モンブラン(4810m)未踏の記
      2回目のアルプス
 
                      (シャモニーを基点に)
                                4〜6日目


4日目 8月4日

ロープウエーと登山電車で登山口のニー・デーグルへ
そこからテート・ルース小屋へ

天候悪化のためやむなく下山
ホテルへ


6時のモーニングコールがある前に起床。
ガイドが7:30に迎えにくると言う予定だったが、えらく遅れて集合。

今日は帰ってこない予定なので、荷物は部屋から外へ出し空けなければならない。
荷物置き場に持っていってからガイドの紹介がある。サミュエルが担当

  
    いよいよモンブランに向けて出発
     マンツーマン希望者が多く、そのおかげで私はラッキーなことにマンツーマンとなった


8:40発、ガイドの車に便乗してロープウエーの駅まで行く。
車内で加藤さんはいろいろ聞いていたが、サミュエルは見習いガイド・23歳ということだった。
加藤さんがいるから見習になったのかもね〜と思いながら乗っている。

小屋までは雪なしと聞いているのでダクロンQDを1枚、
それにベストのみの夏山・秋山装備。
天気予報は今日は曇り・明日も曇り・あさっては雨だそうな。あ〜あ。

ロープウエー発、9:05。降りたところがベルビュー
そこから登山電車の駅まで少し下ると・・・雨が降ってきた〜。

待合室は屋根だけなので寒いし濡れるので、雨具の上下と冬用のフリースの帽子を被る。
これであったかい。人もどんどん増える。

加藤さんが「イクスキューズミー。ジャパニーズ?」と聞いた相手は3人パーティー。
これでモンブランは3回目だそうだがいずれも天候が悪くて諦めたそうである。
今回はどうなったんだろう。

小1時間待ってやっと乗車、10:05発。登りなので実にゆっくり走ってくれるから
線路沿いの花がじっくり見られた。終点がニー・デーグル(2372m)
寒い寒い。風を避けて出発を待つ。

ストックを1本でも持ってきてよかった。
石ゴロゴロの道をジグザグに登っていく。
軽量化で眼鏡を置いてきたので地図も読めなくて不便。

ガイドも気楽にクライアントや順番など気にしていないで
しゃべりながら歩いている。
ちらほらと花も見えるが岩ゴロゴロなので数は少ない。

約1時間で平らな所に着。ここで休憩、11:40〜11:50。
立っていると風が強くて寒いのでしゃがんで水を飲む。
高度障害を防ぐには水を飲むことが第一
であると聞いているから。

  
  ニー・デーグルからテート・ルース小屋を目指して登っていく
  最初の休憩地点 この後から雪が降り出した

だんだん上へ登るにつれ、右側から吹いてくる風が強くなり、気をつけないとふらつくほど。
でも、この前の八ツほどではない。

雨が雪になってきて、吹き付ける右側のほっぺが痛い。あられも混じってきたのかも。

ジグザグに登っていくと、降り出した雪が積もって登山道が白くなり滑りやすくなってきた。
気をつけてー、落ちると怪我だけではすみませんよー」と加藤さんからの声が聞こえる。

ここでガイドはザイルを出して我々をつかまらせてくれた。
先頭のガイドはザイルの端を握っているだけであることを見てしまった。
ただの気休めだよね〜。

そして雪面が出てきた。氷河のトラバース。向こうに小屋が見えた。
テートルースの小屋(3167m)
。12:55着。↓

  
  グーテの小屋は膝までの雪だと・・
   大半の客は下山をし始めた

やれやれこれで約2時間ちょっと。
小屋の中で休むようなので入っていく。あたたかーい。
ザックは入り口にまとめて置いてあって中は大混雑。
いろいろな人種が交じり合っている。いつまで休憩するのか分からず落ち着かなかったが、
加藤さんから「13:00の天気予報を聞いてから判断する」との声がかかったので
それまで休むことになった。

