冬の北八ツ |
●場 所 | 長野県茅野市・佐久郡 |
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●標高 | にゅう2352m 茶臼山2384m 縞枯山2403m 北横岳2480m |
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●山行日 | 1996年12月27日(金)~29日(日) |
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●コースタイム | 1日目 多治見駅 茅野駅 渋の湯 黒百合ヒュッテ(泊) 2日目 黒百合ヒュッテ にゅう 白駒池 麦草峠 茶臼山 縞枯山荘(泊) 3日目 縞枯山荘 北横岳 ロープウェイ麓駅 茅野駅 多治見駅 |
1日目 7:21発 9:39着 10:55~11:20 14:00着 2日目 7:45発 9:00~9:05 10:05 11:20~11:25 14:40~14:45 13:55着 3日目 7:00発 8:30 12:25着 16:04発 19:26着 |
●多治見から登山口まで | JR多治見ーJR塩尻駅ーJR茅野駅⇒渋の湯(登山口) ※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス |
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●参加者 | 林、丹羽 |
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これで何回目の冬の北八ツだろう。 同行者がまだ登っていない天狗を組み、 天候が悪ければ「にゅう」へエスケープすることにして計画書を作った。 午後から年休を取り、食料の買い出しに出かけた。 駅前のスーパーの食料品売り場を、隅からず~っと総なめに見て、 軽くて日持ちがよくて簡単な物を探した。 同行者とは秋の南八ツ以来。 膝の故障で本格的な山登りをしていないので、 荷物は 極力軽量化を考えている・・・と言っていた。 それでも、共同装備としてガスはコンパクトなサイズを2個、 ツエルト、アルファ米2個を持ちげてくれる予定。 私は食料全部を持ちげるので重い物を避けた・・・というわけ。 1日日夜、ご飯、ステーキ、ごまあえ、漬物、味噌汁。 2日日朝、卵雑炊、ハムエッグ、ひじきの煮物。 夜、赤飯、ポテトサラダ、肉じゃが、味噌汁。 3日目朝、雑煮、干し大根の煮物・・・ と、 最初計画した献立を変更しながら、買い物を終えた。
多治見7:21発「普通」に乗ると、 中津川で同行者が名古屋から乗ってくる「特急しなの」に合流できる。 「特急しなの」が多治見に停車しないのはこの列車だけ。 茅野からバスで終点の「渋の湯」に到着したのが10:55。 バスの中からは、道路にも家の屋根にも山にも雪がない! しかし、さすがに、奥蓼科には雪がまあ、あった。 寒いのでフリースを着てスパッツとアイゼンを装着した。 11:20発。 バス停からすぐ、ガチガチに凍った雪道となった。 通ったことのないパノラマコー スを計画したが、同行者の足を心配して 30分でも短い方が負担が少ない・・・と考え、いつものルートを取ることにした。 お互いの近況やストレス源について話しながらの登り。 いつも山へ来てはストレ スを発散させ、 山の精気を貰って帰っては、元気の素としているので 話し相手がいて有り難い。 空は真っ青~ こんな良い日に山へ登れて幸せ~ 20分ほど歩くと暑くなったのでフ リースを脱いだ。 アイゼンは、締まった雪によく効いて、キュッ、キュッと小気味よい音を立てる。 新品の12本爪なので、安心して足を斜面に置くことができる。 稜線に出た所で休憩。 人込みを避けた金曜出発なので、とてもし~ずか! 