八ヶ岳の八山に登った |
編笠岳・権現岳・赤岳 |
(観音平〜編笠山〜権現小屋〜権現岳〜赤岳〜真教時尾根) |
編笠山の頂上で 後ろは八ヶ岳 |
●場 所 | 長野県・山梨県 | |
●標高 | 編笠山 2524m 権現岳 2715m 赤岳 2899m |
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●山行日 | 1996年9月28日〜9月29日 | ||
●コース | 観音平〜編笠山〜青年小屋〜権現小屋(泊)〜 キレット小屋〜赤岳〜牛首山〜美しの森 |
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●多治見から 登山口まで |
多治見駅ー塩尻駅ー小淵沢駅=観音平 ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス |
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●参加者 | 林、丹羽 | ||
●コースタイム | 1日目 9月28日
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2日目 9月29日
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昨日は中秋の名月でまん丸お月さん。早朝、まだ煌々と明るい。 涸沢の紅葉も1週間ばかり早く、今日が最高だという情報もある。 紅葉と十六夜に期待が膨らむ。
小淵沢からタクシーで観音平へ。 途中、車が何台も止まっているので運転手さんに尋ねると 「きのこ狩」だそうな。 途中の富士見平では、頭に雪をかぶっている富士山がきれいに見える。 駐車場はほぼ満車。少し歩くと観音平グリーン・ロッジに出る。 立派な建物だが人気がない。もうシーズンオフか? 10:45発。 高原の別荘地風のたらたらした登りなので、1ヵ月半のお互いの情報を交換しながら歩く。
黄葉の始まった明るい道。きらきら光る木漏れ日。 マツムシソウやリンドウ・オケラ・トリカブトなどの秋の花が可愛い。 「ドイツの山は乾いていて目が痛くなってしまった。 日本の山はこの湿気がやっぱり良い」と同行者は懐かしそう。 休んでいるとひんやりしてきて、やっぱり夏の山とは汗の出かたも違う。 落ち葉の積もったふわふわとした膝に優しい道が続く。 なんと行っても静かなのが一番。美濃戸口からだとこうはいかない。 緩い登りだし、話は弾むしで、「えっ、もうこんな時間?」というほど。 すぐ押手川(おうてがわ)の分岐。 同行者の記憶では、前回ここに水が流れていたそうだが今回はなし。 右は青年小屋への道。我々はまっすぐ進む。 この辺りから北八ツ風の苔と岩の世界に入る。
傾斜も急になり、木の根・岩がゴロゴロした階段風の道になる。 空を見上げると青い空にダケカンバの黄葉が生えて秋らしい風情。 こんな天気の良い日に山に登れてついている・・・。 ここから頂上までは等高線のしわが狭くなっている所。 見上げても見上げても直登に道が続いている。 空の上に何もなくなってやっと稜線。 岩のごろごろしたピークが編笠の頂上。13:50着。 |
編笠山の頂上から八ヶ岳を望む |
きれ〜い。目の前に赤岳・中岳・阿弥陀岳。 端っこの方に蓼科山とそれに続く稜線。 ずーっと上のほうに今日の宿泊予定の権現小屋。 その上はごつごつした権現岳。 八ツは山全体が錦織物。どちらかといえば黄色が多い。 振り返って南アルプス。甲斐駒・仙丈・北岳・北沢峠などが見える。 ちょっと横を見ると御岳・乗鞍。 もうちょっと視線をずらすと北アルプス。 槍のとんがりが見える。なら、そのとなりが穂高か・・・。 ほんとうにぐるり360°の景色。 |
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同行者は胃の調子が今一つ。久しぶりの山行のせいかも。 権現小屋はここから2時間。遥かとお〜い山の上に見えるが、 2階休憩を取れば着くわけだから、「ゆっくり行こうよ」と。 下りはなんて楽なんでしょう。 紅葉の始まった木々の間の狭い道をすいすいと下っていく。 青年小屋の上は大きな石がゴロゴロ。 岩の天辺のペンキに導かれてひょいひょいと踏んで降りていく。 青年小屋通過、14:35。 おもしろ〜い。暖簾に「遠い飲み小屋」と書いてある。 同行者の記憶によればいろいろなお酒が置いてあったとか。 う〜ん、権現小屋に決めたのは早計だったかも・・・。 クラッシック音楽もバックミュージックでかかっていたとか。 でも、どちらも村営だし、権現小屋のほうが空いているだろうと考えたし、 同行者がまだ泊まっていない小屋を・・・と考えた末の選択だから仕方がないか・・・。
一番底まで降りてからいよいよ登りにかかる。 下ってからの登りはこたえる。スピードが落ちる。 黙って登った見晴らしのいいピークが「ノロシバ」らしい。 なるほど、狼煙を上げるのにぴったりの場所。 振り返ると本当に編笠のような左右対称になっている山である。 ここからしばらくはたらたらの楽な道になったがすぐ、ギボシの岩場になる。 ザレとガレの入り混じったジグザグの道をペンキに導かれて登り、 鎖場をトラバースして、権現小屋に着。16:00。 小屋の中は薄暗く、7〜8名がコタツの中や机の前に座っている。 小屋番さんは丁度4時の無線の交信の時間。終わるのを待って手続き。 素泊まり1人4500円。 コタツはあんか入り。ビールは私好みによく冷えている。 この小屋はランプのみ。
