黒部源流へ花好きの3人で |
黒部五郎岳・三俣蓮華岳・雲ノ平 |
3日目 7/29 黒部五郎小屋〜薬師沢小屋
4:00起床。 下へ下りるともう、2人はパッキングの最中。 5時の朝食まで並んで待つということで、談話室に入る。 もう、10人くらいが座って待っている。 順番を待ちながら手書きの地図に花の名前を書き込んだりしていると、「笠が見 える」という声。 窓の外を覗くとくっきり見える。 空は青く、天気は上々。
食事を済ませ、準備を整えて出発、5:50。 いきなりの急登。でも、キヌガサソクやべニバナイチゴなど目を楽しませてくれるものがあって気が紛れる。 @休憩 6:25〜6:35。黒部五郎も笠もバッチリ見えるビューポイントで。 ここからは、緩い登りのたらたら道。
今日はミヤマリンドウも精いっぱい花びらを開いてお出迎え。 紫のきれいなことといったら! 雪田のあった所も今回跡形もな い。薬師のどーんとした大きな山並み。 A休憩 7:25〜7:35。三俣蓮華の下で。 今回、トラバース道を取らず、 天気がいいので稜線の道にした。 この道はまだ夏が早く、チングルマ・ミヤマダイ コンソウ・アオノツガザクラ・ウサギギク・ヨツバシオガマも、たくさん美しいままの姿で残っている。
B三俣蓮華の頂上で休憩。8:00〜8:10。 双六も槍も穂高も鷲羽もばっちりくっきり。 今日は雲ノ平までか、それとも薬師沢までか、決めかねているので、さあ、行こうかと声をかける。 「ええっ、もう?」という反応だったが下りにかかる。 「本当にこっちの道でいいの」と心配げな声。 「大丈夫」と請け合 って下ると、見事なイワギキョウの固まり。
下ってから分岐を左にとる。 ここからの道が楽しい道だった。 ミヤマリンドウは嫌というほど花を開いているし、ハクサンフウロも鮮やかだし、水は流れているし、道は下りで楽だし・・・
Cテント場の水場で休憩。9:00〜9:10。 前回あんなにどうどうと流れていた水が、今回はチョロチョロ。 水場もパイプの先から細い水が流れているだけだが十分冷たくて十分おいしい。 2人のメンバーは「こんな所でのんびりぼんやりし ていたいねえ」と共感しているが、私はせっかちな性分なのでできない。 流れに沿って黒部の源流へ下りる。 この道がまたいい。 せせらぎの音、トリカブトの紫色、クロクモソクの固まり、イワアカバナの固まり、ハクサンフクロの鮮や かなピンク、花に囲まれて源流へ下る。
D休憩 10:00〜10:10。川を渡っていよいよこれから登りに入る所で。 オレンジを切って貰う。果物は元気の素。 さあ、ここからがきつい登り。 遠くから幾筋か赤茶色の登山道が見えていたが、 ほとんど直登。 落石を起こさないよう、少しでも段差の小さい所をと選んで登る。 E休憩 10:50〜11:00。一服平と名づけれるような、登り切った所で。 三俣山荘が目の高さになっている。 三俣蓮華はガスの中。 ここからはたらたらで雲ノ平まで。 雪田も無く花も無い道を歩く。
F休憩 11:40〜11:50。爺ガ岳との分岐で。 行きに15分、帰りに1 0分といった所。 ガスが出てきているので展望はよくないだろうからと登るのは止めにする。 雲ノ平山荘が見えるがまだまだ遠い。 すぐに下りとなる。下った所がテ ント場。 前回こんな川のような所にテントを張って・・・と心配していたが今回水は無し。 どうやって水を手に入れるのかと思ったら、ホースでどこからか引いているらしく細い水が流れている。
G休憩 12:10〜12:20。水場で。 水筒にも詰め、飲んでもみる。うん、冷た〜い。 山荘まで一山越さなければならない。 越した所から、右へスイス庭園という標識がある。 どんどん行ってそれからどうなるかが分からない。 地図を見ると、爺ケ岳へと続いているらしい。 どこにもそんな分岐がなかったのに・・・? ザッ クを置いて途中まででも行ってみようと思い出かける。 全部木道になっている。正面には水晶岳。 木道がきれたところが終点。 花はエゾシオガマくらいしかない。 H休憩 行き止まりで。ベンチもある。先客が1人。 う〜ん、いい眺め。 先程ま で頭を隠していた水晶も今はバッチリ。
