北八ケ岳 : ニュウへ |
北横岳〜縞枯山〜茶臼山〜麦草峠〜高見石小屋〜ニュウ〜渋の湯 |
北横岳山頂から 北横岳山頂 |
●場 所 | 長野県茅野市 | ||||||
●標高 | 北横岳:2480m 縞枯山:2403m 茶臼山:1415m 高見石:2300m |
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●山行日 | 1993年12月28日〜12月30日 | |||||||
●コース | ピラタスロープウェーで山頂駅へ・・・北横岳ヒュッテ(泊)・・・北横岳…北横岳ヒュッテ・・・縞枯山・・・茶臼山・・麦草峠…丸山…高見石小屋(泊)・・・中山・・・ニュウ・・・中山峠・・・黒百合ヒュッテ…渋の湯 | |||||||
●多治見から 登山口まで |
JR多治見駅ーJR塩尻駅ーJR茅野駅⇒ピラタスロープェー麓駅⇔ロープウェーで山頂駅へ(登山口) ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ⇔その他 |
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●参加者 | 丹羽、林、中山 | |||||||
●コースタイム | 1日目 12月28日(火)
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2日目 12月29日(水)
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時刻表の読み間違いが原因で、木曽福島駅で「しなの」に乗れず合流できなかったことと、茅野駅の電話が通じないことから、千種駅からの同行者と連絡が取れないまま、北横岳ヒュッテまで別行動となってしまった。 一時は茅野まで迎えに行くか、山行を中止するかまで考えたが(山行部の助言)、「2人で行かせてください」と頼み込み、共同装備もあることを伝え、やっとのことで許可が下りる。 11:30から延々14:30分まで、電話を掛けまくった挙げ句の果て、14:40のロ ープウエーに乗車。 頂上駅は人もまばら。 装備を整え、出発しようと歩き出すと、上から背負い子を背負った若者がきて、「北横ヒュッテで仲間が待っている」とのこと。 茅野駅へ置いてきぼりにしたとばかり思っていた矢先のこの朗報。 足取りも軽く坪庭へ。−9℃ 雪は去年より多い。しかし、赤旗の付いている竹がずらっと並んでいるの で分かりやすい。 さくさくの雪で、アイゼンは普通ならいらないのだろうが、我々は安全のため付けているので滑る心配もなしにどんどん歩ける。 先程の若者が休憩中に荷を背負って追い抜いていく。ピッケルもアイゼンもなし、ゴム長で腕を組んで着実に登っていく。 1回休憩しただけで、三ツ岳との分岐にあっけなく着いてしまい、入り口から顔を覗かせている同行者と無事合流。 留守宅に早口で電話をいれ、ほっと一安心。 何はともあれビールで乾杯をと思い、ストーブの近くに行く。 「小屋の食事中に自炊を」・・・とのことで、暫く飲んでから「すきやき」を始める。 北横ヒュッテ 小屋の食事も「すきやき」 偶然の一致。 今日は満月。青白い月の光が雪景色を幻想的に照らしている。 ここから頂上まで15分。行きたい! しかし、「アルコールが入っているので駄目です」とストップが掛かる。 仕方ない、戸口から見るだけにしておこう。 北横ヒュッテ前で 満月を見上げる ひきたてのコーヒーも御馳走になる。お礼にお握り1個進呈。 消灯近くまでストープの周りに陣取り、小屋番のお兄さん(島立:しまだてさん) からいろいろ話を聞く。 小屋の消失はボイラー室から出火したこと、保険は資材をヘリコプターで2回荷揚げしただけで終わってしまったこと、水は七つ池からポンプで汲み上げ塩素消毒して使っていること、小屋に入る前はビラタ スの売店を手伝っていたこと、子供がいて今は八王子にいる事などなど。 9時就寝。風が強く小屋全体が揺れ、吹き飛ばされそうでおちおち眠っておられない。
