秋の 南八ヶ岳
              (阿弥陀岳〜赤岳頂上小屋(泊)〜横岳〜硫黄岳)



赤岳(行者小屋から)

横岳

硫黄岳
●場 所 長野県・山梨県
●標高 阿弥陀岳2805m  赤岳2899m  
横岳2825m    硫黄岳2760m
●山行日 1992年10月10日〜10月11日
●多治見から
  登山口まで
多治見諏訪IC=茅野=美濃戸口=美農戸山荘(登山口)
※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ⇔その他
●参加者 丹羽、中山
●コースタイム 1日目 10月10日(土)
多治見
美農戸山荘
行者小屋
赤岳頂上小屋(泊)
6:05発
9:00〜9:15

11:30〜11:40
13:25着
2日目 10月11日(日)
赤岳頂上小屋
赤岳石室
横岳頂上
硫黄岳石室
硫黄岳頂上
赤岳鉱泉
美農戸山荘
7:10発
7:55
9:25
9:55〜10:20
10:40
11:55〜12:50
14:10〜14:15
   周辺地図はこちら


  1日目 10月10日(土)

山はちょっぴり白色

6:05、多治見発。諏訪ICで下り、地図を見ながら茅野を通り、美濃戸口へ。

車の中から見た八ヶ岳は、白っぽく「もしかして雪かも?」と言い合う。
美濃戸口からゴトンゴトンの林道へ入ると、急に紅葉が始まったように鮮やかな色彩となる。

登山者を、右に左に避けて、徒歩1時間の道のりをあっというまに美濃戸山荘に到着。

北沢と南沢の分岐近くに車を止め、さあ出発、9:15。

水量の多い南沢に沿ってゆるく登る。

これから連休が始まるというのに、下山する人が多くて不思議。

気温は12℃くらいだが、暑いので半袖で歩く。

橋を何度も渡り、時々雪の残りにも出会う。

歩いて行く真ん前に、横岳、右に赤岳がず〜んっとそびえたっている。

  
           行者小屋手前から  山が白い・・・

行者小屋前はたいへんな人、人、人。11:30〜40。

  
      行者小屋前で  後ろは赤岳

すぐ前に、大同心、小同心、赤岳を見上げ、少し横には阿弥陀岳。

水を補給して出発。 すれちがう人に雪の状態を聞くと、「登山道はそれほどでもない、もう溶けている。」とのことで、阿弥陀をめざす。

赤ペンキを見落とし、沢へ入り込んだが、おかしいと 気付きすぐもどって正規のルートを探した。

ジグザグの急登を1歩1歩登る。

振り返ると、赤岳めざして真っ直ぐの1本道がみえる。文三郎尾根
登山者も小さく小さく数人見える。
夏なら数々の高山植物が咲き乱れているだろう所をぐんぐん高度を稼ぐ。
空は、晴れたかと思うとすぐ、どんよりとした雪雲におおわれたりと目まぐるしい。

中岳とのコルにザックを置き、身一つで阿弥陀をめざす。
なるほど、話に聞いていた通りの急登。

  
  阿弥陀岳への幟の途中  赤岳を展望

コケモモの赤い実も食欲をそそる、が、色ほどはおいしくない。

25分で阿弥陀頂上着。13:25〜30。
赤岳が目の前に見えるが、ガスがどんどん出てシャッターチャンスがなかなかない。
寒いので、早々に下山。

登りより、下りのほうがこわい。
腰をおとし、つかめる物には何にでもつかまって 1歩1歩下る。
ザックが真っ下に見える。

空身でこそ登れる阿弥陀岳であった。

登りと同じだけ時間をかけてやっとコルに戻る。13:50。

さあ、いよいよ赤岳に向かう。14:00。
中岳をすぎるころから、赤岳鉱泉と行者小屋の両方が見えるようになった。

ここからぐるっとまわってあの赤岳鉱泉まで行くという事が一目で分かる。

中岳と赤岳のコルで一息入れる。14:25〜30。

始めは、ゆるいジグザグの道。そして、鎖場へ。
雪の量も段々おおくなり、滑らないように気をつける。

雪、氷とも溶け始めているので急な岩場もそれ程でもない。
(翌日、朝早く、すれ違う人がおおかったけれど、あの鎖場の氷や雪、また凍って いるだろうから大変だろうと推察する。)

ぐいぐいよじ登って、赤岳南峰へ。頂上は大勢の人。
すぐ、北峰の頂上小屋へ 行き、宿泊手続き。15:15。

今夜は混雑するらしい。外は風もなく、それほど寒くもないので、夕食は外で作ることにする。

16時の天気予報を聞く
「低気圧は、東に去り、高気圧が大陸にあり、天気の崩れはないだろう」と分かる。

寒くなってきたので食堂に入る。
受付けには、ずらっと人が並んでいる。
中は、 むっとするほど曖かい。17時までなら、「自炊可」の許可が出ているのでガスを点け、しゃぶしゃぶ2回目を作る。

