鹿の鳴き声に囲まれテント泊 |
ボタンブチ〜御池岳〜鈴北岳 〜鈴ケ岳〜真の谷 |
2日目
ゆっくり寝ていたいという希望があったので 明るくなった6時頃起床。 今日も風もなく暖かいので戸外で朝食。 水分をたっぷり取れるので献立は雑煮。 2つのコッフェルで半分ずつ作る。 食べている間も、風で落ち葉がぱらぱらと散ってくる。 2張りのテント 青いテントはゴア製の1〜2人用 今日が始めての使用 |
真の谷の黄葉 |
昨夜雨か?と思ったのも実は落ち葉の音だった。 テントのすぐそばに、真新しい鹿の糞。 小さい塊だから、やはり小鹿だったんだ・・・。 大きい塊もある。テントから2mくらいのところに。 行動用のお茶も沸かして、7:45発。 真の谷の涸れ谷をどんどん下っていく。 |
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静かで黄葉も素晴らしい谷。 そのうち大きな岩がゴロゴロするようになり、 濡れたような艶のある岩、真っ黒い色の岩・・・・ などと順に景色が変わってくるのが面白い。 水があれば、大きな滝になるようなところを何回も何回も下る。
3年前の記憶では、トラバースのところと三筋滝への下りが 難関だった。 どちらも右岸にあったが、 今回トラバースはしないで沢の中を降りていけた。 (いつそのトラバースに入るか?と構えていたが 結局出会わなかったので、土砂崩れでもあったかもしれない) その代わり、ただのロープが垂れ下がっているだけの トラバース地点があった。左岸に。 足元の土は滑りやすいは、 斜面に掴めるものはないは・・・で肝を冷やした。 無事に通過すると、前方に人影が。 沢の分岐で休憩しているパーティーで、足元は沢シューズ。 |
彼らは茨川にテント泊をして、 白瀬峠から藤原岳を通り 治田峠から元の茨川へ帰るという周遊コースだと聞く。 分岐している沢は、土倉沢。 ここから君ケ畑へ通じている・・・と地図で確かめる。 ついでに休憩する。9:05〜9:15。 つるっと滑って高木さんが尻餅。 後で痛み止めの湿布を貼ってもらう。 |
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三筋滝への下り 今回、トラロープが張ってあり 安心して下れた |
まだ三筋滝という難関があるはずと 覚悟を決めていたが 今回、トラロープが張ってあり、それに掴ってトラバース。 |
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三筋滝 |
最後はロープと木の根を掴んで滝の下に着。 9:45〜9:55、休憩。 |
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三筋滝付近の黄葉 本当に今日が見頃・・・ |
この後は緩やかな沢沿いに下る。 何度も沢を渡り返すが、水が浅いのでどうってことはない。 眩しいような秋色と沢のせせらぎ いいなあ〜、きれいだなあ〜としか 言葉が出てこないのが口惜しい。 |
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蛇谷はまだかと探しながらの休憩 |
2万5千分の1の地図には、三筋滝を過ぎ 善右エ門谷(たぶん)を過ぎたら、 すぐ尾根へあがっていくルートが書いてある。 しかし、そんなルートは4万分の1の登山地図にはない。 もっと下って蛇谷との分岐から 尾根に登るルート(西尾根)が(難路)として書いてある。 |
善右エ門谷(たぶん)を過ぎた所に印はない。 どんどん沢を下る。 だんだん水も深くなり(といってもじゃぼんと落ちても 靴の中に水は入ってこないほど) 流れも速くなってくるので、頭の出ている石を探して渡る。 |
黄葉の多い中で ここだけはオレンジっぽい紅葉 |
もうそろそろ、分岐があってもいいはず・・・ と思いながら歩いているが 「この谷は南へ向かっているのでおかしくないか?」との声も出る。 南へ向かっているのはいいが、 時間がかかりすぎているな・・・と気にかかる。 が、何しろ沢の分岐に出ないので「もう少し行きましょう・・・」 と言っているうちに、右に神社。左に青い屋根が見えてきた。 |
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茨川の神社 これを見て 自分の今いる場所が分かった |
