ルンルンの稜線歩き・・・・・とは、大違い

中房温泉〜燕岳〜餓鬼岳〜白沢



燕岳頂上


餓鬼岳頂上

●場 所 長野県松本市
●標高 中房温泉郷駐車場
燕山荘
燕岳
東沢乗越
餓鬼岳
大凪山
白沢登山口
1394m
2704m 標高差約1300m
2763m   
2253m 標高差約510m
2647m  標高差約390m
2079m
993m  標高差約1650m
●山行日 2005年7月31日(日)〜8月2日(火)
●コース 中房温泉郷駐車場〜中房温泉〜燕山荘〜燕岳〜
東沢乗越〜東沢岳〜餓鬼岳小屋〜餓鬼岳〜大凪山
〜白沢登山口
●多治見から
 登山口まで
多治見IC=豊科IC=穂高町=中房温泉郷駐車場
・・・中房温泉

※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ≠飛行機
●参加者 佐藤(テント泊)、丹羽(小屋泊)
●コース
  タイム
1日目 7月31日 
多治見〜燕山荘
多治見
豊科IC
中房温泉郷駐車場
中房温泉
合戦小屋
合戦の頭
燕山荘
5:00発
7:35
8:35着
9:00発
12:55〜13:10
13:35〜13:50
15:30頃着

2日目 8月1日
 
燕山荘〜餓鬼岳小屋
燕山荘
燕岳
北燕岳
東沢乗越
東沢岳分岐
餓鬼岳小屋
5:30発
6:00〜6:10
6:25
8:35〜8:50
10:05
15:10着

3日目 8月2日
 
餓鬼岳小屋〜大凪山〜白沢
餓鬼岳小屋
大凪山
白沢
タクシーで中房温泉へ
5:50発
7:30
12:00着
12:50着

地図はこちら


1日目(7月31日)