ビールもほとんど2本開けてしまった。
食べ切れなかった材料は、明日のラーメンの具にすることで夕食を終わる。

部屋の布団割りが済むまで、所在なく、おやすみセットをそばに置き、残りのビールを飲んでいると、夕食の呼び声がかかり、寝ていた人が移動したので、その開いた所に横になり毛布を掛けると、すぐぽかぽかして眠くなってしまった。

そのうち、小屋番さんがきて、布団割りが始まる。
全員外へ出され、きちんと平等に割り付けがされる。

着いた番号の順に詰められ、やっと自分の場所が決まりほっとする。
毛布だけなので、あるったけ着て帽子も被って潜り込む。

トイレへは、もう凍っていて滑るとの情報を聞き敬遠する。
(明るいうちでも、雪が積もっていてすべらないよう気をつけなければいけない所を、はるばる行くのだから、夜なんて怖くて・・・諦める)


  2日目 10月11日(日)

朝は凍っているのでこわごわ降りる

6:00頃、外が明るくなってきたところで起床。

階段の所でつるっとすべる。
日の出を待つ人でいっぱい。
晴れ。富士山も雲海の上に頭だけ出している。

  
        赤岳頂上小屋から   もうすぐ日の出

朝食の自炊者は少なく、珍しいこと。
7:10発。どんどん登って来る人を待ちながら、凍り具合を調べる。

   
    赤岳頂上小屋からこれからのコースを確認

   
    赤岳頂上小屋をバックに   これから出発

登りはいいようだが、下る人の「きゃあーっ」という声が聞こえて来る。

雪がアイスバーン状になったやせ尾根を下るのだから怖いことこの上なし。

這い松の幹でも根っこでも握れる物は何にでも掴まって、へっぴり腰で降りる。
冷や汗もの。

後ろに続いていても譲る幅もなく、マイペースで安全な速度で降りることに徹する。
ひと山下り終える頃、凍った雪に足を取られ、中山さんが唇を岩角にぶつけ負傷。

紙で暫く押さえていたら血が止まったので、出発。

事故や怪我をした後は気が動転して落ち着きを欠くので気をつけて下る。

  
      もうすぐ、赤岳石室  まだまだ気が抜けない

無雪期なら20分ほどで下るところを45分かかってやっと赤岳石室に着。7:55。

ここからいよいよ横岳の登りとなる。気を引き締めて出発。
地蔵尾根の道と合流し、(ここのお地蔵さんには頭がなかった)いよいよ鎖場へ。

しかし、こちらは雪がないし凍ってもいないので、鎖があってもすいすいと登れてしまう。

ところが、鎖場の下りとなるとそうはいかない。軽アイゼンを付けている一団体を追い越し取り付くが、手は鎖をつかんでいるからいいものの、滑らない足元を探して、右は岩・左は崖っぷちのせまい岩場を下る。(やだやだこんなところ)と口に 出しながら慎重に降りる。

眼下には行者小屋・赤岳鉱泉。左の方には阿弥陀・赤岳。右の方に硫黄・蓼科を見ながらのんびりする。8:50〜9:00。

  
     赤岳を振り返る

まあまあの登りの後、横岳頂上着。2829m。9:25。通過。

  
        横岳頂上で

前、来たときには確か無なかった鉄梯子があって「カニノヨコバイ」は、安全になっていた。

「大同心」を降りる二人パーティーを見ながら、硫黄岳石室をめざす。

  
        硫黄岳への下り

と、急に雪が多くなって雪道を歩くことになる。
ここの雪は凍っていないのでルンルンで歩ける。

夏、コマクサがびっしり咲く斜面も雪に覆われている。
硫黄岳石室に9:55着。
お湯を沸かしてコーヒータイムとする。10:20発。

ここからは、ケルンを頼りの登り。急ではないが延々と続き、見上げても見上げても頂上はずっと先と行っただらだら登り。

硫黄岳頂上、10:40着。

  
          硫黄岳山頂

ぐるぐるぐるっと360度の展望
先ほどのガスもなくなり、風もなく、絶好の山日和。

昨日今日と歩いた山並みが全部見え、両天狗もずうっと稜線の先に見える。


  
       硫黄岳山頂で  歩いてきたコースを振り返る

いつまでも見ていたい景色を目に焼き付けて、さあ、下山。後は下るのみ。

ダケカンバの林から針葉樹と苔の林に入ってどんどん下る。

あっというまに、先ほどまでいた横岳・硫黄がずうっと上の方になってしまって、いつも思うのだがなんだか勿体ない。

赤岳鉱泉に11:55。

  
       赤岳鉱泉で

名残を惜しみ、コーヒータイムとラーメンタイム。
水はたっぷりあるのだから言うことなし。 12:50発。

後ろを振り返り振り返り、川を何度も渡り、紅葉を楽しみながら歩いて、14:10、駐車場に着
14:15発。

太陽館で温泉に入り帰宅。

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