八ヶ岳・硫黄岳へ |
行者小屋の前で 硫黄岳頂上より 阿弥陀岳を望む |
●場 所 | 長野県茅野市 |
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●標高 | 硫黄岳2742.1m |
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●山行日 | 1991年2月10日(日)〜11日(月) |
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●多治見から 登山口まで |
JR多治見駅ーJR千種駅ーJR塩尻駅ーJR茅野駅⇒美濃戸口・・・登山口 ※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス |
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●参加者 | 谷口、丹羽、林、黒宮(未踏)、稲川、飯山(ひがし山の会) |
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●コースタイム | 1日目 2/10 茅野駅 美濃戸口行きバス 美濃戸口 小松山荘 美濃戸山荘 川を渡った所 行者小屋 2日目 2/11 行者小屋 赤岳鉱泉 稜線下 硫黄岳頂上 赤岳鉱泉 小松山荘 美濃戸口 タクシー 茅野駅 |
9:38着 10:00発 11:20発 12:15〜12:30 12:40〜12:45 13:15〜13:20 15:30着 7:40発 8:00〜8:10 9:35〜9:45 10:20〜10:30 11:25着 12:35〜12:55 13:30着 13:40発 14:10着〜14:33発 |
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多治見駅から千種駅へ。 千種から乗車のメンバーと合流。 増発の最後尾に乗ろうと、雨を避けてギリギリの屋根の下で待つ。 山は雪か・・・ 「低気圧通過で風速15m」だの、「強い南風で雪崩の恐れ」だののニュースが気になる。 乗車。がら空き。 今日のメンバーを探して合流。 塩尻駅で乗り換え茅野駅で下車。 小雪がちらつく空模様。 バスの乗客はスキーヤーと山ヤが半々といったところ。 座席は満員。 暑すぎの暖房。 約1時間で美濃戸口のバス停(終点)で降り、店の軒下で身ごしらえ.。 美濃戸口バス終点 これから出発 雨具の上下、ストック、手袋、帽子、食料を3袋(リーダーのザックがあまりにも大きいので、 つい同情してしまい申し出たのが後でアダになってしまった・・・) 11:20発。 しばらくは車も通る林道歩き。 つるっつるっと足を取られがち。 雪は細かいのが間断なく降ってくる。 左右を見る余裕もなく、必死で付いて行くが、すぐ間を離されてしまう。 新人の男性はぴったりリーダーにくっつき、 女性2人とは大きな間を空けて歩くことにになった。 川を渡りくねくねとした車道をたどる。 暑くて暑くて帽子を取る。 汗と雪でびっしょり。 お風呂へ入ったほど髪の毛が濡れる。 食料を3袋も持ったことを後悔。 重くなくて嵩張るものにしたのに・・・ 休憩。「5分だけ。脱げるものは脱いで」と言われても、もう脱ぐものは無し。 荷物を3袋帰そうとすると、「これだけは持っていてください」と、パンの袋は断られた。 この前の藤原岳でもルンルン、霊仙山でもルンルンだったのに、なぜか今日は足が重い。 足が前へ進まない。 小松山荘着。12:15〜12:30。 休憩を5分とっても55分で着いた(後でガイドブックを見ると1時間10分の所) だからしんどかったんだ・・・と、今やっと納得。 小松山荘は「勤労者山岳連盟指定」という大文字付きの小屋。 野沢菜・お茶が無料サービス。 ここからすぐが美濃戸山荘。 ここから行者小屋へと南沢を行くことになる。 (赤岳鉱泉が満員で、行者小屋に変更・・・と「ひがし山の会」のメンバーから連絡があったとか。 「登りはきついの?」と尋ねると、「それほどでもない。いい道ですよ」と返ってきた。 美濃戸山荘の軒下でアイゼンを着ける。 「さあ、張り切って登ろうとすると、すぐ背中が見えなくなってしまう。 ずっと樹林帯の緩やかな登りなのに、しんどい・重い・前へ進まない・・・ 川を渡った所で先発隊が待っていてくれたが、まだ休むほどではないので、 「私たちは、休まなくていいからゆっくり歩いた方が楽なの」と言い、 荷物を降ろさないで待っていた。 5分休憩し、その後は2グループ別々の行動となった。 雪はだんだん多くなり、登山道を外れるとずぼっと潜ってしまう。 上からは団体がトットットと凄い速さで降りてきた。 登りは周りの景色を見ず、ただ下ばかり見ている。 テント数張りを見つけたので、もうすぐ小屋だと期待するがなかなか・・・ 平坦な「白河原」を歩いていると、風が強くなり 空からの雪と下から舞い上がる雪とで新しい足跡が消えてしまう。 「小屋へ着く前に遭難」と冗談が出るほどの風と雪。 右へ強く曲がってからは固く沈まない登山道が無くなってしまい、 一歩ごとにズボッ・ズボッと入ってしまう。 前方が二手に分かれている所から左へ進むと、屋根があった! 数名の人も!その向こうに2階屋根が見えた! 