出合ったのは、我々が追い抜いた3人パーティーと、 「天狗」日帰りの単独行の男性だけ。 唐沢鉱泉からの分岐のちょっと上で休憩。 やっぱりこのルートは本通り。 唐沢鉱泉 からのルートはあまり踏まれていない「支線」といった所。 眩しい白さになったのでサングラスを出した。 黒百合ヒュッテに14:00着。 天狗への登りの急斜面は、 滑落停止訓練をしたような跡が、1本線になっていた。 早く着いたことだし、天気はいいし・・・で、 ちょっと散歩に出かけることにした。 天狗までは往復2時間半余かかるので、時間的に無理と判断した。 空身での登りは楽々~ きつい勾配も難なく登ってしまえた。 途中、弱層テストの雪の柱もきれいに残っていた。 ちょっと登っただけで南アルプスの真っ白い峰々が大 きく見えて 「うわ~!、きれ~い!」と歓声を上げた。 じっとしているとすぐ寒くなっ てくるので長居はできない。 即、下山。 14:20着。 小屋の中はがら空き。 バイト風の若者が3人こたつに入ってくつろいでいた。 会計を同行者がやってくれているので、私はらくちん。 おつまみを食べながらビー ルを飲んでいた。 よく冷えていておいしい~ 小屋が空いているうちに・・・と自炊を始めた。 何と!ここではミネラルウォーターが1リットル400円! 軽量化で水は持ち上げていないので、お金で水を買うことになった。 今夜のメニューはステーキ。 チューブ入りのバターで焼いて黒コショウと塩だけ で味付けをして食べる。 これがなかなかおいしい~ ごまあえと味噌汁、ちょうど柔らかくなったご飯と、蕪の漬物でおいしく食べ終えた。 山小屋では夕食が終わればすることがない。 指定された2階へ行くと、4人分の布団が頭を並べて敷いてあった。 いやだあ!・・・と思って同行者とともに、布団をバラバラ に離して寝ることにした。 お陰で我が家のような感じで眠ることができた。 しかし、1階からの声は筒抜けでうるさいこと! 我慢して目をつぶっていた。 18時半に寝れば明日の朝まで何と11時間の睡眠を取ることになる。
早朝トイレに起きると、星がきれ~い! 雲間から月も顔をのぞかせてた。 しか し、雲の走りが早い! 5:30に起床。 小屋番さんは誰も起きていない。 なんで?小屋 番さんが起きてこなければ、水が手に入らない。 ガスを沸かしながら待っていると やっと起き出す気配。 遅いよ~ 雑炊、ハムエッグ、漬物、パンを食べて出発の用意ができたのが、 7:45。 目出帽、フリース、ヤッケの上下、オーバー手袋と完全装備。 外は、曇り・風強 し。 時々雪がちらついている。 天狗へ行くかどうかは中山峠まで行ってから決定することにして登っていくと、 やっぱり風は強く、とてもこれから風を防ぐもののない尾根へ出る気は失せた。 峠からニュウへの道を取った。 さすが樹林帯。防風林となっていた。 梢ではビュービューと吹きすさんでいるのに、登山道は楽々。 見覚えのある道をルンルンで歩 いた。 緩い上り下りの後で頂上に9:00着。 何も見えず。風が強くて寒いだけ。 早々に白駒池方面への道を下ることにした。 9:05発。 標高が下がるとともに暖かくなりフリースを脱いだ。 たらたらとした変化のない道を下って湿原に出ると(今は雪の原)、真っ白の世界。 足跡がぐるっと回り込んでいた。 でもこの下はずぶずぶの湿原と分かっているので、あえて踏み込まない。 白駒池に10:05着。 すぐ左に曲がり白駒荘の方へ進んだ。 写真家集団がカメラを池に向けてシャッターチャンスをねらっていた。 池の上をガスが滑っていく。 一度車道に出なければという頭があるので出たが、 今は出なくても直接麦草へ出られる登山道があるらしく、 写真家たちはそこを利用していた。 麦草までは緩い登りと下り。 大雪の日、ここが通れず車道を歩いたことを思い出しながら歩いた。 麦草峠に11:20着~11:25発。 ここからは何度も来た道。 