唐松岳を目指したが・・・ |
白馬方面 風が無ければぽかぽか陽気 |
●場 所 | 長野県 | |||
●標高 | 丸山ケルン 2430m |
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●山行日 | 1998年3月29日〜3月30日 | ||||
●コース | 八方池山荘・・・丸山ケルンまで その上から引き返し | ||||
●多治見から 登山口まで |
JR多治見駅ーJR白馬駅⇒八方⇔ゴンドラとリフトで・八方池山荘へ ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ⇔その他 |
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●参加者 | 林、丹羽 | ||||
●コースタイム | 1日目 3月29日(金)
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多治見8:55発「白馬行きの特急しなの」に乗車。 2時間で白馬駅に着、11:56。 白馬駅前は、ギラギラの天気で暑い。22℃。 駅で昼食用に弁当とお焼きを購入。 おやつのお焼きを、太陽にに背中を向けて立ち食い。 ここで食べておいてよかった。 ず〜っと何も口にする暇もなく八方池山荘に着いてしまったから。 バス待ちの人は大勢。 乗りこむ寸前、駅前の売店でインスタントカメラを買いに走る。 こんなに天候がいいんだもの。12:10、バス発。 八方にすぐ着いて、おなじみのゴンドラ「アダム」に乗り込む。 まわりはスキーヤーばかり。 ゴンドラの下は地肌が所々黒く見えている。 リフトは右という頭があるので右へ降りていくと、無人。 「八方池へはもうひとつの左手のリフトへ」と注意書き。 それにしたがってまた登りかえす。 八方池まで通しで切符を買ったつもりがいちいち支払わなければならないので面倒。 スキーヤーではないので1回券を買ってリフトに乗る。 2回リフトに乗って、八方池山荘の真ん前に着。13:15。
以前来た時より駅が山荘に近い。それに2回も乗ったかなあ? もう少し向こうにもリフトの駅がある。 何だ、向こうからでも八方池山荘へは来れるじゃないの。 山荘で「1泊弁当付き」の手続きをし、持参のお昼を食べる。 風は冷たくはなく、時間もたっぷりあるので散歩に出る。14:00。 スパッツとチョッキのみの軽装がたたった。
じっとしていると寒い。稜線に出るとびゅんびゅん吹いて体温を奪って寒い。 髪は風にもまれるし耳も痛いので、バンダナで頭を覆う。 同行者は、雨具の上と冬帽子の装備で快適らしい。 あ〜あ。判断を誤った。 ゆっくりもしておれず、1時間でもどる。15:00。
持参の冷酒を雪の中に埋め、飲み頃にしてチビリチビリと始める。 夕食はまだまだ。 食堂で本を見たり、合宿・山行の相談をしたり、公開山行のあり方などについて論議する。 泊まりは、2テーブル程度の人数。女性用・男性用とお風呂の時間も分けてある。 窓の外はびゅんびゅん吹いている。 唐松は風が強いって本当だ。 お風呂に入っている時もビュービューと建物を震わせる。 屋根が飛んだらどうしよう、裸で逃げるのか、そんなことしたら寒さでショック死するわ・・・などと冗談を言い合う。 夜中じゅう、山荘が倒れるかと思うほどの風で、眠りが妨げられる。
朝方、風と風の間隔が少し空いてきた頃からぐっと寝入る。 5:00起床。 食堂で行動食を食べ身ごしらえをする。6:15発。 ストックと いらない装備は置いていく。 稜線は風が強い。 装備は万端。 ケルンを一つずつクリアしていく。
八方池は雪の下。 誰かがテント泊したのか整地した跡が残っている。あの下は水面なのに・・・ 第3ケルンを目指す。前回はここでギブアップ。 登りはクラストしている雪面で、アイゼンがぐっ、ぐっと2段階で効いてくる。 風を避けて稜線より右に下がった斜面を登る。 ここからが初めての道になる。 まわりは白の世界。我々2人のみ。
ダケカンバの林の中に入ると風が弱まる。 雪を掘り下げたテント場跡が並んでいる。 快適な場所。ここで一休みしたいなと思うほど。 しばらく行った所で立ったまま休憩、7:55〜8:05。 直登と回りこむ道と分かれている。 どちらが風に吹かれないかと思案して、結局 直登を選ぶ。
一息、一息足を出す。アイゼンが強い味方をしてくれる。今回は12本爪。 その上新品の痛くないゴアの靴。 くるぶしの部分を伸ばしてもらっているので初めてにも関わらず快適。 トレースを探しながら、足場のいいところを選びながら登りきる。 この上に丸山ケルンがあるはず・・・と思いながら登る。 無雪期は左の方へ巻いて登るが、今はどこでも登れてしまう。
丸山ケルン、8:35。 平らな雪面の後は、いよいよ頂上へ向かう稜線へ。 風は相変わらず強く、体を風のくる方へ傾斜させて丁度良い具合。 風に体を任せるというわけ。 それでも飛ばされそうな時は、耐風姿勢をとる。
少しの風の弱まりを捉えて、思い切ってすぐ歩き出さないと、いつまででもその姿勢でいなければならないほど。 つるりのっぺらとした小高いピークに出ると、またまた風が強い。
何度も耐風姿勢をとっていると、だんだん気力が萎えてくるのが分かる。 「もうここまででいいわ」という気分になってきて、同行者に、「この先へ行く気がない」ことを言う。 「ええっ〜、丹羽さんが」と言われるが、今日はどうも戦闘的になれない。 私に付き合って下ることにする。 と、少し下ると風が弱くなり、性急すぎたか?と思うようになる。
おなかが空いているので気力が出ないかもと思い、行動食をおなかに入れる。 同行者は丸山ケルンの陰で何か食べているらしい。 まだ時間は早い。もう一度挑戦してみようと、同行者に声をかけまた登りかえすことにする。 やはりピークは風が強い。 我慢してもうちょっと先まで行こうと心に決める。 左は落ち込んでいる崖、右は少し緩やかな斜面。 トレースは尾根についているが、風が恐いので右へ逃げる。 仰ぎ見ると稜線が唐松の頂上へと伸びている。
一度下ってまた登りに入るところで、胸がどきどきして胸騒ぎがする。 「よっし、行くか」と いう気にならない。 風が私の気力を奪ったのか、恐怖感を煽ったのか。 やっぱり引き返すことにする。 同行者は、何の胸騒ぎも恐怖感もなかったという。
いったいどうしたことだろう。9:50、引き返す。 帰りはすいすい。 しかし、雪が腐ってずぼずぼになりはじめている。 帰りは耐風姿勢もなく(風が弱まったのかも)登ってくる人たちとすれちがう。 彼らは頂上ま で行けたのだろうか? だんだん暑くなる。
あ〜あ、今回も行けなかった!という気持ちだけが残る。 11:25、山荘に着。 おなかが空いてたまらない。 熱いお茶を貰おうと頼んだところ、熱い豚汁までご馳走になった。 山荘の女性のサービス。嬉しいな。
スキー場を歩いて下ることにする。 アイゼンを外し、大胆に足を出せば傾斜がついているのでどんどん楽々下れてしまう。 前回、ガスのためスキーヤーに追突された記憶があるが、今回は視界良好。 雪は、シャーベット状態。 アダムの乗り場より、駅よりに下山。 立ち並んでいるお店のすぐ前まで雪がある。 店の前でいつものように時刻調べをしながら装備を解く。 「特急しなの」直通にきめる。 バス発車までビールを飲む時間もある。 お店お手製の野沢菜の漬物を肴に飲む。 お・い・し〜い。 |