リハビリ山行 〜花いっぱいの山歩き〜

    白馬三山 (猿倉〜白馬三山〜鑓温泉〜猿倉) 
 
●場 所 長野県
●標高 白馬岳:2932.3m
●山行日 1997年8月13日(木)〜8月14日(金)
●コース 猿倉〜白馬尻〜大雪渓〜村営頂上宿舎(泊)〜鑓温泉〜猿倉
●多治見から
   登山口まで
JR多治見駅ーJR松本駅ーJR白馬駅⇒猿倉(登山口
※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ⇔その他
●参加者 丹羽
●コースタイム 1日目 8月13日(水)
JR多治見駅
JR白馬駅
猿倉
白馬尻
葱平
村営頂上宿舎
白馬岳頂上往復
0:36発
5:37〜5:45
6:12〜6:50
7:50〜7:55
9:05〜9:15
11:30〜12:55
・・・
2日目 8月14日(木)
村営頂上宿舎
鑓温泉
猿倉
5:35発
10:30〜10:55
14:55〜15:15
            周辺地図はこちら


1日目  8月13日(水)

2回目のリハビリ山行 白馬へ

前の目、長谷川恒男さんの著書を読んでいて、「怪我をしたって登りたい時には登ればいい」という内容の文を読んで、「そうだ!足も指も最善とはいえないけれど、『山へ行きたい!』気持ちを我慢することはないんだ」と思い、急遽計画を立てる。

白馬か、唐松か。
花の奇麗な山、以前行って様子が分かっている山、危険な所が無い山、歩行時間が長くならない山・・・と考え、白馬・唐松どちらでもいいようにコースタイム、電車、バスの時刻などを調べる。

去年、急行に座れずつらい目をしているので、指定席が空いているか聞きに行って、空いていたら行くことにする。

空いていた。しかし喫煙席のみ。仕方が無い、それで頼む。

多治見〜松本、急行指定席1560円、多治見〜白馬3570円、松本〜白馬、急行券730円。

夜7:00前のニュースを見ると、昨日までの予報とは変わり、あまり良いとは言えない天候

払い戻ししようか。延期にしようかなど心が定まらない。

「いいや、天気が悪くっても花が見えればいいや」と思い、決心する。

急行の指定席で

多治見発、0:36の「急行ちくま」に乗車。
5号車。禁煙席が空いているのに・・・と思いながら通路を歩いて自分の席へ。
隣はいないのでラッキー。
靴を脱いで、バンダナでアイマスクをしてすぐ寝る用意。

松本4:01着。

松本で30分ほど待って4:32「急行アルプス」で白馬駅へ。

白馬駅5:37着。

白馬駅からバスで猿倉へ

駅前ではさかんに「計画書を出してください」と呼びかけていた。
白馬駅からバス、5:45発。
ザックを膝に乗せ隣に座って貰う。助手席にも座っているから120%くらいか。

猿倉に、6:12着。こんなに早くてもたくさんの人・ 人。

トイレ(順番待ちで時間がかかった)、計画書記入・提出、朝食を済ませて、6:50発。

花を見ながらゆっくり歩く

林道を歩いていても懐かしい花・花・花
何人もの人に「お先にどうぞ」と譲り、登山口へ。

石ゴロゴロの道だが、ゆっくり登れば大丈夫
山はガスの中。
途中で雨が降り出したので雨具を着けたが、ひどくはならなかった。

白馬尻に7:50着。
あれ?計画書の標準コースタイムでは1時間10分とあるのに、1時間で来れたって?
あんなにゆっくり歩いてきたのに?
一人の旅は、休まない、休めない

