リハビリ山行 〜天狗岳は風雨強くて引き返す〜 北八ヶ岳 (麦草峠〜高見石〜黒百合ヒュッテ〜渋の湯) |
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植物の会で栂池自然園に行く計画に参加する予定だったが、当日朝、台風のため中止になりガックリ。 それじゃあ、どこか手近なところで楽に行けるところと考え、北八ツの計画書を作って遭対に届ける。 天候が今一つはっきりしないので、出発が決まったら連絡することにし、どう転んでもエスケープルートで下山できるような計画書にする。 結局、8月7日出発とする。 早朝すごい雨が降り、「近畿地方は大雨、 沖縄は台風」という天気予報だが、まだ影響は少ないだろうと楽観的に考えることにする。 「青春18切符」を購入し多治見駅6:07に乗車。 延々乗り継いで、茅野駅に9:39着。
横岳ロープウエーへのバスは9:45発だが、よくよく考えてみると、縞枯から麦草への道は何度も歩いている。 今の時期なら麦草へバスも出ているし、時間短縮になると考え、「麦草行き」のバスを待つことにする。 ぎらぎらと暑い日になり、陰を求めてバス待ちをする。 10:15発、1時間ちょっとで麦草着。 行動食を食べて11:40発。 勝手知ったる道を登っていったはずだが、いつのまにか見慣れない景色になり、「えっ?もしかして自駒池へ降りるの?」と思ってしまったが、また登りになり一安心。 ついこの前、12月に来ているのに雪が無いとあるでは大違い。
ゆっくり歩いているので息も切れず、足も痛まず、すいすいと歩けてしまう。 丸山への登りは、こんなに岩ゴロゴロで歩きにくいところだった? リハビリ1回目の選択は正しくなかったかもと思えるほどの急登。 休憩中の集団登山の中学生の列を追い抜きざまに、今日のコースを尋ねると「白駒池からバスに乗って軽井沢へ」と聞きほっとする。 後ろからの集団に巻き込まれな いよう早足で歩いて高見石へ。13:05着。 ちょっと泊まるのには早いなあと考え、やっぱり黒百合ヒュッテまで行くことにする。 標準コースタイムでは1時間05分のところを、1時間15分で歩いたことになる。
休憩していると、目の片隅をささっと動くものがいる。 はっと見上げるとたぶ んリス。2匹梢に登っていくところ。 気が付いたのは私1人だけ。 座った場所がリスの領分との境界らしく、ロープが張ってあって「ここからはリスのえさ場です」という立入禁止の前だったかららしい。 13:15発。
中山への登りでまた集団登山の高校生に出会う。 延々続くので「何人?」と聞くと「300人くらい」と答える。 ええっ、それじゃあ、待っているわけにもいかないと思い、すれ違いながら歩くことにする。 「山登りって面白いですか?」と尋ねられ「面白いわよ」と答えるが、彼らは団体で前の人について歩き、言われたように歩くだけだから面白味も無いのだろうと同情する。
丸山からの下りはやはり登りほど楽ではない。 予想していたとおり、さっと足が出ない。ゆっくり降りる。 黒百合ヒュッテに15:30着。 標準コースタイムが1時間35分のところ2時間10分ということ。 小屋の中は、いつもながら薄暗く、始め目が慣れない。 子供連れのファミリーが多い。
「今日の泊まりは?」と聞くと「30人くらい」との返事。まあまあだね。 布団割りが決まるまで1階でビールを飲みながら待つ。 しかし、夕食までの時間(5時30分)が長いので手持ちぶさた。 やっと2階にあがり布団が決まる。 階段のすぐそば。目印を置いて1階へ。 やっと夕食。おなかが空いて食欲もりもり。 1テーブルに6人検討で座って、真ん中に大皿に乗ったおかず。 皿が無いので、すべてごほんに乗せるぶっ掛けご はん風。 ハンバーグやサラダなどまあまあの量と味。ごはんも汁物もおかわりする。 後は、寝るしかない。2階へいって横になる。 個室の横なので出入りがあるが、左隣は空きで、ゆっくり眠れる。 夜中、ざ〜っと降る雨の音を夢うつつで聞く。
