花いっぱいの 白馬連峰縦走 |
朝日小屋前で 朝日岳を振り返る コゴメグサとイブキジャコウソウ |
●場 所 | 長野県・新潟県・富山県 | |||||
●標高 | 白馬乗鞍岳m 小蓮華山:2766m 白馬岳:2932m 雪倉岳:2611m 朝日岳:2418m |
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●山行日 | 1993年8月20日〜8月21日 | ||||||
●コース | 栂池自然園〜白馬乗鞍岳〜白馬大池〜小蓮華山〜三国境〜白馬岳〜白馬山荘(泊)〜白馬岳〜三国境〜雪倉避難小屋〜雪倉岳〜朝日小屋(泊)〜朝日岳〜蓮華温泉 | ||||||
●多治見から 登山口まで |
JR多治見駅ーJR名松本駅ーJR白馬駅⇒バスで栂池自然園へ(登山口) ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ⇔その他 |
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●参加者 | 丹羽、中山 | ||||||
●コースタイム | 1日目 8月20日(金)
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ちっとも夏空にならない天気図や週間天気予報を見ていたら、やっ と、週末から太平洋高気圧が勢力を伸ばし、前線を押し上げるという。 早速計画書を送り用意をする。 24:00 にタクシーを予約。 急行「ちくま」には、なんとか座れる。 松本乗り換えまで3時間半ほど。寒いくらいの冷房。ハンカチを肩に掛けてしのぐ。 (ハンカチがタバコ臭くなるというおまけ付き) 急行「アルプス」にも座れる。 やはり木曜日出発のおかげ。 白馬は雨。 バスを待ちながら、お握りを食べる。 猿倉方面は長蛇の列だが、栂池行きはゆったりと座れる。 白馬大池 からの乗車はゼロ。 始発の白馬駅からの方が確実に座れるからと思ったが、これも木曜日発のおかげだろう。 終点の栂池自然園もかなりの雨。 栂池山荘の玄関口を借りて雨具を付ける。 トイレは簡易水洗設備になっていてまあ清潔。 時間があれば自然園も見ていこうかとも考えたが、登っていけばすべての花iこ会えるだろうからと思い、取り止める。 見上げるとすぐの所に頂上と雪渓がバッチリ。7:30発。 登山口の手前にピンク色の大型の花。最後まで分からなくてやきもき。(オニシオガマ) オニシオガマ 階段状の岩の道を傘を差して登り始める。 登山道は雨水が流れ込み、川の中を歩いているよう。(3日目比べればこんなもの、足元にも及ばないが) 15分もたたないうちに、暑くて暑くて雨具の上を脱ぐことにする。 雨は相変わらずしっかり降っている。 頼みの綱は、「朝9時頃、低気圧は秋田沖に移動し、前線も北へ上がるでしょう」という、昨日の天気予報。 笹と広葉樹の坂道で、傘を差しながら行動食を食べて休憩。 8:05〜8:15。 中年夫婦は、ビデオを撮りながら登って行く。こんな雨なのに。 途中、小さいけれど花いっぱいのお花畑を見て、ここでこんなだから ・・・と期待が膨らむ。 ベニバナイチゴの実も熟し始め、大きな実が葉っぱの下にたくさん隠れている。 食べるにはちょっと早い。 雨だが、 明るく、時々緑の山や雪渓もガスの中から現れ、天候が良くなっていくことを喜ぶ。 (これは甘い考えだったこと後で知る) 笹の茂った開けた地点から、木道を通って湿原にと続く。 チングルマがまだ咲いている。 前方の岩・岩を登ると、天狗原の湿原に出る。 ずうっと登って来たこんな上にこんな湿原が・・・と思われるほど広々としている。 あちこちに池塘、イワイチョウの葉、コバイケイソウの名残。 この雨で水は流れ、池のよう。木道の止め金が外れていて、ぐらっと傾き滑ったが幸いどこも打ち付けなくてほっと安心。 この後は慎重に歩く。 尾瀬のようだが尾瀬より静かでいいなあと思いながら湿地帯を抜けていく。 風吹大池への分岐を右に見て、今度は岩・岩の上をひょいひょいと 伝っての登りに入る。 