中房温泉登山口

混雑を避けて日曜日発とした
中房温泉郷駐車場まで、3時間半

運よく1台帰る車がいて
そのスペースに駐車

登山口は、これから登る人、
下山してきた人でいっぱい

用意してきた計画書を入れてから出発


ウメガサソウ

すぐ急登が始まる

樹林の中は花が少ない
ウメガサソウと

シャクジョウソウ
くらい

佐藤さんがえらそうなので
彼のザックから少し移す

第1ベンチ
9:50〜10:00の
ゆっくりスピードで


ヨツバヒヨドリ

第2ベンチ
10:30〜10:40
再度、荷物を移す

花もなく、展望もなく、
その上風もなく蒸し暑い急登は
疲ればかり



ゴゼンタチバナ

第3ベンチ
11:15〜11:25

富士見台ベンチ
12:15通過

合戦小屋
12:55〜13:10
「スイカ1切れ800円」とあるが
この急登でぐったりした人には
高くてもいい気付け薬かも


モミジカラマツ

合戦小屋を過ぎると
やや花が多くなってきた



セリ科  とだけは分かるが・・・
エゾシオガマ


ハクサンフウロ


ウサギギク


クロトウヒレン


合戦の頭

ここまで登れば涼しい風も吹き
「槍」を見ながら歩けるし
花も多くなるし・・・と
期待していたが
ガスが出てくるわ
風はないわ・・・でがっくり

佐藤さんは眠いといって
ベンチにごろりと
横になったかと思うと
すぐイビキが聞こえてきた

昨日の長距離運転で疲れたらしい
登山者は1人もいなくて静か


合戦の頭から燕山荘を見上げる

はるかはるか遠くに見える燕山荘

だんだん雲行きが怪しくなって
ポツリポツリ・・・・



コバイケイソウ

そのうち雷も鳴り出して
雨脚も強くなってきたので
雨具の上だけ着る

傘も差していたが
雷鳴の間隔が短くなってきたので
たたんで手に持って歩く

今年はコバイケイソウの当たり年


ハクサンシャクナゲ

ハクサンシャクナゲも
まだまだきれいに咲いている

時々木陰で雨を避けなが
らゆっくり登る

これ以後カメラはザックの中

小屋が近くなるとお花畑が出てきたが
カメラを取り出せず
目で楽しむだけ


西日があたる燕山荘

テント場は登山道のすぐ横
ちょうど格好の場所が空いていたので
確保してから、燕山荘へ

テント  500円
小屋泊  8800円

雨も雷も弱くなったので
テントを張って
凍らせて持ち上げたビールで
かんぱ〜い


夕食後、雨もやみ西日が差してきた
ので、外へ出る

槍や燕岳がばっちり見える
燕山荘の近くには
コマクサの群生地もある



アルペンホルンの演奏

3回戦目の夕食が終わってから
オーナーのアルペンホルンの演奏と
「燕岳の四季」の映像を楽しみに
食堂へ
運よくかぶりつきで
間近に見ることができた

長い木のアルペンホルンを
唇の微妙な調節で音階を出すとは
難しそう〜



楽に山に登るには

『荷を軽くして
体重を落として
ゆっくり休まず登ること

1週間に1度
どんな低い山でもいいので
登っていれば
それがトレーニングになる』

・・・・など、いつも考えていることと
同じ話を聞いて意を強くする



天の川

外へ出ると白い天の川がくっきり
まさに、ミルキーウエイ!

下界の町並みの光も
稲光もはっきり見えた

明日は晴れ!と信じて眠ったが
夜中の2時半頃に起きて
外へ出てみると
風が少しあって曇っていた・・・

今日は幅広の布団2枚に3人
真ん中の人は布団の隙間になって
背中が痛いと言うので
掛け布団を提供

山小屋用のシーツ1枚(常備)でも
暑いほど

隣の人と肩が触れそうなので
180度向きを変えて寝る


2日目(8月1日)

朝の槍

曇っている割にはしっかり見えている


燕岳

こちらもくっきりはっきり見えて
空身で頂上を目指す人が後をたたない


朝日

御来光はあいまいなうちに終わり


朝焼けの槍

とにかく雨が降っていなければ
good!


トリカブトの仲間

テント場のすぐ隣で


ウラジロタデ

これもテント場のすぐ隣で



クルマユリ


燕岳

このあたりはルンルンの稜線歩き


北燕岳

燕岳から北燕岳を望む

少し下れば縦走路に合流

まだルンルンの稜線歩きが続く


コマクサ

北燕岳まではコマクサの大群生地
昨日のオーナーの話では
ロープで囲って保護したら
増えてきた・・・と

写真を撮るために入り込むと
その靴跡から流れができ
コマクサが流れてしまうとも・・・


コマクサの群生−1

急斜面ほど大きな群生ができるのも
人が入らないためかも

白い地面にピンクが映える!
コマクサの群生−2

斜面いっぱいが、
ピンク色に染まっている

蓮華より、八ヶ岳より
広範囲で密度が高く感じられる



チシマギギョウ

北燕岳のあたりに多い

北燕岳の標識に誘われて
ピークへ登ってみたが
そのまま縦走はヤバそう・・・と思い
元の分岐に戻る


タカネシュロソウ

「燕って、花が少なくて
つまらないねえ・・・」
と、悪口を言っていたら
突然お花畑となった

北燕岳から東沢乗越への下りまでの間

その中であちこちに咲いていた


ムカゴトラノオ

北燕岳から東沢乗越への
下りまでの間のお花畑の花
ハクサンチドリ

これも、同じく
北燕岳から東沢乗越への
下りまでの間のお花畑の花


コバイケイソウの群生

これも
アオノツガザクラ

これも
ミヤマキンポウゲ

これも
メタカラコウ(たぶん)