早めに昼食にしないと暗くなるから・・・と促し、準備に取り掛かる。 その間にも続々と人が入ってきて狭い小屋は満員。 寝室は蚕だなの様な2階。垂直の梯子で登る。 自炊は3組。東京からの20代の男性と向かい合って 端っこの自炊用の机でいつものマーボー野菜。 水は100円で買う。大きなタンクからひしゃくで1リットル汲んでくれる。 小屋番さんは夏は2人。今は1人で全部やっていると。 たくさんできたので東京の男性におすそ分け。彼は白米の雑炊のみ。 本当はテント泊だが、昨日赤岳鉱泉であまりにも寒かったし、 青年小屋までテント場がないので・・・の理由で今日は小屋泊まりにした・・・と。 食欲は2人ともあり、体調は良いようである。 食べ終わって片付けてもまだ明るい。 隣のテーブルでは小屋の食事が始まっている。 カレーとスープとサラダ。お代わりは自由だとのこと。
食後、ザックは1階の棚の上に置いて、 必要なものだけ持って垂直の怖い梯子を登る。 靴も紛失しないよう大きなビニール袋に2人分入れて棚に置く。 奥に向かって右側はもう満員。左にはまだ余裕。 1枚の布団に2人と聞いたので窮屈かな?と思ったら 敷き布団がダブルのように広いので(敷いてくれた人がかけ布団と間違えたらしい が、かえってゆとりができて)楽々となった。 布団が暖かいので「何で?」と聞くと、こちら側の布団だけ干したのだそうな。ラッキー。 おかげでほかほか布団で眠れた。 布団に入るとぽかぽかしてすぐ眠りの世界へ。今日は鼾をかく人もなく静か。 夜中、暑くてズボンも靴下も脱ぐ。
早朝外へ出ると、十六夜の月が煌々と辺りを照らしヘッドランプが要らないほど。 あまり明るいので星がたった2つしか見えない。 街の灯も車のライトもよく見える。月の周りには大きな光輪。 天気が悪くなるのかと気掛かり。 寒くないので石に座って白い月の光を浴びて 静かなひと時を楽しんでから部屋に戻る。
5:30に外へ出るともう明るい。同行者を起こして、5:45出発。 天気がよければ外で朝食を食べることにしている。 2〜3分で権現への分岐。 林さんは2度目なので分岐で待っているというが 私は初めてなので頂上を踏みに出かける。 あっという間に難なく頂上着。分岐の同行者に手を振ってすぐ下山。6:00発。
すぐ急な下りに入る。ストックを片付け、「源治バシゴ」に取り付く。 60数段あるとかのながーい梯子。 赤岳に上るにはまだまだ下らなければならない。気の抜けない岩の下りが続く。 前方に阿弥陀・中岳・赤岳の稜線がくっきり見える。 直線でいければ短いのだが・・・。
ツルネと呼ばれる小ピークに着、7:00。 キレット小屋で朝食を・・・と考えていたがどん底では展望が悪い。 ここなら広場もあるし、展望は360°だし、風もないしでここを朝食の場に決める。 サラダと飲み物、雑炊。行動用のお茶も沸かして7:35発。
ここから下った所がキレット小屋。テント場と水場がある。 ここから赤岳までの高度さは、440m。 キレットあり、岩棚あり、岩稜ありでスリルがあって面白い。 滑りやすいザレたジグザグの道を登り、 足元が切れている鎖場を登りつめた所が稜線。 阿弥陀・中岳・赤岳が谷を隔ててよく見える。 赤ペンキを探しながら岩棚を登っていく。ぐいぐい登る感覚がいい。 下から見えたピークは赤岳ではなく天狗尾根だった。 登りつめた所からやった赤岳が姿をあらわした。 まだまだ急登は続く。 同行者の足取りが重いのは、1ヵ月半のブランクがあるからか? |
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真教寺尾根と赤岳との分岐で |
真教寺尾根と赤岳との分岐に着。「私はここで待っている」と同行者。 ザックを置いて1人で赤岳へ。 身軽になると小走りで行けてしまう。9:45頂上着。 即、下山。 さっきの分岐に戻ってみると、彼女は地面に横たわって休憩中。 ぽかぽかと日があたって昼寝に最適だったという。10:00発。 |
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八ツの秋は黄色が多い |
8箇所ほどの鎖場・・・・とあったが、急な岩場が連続する。 登りは足元が見えるのでいいが、 下りは足元が見えないので危険・・・を感じる。 鎖にすがり、落石を起こさないように慎重に足場を選び、下る。 赤岳から中岳への下りより緊張する。 やっと鎖場から抜け出ると今度は歩き難い 岩ゴロゴロ地帯がしばらく続く。 |
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扇山・牛首山までは歩きやすい道。つい早足になる。 ビールを楽しみにどんどん下る。 展望台に13:30着。 ビールがないのでラベンダーのアイスクリームとウーロン茶で我慢する。 あと少し・・・と思ったがながーくながーく感じた。 スキー場の中を突っ切るのを避け登山道を選んだからか? 羽衣の池を通過し、ずーっと続く人工的階段を降りる。 そして、町営の「たかね荘」に着、14:30。 タクシーを呼んで待つ間にロビーでビールを飲む。空になる前に来てくれた。 清里駅から小海線で小淵沢へ。満員の人出。 塩尻・中津川で乗り換え多治見に着。 |