岩の間も左右の木々の間も川のように水が流れ、夏向きのいいところだねと言い合う。 少し開けた、雪渓がすぐ上に見える大岩の所で傘を差しながらの休憩。 同行者は、帽子を畳んでおなかのところに当てていると調子がいいとか。9:10〜9:20。 幼椎園児くらいの子供を抱いて降りてくる家族づれに出会う。 後の 二人の子供は歩いているが、滑ったら大変だ。 大きな岩・中くらいの岩の上を伝いながら、さっき通った天狗原を見下ろすと、ガスの切れ目から天狗原の全体像が分かる。 ふ〜ん、あんな所だったんだなと思いながら登っていく。が、すぐまたガス の中に閉ざされてしまう。 目まぐるしい変わりよう。 雪渓を右横に見ながら、岩の上を渡っていくといっぱいのジムカデの花。 可憐な白い花が岩の隙間のあちこちにびっしりと咲いている。 どこでも行ける岩・岩だがペンキを外さないように注意して道を選ぶ。 雨で岩が濡れて滑りやすくなっている。 風が吹いてきてぞくぞくし てきたので雨具の上を着る。 キバナシャクナゲが一株だけ今が丁度見頃と咲いている。 雪渓を渡って向こう側へ行くのだが、どこから渡ろうかと思案していると、なんとなく黒っぽい筋が分かるのでその筋に向かっていくとザイルがあったので、よしここから・・・と思い渡り始める。 「怖い」という同行者を励まして、スプーンカットの雪の上を緩く登っていく。 ガスが薄くなると向こう岸のペンキが見えてきて一安心な のだが、ガスが深い時は不安に駆られる。 そこから少し登った所が、広い平らな台地ふう。 紫色のハクサンシャジンにつられ登っていくと薄汚れた標識。 見に行くと、「乗鞍岳」と書いてある。一つ目のピーク。 ハクサンシャジン ガスの中に見えるケルンを目当てに平らな道を歩いて行くと、大きな大きなケルン。 こちらにははっきり綺麗に「乗鞍岳」の文字。 それに続く小さなケルンを辿っていくと、ガスの中から白馬大池が現れ、遠くには青空も見え始めた。 これはどうしても写真を撮らなくちゃとカメ ラを出す。 池が見えてから、白馬大池山荘までの道のりの遠かったこと。 池は さざ波も立ち、岸に打ち寄せる波もあり、透明度も高い。 白馬大池の周りの山に残雪が残っている。それが兎のようにも狐のようにも見えるのがおもしろい。 雨のため、池の水位も上がり、花が水の中でゆらゆらと揺れている。 池の周りはお花畑。ハクサンイチゲやチングルマがまだ綺麗に咲いている。11:10着。 山荘の前で休憩。お湯でも沸かそうかと思ったが、少々時間も遅れているので止めにして出発。11:35。 今からもう、テントを張る人もいる。 ハクサンコザクラやチングルマの咲いている道をゆっくり登っていくと、暑くて暑くて雨具を脱ぐ。 稜線に出ると今度は風が吹いてきて、さっき脱いだ雨具をまた着ることになる。 やっとガスの切れ間から遠くの山々が見え始め、山はやっぱりこうでなくっちゃねと言い合う。 (しかし、それもほんの少しの間だけだった) ハイマツの下にピンクの小さな花。リンネソウ。八ヶ岳で一回しか見たことのない憧れの花。 でも、八ヶ岳より小さめ。でもでも、い・ つ・ぱ・い・咲いている。 カメラを取り出し、撮る。ついでに白馬大池も。 稜線は、コゴメグサがいっぱい。コマクサは石で囲ってある。まさか、植えてある?とも思ったが、後でいろいろ調べると、保護のため登山者が囲んで行くらしい。 山小屋のご主人が「コマクサの石囲み方」を登山者に推奨してから数も増えたという報告があるそうだ。 先程まで見えていた青空もガスに隠れ、また雨が降り出した。 傘を差して歩いていると、遠くの方から雷の音。 「嫌だね。近くへ来たらどうし よう」などと言い合っていると、だんだん近付いてくる。 雨足も強くな ってくる。逃げるとしたら、この稜線から外れたこんなところで・・・と 思いながらも歩いていると、すれ違う登山者から、「傘を差していると危ないですよ」と言われ、益々びくつく。 そうこうしているうちに今度は稲光。 秒数を数えるとまだ違いけれど、雨は益々強くなる。 安全を考えて、避難することにする。 