あれれ?神社の記号をどこかで見たなあ??? と思いながら地図を広げると なんと!!茨川に着いてしまっている事に気がついた。 11:15着。 ここから伊勢谷を上って治田峠へ行ける。 治田峠から藤原岳へもいけるが ざっと計算して3時間15分もかかる。 |
ここから約25分引き返して、蛇谷から西尾根を登れば 時間は書いていないが地図から見ていかにも近い。 しかし、なぜ蛇谷を全員が見過ごした??? と考えると、ヘアピンカーブのU字型に川が曲がっているところで、 ショートカットをした時に見過ごした・・・としか考えられない。 引き返しは川の流れに忠実に戻ろう・・・・と決める。11:25発。
25分ほど歩いたところで探すと、なにやら踏み跡がある。 これか??と思って偵察に行くが 踏み跡は途中で消えてしまった。 無理やり尾根に出て方向を調べると、藤原岳はもっとずっと先の遠く。 この尾根を登ったからといって藤原岳には着かない・・・と分かって引き返す。 |
ここが、蛇谷の分岐 谷には標識はなし 振り仰がないと見つからない |
もう少し先へ行きましょう・・・と言って戻る。 U字型に曲がる川をショートカットしないで忠実にたどると、 そこには大きな沢の分岐が隠れていた!!。これが蛇谷だ!!。 尾根を振り仰ぐと、「藤原岳」の小さな標識も見えた!!。 こんなこともあろうかと、 ショートカットしたときは振り返って見ていたのだが 大きな岩が邪魔をして沢の分岐が隠れていたのだ・・・と分かった。 |
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西尾根の途中で休憩 サルノコシカケのような大きなきのこが 目の前の木にくっついていた |
12:15〜12:25の休憩の後に出発。 西尾根に取り付く。 急登の上、倒木が立ちふさがったり、 踏み跡が分かりにくかったりで難路の破線どおりである。 登山地図では途中から尾根をはずしているし、 私の記憶も右へ行くよ・・・と言っているが 頼みのテープが見当たらない。 |
尾根を行けばいいとは分かっているが どうしても歩きやすい下の方の踏み跡(らしいところ)を 選んでしまうのでまた登り返さなくてはならない。 落ち葉のために踏み跡が隠れているので よけい分かりにくい・・・。 途中まであったテープも見当たらなくなり、 後は藤原岳を目指して前進あるのみ。
2万5千分の1の地図は、この西尾根がルートとして書いていない。 善右エ門谷(たぶん)から登るようになっているルートは 藤原山荘のところで 登山道に合流することになっている。 西尾根は、 藤原岳の展望丘と山荘の間のところで合流するはずなのに・・・。 遠くから見るとちょうどへこんでいるところに出るはずだから・・・ 方向的にはこれでいいから・・・と声をかけて 急な斜面をトラバースする。 途中で赤テープが出てきて登山道に合流。13:55。
山頂はパス。 山荘で休憩した(14:00〜14:10)後は、 スピードアップしてテント場へ。 トップの小酒井純さんの速いこと速いこと。 空身のせいか、飛ぶような足取り。 50分で白瀬峠へ。15:00着。 休憩後、15:05発。渡辺さんがトップ交代。 テント場まで15分で到着。すぐテントを撤収し、15:40発。 重いザックを背負って白瀬峠への登りのえらいこと!!。
やはり帰りは尾根道を選んでよかった。 冷川岳への登りはつらいが、 明るいこと、たらたらで歩きやすいことがその理由。 6合目のカタクリ峠に16:35着。16:40発。 35分で登山口に出られる・・・とあるので もしかするとヘッドランプのお世話にならなくてもいいか・・・と期待をする。 (が、やはり無理だった)
しかし念のため、ヘッドランプは首に下げておくことにした。 トップは高木さんに交代。 彼は快調に下っていく。 コグルミ谷に下りると、岩がゴロゴロして歩きにくい。 荷物は重い、夕闇で見難い、スピードが上がらず。 長命水は素通り。 あと30分と思ったが、岩ゴロゴロを離れたところでトップを交代。 とうとうライトを点ける。
土の登山道は滑りやすく、慎重に足を出すのでスピードが落ちる。 今はもう、安全第1と考える。 車道を走る車のヘッドランプが励みになる。あと少し・・・。 登山口付近は以前と変わったことを思い出し、 岩ゴロゴロの中の赤ペンキを確かめながら登山届けのポストを目指す。 着いた〜〜〜〜。17:30。約10時間の行動時間!!。 |