロテクターも取らずといった 出で立ちが多い。

あっというまに砂払いノ頭に着き、後は樹林帯を下るのみ。

大日岩の氷も溶け、キヨキコとアイゼンの嫌な音を立てながら下る。

テントはやはり1張りのみ。

  

霜柱が溶けぐちゃぐちゃの中にある。13:00着。

車での下山ができるか心配で14:00の天気予報を待つ。

もし、明日天候が崩れるなら 今日このまま下山した方がいいので
ぼんやりと時の流れるのを待つ。

陽射しは柔らかく風もなくうらうらとした陽気。

天気予報では大した崩れもなさそうなので、もう1日滞在することとする。

水の心配がないので夕食作りも簡単に済む。
粕汁。

食べてしまえばすることもなく(今度からトランプや花札でも持っていこうか
と思うほど)

就寝。17:10。


 12/30(水)

起床、5:00。

雑炊を食べすぐテント撤収

テントの下は、泥が凍りつきひどい状態になっている。

きっと重みも加わっているんだろう。

私は食料の重みが無い分、荷物が軽くなり楽になる。7:25発。

雪は少ないが凍っているのでアイぜンを着ける。

富士見小屋の上で外す。

富士見小屋着。8:20~8:37。

ここからはまるで春の低山風景


瑞牆山荘着。9:05~9:35。

途中、増冨温泉に寄ってから帰宅。



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