花いっぱいの 南アルプス 北岳〜間ノ岳 |
中白根 間ノ岳山頂 北岳山頂 |
●場 所 | 山梨県南アルプス市 | |||||
●標高 | 北岳 3193m 中白峰 3055m 間ノ岳 3189m |
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●山行日 | 1992年8月13日〜8月15日 | ||||||
●コース | 広河原〜大樺沢〜白根御池小屋(泊)〜北岳〜北岳山荘〜間ノ岳〜北岳山荘(泊)〜北岳〜広河原 | ||||||
●多治見から 登山口まで |
多治見IC=中央道=伊那IC=戸台⇒バスで北沢峠⇒バスで広河原へ・・・広河原山荘(登山口) ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ⇔その他 |
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●参加者 | 伊藤繁、佐藤、林、丹羽、中山 | ||||||
●コースタイム | 1日目 8月13日(木)
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多治見発、6:45.。 お盆で混雑を心配していたが、雨のため50キロ走行制限があったたけですいすいと走れた。 伊那IC、8:25.。 高遠の町もすいすいと走って戸台に8:50着。 バスの発車まで1時間半もある。外は雨。 10:20、発車。 運転手さんの上手な観光案内を楽しみながら窓の外の花を見てメモをする。 シナノナデシコ、ヤナギラン、フジアザミ、ミヤマママコナ、オミナエシ、 ヒヨドリバナ、ホタルブクロ、ソバナ、ギボウシ、タマアジサイ、クサボタン、 ミネウスユキソウ、クガイウ、マツムシソウ、オトコエシ、クルマユリ、 シラネニンジン、キオン、トリアシショウマ、クサアジサイ、オトギリソウ、 ヤマハハコ、タカネビランジ、シシウド、ヤマオダマキ、シモツケソウなど ざっと26種があっという間に記録されてしまった。 広河原着、11:38.。吊橋を渡った広河原山荘前で昼食。 先程まで止んでいた雨が、また降り出したので雨具をつけて歩き出すと暑いのなんの。
大樺沢分岐で雨具を脱いだ。 分岐からは下りとなって大樺沢へ出る。 傘をさして歩くと快適。 左側に沢の音を聞きながら、小さな谷川を梯子で渡ったり、ざぶざぶと 浅瀬を歩いたり、花を見ながらたらたらと登っていく。 「休もうよ」の声で休憩。13:10〜13:15。 カシワバハグマ、カニコウモリ、コウモリソウ、ソバナ、キツリフネ、 クサボタン、ハンゴンソウ、カメバヒキオコシ、タケシマラン(実)、 オオウハユリ、サランナショウマ、ホソバトリカブト、マルバダケブキ、 メタカラコウ、センジュガンピ、ヤグルマソウ、ミヤマアカバナ、シナノオトギリなど。 クサボタン 落石の危険があるからとのことで対岸に渡り迂回する。 急でどろどろぐちゃぐちゃの道を登る。 新しく作った道なので土がまだ落ち着いていなくて歩き難い。 ひと山越えたと思ったら、今度は急な下りで、元の大樺沢に出る。 沢に沿っての山道を登る。 大きなホタルブクロのかたまりの所で休憩。14:05〜14:10。 大きなホタルブクロ カイタカラコウ、レイジンソウ、シシウド、タケシマラン(大きな赤い実がおいしそう)、 ミソガワソウ、クロクモソウなど。 タケシマラン ミソガワソウ カイタカラコウ レイジンソウ この辺りから急に紫色の高山植物が多い草原になる。 右も左も花、花、花。すぐに二俣に着く。14:35。 ここから30分で白根御池小屋だからゆっくり休んでいこうということになる。 真っ直ぐ行くと雪渓歩きで八本歯のコルへ。 左は肩の小屋へ。右は白根御地小屋へ。 ミソガワソウ、ミヤマハナシノブ(初見)、タカネグンナイフウロ、クガイソウ、 ヤグルマソウなど。 タカネグンナイフウロ ウスユキソうの仲間 ここからは樹林帯に入るのだが、たらたらとした花が一杯の素敵な遺となる。 白根御池小屋着、15:05。 センジュガンピ、タカネナデシコ、シモツケソウ、クガイソウ、カニコウモリ、 トモエシオガマ、エゾシオガマ、セリバシオガマ、マルバグケブキ、黄色の花 (シナノキンバイにしては、花が小さく背丈が大きい)など。 