さあ、今日の宿をどこにしようかと相談を 持ち掛けると、「雲ノ平はたこ部屋」という言葉が尾を引い て、ここで1泊する気になれないらしいし、私も明日の行程を考えると天気のいい今日下った方がいいと思うし、平野さんも3人目のメンバーもOKというしで、下ることに決定。
I13:10〜13:15、山荘を見学してから出発。 アルプス庭園の標識があったので行ってみるが、さっきと同じ景色なので「もうい いや」と先へ行くのを止める。 メンバーの1人のストックの先が取れたのに気づいて、探しながら戻ると無事発見。 ギリシャ庭園やアラスカ庭園もあるはずなのに、どこか分からない。 木道をどんどん歩く。 前回はまだ工事中で、材料がボーンと置いてあったが、今回はそれも無し。 ということは木道が伸びているんだということになる。 しかしど こも同じ景色にみえ変化がない。てくてく歩く。
J休憩 14:05〜14:25。トイレ休憩も兼ねて、休憩ベンチの所で。 ここから少し行ったら(14:30)とうとう木道が途切れ、山道に入った。 しかしすぐまた木道が出て、今度は5分くらいで終了。 いよいよ急な下りに入るわけ。 樹林の陰で岩は湿っていてうっかりするとつるっと滑るので、慎重の上にも慎重 に足を出す。 あっと思うことも度々。 メンバーの1人のズボンの裾が、木の根っこに引っか かって、頭から落ちるという恐いことも起きたが、幸い顔も手も異常なくほっと一安心。 上手に転んだんだねえ。
K休憩 15:20〜15:30。急坂の途中で。 いつまでこの下り続くの・・・と いいかげん嫌になるほど下ってやっと薬師沢の小屋が見えた。 沢の音がだんだん大きくなってくるのに励まされる。 急な梯子を降りて川に出る。 小屋は二俣の真ん中にあるので、また急な梯子を登って吊り橋を渡って行かなければならない。 小屋に16:20着。延々、10時間半の行動時間。 でも、ここなら水はいっぱ いあるし、明日の行動時間は少なくなったし、沢の音を聞いて寝れるしでいいことづくめ。
自炊場は、「食堂のテーブルが空いていればどうぞ」といわれた、が既に先客が使って いるので、寒くもないし外のテーブルで作ることにする。 洗濯をしながら、お湯を沸かしながら交代で作ることにする。私はビールを飲ん だあとだったし、ぼんやりしていたためか足元をはずして川の中にドボン! 靴の中に水が入ってしまった。 洗うべき上着で中をゴシゴシ、靴下もゴシゴシこすってから、座り込んで洗濯。 全く臭いシャツだった。 乾燥室はもう、がんがんにストーブが炊いてある。 シャツも ハンカチも靴も入れておいてから、ゆっくり夕食に取り掛かる。 500c cで足りずにビールのお替わり350c cを貰う。 夕食の献立は、コンビーフの野菜妙めと、昆布の煮物とポテトサラダ。 隣りに座っていた女性グループに乾燥米を見せたり料理の講釈をしたりする。
7時の天気予報までには終わり、テレビの前に陣取る。 ここのTVは、ははっきり見える。 明日もたいした崩れが無いことを聞いて部屋に戻る。 テレビの前にいた男性からイワナシの話を聞き、実を貰う。 「まだ青いからだめだわ」と思っていたのが大きな間違いで青くてもはじけていればおいしいことを聞いて早速、メンバーにも紹介する。 皮をむいて食べてみると本当にナシの味がする。感激!。 体を濡れタオルでふいてさっぱりして部屋へ戻ると、既に階下の女性パー ティーは就寝中。 布団に入るが暑くて暑くてシーツだけで寝ていた。 戸を開ければいいのにと思うが・・・ |