稜線からはずれたお花畑に入り、ザックに腰を下ろして座る。 肩や背中に打ち付ける雨の冷たくて痛いこと。 そうだ! こんな時のためにツエルトがあるんだわと思い、早速ザックの下の方から引っ張りだし、被る。 こんな薄い1枚のナイロンがあるだけなのに、曖かく、雨も痛くない。 顔を出して外を見ると、構わず歩いていく登山者がいる。怖くないのかしら。 風で捲れないように足で裾を押さえ、頭を下げじっとしている。 雨はバケツをひっくりかえしたような土砂降り。 ウエットスーツのジッパーに雷が落ちて死亡した人の話や、テントの外へ出た人の方が亡くなった話などを聞いて、取り出そうとしたラジオを諦める。 雷が鳴らなくなるまでと思い、じっと待つ。 およそ20分もたったら、明るくなったし、雨も小止みになったし、雷鳴も聞こえなくなったのでツエルトから顔を出すと、なんと歩いている登山者がいる。 (この雷が朝日小屋に落ちて、テレビも電話も使えなくなった・・・と後で分かった) ツエルトを畳み、周りをゆっくり見回すと、素晴らしいお花畑の真ん中。 イワギキョウ・ミヤマダイモンジソウ・タカネヤハズハハコ・ミヤマリンドウ・ミヤマキンポウゲなど。 小蓮華山に向かって登る。 見上げた稜線のガスの中に標識らしい物が見えたので、きっと頂上は風が強いからと避け、すぐ下で休憩を取る。 小蓮華頂上着、13:55。 思った通り風が強いので通過。ガスと強風の中へ踏み出す。 風が正面から当たらないように少し体を斜めにして、フードの紐を しっかり握って歩く。 後で同行者より、「あんな強風の中へどんどん行ってしまうなんて」・・・と言っていたが、唐松の風に比べればあれくらい・・・といったところ。 そんな吹き飛ばされそうな稜線にも、ウルップソウの分厚く幅広の葉を見付ける。 三国境までは下りかと思ったが、なんの、下って登 って、下って登って・・・である。 しかし、三国境からは、白馬岳まであ と1時間登れば今日の行程は終わりかと思えば、ゴールも見えた同然。 ウルップソウを始め、ミヤマクワガタ・タカネシオガマ・ウサギギクなど、左右のお花細の間をゆっくりゆっくり登る。 途中1回休んだが、休んでいてはゴールに着かないと自分に言い聞 かせまた歩き出す。 白馬は、登りやすい山で、登ってたらたら、登ってたらたらなので花を見ながら楽しく登れる。 展望がきかないのが何と言っても残念。 先のメドがつかなくて、あれが頂上だなとか、あそこまで行けばいいな・・・などの予測ができないことと、展望を楽しんで知らないうちに着いてしまうということがなく、まだかまだかと気分的に焦らされる。 白馬岳頂上も、風が強くて素通り。15:25。 白馬山荘はそこから10分のところ。 水場があれば、近い山荘でOKなので、聞いてみると「水場あり。」 早速手続き。同行者は、手がかじかんで鉛筆が持ちにくかったとのこと。 じっとしているとゾクゾクしてくる。 1、2、3号館まである大きな山荘。 料金もヤマケイ情報より高い。 あるだけの服を着込み、靴下を替えると暖かくなった。 寒いのでとてもビールの雰囲気ではなく、熱燗にする。 6畳の部屋に6人。乾燥室は満員なので、シュリンゲを持って行き、 吊してくる。 夕食は、冷凍食品の揚げ物中心で食べ切れず。 夜行できたので早々に休む。6:50の天気予報を待たずに布団の中へ。 夢心地に「前線が居座っている」ことを聞く。
4:00起床。 天候が悪いので、朝食は小屋で済ませることにする。 自炊室はがら空き。味噌煮込み。 5:45発。 外は、ガスと風。雨は降っていない。天気がよければ、すぐ上に見える頂上もガスの中。 白馬の頂上は昨日と同じ状態。 三国境に向かっていくと、前方の空がだんだん明るくなり、遠くの 山々も時折見えるようになってきた。 左下に池も。「長池」と分かる。 途中、カメラを出す。白馬の花が撮れる程に天候が回復してくる。 三国境から、岩屑のザレザレ斜面を降りて行くと、ルンルンの稜線漫歩。 タカネマツムシソウが、斜面いっぱいに咲いている。 イブキジャコウソウも、オヤマソバも、ミヤマシオガマもと、左右の花に目を奪われながらどんどん降りて行く。 