緊張の連続 |
穂 高 縦 走 (前穂〜奥穂〜北穂) |
北穂から槍への 行けなかった縦走路 |
●場 所 | 長野県南安曇郡安曇村 | |||||||
●標高 | 前穂高 3090m 奥穂高 3190m 北穂高 3106m |
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●山行日 | 2001年8月18日〜8月20日 | ||||||||
●コース | 上高地〜岳沢〜前穂〜奥穂〜北穂〜 涸沢〜上高地 |
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●多治見から 登山口まで |
多治見IC=松本IC=沢渡⇒上高地 ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス |
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●参加者 | 丹羽、平野明 (中原、平野秀・・・途中でお別れ) | ||||||||
●コースタイム |
1日目 8月18日
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始めへ | 1日目 | 2日目 | 3日目 |
お盆を過ぎれば山も少しは空いているかと思い 岳沢〜穂高〜槍ヶ岳縦走を計画する。 岩嫌いの友人には同行を断られ、1人でも行こうかと思っていたら平野さんが乗り気。 彼女は岩の山を登ったことがない。 しかし、頼みは日ごろのランニングで鍛えている彼女の体力と、 木登りが好きだという高所非恐怖症と、バイタリティー。 平野秀さんは、3日間も休めない。中原さんは体力的に無理と判断して、岳沢までは同行。 それ以降は2人だけの行動とする。 |
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上高地から岳沢を望む |
上高地はさすがお盆過ぎ。空いているな・・と思ったがなんのなんの。河童橋は写真も取れないほどの混みよう。 「今日しかよい天候がない・・・」ということもあると思って、岳沢ヒュッテの赤い屋根をバックに写真を撮り合ってから出発。 |
岳沢ヒュッテまでは番号のついた標識があり、その数がだんだん減っていくのが励みになる。 どうやら10分ごとらしいと気づいた。 13:10、小屋に着。まずはビールで乾杯。少し休憩の後、早い夕食作りを始める。 今回、車が使えたし、強力な助っ人がいたので自炊に決めてある。 ヒュッテのテラスにある大きな石作りのテーブルで、 ビールを飲みながらの食事作り。こたえられないね〜。 正面に霞沢岳・焼岳。眼下に上高地。後ろに奥穂への稜線。 |
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岳沢を過ぎてすぐのお花畑 早朝なのでまだ暗い |
ここのトイレは水が流れっぱなし。垂れ流しではないかと心配。 水は蛇口から出るので洗濯や歯磨きをしている人がいて愕然!!。 夜中、遭難者か?小屋の人がサポートしに出かけているらしく、玄関前では煌々とライトが山に向かって照らされていた。 |
引き返す人は身軽で出発。我々も要らない荷物を持ち帰ってもらえるので少々身軽。 すぐお花畑。秋のトリカブトを中心に黄色・白色の花が 西穂への稜線をバックに咲き乱れている。 見事な風景の「カモシカの立場」 その先には梯子が待っているので、 2人はここから帰ることになり分かれる。 それ以後、鎖と梯子を何回も越えて紀美子平へ。 大勢の人が休んでいる。ザックを置いて前穂に向けて出発。 最初のとっつきが分からなかったが後は滑りやすい砂礫の道を ペンキをたどりながら楽々頂上に着。 |
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紀美子平で まだこのときは 青空だったのに・・・ |
登りの途中でガスが出てきて、頂上に着いたときはすでに真っ白の世界で何も見えず。 引き返した紀美子平からも、依然展望はなし。 奥穂に向かう。鎖場こそないが岩稜地帯なので十分気をつけて進む。 ガスでも涸沢方面はよく見える。 長い登りの鎖場を上がった所が南稜の頭。 ガスの中からピークが見える。お社のあるところが頂上。 |
頂上直下の鎖場で体をぐいぐい持ち上げて頂上に着。 ここも真っ白の世界。少し待ったが晴れてこないのであきらめてコルへ降りることにする。 今日で一番たらたら歩きの所がここの下り。 最後の梯子と鎖場にかかると前の若者4人で足が止まる。 どうやら女性2人をサポートしながららしい。先頭の女性は「誰かこっちむいてー」と のんきに両手を振っている。登山道を避けて待っている登山者がいるというのに。 ついつい、『待っている人がいるんだからさっさと行かなくちゃ』と言ってしまった。 |