これも
イブキトラノオ

これも


バイケイソウ

これも


ヤマブキショウマ

これも
タカネナデシコ

これも
コゴメグサの仲間

これも
ヤマハハコ

これも
セリ科  とだけは分かるが・・・

これも


トリカブトの仲間

これも


タカネツメクサ

ここまでが
北燕岳から東沢乗越への
下りまでの間のお花畑の花



ここからは急な下り

東沢乗越へ」と「餓鬼岳へ」は
同じ標識・同じ方向

ヨツバシオガマ

8月中旬まで残雪・・・と
地図にあったが
雪が溶けたばかりの
ぺったり張り付いた跡があった

でも、今年は雪なし
おかげで、まだ咲き残っている花に
出会えた


ハクサンイチゲ

咲き残っている花

ほとんどはみな黒い種になっていた


チングルマ

これも咲き残っている花

ほとんど、みなふわふわの種に
なっていた


ヒョウタンボク

どんどん下って行くと樹林の中
間違えたのではないかと思うほど
どんどん下る
もし間違えていても
引き返すことは到底できないほど

沢まで降りてしまうのか?と
地図で確認すると沢の上部で
登り返しになっている

やっと東沢乗越に着いた
燕山荘から約3時間
標高差がたった510mとは
思えないほど


ハクサンシャクナゲ

東沢乗越から稜線へ出るまでは
『忍』の一文字

たまたま出会う花に少し元気が出る
さっきまで歩いていた北燕岳のあたり

稜線への登りの途中振り返ると
さっきまで歩いていた稜線が目に入る

あんな高い所からいったん下って
また登っている!!
ニッコウキスゲ

稜線に出ると
歩きやすいたらたら道となり
一息つける


シラタマノキ

余裕が出ると
足元の小さな花にも目が向く



東沢岳直下から

じりじりと暑いが、ガスがどんどん
出てきて稜線が隠れ始める

東沢岳分岐は他のパーティーが
いたので通過



ミヤマホツツジ

岩と仲良しの花たち-1

東沢岳分岐から
またまた樹林の中を下ると
とんがった岩岩が並んでいる
稜線に出た

どこをどうやって進むのだろうと
見当をつけながら立ち止まる

赤ペンキに沿って左へ回ったり
右へ登ったり
また、下ったりと気が抜けない


クロマメノキ

岩と仲良しの花たち-2

これが熟していれば
食べられるのに・・・
と思いながら歩く

今年は豊作らしい


チョウジコメツツジ

岩と仲良しの花たち-3

目の前に大きなピークが現われた
(中沢岳らしい)

まさかあのピークを
登るんじゃないだろう
・・・と心配したが、
左の巻き道へ降りて行くので
ほっとする

大きなガレ場に出る
今にもごろごろと落石がありそうな所

そこを渡ると今度は
樹林の中の急登になった

佐藤さんは下りはいいが
登りになるとえらそう
前かがみになって我慢している


ぐらつく梯子

急登の後には高い岩壁が出てきた
ぐらつく梯子で登りきっても
まだまだその先がある


あのピークが餓鬼岳小屋?

あの岩まで登れば・・・と1歩1歩進む


ピークにあがるとまだ先が

ピークに出た  
中沢岳頂上直下と標識にある

目の前には大きな山
地図で調べると唐沢岳

その右にずっと目をやると
たぶんあれが餓鬼岳

そのすぐ下に小屋があるので
まだまだ1時間以上はかかりそう


ツマトリソウ


これが最後の岩場

いくつもいくつも梯子・桟橋・針金が
ついているが結構古い
足元を確かめながら取り付く


稜線伝いに行けるかと思ったら
これが甘かった

いったん樹林の中へ下ってから
また登り返す


もうすぐ!赤い屋根が見えている

最後の急登はなく
ゆるゆるとテント場へ

すでにテントが1張り
横に簡単に張ってから
餓鬼岳小屋へ
15:10着
燕山荘から9時間40分

テント泊  500円
小屋泊  9000円
ビール  500円
水1リットル 200円








計画では
今日来た道を東沢乗越まで引き返し
中房温泉へ下山・・・にしてあったが
またあのきついアップダウンと岩場と
梯子の連続のルートを考えると
う〜ん・・・、あまり気が乗らない

また、膝ががくがく・・・という
佐藤さんの意見も聞いて
白沢へ降りて、タクシーで中房温泉へ
戻ることに決める

10060円という値段なら、
ま、いいか!
(実際は、小型だったので8640円)