シナノキンバイ? キンバイソウ? オオヒョウタンボク?チシマヒョウタンボク? タカネシオガマ ヨツバシオガマ 新しい小綺麗な小屋に泊まれると思ったら、満員で、避難小屋にまわされた。 濡れた物が一杯ぶら下がっていて、2階に布団が敷いてある。 1階は居間の様に便われている。 売店には、ビールもお酒も売り切れ。ウイスキーのみ。 やむなく、ウイスキーを飲みながら夕食の用意を始める。 焼き肉のつもりだが人数が多いので煮物になってしまい味噌煮風の焼き肉を食べる。 気象係は、欽みながら天気図をとる。 低気圧と前線が一つ、本州の上に居座 っていて明日も良くなさそう。 小屋の消灯は19:15頃。 外は雨と風。 夜中に上からぽつりと水滴。雨漏りか、それ とも鉄骨に付いた水滴か。 夜中、いびきや寝返りの音で何度も 目を覚ます。 一番の早起きは、02:30。こんなに早く何処へ行くのだろう。
電気が付いたのを機に、起きる、4:20。 食事の用意。味噌汁と御飯。 白根御池小屋出発前に 6:00発。 いきなりお花畑の急登にかかる。胸付き八丁とはまさにこのこと。 いきなりの急登 上の方には小さく人の姿。 登るにつれ、下の方はガスの中。 「こんなに急でえらいときは30分で休憩にしようよ」というと、すぐ賛成〜の声。 6:30、休。7:00、休。7:30、休。 ずうっとお花畑の中。 グンナイフウロ、イブキトラノオ、ハクサンフウロ、ミヤマハナシノブ、ウサギギク、 ミヤマホツツジ、ウメバチソウ、コバノコゴメグサ、マルバダケブキ、 分からない黄色の花、センジュガンピ、トモエシオガマ、エゾシオガマ、 ミヤマキンポウゲ、ソバナ、タカネナデシコ、エゾイチゲ(初見)など。 ミヤマキンポウゲ ベンケイソウ ウサギギク サンリンソウ ヨツバシオガマ? ヒメヨツバシオガマ? ここからいよいよ森林限界。尾根までの大お花畑。 今までに見てきた花の全部と、プラス、キタダケトリカブト、クルマユリ、 タカネヤハズハハコ、ムカゴトラノオ、テガタチドリなどがびっしり斜面を覆っている。 草すべり やっと覗いた青空 一面お花畑 小太郎尾根から北岳を望む 草すべりを登り切った所で 鳳凰山の後ろに富士山の頭が見えた 8:05尾根着。 ガスも消え、富士山、甲斐駒、仙丈、北岳がぐるりパノラマで迫って来る。 仙丈をバックにしてパチリ 十分に楽しんでから出発。それからは、ちょっとした登りで北岳肩の小屋に着。8:40。 尾根上は、植生がガラっとかわって、チシマギキョウ、コバノコゴメグサ、 ミヤマダイコンソウ、イワツメクサ、タカネツメクサ、ミヤマミミナグサなど。 水を100円で買い、コーヒータイムにする。 小屋の屋根は、毛布干し場となっている。 ぐいぐいと登って9:40、北岳山頂着。3192m。16℃。 北岳山頂 周りはガスで何も見えないので、記念写真を撮ったら早々に下山。9:50発。 今にも落石がありそうなところや、掴んだ石がぽろっととれてきてしまうような脆い岩の所や、 ずるっと滑りそうな所に気をつけて気をつけて下る。 北岳から北岳山荘までは、ずうっと花、花、花の連続。 それも、濃いピンク色のシオガマが多い。 珍しいタカネマンテマも。キンロバイ、オヤマノエンドウ、 チシマギキョウ、ミネウスユキソウ、シコタンソウ、シコタンハコベ、 ハハコヨモギ、イブキジャコウソウ、ミネウスユキソウ、 タイツリオウギ(イワオウギ、シロウマオウギかも)、 コバノコゴメグサ、ミヤママンネングサ、ヨツバシオガマ、 タカネシオガマ、ミヤマシオガマ(北岳特産のヒメヨツバシオガマ との区別がいまいち不明)、ミヤマオダマキ、イワベンケイ、 ミヤマジシバリ、キバナシャクナゲ、ハクサンイチゲなど。 シコタンソウ ツマトリソウ マンテマ ハハコヨモギ ヒメヨツバシオガマ? タカネツメクサ キンロバイ ミネウスユキソウ 10:06、吊り尾根分岐。 10:30、北岳山荘の赤い屋根を眼下に見ながら休憩。時々鐘の音が聞こえて来る。 北岳からの下り 11:00、山荘着。玄関にはどーんとビールの箱の山積み。今日は安心して飲めそう。 到着番号は、3〜7。 夕食の4:30までに戻ってこないと最終の20:30になるとのこと。 1枚の布団に3人と脅かされる。 部屋は、富士山の真正面。トイレは、水洗。サブザックのみで出発。11:30。 