雪倉山麓コースの標識板を確認して、鉢ケ岳の稜線を見上げながら、 登山道は巻き道のはずと思いながら標識板を確認する。 追い抜いた蛍光色の雨具の二人連れは一度巻き道へ向かいながらまた戻ってきて標議板を見ている。 この辺りも素敵なお花畑で、マツムシソウを中心に秋の花と夏の花 とが同居している。 丁度鉢ケ岳の東側斜面に行く辺りから雨が降り出す。(この雨は、集中豪雨ほどザーザーと降り、昨日の雷雨程も強く降り7:30から13:00まで止むことなくず〜っと降り続いていた) 一度片付けたカメラを、傘を差しながら取出し、北アルプスらしいお花畑を撮らないわけには行かないと思ったが、結果は、すっきりと写 っていなかった。 途中の急な雪渓は、雪渓の下まで下ってからまた登って登山道に戻る。 晴れていたなら、この水でコーヒーでも沸かせるのに、こんな雨(益々雨足が強くなってくる)ではどうしようもない。 巻き道から元の稜線へ戻る所が分かりにくかったが、踏み跡を見付けて登りにかかる。 紅いワレモコウのような花をたくさん見付ける。すぐに名前が浮か んでこない。が、ユキクラトウウチソウかな?と心に刻みながら歩く。 たくさんたくさん咲いていて、初めてみる花に巡り合えたことがとても嬉しい。 しかし、風雨は益々激しくなり、遠くで雷の音?も聞こえる。 雨風は激しいが、お花畑の美しさに目を奪われ、1時間があっとい うまに過ぎてしまう。 雪倉避難小屋があったし、丁度休憩時間にもなるので中へ入って休むことにする。 先客二人。8:10。 中に入って聞く風雨の音のほうが、外を歩いていて聞く音より凄く感じられるのはどうしてだろう?? 避難小屋にしては小綺麗で、床にビニ ールが敷いてあるので靴のまま上がる。 同行者は、しっかり食欲がある。 10分程休んで、思いなしか弱くなってきた雨の中へ出る。 小屋の表の斜面もお花がびっしり。 地図を見ると、雪倉の頂上まではまだまだある。 花を見ながら、ゆっくりゆっくり登る。 雪倉の頂上はだだっ広い所。 標識が立っていたのでここかな?と思ったが、標識からは頂上という文字が読み取れず、しかし、後はどんどん下って行くので、そこを頂上だとすることに決める。 稜線を少し下ってから左側へ踏み跡を探しながら降りていく。 休憩の時間ではあるけれど、風が強くて風を避ける場所がなくごろごろした道をどんどん歩く。 やっと風の来ない所を探し、休憩。 今回は私もしっかり食欲があるので有り難い。 またどんどん下っていく。 右に沢の音を聞きながら、キンコウカのびっしり咲いている斜面を 通りながら、シロウマアサツキの可愛い丸坊主を見ながら、トリカブトの一杯ある草原を抜けながら、1日中花と一緒に歩ける幸せをかみしめる。 平らなツバメ平を抜け樹林帯に入っていくと、また雨が強くなって くる。 集中豪雨ふう。 大きなツバメ岩を右手に仰ぎ、赤男山を巻き、 最初は石の上を伝って歩いていたが、雨の強さと共に、登山道が川のように流れてくるともう、避けることもできなくてザプサブと歩くことにする。 「町ではこんな雨の時はどこにも行かないのにね」と言い合いな がら、ただ、ザプザプと歩く。 登山道が川になるくらいなのだから、川も勿論水かさが増して、ゴウゴウと飛沫をあげて流れている。 勿論、岩の上を伝うなんてできな い。 水の力に負けないよう、靴の中に水が入るなんて気にもせず、ただ、こけないように向こう岸に行くことのみ考える。 稜線へ出たら、靴の中の水を出そうと思うが、結局、小屋まで水と縁が切れず、長靴の中に水が入ったような状態のまま。 滝のような登山道を見、「ウッソー、ここを登るの?」といった所もあったが、登らなければならない。 行くっきゃないなら、行く。 そんな時も、花に目が行くから不思議。 わあ、キヌガサソウだ、大きなミズバショウだ、こんな水の中に茂っている・・・なんて周りの花を愛でながらザブサブジャブジャブと歩く。 木道になると、水は木道の下を駆け走り、木道を押し流し、水の中から花が咲いているのを、滑らないように気をつけて歩く。 