暖かいショコラが3ユーロと聞き「プリーズ」と頼む。田中さんと半分分けする。

まだ時間がありそうなので暖かいランチを2人で1人分もらうことにする。
目玉焼きとポテトとハムとチーズとフランスパンのセットで11ユーロ。

ハムとチーズは塩辛かったので残す。
それを食べた頃、どうやらここから引き返す話をガイドたちがしているということを聞き、
がっくりする。

天候は明日もよくない、その次はもっとよくない

グーテの小屋あたりは膝まで雪があるとも聞き、下山も仕方がないかと思う。
それでは今のうちに記念写真をとっておいてと思って外へ出る。

  
  テート・ルース小屋の前で  ここから下山・・・と決まった

田中さんはここだけで20枚撮ったといっていたが彼の無念さがよく分かる。

テーブルの前に座っていたドイツ人4人パーティーたちは今日ここで泊まり、
明日天候がよければ前進してグーテの小屋で泊まり・・・だという。

天候待ちでそういう手もあるわけだ。そうするとテートルースで1泊。
グーテで1泊。登頂してまたグーテで1泊して帰ってきてもいいなら
確実に登頂できるかもね。

我々はガイドつき登山なので予約を変えるわけには行かないから
下山しかないんだ
。13:20発。

帰りは慎重だった。ちゃんとガイドとクライアントがパーティーを組み歩いていた。
私のガイドのサミュエルは、私を気遣ってか遠回りでも一番安全なルートを選び、
滑りそうなところではストックの先を持って誘導してくれるし、
あの長い足なのに私の歩幅に合わせてくれるようにして歩いてくれるしで、
プロ意識を垣間見た


こんな雨なのに登ってくる人がいる。それも、ズボンではなくポンチョが多い。
一見、日本人かと思ったパーティーもいたが加藤さんが声を掛けなかったので
後から聞くと韓国隊だったそうな。
がむしゃらに登るのは日本人と韓国人だとは彼女の弁。

日本なら、上は雪でしたよなどと情報を交換するのに、ここでは無言。
それも聞いてみると「行って見れば分かることだし、聞かれないから・・・・」と答えた。
そんなもんなのね。

駅に電車がいるのを見つけて走って下りた。15:25着。15:50発だと言う。

  
  ベルビューの登山電車の駅
   
ついさっき出発したと思ったのに、また来てしまった

我々と同じような考えで下山をする人たちで帰りの電車は満員だった。

前に座った男性2人はポルトガルからきたTeacherだという。
3ヶ月のサマーバケイションだという。
私は4日間だと言った。

ベルビューに着くと雨は上がった。上はやはりガスの中

ロープウエーで下りてさあ、これからどこへ行くかが問題である。
泊まれるホテルはあるのか?
デイビッドが携帯を使って探してくれているらしい。

幸いなことに元のホテルで全員受け入れてくれるとのこと。

またサミュエルの車でホテルへ。

明日は、タキュール登頂(4200m、往復6時間)か、コスミック稜か、
もっとやさしい所かなどの案を加藤さんが話す。

タキュールはきびしい所はないが雪崩の危険がある。
ブライトホルンの3倍くらいの体力度がいる。

コスミック稜は日本にはない岩と氷と雪の稜線だと言う。
昨日のエギーユ・ド・ミディまで登り、氷河に降りて、右側にあったコンクリートの小屋
(コスミック小屋)から稜線に上がり、またエギーユ・ド・ミディに戻るルート。

せっかくガイドが7人もいるのだから岩稜登攀をしたらどうかのお奨め。
昨日の3倍くらいの技術度と体力度だと言う。

誰もすぐには決められず悩む。明日は7時半に集合と決まる。

加藤さんも明日の相談をしにこれから出かけるというので、
ホテルの食堂で残念会をすることにきまった。

部屋へ帰ったのが10時近く。お風呂に入って明日の用意(冬山装備)をして就寝。

5日目 8月5日

グランモンテロープウエー駅からアルジャンチエール山稜へ

そこでの岩・氷・雪の岩稜登頂体験


6時前に起床。ガイド7人と加藤さんが加わって協議した結果、
昨日のエギュイユ・ド・ミディのロープウエーは凍って動かないとかで、
コスミック稜はダメ。

タキールは雪崩れの心配があってダメ。
結局、グラン・モンテというところまでロープウエーで上がり、
そこから稜線のピークを目指すことになった。雲の上は晴れだということらしい。

    
    ガイド7名で今日の予定を相談

8:00発。昨日と同じサミュエルの車で。
駐車場でハーネスも着け準備完了。ストックも無し。最低必要なものだけ。

    
  ロープウエー乗り場前で 
   せっかくガイドを確保しているので、彼らと一緒に岩稜のピーク(アルジャンティエール)へ
   登ることになった
  

  
   天気予報は、「上は晴れ」の通り、青空が見える

最初のロープウエーには全員乗れたのに、乗り継ぎのロープウエーは
私の前3人くらいからシャットザドアー。
ほかに日本人はいない。取り残されてしまった。

待っている間寒いのでダクロンQDと雨具を着る。
フリースの帽子もサングラスも手袋も用意してしまう。

    
  1人取り残されたロープウェー乗換駅で         ロープウェーの中から氷河の末端を写す

約15分遅れの9:25に頂上駅に着。
加藤さんとサミュエルが待っていてくれた。

すぐ階段を下りてアイゼンを着ける。
座り込んで着けていると
「それではできない」と加藤さん。
もう一度やり直し。
サミュエルはアイゼンの紐がしっかり締まる様に手伝ってくれる。