ここからは、ぐんと花の数も種類も減り、期待外れ。 写真を撮るからと、一番後ろから付いて行くと、上の方で一群が横一列になって動かない。 ???と思ったら、雷鳥の親子がいたから。 のんびりと歩いている。 中白峰着。12:15。 ここも3000mのピ−ク。3055m。 中白峰 北岳からの縦走路、間ノ岳への縦走路がずうっと見渡され、遥か遠くに間ノ岳が ガスに隠れて見える。 背中が軽いのでどんどん行けてしまう。 中白峰より、間ノ岳方面を望む 無名ピーク、12:45。 中白峰を過ぎるとまた花が多くなる。 中山さんが、ミヤマオダマキが見たいとリクエストをしたので、崖から下を覗くこ とにする。 と、稜線の右側と左側では花が違うことに驚く。 覗いた方には、ハクサンイチゲがまだ一面に咲いていたり、チングルマ、 コイワカガミ、ミネズオウ、ミヤマクワガタなども見られる。そして、ミヤマオダマキ。 崖の途中にあって遠くから観察。 間ノ岳、13:35着。3189m。 間ノ岳 間ノ岳山頂より富士山を望む 間ノ岳からの帰り 中白峰への縦走路 えっ、ここが頂上?と思われるようなだだっ広い所。 富士は大きく真っ正面。 後から後からとガスが右から吹き付け、なかなかシャッターチャンスに恵まれない。 一番端まで行ってみる。 農烏に続く縦走路が見える。富士の下はは雲、雲、雲。 ちっとも退いてくれないので諦めて戻る。i4:00発。 帰途は、ムクムク雲が富士山の方の山並みに一面に出、真っ白い雲と真っ青な空との 綺麗だが恐ろしいような配色の景色となった。 時には、ぐるりガスに囲まれ、一人では怖いような時もあり変化がめまぐるしい。 同じ道を帰るのだから、花にも注意散漫になってしまう。 山荘着、15:05。 間ノ岳からの帰り 北岳はガスに隠れている 赤い屋根の後ろが八本歯のコル 前の広場で、ビールで乾杯。 夕日を受けた北岳 夕日が眩しい 宿泊客や、テント泊の人が多くなっている。 16:30分の夕食まで、天気図をとったり、お花の勉強をしたり、ザックを整理したりして過ごし、 食後は、外へ出て富士山を見たり、夕日を見たりして過ごす。 雲海の中の富士山 天気は安定して、ガスもなくなり富士の裾野の雲もじっとしている。 が、寒いので長くはおれない、早々に戻る。 寒いのでビ−ルも苦く、半分も飲めない。 布団の割り当てが1枚に2人と決まり、やっと休める。 外は、満月。部屋の中が暑くて暑くて眠れず。 林さんは、シュラフカバーと毛布を 持って廊下へ。 私は、頭を足のほうへ変えて休む。これで少しは、楽。
朝早くから、物音で目が覚める。4:15起床、5:00発。 鐘のある小高いところで御来迎。 朝日が昇る一瞬 山並みの向こうにどっしろと下富士山 ガスの中の仙丈ケ岳 又、あのきつい登りかと思っていたほどはしんどくなく、スイスイと登れてしまった。 しかし、やっぱり花には注意散漫になってしまう。 北岳山頂は、来るときと大違い。 ぐるり全部見える(「槍も見えますよ」の声に励まされたが、見付けたれなかった) 八ヶ岳、中央アルプス、恵那山、御岳も見えた。6:05〜6:12。 今日の上りの登山者は多い。 「北岳銀座」と言ってもいいくらいの人と擦れ違う。 下った小屋の下で朝食。6:40〜7:30.。 後は、下るのみ。 小太郎尾根分岐、7:55〜8:00. 途中までくさすべりの大お花畑。 そして、右俣分岐へと入る。こちらも、素敵なお花畑。 しかし、登りには辛い急登の連続。 小さな雪渓で、休、8:45〜8:55。 二俣の雪渓で休憩、8:45〜8:55。 雪渓のトンネルから流れ出してくる水と冷風でひんやりとする。 顔を洗ったり、歯磨きをしたり、タオルを濡らしたり、雪渓の水で冷やした 飲み物をもらったりしてのんびりする。 あとは、対岸に渡らなければならないが、沢に沿って下るのみ。ゴールは目前。 何十人もの登山者と擦れ違って、今日の北岳山荘は大丈夫かしらと 他人ごとながら心配したり、この暑さではパテるだろうなと同情したりして すれ違いを待っている。 広河原山荘に、11:30着。 j2:30 のバスまでビールで乾杯。 12:25 バス発。 北沢峠で暫く待って乗車。 今度の運転手さんは臨時。説明は、タカネビランジと、アサギマダラのみ。 戸台着、14:10、14:20発。 多治見I C、17:05着。途中で、昼食。 |