白馬尻の先でアイゼン装着

ポカリを飲んで出発。7:55発。
15分ほど先の雪渓の下で身支度。8:10〜8:20。
たくさんの人がここでアイゼンを着けている。

ベンガラの撒いてある赤い道をたどって登っている。

あたりは、ガスから晴れ間へ、晴れ間からまたガスへとめまぐるしい変化。

雪渓の上は、涼しいだろうからと雨具は着たまま。

3ケ月山を休んでいたが、体は覚えていた

1歩1歩足を上げていけばどんどん歩けてしまうし、息も乱れない。
珍しく何人も追い越してしまった。

3ヶ月も休んでいたが、体は覚えていたということか。

冷蔵庫を開けた時のような涼しい風の合間に、ときおり生暖かい風が吹き抜けていく。

今年は小雪渓は無し

葱平に9:05〜9:15。
ここから土の上を歩いて行くはず…と思ったら、まだまだ雪渓が続いていて、また外したアイゼンを着ける。

やっと雪渓が終わりアイゼンを外す
まだ、小雪渓があるからと思い、アイゼンはザックの外に付けておく。

斜めになっている歩きにくい階段を登り、いよいよ小雪渓へ入るかと思ったら、今年は小雪渓は無し。

ゴロゴロの石・岩(その間を雪渓の溶けた水が流れている) の道を登る。

ばったり、山仲間に出会う

10:05〜10:15、小雪渓直下のお花畑の横で休憩していると、「あれ?見た顔が…」と思ったら、なんと同じ労山仲間のご夫婦

私より早く出発したらしく、「何処で抜かされたのか」と聞かれる。
奥さんは、私の指の包帯に見覚えがあるらしく「昼食の時らしい」と。

後をついて歩くが、また追いこしてしまい、そのまま山荘下のお花畑通りへと 出る。

新しい小屋の建設中で、何処だろう外国の旗が立っている。

花・花・花・の道

この景色が見たかった!!右も左も花・花・花
こっちで立ち止まり、そっちで立ち止まり・・・と花を愛でながらゆっくりゆっくり登る。

空は晴れたりガスったりと忙しい。

小屋のすぐ下で大粒の雨
すぐ雨具の上下を着る。
さすが新しいゴア テックス。中までしみ込まないのが有り難い。

なんと!11:30に村営頂上宿舎に着いてしまった。

村営宿舎は、まだがら空き

すぐ手続き。
労山仲間とは違う部屋。

早すぎて、どの部屋もがら空き。

「富士の間」も私が1番。窓のそばに陣取る。

生ビールとカツ丼で昼食

おなかも空いたし、ここには生ビールがある。
さっそく1階の食堂へ降りる。 生ビール850円。

おつまみで食べていたが、行動食のパンを食べる気にもなれず、ヒレカ ツ井も頼む。1100円。

外の景色を楽しみながら山の上で生ビールなんて・・・

時間がありすぎるので、頂上へ

少し休んでもまだまだ時間は早い。
よし、頂上へでも行ってくるかと、雨具の上だけ着て登りはじめる。12:55発。

稜線へ出るとまた植生が変わる

山頂はまたもや雨

さっきまで良い天気だったのに、白馬山荘を過ぎたあたりから強い風と雨

白馬の頂上で良い天気だったためしがない。
いまさら戻るのも業腹・・・と頂上目指す。

風雨は止むことも無く、ズボンはびっしょり。あ〜あ。

下りはやっぱり時間がかかる。1歩1歩がおぼつかない

下からどんどん登ってくる。

部屋は10人になった

「富士の間」の部屋も、結局は、奈良からのテント持ち1人、千葉からの1人。若者3人と2人。高年2人の計10人

蚕棚の上はがら空き。

濡れたズボンは乾燥室へ
雨具のズボンを代わりにはいているのでぽかぽか。

5:00からの夕食まで、布団に入ってうつらうつらして、若者の話を聞きながら眠ってしまう。

夕食はバイキング形式

夕食はバイキング方式。
しかし、昼食にたっぷり脂っこいものを食べたので胃が空いていない。
珍しくお代わりもしないで済ませる。
厚揚げがちょっと甘すぎて1個しか食べれず残してしまった。
いわしのフライはパス。

単独行の女性同士で話し込む

単独行の女性2人と話し込む。
話し掛けやすい人たちで、単独行も良いもんだなあと考えを改める。

行動食がアンパン1個という女性にパンを3個進呈。
奈良の女性にはチョコレートを進呈。

19:00には就寝。

2日目  8月14日(木)

いい天気!

朝、話し声で目が覚める。4:30頃。

窓を開けるとまあまあの天気。
1番の食事で早立ちしようと準備する。

5:00に食事を始め、5:35出発。

昨日の脂っこい食事がまだあとを引いていてお代わりができず。

来て良かった!!