ザイルをつけて準備完了。加藤さんはなし。
マンツーマン
になった。
最後のパーティーになったがそれ程の遅れでもなくって幸いだった。

すぐ雪の斜面登り。
ハの字型に登っていると「それではいけない」と注意され、
サミュエルの足を真似して登る。

後ろから加藤さんが「谷側の足は下を向けて」と日本語で注意もしてくれてラッキー。

ジグザグで方向を変えるときもちゃんと後ろを振り返って確認しながら
私の歩幅に合わせてどんどん斜度をあげていく

下を見ると高度を感じるので半径2mだけを見る。

ここで雪は終わり。これからは岩稜地帯に入る

最初は普通の岩。
サミュエルはピッケルをザックと体の隙間に入れてくれた。ありがと〜

下りと登りが入り混じってくる
ちょっと嫌な所では渋滞するので待ち時間ができる。

風の通り道でじっと待つのはつらい。
フードを被り、指先の冷えは指の運動をすることで防止する。
続々と登りが続く。
モンブランを諦めた人たちがみなこちらへ来たのか?
と思われるほど。

モンブランも白くきれいに見える。「今日登っている人はいいねえ」というと、
加藤さんは「ルートがついていないので誰も登っていないのではないか」と言う。

ピークのすぐ下の1枚岩で登りも下りも難儀しているのか、
あまりにも待つのが長いので加藤さんにカメラを出してもらって写したのが3枚。

  
   渋滞している時にカメラを出して写す

  
  帰りはこの斜面を懸垂下降で降りてきた
  そのほうがぐんと早い
  しかし、その技術と体力のないパーティーは
  恐る恐る下りていたので、どっちにも進まない
  現地ガイド無しの日本人パーティーもその類


サミュエルが暖かいというより生ぬるい紅茶をくれた。メルシー
ほんと嬉しかった。

私がザックから取り出すためには、ピッケルを抜き出し
ザックのベルトを外して下ろさなければならない。

面倒なのと食欲もないことから、ま、いいやと思っていたところだから
よけい嬉しかった。
そのあとも計3杯ももらってしまって彼のテルモスは
空っぽになってしまった。

そのうち田中さんが下りてきた。
早いんだ。

彼のアイゼンで頭を傷つけられないように
頭の位置を変えてくれたサミュエル。細かい所によく気がつく。
ヘルメットはこんなときのためにもあるんだね。


少し移動できたら、懸垂下降してくる鈴木さんを見つけた。
「お尻を落として」と加藤さんの声。

その下りはやはり懸垂下降が早い。
そうでないと非常に時間がかかり、結局私はここで前に出発したパーティーを追い越せたのだから。

  
  マンツーマンのガイドのサミュエル君
  ガイド見習だといっていたが、なかなかどうして頼もしく親切な若者だった


やっと動き出した。
1枚岩の出現。

加藤さんが後ろから「横に走っている溝にアイゼンの前爪を入れて
体を持ち上げて」とアドバイス。

そして「私はここから帰ります」と言う。

手がかり足がかりを探しながら言われたとおり
アイゼンの前爪を入れ
体を持ち上げようとするが、
足の位置が高くえいっとやっても力が入らない。

そこをぐいと引っ張り上げてくれたので登れた。↓

  

