初めての 岩登りトレ


   ●場 所 愛知県豊田市
   ●山行日 1996年12月8日
   ●多治見から登山口まで 多治見=南山駐車場
 
※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
   ●参加者 宮田、神戸、奥村充、浦本、玉置、近藤、 水野裕、林、久保、蓑田、丹羽
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いつもの駐車場に集合。
名古屋から参加の列車到着を待って一緒に出発。8:10発

3台の車のうち、1台に30周年記念誌の係が乗って、
車中で打ち合わせができるようにと思って前日に頼んでおいた。

約1時間の道中、大体の基本線ができた。

道案内が上手なので、迷うことなく南山の岩トレ場に着。
何と!道路のすぐそば。

今日は山歩きはできそうに無いと分かった。

川のそばのトレーニング場所なので、荷物を置く場所も無く、
引き返して車のそばで身支度をして、最低必要な物だけ持って現場へ。

まず、ハーネスを着けた。
1992年の積雪期の訓練以来
なので、装着の仕方を忘れてしまっていて、
先輩の女性に教えてもらった。

もう2度と使うこともないだろうと思っていたヘルメットをフリースの帽子の上にかぶった。

そしてカラビナ3個とシュリンゲ2本をハーネスのベルトにつけて、準備完了

まず目の前の岩場を手と足だけで登る練習

落っこちても大丈夫なようにほんの ちょっとだけなのに、
どこに足を置こうか、どこをつかもうかと迷ってしまうし、
見 ているぶんには緩い傾斜なのに、いざ取り付いてみると急斜面に思えてしまい、
へっびり腰になってしまうようで、
もっと体を岩から離して!足の先で岩に 乗って!横で乗らない!」と講師から声が飛ぶ。

登ったり降りたりの練習をしばらくしてから、
いよいよユマールとエイト環を借 りて、
上まで(ザイルが岩盤の上方の立ち木に結んである)登る練習をすることになっ た。

ユマールとエイト環の使い方の説明を聞いてから、実際手にとって試してみた。

おもしろ~い!

ユマールは、ザイルをがっちり挟み、上へはするすると体の移動 につれて自然に上がっていくが、
下方向へは動かないしくみ。
だから落ちないわけ。

エイト環は、ザイルを大きい環の中に入れてから、小さい環の外へ絡ませると、
するすると下方向へ動くしくみ。

これを考えた入ってすご~い!

「さあ、登ってみましょう。」と言われ、3本あるザイルのうちの一番左に決めた。

ユマールを首から下げてザイルにセットして、さあ、出発。
ここで、大きな勘違いをしていた私に気づいた。

ザイルは掴まって登る物ではない・・・ということ。

ザイルとユマールは、落っこちた場合にのみ私を確保するだけの物であって、
登るのは私の手と足

ええっ~とここで目のうろこが1枚落ちた気分

さっきの練習の要領で、確かなホールド(でっぱりの大きい所)を探し探し上を目指した。

「体を起こして!。靴を縦にして!。」とさっきと同じ注意。

「あっ、そうだった。」 と思い、直す。

なるほど、体を起こしても不安定にはならず、
かえって上の方がよ く見えて落ち着けるし、
靴もたったこんな小さい出っ張りに!・・・と思う所にも結構フ ィットしてずり落ちない。

ホールドのなさそうな所は、右の方のしっかりした溝の様 な所へ逃げ、
また、そこから登りやすそうな所を探して左へ逃げ・・・とやっているう ちにどんどん登って、
ゴール近くは傾斜が緩くてひょいひょいと犬のように四つ足で歩けてしまった。

着いた~!

まずザイルが結んであるリングに掴まり、到着した人の世話で忙しい講師を待つことにした。

彼は3本のザイルから次々と登ってくる人に、セルフビレーの方法を教え、
エイ ト環を使って降りる方法を教えている。

「丹羽さん、今行きますからね」と声をか けながら、
「一丁あがり~」といった風にすばやくこなしてから、私の番。

まず、「カラビナとシュリンゲでセルフビレーをし、ついでユマールを解除し、
次 にエイト環を安全環付きカラビナからはずしてザイルを通し、
また元のカラビナに付け、安全環をくるくるまわして止め、
左手で上方のザイルを持ち、右手で下の方 のザイルを持ち、
その手は腰の後ろ付近に回して懸垂下降に移る。」

これをすばやく 慎重に無駄なく流れるように行うわけ。

親切にわかりやすく教えてもらって、いよ いよ懸垂下降

岩と垂直になって!」「もっと右手をケツに!」「上を見て!]と注意が飛ぶ。

おもしろ~い。

本当にするすると何の危険も感じないで降りれてしまった!
感激!

