リハビリ山行 〜花いっぱいの山歩き〜 白馬三山 (猿倉〜白馬三山〜鑓温泉〜猿倉) |
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前の目、長谷川恒男さんの著書を読んでいて、「怪我をしたって登りたい時には登ればいい」という内容の文を読んで、「そうだ!足も指も最善とはいえないけれど、『山へ行きたい!』気持ちを我慢することはないんだ」と思い、急遽計画を立てる。 白馬か、唐松か。 花の奇麗な山、以前行って様子が分かっている山、危険な所が無い山、歩行時間が長くならない山・・・と考え、白馬・唐松どちらでもいいようにコースタイム、電車、バスの時刻などを調べる。 去年、急行に座れずつらい目をしているので、指定席が空いているか聞きに行って、空いていたら行くことにする。 空いていた。しかし喫煙席のみ。仕方が無い、それで頼む。 多治見〜松本、急行指定席1560円、多治見〜白馬3570円、松本〜白馬、急行券730円。 夜7:00前のニュースを見ると、昨日までの予報とは変わり、あまり良いとは言えない天候。 払い戻ししようか。延期にしようかなど心が定まらない。 「いいや、天気が悪くっても花が見えればいいや」と思い、決心する。
多治見発、0:36の「急行ちくま」に乗車。 5号車。禁煙席が空いているのに・・・と思いながら通路を歩いて自分の席へ。 隣はいないのでラッキー。 靴を脱いで、バンダナでアイマスクをしてすぐ寝る用意。 松本4:01着。 松本で30分ほど待って4:32「急行アルプス」で白馬駅へ。 白馬駅5:37着。
駅前ではさかんに「計画書を出してください」と呼びかけていた。 白馬駅からバス、5:45発。 ザックを膝に乗せ隣に座って貰う。助手席にも座っているから120%くらいか。 猿倉に、6:12着。こんなに早くてもたくさんの人・ 人。 トイレ(順番待ちで時間がかかった)、計画書記入・提出、朝食を済ませて、6:50発。
林道を歩いていても懐かしい花・花・花。 何人もの人に「お先にどうぞ」と譲り、登山口へ。 石ゴロゴロの道だが、ゆっくり登れば大丈夫。 山はガスの中。 途中で雨が降り出したので雨具を着けたが、ひどくはならなかった。 白馬尻に7:50着。 あれ?計画書の標準コースタイムでは1時間10分とあるのに、1時間で来れたって? あんなにゆっくり歩いてきたのに? 一人の旅は、休まない、休めない。
ポカリを飲んで出発。7:55発。 15分ほど先の雪渓の下で身支度。8:10〜8:20。 たくさんの人がここでアイゼンを着けている。 ベンガラの撒いてある赤い道をたどって登っている。 あたりは、ガスから晴れ間へ、晴れ間からまたガスへとめまぐるしい変化。 雪渓の上は、涼しいだろうからと雨具は着たまま。
1歩1歩足を上げていけばどんどん歩けてしまうし、息も乱れない。 珍しく何人も追い越してしまった。 3ヶ月も休んでいたが、体は覚えていたということか。 冷蔵庫を開けた時のような涼しい風の合間に、ときおり生暖かい風が吹き抜けていく。
葱平に9:05〜9:15。 ここから土の上を歩いて行くはず…と思ったら、まだまだ雪渓が続いていて、また外したアイゼンを着ける。 やっと雪渓が終わりアイゼンを外す。 まだ、小雪渓があるからと思い、アイゼンはザックの外に付けておく。 斜めになっている歩きにくい階段を登り、いよいよ小雪渓へ入るかと思ったら、今年は小雪渓は無し。 ゴロゴロの石・岩(その間を雪渓の溶けた水が流れている) の道を登る。
10:05〜10:15、小雪渓直下のお花畑の横で休憩していると、「あれ?見た顔が…」と思ったら、なんと同じ労山仲間のご夫婦。 私より早く出発したらしく、「何処で抜かされたのか」と聞かれる。 奥さんは、私の指の包帯に見覚えがあるらしく「昼食の時らしい」と。 後をついて歩くが、また追いこしてしまい、そのまま山荘下のお花畑通りへと 出る。 新しい小屋の建設中で、何処だろう外国の旗が立っている。
この景色が見たかった!!右も左も花・花・花。 こっちで立ち止まり、そっちで立ち止まり・・・と花を愛でながらゆっくりゆっくり登る。 空は晴れたりガスったりと忙しい。 小屋のすぐ下で大粒の雨。 すぐ雨具の上下を着る。 さすが新しいゴア テックス。中までしみ込まないのが有り難い。 なんと!11:30に村営頂上宿舎に着いてしまった。
すぐ手続き。 労山仲間とは違う部屋。 早すぎて、どの部屋もがら空き。 「富士の間」も私が1番。窓のそばに陣取る。
おなかも空いたし、ここには生ビールがある。 さっそく1階の食堂へ降りる。 生ビール850円。 おつまみで食べていたが、行動食のパンを食べる気にもなれず、ヒレカ ツ井も頼む。1100円。 外の景色を楽しみながら山の上で生ビールなんて・・・
少し休んでもまだまだ時間は早い。 よし、頂上へでも行ってくるかと、雨具の上だけ着て登りはじめる。12:55発。 稜線へ出るとまた植生が変わる。
さっきまで良い天気だったのに、白馬山荘を過ぎたあたりから強い風と雨。 白馬の頂上で良い天気だったためしがない。 いまさら戻るのも業腹・・・と頂上目指す。 風雨は止むことも無く、ズボンはびっしょり。あ〜あ。 下りはやっぱり時間がかかる。1歩1歩がおぼつかない。 下からどんどん登ってくる。