後ろから見ていた加藤さんが後で「うまく登りましたね」とお褒めの言葉。
でも自分の力じゃないんです。

  
  狭いピークにて 
  ちょうど座っていら日本人パーティーの1人に、シャッターを押してもらった


ここがピーク。もう上はない

ほっと一安心。サミュエルはザイルを巻いている。
丁度居合わせた日本人が写してくれるというのでお願いした。

さあ、下り。しばらく待っていた。
サミュエルはやはりここを懸垂下降で降りろという。
不安を感じて「OK?」と尋ねるがOKの返事。

ハーネスに縛った1本のザイルだけが頼り
岩トレしたときはエイト環を使ったのに・・・と思ったが
思い切ってぶら下がる。

と、おっとっと。体が横に揺れ傾きそうになる。
「ア、ア、ア」と注意を促すとザイルを伸ばすのを待ってくれた。

まっすぐになってから落ち着いて足を岩につけゆっくり繰り出されるままに下っていく。
コツをつかめばいとも簡単。

上にはサミュエルがいてがっちり確保していてくれる・・・と思えば楽しくもなる。
 
  
  こんなにいい日なのに、モンブランを目の前にしてほかの山へ登っているなんて・・・・

渋滞している人を横目にするすると降りて
、岩場の最下部に到着。
もういいかと思い「OK?」というともっと下へ行けという。

またするすると下って雪面のトラバースまできてやっと休止。

そこで待っていての合図で前爪を蹴りこんで足場を確保し、
岩場の隙間でザイルを操作している
2人パーティーのそばの岩をつかんでサミュエルが下りるのを待つ。

しばらくすると彼が下りてきて、今度はつかんでいる岩を乗越すようにいう
「ヒヤー?」と聞くとうなずく。

また確保してもらいながら乗越し雪面のトラバース道へ下りると、
もっと下へ行けという。本当に?と思い「ヒヤー?」と聞くとそうだという。

しかたなくもうちょっと下の雪面に下りる。
なるほど踏み跡のしっかりしているトラバース道は登りにも下りにも多くの人が使うから
混雑すると思ったんだね。納得。

  
  上の方のピークを登ってきた3人パーティーが降りてくる

しかし、あまり人が踏んでいない雪面を、
確保してもらいながらとはいうものの不安いっぱい。

ピッケルを引っ張り出して、やばそうな所は
昨日のあの急斜面のトレーニングを思い出しながら
爪を蹴りこんで下っていった。やっておいてよかった〜。

やっと人通りの少ないトラバースに出て、
合流してもいいと許可が出たので
踏み固められた登山道を歩くことができた。

前の3人パーティーが手間取っていると、
サミュエルはなにやらそのガイドに話して
お先にーという感じで追い越させてくれた


あとはるんるんの下り。
一ケ所、クレバスのあるところでは、ザイルを長く伸ばして
自分を確保した後、私に行けという。
そして危険地帯を通り過ぎたら、また短くして私が先頭で下っていく。

ロープウエーの駅が見える。あそこまでいけばいいんだと分かり気が緩む

  

