リハビリ山行 〜天狗岳は風雨強くて引き返す〜

  北八ヶ岳 (麦草峠〜高見石〜黒百合ヒュッテ〜渋の湯) 
 
●場 所 長野県
●標高 高見石:2300m  中山:2496m
●山行日 1997年8月7日(木)〜8月8日(金)
●コース 麦草峠〜丸山〜高見石〜中山〜黒百合ヒュッテ(泊)〜天狗登頂を試みたが風雨が強くて引き返す〜黒百合ヒュッテ〜渋の湯
●多治見から
   登山口まで
JR多治見駅ーJR茅野駅⇒麦草峠(登山口)
※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ⇔その他
●参加者 丹羽
●コースタイム 1日目 8月7日(木)
JR多治見駅
JR茅野駅
麦草峠
高見石
黒百合ヒュッテ(泊)
6:07発
9:39〜10:15
11:20〜11:40
13:05〜13:15
15:30
2日目 8月8日(金)
黒百合ヒュッテ
天狗岳の途中から引き返し
黒百合ヒュッテ
渋の湯
5:55発
6:25頃
7:45
10:45〜11:17
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1日目  8月7日(木)

職場復帰1ヶ月後、リハビリ山行へ

植物の会で栂池自然園に行く計画に参加する予定だったが、当日朝、台風のため中止になりガックリ。

それじゃあ、どこか手近なところで楽に行けるところと考え、北八ツの計画書を作って遭対に届ける。

天候が今一つはっきりしないので、出発が決まったら連絡することにし、どう転んでもエスケープルートで下山できるような計画書にする。

結局、8月7日出発とする。
早朝すごい雨が降り、「近畿地方は大雨、 沖縄は台風」という天気予報だが、まだ影響は少ないだろうと楽観的に考えることにする。

青春18切符」を購入し多治見駅6:07に乗車。

延々乗り継いで、茅野駅に9:39着。

そうだ!麦草から歩こう

横岳ロープウエーへのバスは9:45発だが、よくよく考えてみると、縞枯から麦草への道は何度も歩いている。

今の時期なら麦草へバスも出ているし、時間短縮になると考え、「麦草行き」のバスを待つことにする。

ぎらぎらと暑い日になり、陰を求めてバス待ちをする。

10:15発、1時間ちょっとで麦草着
行動食を食べて11:40発。

勝手知ったる道を登っていったはずだが、いつのまにか見慣れない景色になり、「えっ?もしかして自駒池へ降りるの?」と思ってしまったが、また登りになり一安心。

ついこの前、12月に来ているのに雪が無いとあるでは大違い

雪道は楽々  雪がないと岩ゴロゴロ

ゆっくり歩いているので息も切れず、足も痛まず、すいすいと歩けてしまう。

丸山への登りは、こんなに岩ゴロゴロで歩きにくいところだった?
リハビリ1回目の選択は正しくなかったかもと思えるほどの急登。

休憩中の集団登山の中学生の列を追い抜きざまに、今日のコースを尋ねると「白駒池からバスに乗って軽井沢へ」と聞きほっとする。

後ろからの集団に巻き込まれな いよう早足で歩いて高見石へ。13:05着。

ちょっと泊まるのには早いなあと考え、やっぱり黒百合ヒュッテまで行くことにする。

標準コースタイムでは1時間05分のところを、1時間15分で歩いたことになる。

リスがいた!

休憩していると、目の片隅をささっと動くものがいる。
はっと見上げるとたぶ んリス。2匹梢に登っていくところ。
気が付いたのは私1人だけ。

座った場所がリスの領分との境界らしく、ロープが張ってあって「ここからはリスのえさ場です」という立入禁止の前だったかららしい。 13:15発。

集団登山の高校生300人と出会う

中山への登りでまた集団登山の高校生に出会う。
延々続くので「何人?」と聞くと「300人くらい」と答える。

ええっ、それじゃあ、待っているわけにもいかないと思い、すれ違いながら歩くことにする。

山登りって面白いですか?」と尋ねられ「面白いわよ」と答えるが、彼らは団体で前の人について歩き、言われたように歩くだけだから面白味も無いのだろうと同情する。

下りは、登りより神経を使う

丸山からの下りはやはり登りほど楽ではない。
予想していたとおり、さっと足が出ない。ゆっくり降りる。

黒百合ヒュッテに15:30着。
標準コースタイムが1時間35分のところ2時間10分ということ。

小屋の中は、いつもながら薄暗く、始め目が慣れない。
子供連れのファミリーが多い。

シーズン真っ只中なのに、空いていた

「今日の泊まりは?」と聞くと「30人くらい」との返事。まあまあだね。

布団割りが決まるまで1階でビールを飲みながら待つ。

しかし、夕食までの時間(5時30分)が長いので手持ちぶさた。

やっと2階にあがり布団が決まる。

階段のすぐそば。目印を置いて1階へ。

やっと夕食。おなかが空いて食欲もりもり。
1テーブルに6人検討で座って、真ん中に大皿に乗ったおかず。

皿が無いので、すべてごほんに乗せるぶっ掛けご はん風

ハンバーグやサラダなどまあまあの量と味。ごはんも汁物もおかわりする。

後は、寝るしかない。2階へいって横になる。
個室の横なので出入りがあるが、左隣は空きで、ゆっくり眠れる。

夜中、ざ〜っと降る雨の音を夢うつつで聞く。

2日目  8月8日(金)