「富士の間」の部屋も、結局は、奈良からのテント持ち1人、千葉からの1人。若者3人と2人。高年2人の計10人。 蚕棚の上はがら空き。 濡れたズボンは乾燥室へ。 雨具のズボンを代わりにはいているのでぽかぽか。 5:00からの夕食まで、布団に入ってうつらうつらして、若者の話を聞きながら眠ってしまう。
夕食はバイキング方式。 しかし、昼食にたっぷり脂っこいものを食べたので胃が空いていない。 珍しくお代わりもしないで済ませる。 厚揚げがちょっと甘すぎて1個しか食べれず残してしまった。 いわしのフライはパス。
単独行の女性2人と話し込む。 話し掛けやすい人たちで、単独行も良いもんだなあと考えを改める。 行動食がアンパン1個という女性にパンを3個進呈。 奈良の女性にはチョコレートを進呈。 19:00には就寝。
朝、話し声で目が覚める。4:30頃。 窓を開けるとまあまあの天気。 1番の食事で早立ちしようと準備する。 5:00に食事を始め、5:35出発。 昨日の脂っこい食事がまだあとを引いていてお代わりができず。
良い天気、風も無い。展望良し。 遠く、「剣」の方まで見えてしまう。 白い雪渓、青い空、緑の山。いいねえ・・・。来て良かった。来れて良かった。 テン場を覗き込む斜面に、いっぱいの花。 頭の中に名前を書き込み書き込み、ゆっくり歩く。 今日は鑓温泉泊まり。慌てることはない。 緩い上り下りをしながら、左右の花を足を止めて見ながらの稜線歩き。シ・ア・ワ・セ〜
6:35〜6:45。休憩していると、部屋でお隣だった単独行の女性。 住所・名前・電話番号 までメモして渡してくれる。 千葉県佐倉市の女性。わ〜お。 半分メモ紙を破って私の住所も書いて渡す。 (以後ずっと年賀状のやり取りをしている) 彼女は、昨日私が言った「せっかく来たんだからゆっくりしていったら」の言葉を受けて、「今日帰るのは止める」という。 「それなら縦走をお勧めする」と言うと、気をそそられたよう。 (結局彼女は、「鑓温泉経由下山、翌日栂池へ」の予定を、「唐松までの縦走」をすることになった)
杓子岳をトラバースして、白馬鑓の登りの途中でまた会った。7:30〜7:35。 さすがに健脚。 鑓への登りの同じ場所で、またあの黒い花「ミヤマアケボノソウ」に出会った。 懐かしい。 ガスが出はじめ展望が悪くなった。が、これで涼しくなる。
鑓の頂上はパスして、下る。 このガレガレのところにほんの少しコマクサがある。 千葉の女性が待っていて教えてくれる。珍しい花だってことも知らないのではね・・・と言っている。 ここでお別れ。 「分岐から2時間半で鑓温泉」への標識。
ここから本格的な下り。 とにかく花を楽しみながらゆっくり歩くことに徹する。 何十人と「お先にどうぞ」を繰り返し、譲り譲り下る。 8:35〜8:45、休憩。 静かだし、花はいっぱいだし、天気ははまあまあだし、言うこと無し。 小さな虫が飛び交っていて、食べ物を取り出す気にはならなかったが・・・ 暑い時はバンダナを帽子の下に入れて、日焼けを防ぎ、涼しくなったら帽子を 取って髪に風を入れ・・・とのんびり歩く。
雷鳥の親子がすぐ道の左にいた。子供が4羽。 「3m離れて観察するように」の注意も守らず(知らず)近くへよりたがる男性に警告する。 そのちょっと下では、ロープの中に入って写真を撮っている男性も。 グリーンパトロールに見つかったら絶対警告を受ける行為なのにね。9:35〜9:40。
岩場の鎖場が少しでてきたが、気をつけて下れば何のことはない。 ここが唯一の難所。 そして何と10:30には、鑓温泉に着いてしまった!!
どうしよう、こんな早く着いてしまって・・・ 夜は長いし、温泉は包帯をしていて入れないし、だったら猿倉まで行ってしまおう・・・ということにする。 3時間のコースタイムなら、4時間みておけばいいだろうと解釈する。 水場で、水を汲んで牛乳を作り2杯も飲んでしまった、 パン1個もおなかの中へ。
10:55発。 ここからも花・花の連続。目を楽しませ、先を譲り、のんびり下る。 雪渓も2〜3回渡り、たらたらの道を下る。 前回の記憶に無い登山道もあり、きっと雪渓の様子によって登山道が変わったのだろうと解釈する。 そこだけは、まだ道が新しく落ち着いていないので要注意。
着かず離れずだった2パーティーに先を譲ってまた、静かな山行を続ける。 12:10〜12:15、トリカブトとコゴメグサの前で休憩。 まだまだ花は続く。いいねえ、この道。 13:03、湿地の下で休憩。 ここまでで2時間。なら、あと1時間で着くかと思ったら、前回も思ったことだが、ここからがまだまだ長い。 結局、猿倉には14:55着。9時間20分の行動時間。 15:15発の臨時バスで白馬駅へ。 15:50、白馬駅着。
温泉に入るには短い時間。 駅前で昼食を取る。 「天下の白馬」なのにこれといった食堂が無いのがおしい。 白馬駅発、16:30乗車。松本駅、18:09着。乗り換えて18:14発。 後は多治見まで直通。21:10着。 夜、花友達にTEL。「いいよう、白馬は」と。 |