八ツを見直した
     南八ツ縦走 (赤岳〜横岳〜硫黄岳〜天狗岳)



赤岳頂上を振り返る


コマクサ
20年前とは大違い
大群生となっていた

●場 所 長野県茅野市
●標高 赤岳 2899m  横岳 2835
硫黄岳 2742m  天狗岳 2646m
●山行日 2001年7月20日〜7月22日
●コース 美濃戸口〜行者小屋〜赤岳〜横岳〜硫黄岳〜
天狗岳〜黒百合ヒュッテ〜渋の湯
●多治見から
   登山口まで
多治見駅ー茅野駅⇒美濃戸口
※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
●参加者 丹羽 
●コースタイム 1日目 7月20日
多治見駅発
茅野駅
16:21
18:53
2日目 7月21日
茅野駅
美濃戸口
美濃戸
行者小屋
赤岳
横岳
硫黄岳
根石山荘
6:00
6:45〜6:50
7:30
8:45〜9:50
11:55〜12:15
13:55
14:45
16:30頃
3日目 7月22日
根石山荘
天狗岳
黒百合ヒュッテ
渋の湯
5:50
6:35〜6:40
7:20〜7:30
9:30


海の日を含む3連休である。絶対混むと分かっているので山へ行かないことにしていたが、
花に誘われ時間差登山で行くことにする。

1日目 7月20日

茅野の「駅前ステーション」に予約を入れてある。ここも満員らしい。
前回より値段が高くなり、風呂も小さく、エアコンも効いていない部屋で、
窓を開けて寝ることにする。今度からほかを探そう。

2日目 7月21日

のっけから花・花・花の一日

6:00の始発バスに乗車。45分で美濃戸口に着。7時前で駐車場はもう満車。
歩き始めてすぐ、ヤマオダマキに会う。
ピンクのシモツケ・ホタルブクロ・タテヤマウツボグサ・イブキジャコウソウ
である。それも車の埃にまみれた姿で。

    
   シロバナノヘビイチゴ
ずっと課題が残っていたトリアシショウマとヤマブキショウマの違いを
解決しようとじっくり葉っぱを観察していくがはっきりできない。

美濃戸からは南沢に沿って登る。静かで沢の音が聞こえ私の好みにピッタリ。
薄暗い樹林の中は、コバノイチヤクソウ・ゴゼンタチバナ・ギンリョウソウ
日当たりのいい所ではシロバナノヘビイチゴ・クルマユリなど。
 
行者小屋までは、時々人に出会うくらいの静かな山行が楽しめた。
行者小屋には大勢の人。冷たい水がドードーと流れている。
アイスコーヒーを作ろうと思ったが冷たすぎて粉が溶けない。じゃりじゃりと食べながら飲む。

「花の楽しめる」阿弥陀と中岳のコルを目指す
やっとこの高さからオサバグサが姿をあらわす。それも終わりがけで。
 
  
      オヤマノエンドウ  早い夏に咲く

急な登りで力が入らない。さっきの小屋で行動食を食べなかったせいらしい。
展望のいい所でパンを1つ食べる。うん、元気が出た。

コルまでの道で、以前感動したお花畑はどこかと探したが、
その面影なし。もっと花の多い山をたくさん見たからか。
それでも、ムカゴトラノオ・メタカラコウ・タカネグンナイフウロ・マルバダケブキ・
バイケイソウ・ミヤマカラマツ・ミヤマキンポウゲ・キバナシャクナゲ
くらいはあった。

コルでは、阿弥陀へ登る人は列をなしていたが反対側の赤岳側へはひっそり
行者小屋を左下に見て明るい稜線をるんるんと歩く。
キバナシャクナゲもハクサンシャクナゲも既に栄華はなし。
こんどは、チシマギキョウ・コバノコゴメグサ・ミヤマダイコンソウ
の姿が現れた。

中岳からの下りに入るとコマクサの集団がある。
ロープが張ってないので近くまで寄って観察できる。

赤岳の登りに入るコルに着。
ほかの岩場をたくさん経験したせいか、最初の頃のあの緊張感が生まれてこない。
難なく頂上に着。頂上直下でミヤマオダマキ一株。

頂上は鈴なりの人。人も多いが犬もいる。先は長い、出発。
下って登って下ってと明るい開放的な稜線。風も涼しいし天候も穏やかで言うことなし。
チョウノスケソウはほとんどねじれた種になっている。ここは本当に多い。