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稜線右側の涸沢は見えるが 左側は真っ白 |
梯子と鎖を難無くこなして穂高山荘前に出る。12:20着。 予定ではここに泊まるまることになっているが、明日の天候は下り坂。 雨が降っては前進できないので今日中に北穂まで行くことにする。 涸沢岳の登りに入る。ざらざらした道で歩きにくい。 奥穂から見たときには、「すごい高さの天辺に人がたくさんいるなあ」と見ていたが、今度は「奥穂の登りに行列ができているなあ・・・」と感心する。 |
頂上は昼寝をする人やら休んでいる人やらでごった返している。 2人で写真をとってもらってからさあ行こうとすると 「これからどこへ行くの?断崖絶壁を降りるの?」とプレッシャーをかけてくる人がいる。 次に会った人からは、「この道は緊張せずに鼻歌でも歌いながら降りるといいよ。 下からの人が見えないから声をかけて・・・」とアドバイスをもらう。 |
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奥穂の下りを振り返る |
本当に断崖絶壁だった!!。 しかし、鎖はしっかりしているし、ピトンは適当な所に打ってあるしで思ったよりはスムースに降りれた。 この後は、鎖・梯子・岩屑・やせ尾根の上り下りの連続で緊張のしっぱなし。 後ろを振り返っては「よくあんな所を下ってきたものだ・・・」と感心し、 これからの登りに目をやっては「すごい所を登っていくんだ・・・」と奮い立つ。 |
前から来る人の通過待ちに脇に避けていると、これからの様子を聞かれる。 「ぜーんぶ怖い所です」とこたえる。 さあ、北穂の登りにかかるか・・・と思ったら、とたんに鎖がなくなってしまった。 今までなら、べたべたというくらい危険そうな所についていたのに、パタッとなくなってしまい、 手と足だけを頼りに岩に取り付く。 鎖は、下りにも登りにもトラバースにもなく、たった1箇所登りにあっただけ。 |
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緊張の連続 やっとカメラを出すことができた |
そこを登ればもう涸沢からの合流点か?と期待したがまだまだ先は長かった。 が、16:00には着くと思っていた通り、北穂の頂上には15:50に着。 待ちに待っていたビールは、今日はおいしくない。緊張のし過ぎか? 小屋は3階の蚕棚の下。2人で使えるので良しとする。 寝転んで今日の行動を振り返り「お互いによくやったよね」と褒めあう。 |
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食事はいつもの豚のしょうが焼き。ご飯も味噌汁もお代わり。 お茶もお湯も無料でもらえてしまったのでガスの出番はなし。 夜、トイレへ出たついでに空を見る。星も槍もバッチリ見える。 朝方、風が出てきて戸や屋根をゆすっている。やっぱり台風か。 |
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鋭い岩稜 |
4時起床。頂上へ出ると素晴らしい景色が広がりそう。平野さんを呼びに行って頂上へ。 |
昨日まで見えなかった景色がバッチリ。360度全部見える。 笠・富士・薬師・蝶・常念・南アルプス・・・・。 明るくなっていく空の薄青・ピンク・白・日の出の眩しい赤色。素晴らしいひと時だった。 十分堪能してから1回戦目の朝食に間に合うように引き返す。 出発前に、テラスで地図と山を照らし合わせる。黒部五郎と鷲羽を確認。 昨日「槍まで行きます」といっていた女性が1人で下っていった。 うーん、あのぎざぎざの稜線が飛騨泣きや大キレットに続くのか・・・と見送る。 |
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北穂の頂上から こんなきれいな朝焼けは はじめて |
5:50発。トップを平野さんに代わり、快調に下る。 お花畑を見ながら涸沢ヒュッテに8:00着。 通いなれた道を追い抜かしながら横尾へ。 明日から台風がくるというのに、登る人が続々。 明神から急に観光客が増え、間を縫って上高地へ。 30分後に新島々行きのバスに乗車。 |
その他のアルバム
岳沢のテラスから 奥穂への稜線を見上げる |
焼岳が朝日に輝く | ガスで真っ白な 北穂の頂上 |
北穂の頂上で見る日の出 |
北穂からの下り 昨日歩いた稜線 |
鎖場下のお花畑 | 振り返ってみる 涸沢岳・涸沢槍・北穂 |