窓から見る夜空は月の光でいつまでも明るく、朝の明るさと間違えてしまう。 窓に赤い色が現れ、日の出か?と思い時計を見ると6:30。 窓を開けると 木々の上が朝焼けの曙色。 太陽はまだだが、空は上天気。 朝食の用意をして、下に降りる。 暮れから雑煮。 食事中、日の出を見に行っていたらしい人達がご帰還。 8:15、空身で出発。15分で項上着。 北横岳山頂 北横岳山頂 八ヶ岳を展望 北横岳山頂 御岳・乗鞍・北アルプス・南アルプスを展望 風もまあまあ、展望抜群。赤岳、中岳、 阿弥陀岳から乗鞍、御岳、南アルプスの北岳、甲斐駒、仙丈、それに北ア ルプスの峰々。 北横ヒュッテに声を掛け、「気をつけて。気をつける所もないか」の声に送られる。 北横ヒュッテ これから縞枯山へ 昨日の強い風で吹き溜まりができ、足を取られるところもあったが、トレースはしっかり付いているので縞枯山荘への近道を取る。 さすがにここは縞枯街道。後から後からの人。雨池峠からの急登も、途中で休んでいる人を追い越し、はあはあと一足一足ゆっくり足を進める。 上を 見てもずうっと続く登り。見上げれど見上げれど稜線が見えず。 「休もうか」の声にも「賛成」の声が出ず、「後少し」の思いで登る。 やっと縞枯山着。背中から陽を浴び、ザックに腰を掛け休む。 ここからは、たらたらの尾根歩きが暫く続き、下って登って茶白山。また下って麦草峠。また登って丸山(この登りが汗が滴り落ち一番えらかった)。下って15分で高見石小屋。 この小屋にも大きなストーブ。床敷きで、お髭のおじさんがここの小屋番さん。 2階には、炬燵とストーブ。お客の入りを聞くとそれほどではないようで安心。 自炊小屋はトイレの上の独立小屋で、ストーブがつき、板敷きの上に銀マットが敷いてある。 ストーブの近くに陣取り早速チーズ鍋にとりかかる。 今日の自炊は、6人と1人ということだったが、北横ヒュッテからの二人連れも一緒。 ビールを飲みながらぼちぼち作っては食べたが、食べ切れず明日の朝食用にする。 炬燵で少し休んでいると、「自由に布団を敷いてお休みください」と声が掛かったので、隅の方を占領。 6時には.もう就寝。 明日は、ニュウへ行ってから下山なので朝を早くと思っていたが、11時のバスに無理に乗ることはないようなので、最終の14時45分とすれば朝もゆっくり、行動もゆっくりできる。 そうすれば体調の悪い同行者も少しはいいだろうと判断をする。
6:20起床。8:15出発。 やっぱり同行者の体調が良くないので、白駒池からニュウへ登るのではなく、中山からニュウへ行けば地図のしわしわがそれほどきつくなさそうなので、後者を取る。 中山への登りは、昨日の丸山ほどではなく、稜線へ出てしまえばたらたらの道。 今日も快晴。真っ青な空に雲一つ無い上天気。 ニュウへの分岐を左折すると、幹線道路ではないので、しんと静まった道となった。 緩い下り道を歩きながら、時々隙間から両天狗や硫黄が見える。 ぐんと下ると、いよいよニュウへの登りとなる。 苔むした倒木があるだろう所もすべて雪の下。 頂上直下で、以外と大きな富士山が裾野までくっきり見えた。 ニュウの頂上直下から富士山を展望 ザックを置き、セーターを着込み空身で頂上へ。 左側に回り込めば簡単に項上着。 ニュウ山頂 富士山、白く凍った自駒池、白駒山荘。ここまで歩いてきた山の稜線などがずうっと見える。 帰りも、天狗や硫黄を眺めながら、中山峠から黒百合ヒュッテへ。 コーヒータイムを取り、最後の雪景色を楽しみながら渋の湯へ。 温泉に入るには少々時間がたりず、身支度とパッキングでちょうどいい時間となる。 茅野から「あずさjで塩尻まで。 そこから慌てて中津川行き普通に飛び乗り、 また普通に乗り継いで多治見へ。 |