小屋番さんに、
6時出発ならタクシーに
何時に来てもらったらいいか
相談すると
12時でいいでしょう・・・だって

予約チケットを貰って
明日の予定が決定


餓鬼岳小屋

ガスで何も見えないが、
小屋裏の椅子でかんぱ〜い

燕山荘から抜きつ抜かれつで
3パーティーやってきたが
最後の到着となった


餓鬼岳頂上

夕食は、散らし寿司
(十種以上彩りよく
散らしてあった!)
と、おすましと
グレープフルーツ1/2個

夕食後頂上へ  5分で到着
ガスで何も見えず

今日は1枚の布団に1人

びっしり敷き詰めてあった


2日目(8月2日)

朝焼け


昨日歩いてきたルート

その後ろに槍が見える

右側のとんがりは、
昔「南餓鬼岳」と言っていた・・・と
山に詳しい男性から聞いたが
ガイドブックには「中沢岳」に
なっている


野口五郎方面

真正面に、
烏帽子・野口五郎の稜線が見える


餓鬼岳小屋と野口五郎の山並み 左のふたこぶ山は有明山

山に詳しい男性から
ずらっと見えるだけの山の名が
次々に出てきた




燕山荘と燕岳と北燕岳

あんな遠くにある稜線から
いったん下って
また登って来たんだと感慨深い

佐藤さんに「5分でいけるから」
と言って
餓鬼岳登頂を勧める

彼が、退職記念に
登りたかった山だか

どうしたって登らなくてはね


ハクサンチドリ 大きなダケカンバと青空

百曲がり・・・と
言われるジグザグ道を
どんどん下る


ギンリョウソウ
大凪山

餓鬼岳小屋から1時間40分
まだまだ下りが続く


きれいなきのこ

あれれ?きれい〜


ホタルブクロ

落石地帯をささっと通り過ぎる


コキンレイカ


ノリウツギ

6人パーティーの間に入ってしまった
先頭と最後尾がずいぶん開いて
いるので仕方がない

左がガレているので
笹で滑らないように〜」・・・と
伝令役も


エゾアジサイ

青磁色でとても美しい


最後の水場

・・・となっているが
我々にとっては(最初の水場)

顔と手を洗う


シラヒゲソウ

その水場で見つけた
私にとっては初めての花

でも、すらっと
名前が口から出るのには驚いた!
ちょっとピンボケしているが
貴重な1枚


タマガワホトトギス

ここの水場から姿を現した



最初の水場からは、橋の連続

沢沿いの道となり
こんな橋や、桟橋、梯子が
何度も出てきた


トリカブトの仲間

レイジンソウに似るが、薄紫色


ニワトコ
いくつもの梯子


シモツケソウ

沢沿いに鮮やかなピンク色が増えた


手すりつきの橋

登山者のための橋
ありがたく渡らせてもらう

近くには古びた橋の残骸も見える
架けなおしたばかりのよう


魚止めの滝

高い滝!
なるほど魚はここから上へは
いけないだろうなあ・・・


沢沿いに

岩をへつったり、沢の中を歩いたり

ナメ滝が続くが、倒木が多く、
快適な沢登りとは
いかないだろうなあ・・・


いくつもの橋

これでいくつ渡ったのか
数え切れないほど

大雨だったら簡単に流されそうな橋


もみじ滝

ここから30分で白沢登山口・・・と

でも、そんな時間にはつけなかった



水で体を拭いてさっぱり

もうすぐ登山口につくなら
この冷たい水で体を拭いて・・・・
と休憩を取る

4人パーティーの先行者が1人のみ
追い抜いていった
タクシーの予定が
11時30分だったと後で分かった


登山口

ここから少し歩くと
舗装された道に出る
そこにタクシーが待っている
・・・というわけ

標準コースタイム4時間のところ
6時間後の12時に予約をしたが
ぴったり12時に到着

このコースは、
早足用にコースタイムが
設定されているような
感じがしてならない


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