燕岳を目指したが・・・ |
第一ベンチ 合戦尾根からの展望 |
●場 所 | 長野県 | |||
●標高 | 燕山荘2712m |
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●山行日 | 1992年5月3日〜5月4日 | ||||
●コース | 中房温泉・・・燕山荘往復 | ||||
●多治見から 登山口まで |
JR多治見駅ーJR穂高駅⇒中房温泉(登山口) ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ⇔その他 |
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●参加者 | 林、丹羽 | ||||
●コースタイム | 1日目 5月3日(金)
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名古屋、0:56発の「くろよん」に乗車。 大阪駅始発なので、2人でワンブロックを占領したりしていぎたなく眠っているところ、うまくワンブロック確保。 暑くて、半袖にしたり窓を開けて眠ったりして快適とはいいがたい。 穂高駅からすぐバス。連休の間のみ運転のバス。 終点の中房温泉は、登山客のラッシュ。 6:30発。登り始めてすぐ雪こ出会う。 第1ベンチ、7:10着。ここから急登になりそうだし、雪も登山道に現れ始めるようなのでピッケルを出す。 雪に足をとられないよう、ゆっくりゆっくり登る。他のパーティーは、アイゼンを着けるところもある。 第2ベンチ、7:50着。急登、急登の連続。高度がどんどん上がり、雪山が低くなってくる。 第3ベンチでアイゼン装着、8:40。 滑らなくて快適だが足が重くなる。 急登を登り切った所でカメラ休憩。270度の展望。今日の宿舎は、はるかはるか上の方に小さく見える。 合戦小屋、10:20着。雪に埋まっているがかろうじて出入り口だけは雪をどかし、店開き。 合戦尾根を登る ここからの眺めは素晴らしい。 ここからは森林限界を越えて稜線まで急登。 合戦尾根からの展望 仰ぎ見ると、白くこんもりした稜線の上は、青い空。下ばかりを見ての登りは辛くなるので、あっちを見たり向こうを見たりと楽しんで登ると、とんがった山。 「あれっ、槍と違うの?」「あんなに大きく見える?」「でも大槍と小槍だよ」と言いつつ登って行く。 地図で確かめると、たしかに槍ヶ岳。こんなに大きく見えるなんて感激! 合戦尾根で ここからは稜線ぞいに燕山荘まで一長足。 合戦尾根からの展望 私はマイペースで左に大大井岳から常念岳・槍ヶ岳への縦走路を見、右手に爺ケ岳・鹿島槍などを見なから小屋を目指す。 合戦尾根からの展望 小屋直下からぐるりと回り込む所から強風地帯で、ぽかぽかの春から一挙に冬山へと逆戻りしたよう。吹き飛ばされないようバランスを崩さぬようにやっとのことで燕山荘の入り口に着、 12:10 。 小屋に入って宿泊手続き。小屋は満員で2階奥の2段ベッドの上。一つの布団に二人。 まずはビールで乾杯。食堂のストーブのそばに陣取る。 小屋の裏はまだ雪が2階まで届くほどに積もっているので暗い。 少し昼寝をして夜行の疲れを取ってから蕪岳にアタックすることにして、布団に潜る。 最初は、「こんな寒い山小屋は始めて」と言っていたが、だんだん暖かくなってきた。 そして何と!目が覚めたのが16:30。 天気予報も、アタックもしないで1日が終わる。 外の様子を見に行くと、雲が低く垂れこめ、山並みの上ほんの少々だけ雲がないので、カメラマンが日没のシャッターチャンスを待っていた。 明日天候が崩れ吹雪くと知っていたら、昼寝なんてしなかったのに・・・と悔やまれて仕方ない。 夕食17:00。人数が多いので3回こ分けての食事。早く付いた噸番に食事を取る。 御飯、味噌汁、焼き肉、五目煮。 小屋の主人のアルプスホルンの演奏あり。 そして、例年より雪が多く気温も低く、事故が続いていることを繰り返し繰り返し強調。 岩の通過の仕方、大天井岳の通過の仕方、尻制動で顔面骨折、トラバースの危険性・・・と、明日は下山がお勧めとばかりの口調。 寒いので布団こ宿る、18:30. 暫くして2回目の食事の案内放送。本館が満員になったら別館での宿泊となったらしく、靴のまちがいがでたらしい。 3回目の食事が終わる頃には吹雪き始めたらしく、小屋の従業員と一緒にロープを持っての帰りだったようだ。その放送を布団の中でうつらうつらと聞いていた。
起床5:30。 外は粉雪がヒューヒューと舞っている。 土間の隅で朝食のラーメン作り。 7:00の天気予報では、今日も「五月晴れ」だって。「うっそー!」と言い合う。 食堂のテレビでは、長野県地方の山ぞいでは雨または雪と言うだけ。 早く出発しても雪が凍ってアイゼンが利かないと滑落の危険があるので、いずれにしろ少しは待たなくてはいけない。 林さんが、徳島さんという友達とばったり会って一緒に食堂へ来た。彼女は単独行。 フロントへ、アイゼンの尖り具合を聞きに行くと「心配なら止めなさい」との返事。 「縦走も止めたほうが良い、下山も連なって」というアドバイス。 このスシづめの小屋にいる価値もなさそうなので下山することにする。 パッキングを始めていると縞桔山荘で出会った大阪の3人組の若者に声を掛けられる。 彼等も下山。 8:40、小屋発。 やはり、稜線側はびゅんびゅん吹いている。 下りはあっというまで、名残が惜しく何度も立ち止まり、 小屋を振り仰ぎ写真を撮りゆっくりゆっくり下る。 合戦小屋に9:20着。ここから樹林帯に入る。 後は下へ、下へと足を出すのみ。 第1ベンチでアイゼンを外し、登山口に11:30着。 温泉にはいり、降りしきる雪の中でラーメンをつくり、昼食とする。 バス14:15発。穂高から「しなの」で婦宅。 教訓:登れるときに登ること。明日があるからいいさ・・・とは限らないこと。 |