雪は溶けかかって盛んに団子ができる。特に右側に多い。

私はピッケルで落とすが、サミュエルはガチャガチャと両足を一瞬にぶつけ合って
落としていた。へ〜え。 
着いた〜。「メルシー・ボウクー」といって握手をする。

ヘルメットやアイゼンを取っていいよと言われたので外して片付ける。

  
 ザイルを片付けているサミュエル
  
   
   ハーネスもアイゼンも外してほっと一安心

一時はそのまま帰ろうかと思ったが
彼との記念写真がないと思い、後ろから降りてきた
川口・越智パーティーのガイドにシャッターを押してもらった。

計画では歩いて中間駅まで行くはずだったが、
混雑していて時間がかかったので中止してロープウエーで下りることにしたんだと後で分かった。

ロープウエー駅への登り階段のえらいこと
手すりに頼って登っていった。途中で休んでいる人がいたほど。

レストランは満員だったので乗り場の待合室へ行った。
トイレ?と聞いてくれたが膀胱も緊張してその気がないといっている。

待っている間に他のガイドが行動食を勧めてくれたが
やはり食欲がわいてこないので断った。

止まっていたゴンドラが開いてお客が入り始めたので、
私も気なしに入っていったら、まだがら空きなのに
戸がしまってしまった
。日本人は私だけ。行きの反対。

  
  ロープウエーの中から見下ろした氷河

中間駅に来ると加藤さん・鈴木さん・平林さん・田中さんが待っていてくれた。
ほかの人は?と聞くので「目の前で戸が閉まった」と答える。

下へ降りてマーモットを見ながら待っていてくれたそうだ。
登りのとき見たマーモットはけっこう大きくウサギくらいであった。
この駅のそばにはいっぱいいるそうである。

  
  先に降りていたガイド達と昼食を食べながら後続を待っていた

ゴンドラが来るたびに探しに行ったが下りてこない。
おかしいな。
すぐ目の前で閉まったのだから次で来るかと思ったのに・・・。

待ちくたびれてもう帰ろうと思い歩き始めたときに
やっと下りてきた。
結局、風が強く上のゴンドラが動かなかったせいだと分かった。
約1時間後だった。

サミュエルの車でホテルへ。ここでガイドの皆さんと握手をしてお別れ。

明日はベルナデットさんお奨めのアヌシーというスイスの町へいこうかと思っている。
イタリアへ行きたいという人もいて別行動になりそう。

6日目 8月6日

シオンの古い町と古い城の散策

朝起きてみると雨は降っていない。
7:00ミーティング。
加藤さんは「雨が降っていないならハイキングに行きますか」と誘う。
さんせ〜い。

いろいろ手間取り、バスには乗り遅れ電車で行くことに。

  
  ハイキングに行くつもりが大粒の雨で予定変更
  スイスの古い街並みを見に行くことに決まった

駅へ着くと雨が降り出した。それも大降り。
田中さんと川口さんはホテルへ帰り、残ったのは7人。

加藤さんが行き先やら乗り継ぎなどをあれこれ考えあれこれ尋ね、
結局シオンという町へ出かけることになった。
古城があるんだそうな。

  
  
パンフレットにあったシオンの町

  
  
「モンブランエクスプレス」
   ここから乗り換えて国境を越えスイスへ


シャモニーの町もホテルも飽きた
ので賛成する。

9:39発の電車で終点のシャテラードへ。
ここがスイスとの国境。ここで乗り換えマルティニーへ。

  
    マルティニー駅

これがモンブラン特急の終点の町。乗り換えて1つ目の駅がシオン

山岳列車なので登りはゆっくり。しっかり窓際の花が見える
スイスに近づくにつれ青空も見えてきた。嬉しいな。

  
   車窓から

マルティニーからは、今までのスローペースに比べると
新幹線なみの速さで驚く。

スイスフランの小銭を持ち合わせていないので
トイレへ入ったときのチップが払えないため
「列車の中で済ませてください」といわれる。11:45着。

  
     シオンの駅

シオンの駅前のお店で ↓ サンドイッチとジュースを買って古城へ。
  
  
途中インフォーメーションへ寄るとワインの試飲をしていた。
私は後の登りが恐いので飲まない。

城下町のような所を突っ切っていよいよ登りになる。
古い石造りの塔で眼下にシオンの町が見下ろせた。
すぐ次の塔へと向かう。いったん下りてから登り返しがある。

  
   2番目のお城の庭から 石造りの塔を見上げて

ここの登りもきつい。
加藤さんは「モンブランへ登りに来た人が何ですかこのくらいで」と叱咤する。

    
  シオンの古城で

  
  第1の古城

変わった花があちこちに咲いている。帰りに撮ろう。

登りきった所の見晴台の草地でお弁当。
暑いので木陰を見つけて座る。
サンドイッチは固いフランスパンにたまご・ハム・チーズ・野菜をはさんだもの。

噛みしめ噛みしめ食べる。

その草地を調べてみるとマツムシソウそっくりな
背の高い花やイワレンゲの仲間や
コシロバナヒルガオと命名した花が少々咲いていた。
  
町に下りて旧市街を散策しながら教会のステンドグラスを鑑賞。

石ぶきの屋根の家や馬車が通るだけの幅が確保されている
旧市街道を歩いて駅に戻る。

    
  旧市街にある古い塔 「魔女の城」だって   この地方で取れる薄い石の板で葺いた屋根

乗換駅のマルティニーの町で
「美術展をやっているから見に行こう」と誘われ下車。
いって見ると長蛇の列。

諦めて戻ることになった。そのうち雨も降り出した。

シャモニーについて雨の中もう一度食事に出てくる気が薄れ、
加藤さんがおいしいよと勧めてくれたフランス料理店に入った。

入口で「ツー」と言って待つと、2人テーブルに案内された。
メニューはフランス語。

スペシャルと値段で定食に決める。15ユーロの料理。

定食にも2種類から選べるので、「ジス、ハー。ジス、ミー」といって
1種類ずつ頼む。

メイン料理も同じようにして頼み半分こして食べることにする。

飲み物はノンガスのミネラルウオーターを頼む。
となりのテーブルの瓶を指差すので「ノン・モアスモール」という。
何が出るか期待と不安で待つ。出てきたものは
私の前にジャガイモと野菜のサラダ、ジャガイモのグラタン。

鈴木さんの前にはハムとサーモンなどの前菜と牛肉の石焼きと
大きなジャガイモのホイル焼き。

いろいろなソースをつけて食べるように6種類くらいも。
半分ずつ食べてお皿を交換する

なかなかいける。あたりでよかった。はずれでなくて。

デザートはアイスクリーム。
私はバニラ・チョコレートを。彼女はバニラ・バニラを。

コーヒーは小さくて苦い物が出てきた。
鈴木さんが「ラージ」といったのに分からなかったようである。


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