「天気回復」を信じて天狗へ

朝、ガス。風は無し。時折ざ〜っと雨

小屋のお兄さんに今日の天気予報を聞くと、「こんなもんでしょう、でも天気は回復に向っていますよ」の返事。

昨日と同じ席なので、挨拶を交わしながら食事。

前に座っていた顔の黒い人は、 ガイドだという。

昨日まで白馬でガイドをして、明日また戻るとのこと。
「ここ(北 八ツ)を選んだのは正解ですよ」と言われ、よほどの混み具合なのだろうと察する。

彼は「この天気だけど縦走する」と言うが、他の人達は「天候を見て」と言う。私も。

5:55発。天候が回復するなら・・・と天狗に向けて出発することにする。
現在雨は止んでいるし、風も無いから。

稜線コースより、「天狗の庭」からの方が風が少しでも弱くなるだろうと考え、ヒュッテの前から登りはじめる。

風はビュービュー  雨はビシバシ

ところが少し登ると、もう風ビュービューの世界
不安定に足をつけばよろめくほど。

フードの紐を絞り頭を風にさらさないようにして、岩ゴロゴロの道を歩く。

小ピークの標識をたどって下りはじめると赤いペンキで×。
あれ?おかしいと思 い戻り違う踏み跡をたどるとまた×。
もう一度戻りやっぱりこれしかないと歩きはじめると、3度目の正直であっていた。

天気さえ良ければ天狗の方を目指して歩けるのだが、真っ白のガスでは方向感覚が無くなる。

と、雨が降ってきた。
風にもまれた雨は、びしびしと叩くように雨具の上から体を打ちつける。

止むまでしばらくの間と思い岩陰で休むことにする。
ちょうど30分たった頃、6:05。

休みながら、雨脚が衰えたかな?と思い、岩陰から立つとやっぱりびしばしと打ちつける。

あ、まだだめか・・・とまた座り直すことを繰り返したが、天候は回復するという言葉と、少し小止みになった雨に後を押れて出発することにする。 6:15発。

稜線歩きは避けるものもない・・・下山しよう

しばらく歩いて稜線に出ると、またまたさっきを上回る雨と風
ここから天狗までは避けるものも無い稜線。しかたない、戻ることに決める。

下山は慎重に。黒百合ヒュッテに7:45着。

素通りして、渋の湯への道を取る。

「えっ、これが登山道?」というような沢の道を降りていく。

雪のない道は滑りやすく歩き難い

そういえばこのコースは、近頃雪道しか歩いていないので、歩きやすいというイメージしかなかったが、こん な道とは以外。

一度は引き返そうかと思ったほど。

赤テープはないし、沢を歩いているようなものだから。

しかし、だんだんと記憶が戻ってくる所も(鉄の橋)現われたので一安心。

しかし、こんなに滑りやすいところとは!!!

斜めに下がった木の橋は滑りそうで怖いし、それを避けようと思って迂回すると岩もつるっとくるしで、ひやひやの連続。

なんで指が曲がった?

いつ何処で左手の指が負傷したかも分からないが、「あれ?何この指。曲がっている!」と思い軍手を取って見るが、痛くも腫れてもいないただ曲がっている

もしかしてまた骨折?ともひらめいたが、とにかく「何かで固定して」と思い、新聞紙と細紐でぐるぐる巻くことにする。

それからもひやひやの連続でやっと唐沢鉱泉との分岐に9:05。

ここからは、 たらたらの道が続いた後、ぐぐっと渋の湯まで降りると頭にあるので少しは気が 楽になる。

イチヤクソクがいっぱいあるのを唯一の楽しみに歩く。

高見石分岐に9:35、

渋の湯に10:45着。
渋の湯の手前で、つるっと滑って尻もちをついたが今度は何処も負傷せず。
ああ良かった〜

カラスの行水より早く

11:17発のバスまで約30分。温泉に入ろうと決めるが、雨具を脱いだり、温泉セットを用意したり、足の包帯を取ったり、片手で洗わなければいけないなどで時間がかかり、カラスよりも早く浴槽から出て身支度をする。

さすがにさっぱりして気分は良い。
ビールはバスの中で飲むことにして乗り込む。

下界は雨無し・・・

下界は雨知らずの暑い日
茅野で時間があったのでいつもの駅前の食堂で食事。カツカレー。

茅野駅、12:51発の「急行あずさ」に乗車。
塩尻13:14着。

ここから青春切符で13:22発。
中津川で乗り換えして(15:22〜15:39)多治見に16:18着。

すぐ「接骨院」へ。
「捻挫だろう」といわれたが、心の中では「筋が切れた」と思っている。


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