時々下を見て方向が違っていないか確かめながら、あっという間に地上に着いた!。

楽し~い!病み付きになりそう!

待っている間は、登っている人のザイルを持っていたり、
隣のザイルを登っている人を見たり、
今度登るとしたらどこに足をかけ、次ににどこへ足をかけて・・・などと観 察したりしていた。

先程は夢中で登ったので、もう一度復習の意味で・・・と
今度は味わって登るという意味で同 じルートをまた登った。

さすが2回目、心こゆとりができていた。

しかしあっけなく上まで行ってしまい、ちょっと残念。

セルフビレーを教わったようにやって、エイト環を使っての懸垂 下降。
やっぱり楽しい。

次は真ん中のザイル。その次は右側のザイルと3本とも全部登った。

やっぱり、一番難しいのは左側ルートかな?と思った。

1人の男性は、そのルートを右へ逃げないで真っ 直ぐ行こうと何度も挑戦していた。

そうこうしているうちにもう12時。

昼食を摂ることにして駐車場の芝生に陣取った。

昨日煮ておいたぜんざいを暖めて勧めた。

午後からは、1本だけルートをもっと左に変え、試みることになった。

う~ん、のっけからつるつるの1枚岩。

でも、先輩の女性が1番にそれを乗り越えて行ったのを 見て、
「次、行きた~い」と2番手に名乗りをあげた。

ユマールとエイト環を借りて取り付く。
私はつるつるの岩を避け、右に逃げることにした。

そこさえクリアすれば後はOK。

講師から「いい選択です」と声をかけられた。

私の技術に合った易しいルートを探しただけなんだけど。

今度は上であたりの景色などを楽しみながらゆっくりすることにした。

次の人が登ってくるまで待ち、交代して 降りた。

また、懸垂下降ができる。
腰を落として足を伸ばして、ハーネスのお尻に力がかかるのを実感して楽しく降りた。

今度はアイゼンをつけての練習をしようと思って8本歯をつけたが、
前歯が無い ため足指先にすごい力を必要とし、
こりゃあだめだ・・・とあっさりあきらめてアイゼンを外し
また登山靴で登ることにした。

これで最後の6本め。
もう一度あのつるつるの岩をやりたかったが時間切れとなり終了~

あ~面白かった!

覚えたこと

 その1  足で登る。手はバランスの補足。
 その2  上体は起こす。その方が視野が広がりホールド(手がかり)がよく分 かる。
 その3  足幅は小さめに。三点支持で。体を伸ばしきらない。
 その4  靴を縦にしていれば絶対落ちない。
 その5  懸垂下降時、足の裏はフラットに置く。
 左手で上につながるザイ ルを軽く握り、反対の手は腰の後ろの方にまわす。
 これがブレーキ の役目となる。私はこのスタイルが好き。
 そのため、エイト環から ザイルを出すには、右向きと左向きでは出す方向が異な るので考えて出すこと。
 その6  確保用の支点は、二つ以上連結して使う。
 その7  セルフビレー(自己確保)を必ずしてから、ユマールを解除する。
 その8  「降りま~す」「登りま~す」と声をかけてから行動する。
 その9  降りてからエイト環をはずす時は、一度しゃがんでからの方がはずしやすい。
 その10  ザイルは絶対踏まない。大切な命綱。
 その11  セルフビレーをする時、ハーネスにカラビナを着けるのは安全な太いベルトに。
 その12  ハーネスのベルトの先は必ず戻しておく。
 その13  ユマールと同じ働きがあるのがプルージック結び。
 その14  ザイルを扱う時は必ず綿の軍手。指先だけ切っておくといい。
 その15  いざという時は体で覚えたことしか通用しない。



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