ここが、小桜ケ原。 すぐに、水平道と稜線との分岐になる。 ここから、あと1時間45分で小屋に着くと思えば、先は短い。 しかし、まだまだ、川のような登山道や、滝のような登山道、水かさの増したゴウゴウと流れる川の渡渉を操り返す。 ところが、13:00を過ぎると、あれほど強かった雨もぱたっとやみ、 濃いガスに包まれたまま、朝日小屋に着。 小屋も、最初、ガスの中に三角形の形がぼんやり見え、いかにも人工的だから小屋では?と思ったくらい視界が利かなかった。 すぐ前のテント場も、声だけ聞こえるので、それと分かるだけ。 手続きを同行者に任せ、雨具を脱ぎ、靴下を絞り、靴の中に新聞を入れるなどする。 水が出ないので汚れた靴下を洗うわけにもいかなかったが、どうやら雷のせいらしい。 部屋も、トイレも(水洗でペーパーまで備え付け)、食堂もよく手入れが行き届いていて清潔。 6畳に4人とゆったりでき、ストーブまで点けてもらって着替えを干すことができ心遣いが嬉しい。 暖かくなったので、私はビール、同行者は熱燗で乾杯! 「ユキクラトウウチソウと朝日岳j の版画があったが、後で調べるとカライトソウと分かる。 夕食までの時間は、外の散策。 朝日小屋前で やっと雨が止んでガスも晴れ、山が見え始めた だんだん晴れてきて、雪倉方面から、日本海までばっちり見え始めた。 早速カメラを持って、昼間撮れなかった分をバチバチ撮りまくる。 朝日小屋とテント場 タテヤマウツボグサ カライトソウ 16:00からの気象通報は、「前線が長く北陸上にあり、よいとはいい難い」だって。 夕食は20人くらいか。 豆腐まで出る本格派。 昨日が30点なら、ここは、100点といったところ。 18:00時前にも、ニュースにも天気予報はなし。 18:50からの予報を聞 く。が、雷も来そうで不安定。 夕焼けにかけて寝る。 温泉に入ることも考え合わせ、朝は、3:30起きとする。
23:30頃からたびたびライトを点けて、寝過ぎないようにする。 外は星空、町の灯までしっかり見える。 海の向こうにも灯。後で分 かったが、能登半島らしい。 昨日のうちに行動用のお茶は用意済み。 4:25発。風もなし。ライトを点けて、出発。 もう、上の方に登っている人のあかりも見える。 分岐は昨日調べ済み。どんどん登っていく。だんだん空が茜色に なる。 30分たったところで雨具の上を脱ぎ、ライトを片付ける。 山がモルゲンロートに輝くのを見過ごすことはできないとカメラを取り出す。 が、すぐ消えてしまった。一瞬の間だった・・・ この道も花・花・花のルート。雪渓が溶けたばかりの所もまだある。 難無く朝日岳の頂上に着。5:25。 頂上には、モニュメント?と展望 できる山の解説板がある。 白馬乗鞍・小蓮華・雪倉などと歩いた山々が見えるし、遠く朝日が登る方面は妙高と分かる。 風がビュービューなので早々に下りる。 この下りから、白高地沢の橋までは、またまた、花・花・花の楽し い道。 ザクと呼ばれるザラザラの道を下って行くと、ミヤマアズマギクとシロウマアサツキのお花畑になる。 ミヤマアズマギク シロウマアサツキ 昨日・一昨日と撮れなかった姿をカメラに収める。 雪渓と雪田の違いは?などと話し合いながらお花畑 の間を降りていくと、ライチョウの姿。今回これで二回目。 私たちの降りていく方へ歩いていくし、慌てると言う事がないので後ろ姿ばかりだが、じっくりと観察。 土の道に立っていればそっくり同じ色なので、動かない限り分からないし、写真にとっても分かりにくいので、お花畑の方へ行ったのでチャンスと思いカメラを構えたがシャッターを押す前に隠れてしまった。 日本海が広々と見え、海に注ぎ込む川まではっきり、町並みも見え、はるばる遠くまで来たもんだと改めて思う。 日本海から吹き上げる風は強く、ビュービューで、花が風に揉まれて写真を撮るどころではないのでどんどん下るのみ。 左側の池も「綺麗だね」だけで通り過ぎる。 これが名前の通りの「千代ノ吹上」。 日本海の親不知の方へ下る栂海方面と道を分けてからは風も収まり、ルンルンのお花畑道になる。 