茶臼への登りにはまず中小場があり、ここまでが結構遠い。 こんなに遠かった?と思うほど。 茶臼の登りもきついなあ・・・と思ったが、頂上に着いてみれば登りもたった15分。 頂上には若者グループが座り込んでいた。14:40~14:45。 すぐ下りに入った。 先程のグループの足跡がないので、どこから来たきたんだろう?と不思議に思った。 下って登れば縞枯の展望台。 何も見えないので通過。 何の変哲もない縞枯頂上の後に、長~い下り。 アイゼンが良く効いて安心して下れた。 ここも大雪の日、他のパーティーと合同でラッセルをしながら登った道。 縞枯山荘に13:55着~14:00発。 今日は北横岳のヒュッテまでと思い近道を登っていくと、 すれ違ったパーティーから、 「今日は小屋番さんが下りたので行っても無駄。」・・・と 聞いた。 縞枯山荘は自炊場が寒くて汚いし、テレマークのスキーヤーもいて満員だろうから 「いやだ、帰ろうか」とも思ったが、 西の空がみるみる間に明るくなり青空も見えてきたので、 明日の天候を信じて縞枯山荘に泊まることにして引き返した。 縞枯山荘は思ったほどの混雑もなく、素泊まり料金も安いので、 まあ良いか・・・と思った。 しかし、水はやはり有料。 ここはお湯500ccが300円。 ガスが小さいので雪から溶かすわけにいかず、夕食用に買うはめ。 じゃが玉のバター焼きとポテトサラダ。 赤飯もおいしくできて満足。 お湯が貴重なので味噌汁はなし。 足先が寒いのでこたつに入りに行った。 ぽかぽかと暑いほど。 夕食どきでこたつが空いた時間を使って、明日の計画を相談。 天気が良ければ蓼科まで行ってしまおうかとコースタイムを調べ、 帰りの電車の時刻も調べてから就寝。 今日も18時半。 また11時間の睡眠。
良~い天気。 5:15起床。 朝食(雑煮)を食べ(干し大根は水の節約でなし)7:00発。 お湯を500ccずつ貰い行動用とした。 朝日が北横岳のてっぺんを照らしていた。 昨日見た岩に付いたえびのしっばは全部なくなってしまっていた。 朝1番の足跡をつけながら北横岳へ。 8:10北横岳ヒュッテ着。 大きな鍵ががぶら下がっていた。 通過して頂上へ。8:30着。 風もなく360度全部 ばっちり! こんなに風がないなら、天狗も赤岳も行けてしまうだろうなあ・・・と考えた。 亀甲池への踏み跡があるので下っていくと、途中から消えてなくなってしまった。 同行者も通ったことのない道では、積雪期行けるはずがなくあきらめて引き返した。 では、大岳方面はどうかと少し下ってみたが、 予想したとおり、こちらは人があまり通らないので、ずぶっと埋もれてしまう。 足を抜くのに膝に力がかかるし、帰りは急な登り道と分かっているので 今日はここまでとして引き返すことにした。 このまま帰るにはあまりにも天気が良くてもったいない。 少し散歩をするつもり で三ツ岳方面へ真っ直ぐに進んで見た。 岩の隙間も雪で塞がれ、庭園風で静か。 しかし、何でもない下りで同行者の膝が嫌がったことと、 頂上付近の鎖場を見上げて膝が嫌がったことで 引き返すことにした。10:15。 元の分岐へ戻り、ロープウェイ駅へと下り始めると 続々と登ってくる人、人、人。 身軽で軽装備で手軽なハイキ ング風。 ロープウェイ駅が近くなると、観光客とスキーヤー。 その間を縫って登山道へ入った。 2回スキー用の道を突っ切って、ピラタスの麓駅へと下って行った。 下へ近づくと雪が少なくなり、岩がゴロゴロ。 変に凍っているので歩きにくいこと! ロープウェイ麓駅に12:25着。 13:03発のバス発車まで、お湯で顔を洗ったりザックの整理などをしていた。 途中のプール平で降りて温泉へ。 ピッケルをバスの中へ忘れるというハプニング・・・ 電話で連絡を取った。 温泉から出て、待っていたバスに乗り茅野の駅へ。 駅ビルで昼食を済ませ16:04乗車。 と んとん拍子で普通を乗りついで多治見まで。19:26着。 |