行者小屋だ!15:30着。 行者小屋前 小柄な女性が出迎えてくれた。ひがし山の会の女性。 「お疲れさま〜」「しんどかった〜」 あまり遅すぎるのでリーダーもお出迎え。 アイゼンを外して部屋の中へ。 暖かあ〜〜い! 今日の夕食は、シャブシャブ&カニ&魚すき鍋。 牛肉は1人5枚あて。 汗をたっぷりかいた後のビールは美味しい〜 ビールの後は、パック入りワイン。豪勢な食料は皆リーダーのザックから出てきた。 最後にお餅で〆 最後の一滴まで皆に分け、片付けるものは片付けて2階の寝室へ行って2次会。 熱々の炬燵1脚を6人で占領。 おつまみ・缶詰・ワインの残り・焼酎・日本酒・追加のマスカットワインなど。 レモン入りの水割り焼酎も美味。 レモン入りの日本酒も軽い! 炬燵が邪魔だけど一応1人1枚の毛布とお布団はあるので 寒くなったらシュラフカバーを使うことにしてそれまでは枕とした。 下からのストーブの熱気で暑い暑い! 靴下もセーターも脱いで潜る。 階下はまだまだ終わりそうにないくらいの大声が聞こえてくる。 2階はだんだんと静かになった。 22時就寝。 明朝は7時出発。6時起床となった。
夜中、暑くて布団をはいで毛布だけ。 肩も腕も出しても寒くなかった。 早朝、トイレへ立った人から「きれいに星が出ている」と聞いた。 5時にリーダーが起きたので皆も起き始める 布団と毛布を畳み、荷物を全部持って、階下へ降り朝食の用意。 ガスを付けてお湯を沸かしサラダの用意。 ベーコンも焼いてパンも。豪華な朝食。 出発の準備が終わったのは7時半。 7:40出発。 行者小屋の前の広場 これから硫黄へ出発 昨日とは打って変わった上天気。 周りがくっきりはっきりバッチリ見える。 アイゼンを着け、ピッケルを持って出発。 小屋の前を通り、中山の乗越まで少し登り、後は急な坂道を下るだけ。 どんどん下った所が赤岳鉱泉。8:00。 ここからは第一次隊と第二次隊に分かれ3人:3人で進む。 登って降りて登って登って降りてと、アップダウンが適当に会って変化に富んでいた。 第二次隊のトップで歩くが、昨日よりましとは言いながら、やはり足が重い。 「ヤッホー」と声を掛けても反応が無いくらい離れた所で、「休もうよ」の声で休憩。 パックコーヒーの美味しいこと! リッチだねと言われながら、飲んで前進。 ピッケルをトンと突き刺し、左右左。 トン、左右左・・・といった具合に一歩一歩登る。 しばらく行ったところで突然急登が現れた。 硬い雪の所は階段をつけられるが、 柔らかいとピッケルでずぶっ、ずぶっと差し、 硬そうなところを探して登って行く。 と、あれ?3人組がいた。 「稜線は風が強いのでここで休んでいきましょう」との大瀬。 この急登もあと少し 稜線へ出ると風が強いからと直下で休憩 硫黄岳へ向かう途中、赤岩の頭直下で休憩 赤岩の頭直下での休憩地点から阿弥陀岳を望む 真っ青な空・真っ白な銀世界。雪山のだいご味! 「早く行っても上は寒いから、先に行ってください」と言われトップに立った。 すぐ稜線の赤岩の頭。 ここから見上げる硫黄岳の頂上へは「ほんの10分」の道を進む。 風が強いせいか、岩の地肌が見え、アイゼンが岩とこすれて嫌な音を立てる。 硫黄岳頂上、10:20着。2742.1m 硫黄岳頂上 硫黄岳頂上 風が強い! 避ける場所は無し 硫黄岳頂上 ぐるりを見渡す-1 硫黄岳頂上 ぐるりを見渡す-2 硫黄岳頂上 ぐるりを見渡す-3 硫黄岳頂上 ぐるりを見渡す-5 寒い!寒い!風を避ける所が無い。 「写真を撮ったら帰りましょう」とリーダー。 本当に10分もおれない。 早々に下山。 「赤岳鉱泉が11時半ですね」の声が聞こえたから よし、遅れないように行こうと決心。 下りは大好き。 あのハーハーの急登もドサッ・ドサッと雪を蹴散らかして行儀悪く降り、 次のアップダウンダウンダウンは走るがごとく駆け下りたが、 3人の背中はあっという間に見えなくなってしまった。 後の人影も見えず。 下りは快適。 しかし周りをとっくりじっくり眺める暇はない。 これだけ走って駆け下りても、後ろの2人との差はわずか5〜10分。 それならマイペースでゆっくり景色に浸り、雪に親しんで歩いた方がいい。 赤岳鉱泉、11:25着。 アイゼンを外し、オレンジを食べ、行動食をゆっくり食べる暇もなく「すぐ出発」 キャンプサイトを通り抜け、川を渡り、またまた走るが如く飛ぶが如く進む。 早く歩く楽しみは、あるにはある。 途中で後ろの2人を2回ほど待って小松山荘へ。12:35着 バスの時刻には間に合わず、次のバスにでは遅すぎるのでタクシーを予約。 それでも温泉もビールも無しになりそう。 ここからはスケーティング走法に移った。 が、振り切られ、時々ちらちらと背中が見えるだけ。 近道を1本見逃した。 2本目に入ったはいいが、どしんと木にぶつかりそうになったり、 1m程の段差に落ちそうになったりと冷や汗。 最後の登りが終われば、後は下って別荘地からの道と合流すれば、着いた! 美濃戸口、13:30着。 すぐ後ろから2人組到着。 後から聞くと、「車に乗せてもらった」・・・と。 「えっと、もう着いたの」の声でタクシーに乗る。 相客2人と1人の割り勘。 茅野駅で後続の車を待って、発車まで約20分。 リーダーはビールとワインを購入。 普通列車の乗り換え乗り換えでうまく酒盛りもでき、 それほどの遅れも無く多治見着。 |