雪渓、草原、湿地、沢になり、ハクサンコザクラ・ツガザクラ・リュウキンカ・シナノキンバイ・コバイケイソウなどなどが目を楽しませてくれる。 ハクサンコザクラ シナノキンバイ そして、延々と続く木道。「五輪尾根」らしい。 上の方から見下ろすと、木道が光って一筋の道となっている。 「八兵衛平」には、ヒオウギアヤメ がかたまって濃い紫色の花をつけている。 ヒオウギアヤメ 針葉樹の道は、昨日の大雨の跡が残り、なぎ倒された草・えぐられた泥などが生々しく見える。 木と根の間は、ずぶっともぐったな・・・などと思い起こしながら歩く。 木道は、不安定に傾いているところもあるし、急角度で降りている ところもあるしで、乾いていてよかったね!と言い合う。 キンコウカ・ギポウシ・オニシオガマ・コゴメグサなどを見ながら下っていくと、何時の間にか、じりじりと焼けつく太陽が出てきた。 キンコウカ コゴメグサとイブキジャコウソウ クロトウヒレン サンカヨウ 待ち望んでいた青い空と暑い太陽だが、実際その恩恵を受ける身とな れば、日焼けが心配になってくる。 3日目にして始めて日焼け止めをつける。 フデリンドウのような薄紫のリンドウが、湿原一杯に咲いている。 晴れてきたので精一杯に花を開かせているのだろう。タテヤマリンドウらしい? ササ原が多くなってきたなと思われる頃、「花園三角点」の表示。 どんな美しい所か・・・と思っていたが、湿地が湿地でなくなってきたのだろうか。 太陽に当たって光るササが、風にそよぐ様は、これはまたこれでい いものだが、花園とは言い難い。 いよいよ、覚悟してきた「カモシカ坂」。地図でのしわしわは、ここが一番。 しかし、下りだからいいだろうと思っていたが、 大雨のせいで道が削られたのか、歩きにくい。 周りは樹林帯で、花がなくなった。 ここを下れば鉄橋で、白高地沢を渡ると思い下って行くが、なかなか川に出ない。 やっと出たところに、シナノナデシコ・イワオウギ などが咲いている。6:35着。 イワオウギ 梯子を登ってから橋を渡る。同行者の地図には、「仮設橋」と書いてある。 もう一つ「瀬戸川鉄橋」を渡れば、後は蓮華温泉まで下りばかりだろう と思っていたのが大違い。 まず、瀬戸川までの軽い登り、まあこれは いい。 しかし、瀬戸川からは、きつい登りが待っていた。まず、鉄橋を渡った真ん前の急な山を登る道ができている。(増水時、川が渡れなかった場合のための巻道らしいと後で納得) そこを少し登ってから、おかしい・・・と思い引き返し、 川の端をへつっていく。 そこからが、予想外の登りで、「どこまで登ればピークなの?」と思うほどの登り。 下りだと思っていたところへ、見上げても見上げてもの登りなのでガックリくる。 後で調べたところ、 時間的には短いのだが、しわしわなのできついはず。 ピークで休み、 少し降りると、またまた湿原が現れる。 兵馬平。地図を見ると「蓮華 の森遊歩道」となっているので、「よしこれでもうゴールは間近いと思ったのが間違い。雪倉をバックに写真を撮ったり、トリカブトを愛でたりしたのんびりさもそこでおしまい。 たらたらの木道が終ると、ぐちゃぐちゃの登りが延々と待っていた。 それも階段になっているので歩きにくいこと甚だしい。 階段を避けて 歩きやすい山道をと思い、右、左と選んで行くが、そこがまたぐちゃ ぐちゃどろどろときているので、山行の仕上げには最悪。 見上げては、フー、見上げてはフーと溜め息を付きながらやっと「後20分で蓮華温泉」という白馬への分岐に出てホッ。 最後の木道で大嫌いなものに 2回も出会って悲鳴を上げて走ったり、本当に最、最悪。 木道の終りはキャンプ場。温泉の赤い屋根は上の方。またまた、登らなくちゃと思って林道を歩く。11:40着。 温泉に入り、さっぱりしたところでビール。おいしい〜 バスの時間まで、ベンチに座ってのんびりと山行を振り返る。 背中から、じりじりと陽が照り付ける。 平岩の駅で、広場と水を借りて、ビールときしめんで昼食。 予定通りのバス・電車を乗り継ぎ、多治見に19:00着。 駅前のお店でもビールと夕食で打ち上げ。 |