朝、ガス。風は無し。時折ざ〜っと雨。 小屋のお兄さんに今日の天気予報を聞くと、「こんなもんでしょう、でも天気は回復に向っていますよ」の返事。 昨日と同じ席なので、挨拶を交わしながら食事。 前に座っていた顔の黒い人は、 ガイドだという。 昨日まで白馬でガイドをして、明日また戻るとのこと。 「ここ(北 八ツ)を選んだのは正解ですよ」と言われ、よほどの混み具合なのだろうと察する。 彼は「この天気だけど縦走する」と言うが、他の人達は「天候を見て」と言う。私も。 5:55発。天候が回復するなら・・・と天狗に向けて出発することにする。 現在雨は止んでいるし、風も無いから。 稜線コースより、「天狗の庭」からの方が風が少しでも弱くなるだろうと考え、ヒュッテの前から登りはじめる。
ところが少し登ると、もう風ビュービューの世界。 不安定に足をつけばよろめくほど。 フードの紐を絞り頭を風にさらさないようにして、岩ゴロゴロの道を歩く。 小ピークの標識をたどって下りはじめると赤いペンキで×。 あれ?おかしいと思 い戻り違う踏み跡をたどるとまた×。 もう一度戻りやっぱりこれしかないと歩きはじめると、3度目の正直であっていた。 天気さえ良ければ天狗の方を目指して歩けるのだが、真っ白のガスでは方向感覚が無くなる。 と、雨が降ってきた。 風にもまれた雨は、びしびしと叩くように雨具の上から体を打ちつける。 止むまでしばらくの間と思い岩陰で休むことにする。 ちょうど30分たった頃、6:05。 休みながら、雨脚が衰えたかな?と思い、岩陰から立つとやっぱりびしばしと打ちつける。 あ、まだだめか・・・とまた座り直すことを繰り返したが、天候は回復するという言葉と、少し小止みになった雨に後を押れて出発することにする。 6:15発。
しばらく歩いて稜線に出ると、またまたさっきを上回る雨と風。 ここから天狗までは避けるものも無い稜線。しかたない、戻ることに決める。 下山は慎重に。黒百合ヒュッテに7:45着。 素通りして、渋の湯への道を取る。 「えっ、これが登山道?」というような沢の道を降りていく。
そういえばこのコースは、近頃雪道しか歩いていないので、歩きやすいというイメージしかなかったが、こん な道とは以外。 一度は引き返そうかと思ったほど。 赤テープはないし、沢を歩いているようなものだから。 しかし、だんだんと記憶が戻ってくる所も(鉄の橋)現われたので一安心。 しかし、こんなに滑りやすいところとは!!! 斜めに下がった木の橋は滑りそうで怖いし、それを避けようと思って迂回すると岩もつるっとくるしで、ひやひやの連続。
いつ何処で左手の指が負傷したかも分からないが、「あれ?何この指。曲がっている!」と思い軍手を取って見るが、痛くも腫れてもいないでただ曲がっている。 もしかしてまた骨折?ともひらめいたが、とにかく「何かで固定して」と思い、新聞紙と細紐でぐるぐる巻くことにする。 それからもひやひやの連続でやっと唐沢鉱泉との分岐に9:05。 ここからは、 たらたらの道が続いた後、ぐぐっと渋の湯まで降りると頭にあるので少しは気が 楽になる。 イチヤクソクがいっぱいあるのを唯一の楽しみに歩く。 高見石分岐に9:35、 渋の湯に10:45着。 渋の湯の手前で、つるっと滑って尻もちをついたが今度は何処も負傷せず。 ああ良かった〜
11:17発のバスまで約30分。温泉に入ろうと決めるが、雨具を脱いだり、温泉セットを用意したり、足の包帯を取ったり、片手で洗わなければいけないなどで時間がかかり、カラスよりも早く浴槽から出て身支度をする。 さすがにさっぱりして気分は良い。 ビールはバスの中で飲むことにして乗り込む。
下界は雨知らずの暑い日。 茅野で時間があったのでいつもの駅前の食堂で食事。カツカレー。 茅野駅、12:51発の「急行あずさ」に乗車。 塩尻13:14着。 ここから青春切符で13:22発。 中津川で乗り換えして(15:22〜15:39)多治見に16:18着。 すぐ「接骨院」へ。 「捻挫だろう」といわれたが、心の中では「筋が切れた」と思っている。 |