  
   チョウノスケソウ  これも早い夏に咲く

梯子も鎖も空いていてほとんど待つことなし。

  
横岳からがコマクサの大群落。
赤茶けた火山岩地帯にずうーっとピンクの集団
右も左もピンクの絨毯。こんなに南八ツにコマクサが多いとは驚き。

  

  

以前来たのは20年程前。それからぐんぐん株が増えたのか??
北・南・中央アルプスの中で一番といって良いほど。

硫黄への登りはざっと踏んで30分と思い、ゆっくらこっくらと登る。
予定通り頂上に着。
今度は、爆裂火口を右手に見て下る。

    
    ミヤマダイコンソウの群落  これも早い夏に咲く     ムシトリスミレ  湿った所が好き

下の方に青い屋根が見えるがあれが夏沢ヒュッテ。
今日の泊まりは、根石山荘。そのまた山の向こう側
行程の最後が登りというのは疲れる。しかも、樹林帯で見通しは聞かない。
同じような花ばかりだし、いいことなしでひたすら登る。

オーレン小屋への道を分けてからすぐ、樹林から解き放たれた所が根石山荘。
コマクサ
も咲いている。しかし、さっき見たよりも密度が粗い。

小屋の中は結構な人数。空いていそうな小屋を探したのだが、
それでもこの人数。

明日の行動用のお茶を沸かそうとガスの頭をつけると、シューというガスの音。
あれれ??と思いながら点火してしまったから大変。
湯は沸いたがねじって消すことができない

ガスがなくなるまで待とうと1時間以上もつけていたが、
まだまだガスは元気。
食事の時間も近づいたので、とうとう観念して、
手袋をはめて力づくで頭のねじをぐいとねじった所簡単にはずれ、
ガスも止まり一件落着となった。
なーんだ。もっと早く決心すればよかったーと思いながらガスを振ってみるとカラ。
だからできたのかも???

夕食はこんな小さい小屋なのに豪華。食べれば寝るだけ。
私の後から来たのは1組のみ。私は49番目となる。
そんな後ろではお風呂が清潔とはいいがたいと思って、「パス」に決めて寝る。
小屋のトイレは洋式でわりときれいだった。

3日目 7月22日

夏は北八ツは不向き

朝食は、昨日の1回戦の人が2回戦になり、2回戦の人が1回戦目になる・・・と言う代わった割り当て。
それで異議があれば申し出る手はず。私は1回戦目になった。

5:50発。
外は霧雨も止んでガスのみ。ガスが渦巻いている中を登る。

  
     チョウノスケソウの種 チングルマに似ている

根石岳に着くと丁度両天狗がガスの中から頂上だけお目見え。しかし、すぐ隠れてしまった。

  

  

稜線を歩いていると、虹の光輪が私を包み、仏様になった気分。
それも私の歩みに従ってついてきてくれる。

天狗の頂上直下でやっとガスが取れ、赤岳・横岳・阿弥陀などが
雲の上にすっきりと見え始めた。
雪の日、あんなに恐怖感にかられた吊り尾根をぜひ体験したくて計画したが、
何のことはない稜線だった。

2週間前と同じ稜線を下る。計画では坪庭まで行くことにしていたが、
うっとうしい樹林と虫ブンブン
に嫌気がさして渋の湯へ下りることにする。
黒百合ヒュッテからの道は、ゆっくり下りることにする。何しろバスは11:15しかないから。
下りの途中で休憩していると、服の上から虫が刺してくる。
慌てて出発する。後で痛痒くなった。
薄暗い樹林の中にはコバノイチヤクソウがいっぱい咲いている。
リンネソウ
にも出会う。こんなところに???。不思議。
 
  

温泉は1人だけでのんびり入ってバスに乗車。


その他の花
カニコウモリ ミネウスユキソウ ヤマハハコ ミヤマアキノキリンソウ
ミミコウモリ ウルップソウ(終わり) ヨツバシオガマ エゾシオガマ
タカネシオガマ ミソガワソウ コケモモ イワヒゲ
アカモノ ハリブキ キバナノコマノツメ ヤツガタケスミレ
シナノオトギリ オガラバナ クサフジ イワオウギ
ミヤマキンバイ クロクモソウ シコタンソウ ズダヤクシュ
イワベンケイ ホソバツメクサ タカネツメクサ ミヤマミミナグサ
イワツメクサ オンタデ ヒメイワショウブ ツバメオモト(実)
マイヅルソウ クモマナズナ



  「山行記録 2001年〜2005年」に戻る

  トップページへ戻る