良い天気、風も無い。展望良し。
遠く、「剣」の方まで見えてしまう。

白い雪渓、青い空、緑の山。いいねえ・・・来て良かった。来れて良かった

テン場を覗き込む斜面に、いっぱいの花

頭の中に名前を書き込み書き込み、ゆっくり歩く。

今日は鑓温泉泊まり。慌てることはない。

緩い上り下りをしながら、左右の花を足を止めて見ながらの稜線歩き。シ・ア・ワ・セ

同室だった女性と住所交換

6:35〜6:45。休憩していると、部屋でお隣だった単独行の女性。
住所・名前・電話番号 までメモして渡してくれる。
千葉県佐倉市の女性。わ〜お。

半分メモ紙を破って私の住所も書いて渡す。 (以後ずっと年賀状のやり取りをしている)

彼女は、昨日私が言った「せっかく来たんだからゆっくりしていったら」の言葉を受けて、「今日帰るのは止める」という。

「それなら縦走をお勧めする」と言うと、気をそそられたよう。
(結局彼女は、「鑓温泉経由下山、翌日栂池へ」の予定を、「唐松までの縦走」をすることになった)

杓子岳はトラバース道を

杓子岳をトラバースして、白馬鑓の登りの途中でまた会った。7:30〜7:35。
さすがに健脚。
鑓への登りの同じ場所で、またあの黒い花「ミヤマアケボノソウ」に出会った。
懐かしい。

ガスが出はじめ展望が悪くなった。が、これで涼しくなる。

鑓の頂上はパス

鑓の頂上はパスして、下る。

このガレガレのところにほんの少しコマクサがある。
千葉の女性が待っていて教えてくれる。珍しい花だってことも知らないのではね・・・と言っている。

ここでお別れ。

「分岐から2時間半で鑓温泉」への標識。

下りは慎重にゆっくり

ここから本格的な下り。
とにかく花を楽しみながらゆっくり歩くことに徹する。

何十人と「お先にどうぞ」を繰り返し、譲り譲り下る。

8:35〜8:45、休憩。

静かだし、花はいっぱいだし、天気ははまあまあだし、言うこと無し。
小さな虫が飛び交っていて、食べ物を取り出す気にはならなかったが・・・

暑い時はバンダナを帽子の下に入れて、日焼けを防ぎ、涼しくなったら帽子を 取って髪に風を入れ・・・とのんびり歩く。

また雷鳥に出会えた

雷鳥の親子がすぐ道の左にいた。子供が4羽。
「3m離れて観察するように」の注意も守らず(知らず)近くへよりたがる男性に警告する。

そのちょっと下では、ロープの中に入って写真を撮っている男性も。
グリーンパトロールに見つかったら絶対警告を受ける行為なのにね。9:35〜9:40。

また雷鳥に出会えた

岩場の鎖場が少しでてきたが、気をつけて下れば何のことはない。
ここが唯一の難所

そして何と10:30には、鑓温泉に着いてしまった!!

鑓温泉に早く着きすぎたので、今日中に下山とする

どうしよう、こんな早く着いてしまって・・・
夜は長いし、温泉は包帯をしていて入れないし、だったら猿倉まで行ってしまおう・・・ということにする。

3時間のコースタイムなら、4時間みておけばいいだろうと解釈する。

水場で、水を汲んで牛乳を作り2杯も飲んでしまった、
パン1個もおなかの中へ。

花・花・花の道を下る

10:55発。
ここからも花・花の連続。目を楽しませ、先を譲り、のんびり下る。

雪渓も2〜3回渡り、たらたらの道を下る。

前回の記憶に無い登山道もあり、きっと雪渓の様子によって登山道が変わったのだろうと解釈する。

そこだけは、まだ道が新しく落ち着いていないので要注意。

まだまだ、花の道

着かず離れずだった2パーティーに先を譲ってまた、静かな山行を続ける。
12:10〜12:15、トリカブトとコゴメグサの前で休憩。

まだまだ花は続く。いいねえ、この道。

13:03、湿地の下で休憩。

ここまでで2時間。なら、あと1時間で着くかと思ったら、前回も思ったことだが、ここからがまだまだ長い。

結局、猿倉には14:55着。9時間20分の行動時間。

15:15発の臨時バスで白馬駅へ。

15:50、白馬駅着。

いいよう〜、白馬は

温泉に入るには短い時間。

駅前で昼食を取る。
「天下の白馬」なのにこれといった食堂が無いのがおしい。

白馬駅発、16:30乗車。松本駅、18:09着。乗り換えて18:14発。
後は多治見まで直通。21:10着。

夜、花友達にTEL。「いいよう、白馬は」と。


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