夏山合宿

  夜叉神峠〜鳳凰三山〜早川尾根〜北沢峠 
 
●場 所 山梨県
●標高 薬師岳:2926m  観音岳:2841m
地蔵岳:2764m  アサヨ峰:2799m
栗沢山:2714m
●山行日 1996年7月19日夜〜7月22日
●コース 夜叉神峠〜南御室小屋(素泊まり)〜薬師岳〜観音岳〜地蔵岳〜アサヨ峰〜栗沢山〜北沢峠(テント泊)
●多治見から
   登山口まで
JR多治見駅ーJR甲府駅⇒夜叉人峠(登山口)
※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ⇔その他
●参加者 浦本、丹羽、中山(秀)
●コースタイム 前目 7月19日(金)
JR多治見駅
JR甲府駅
19:12発
23:38着(仮眠)
1日目 7月20日(土)
JR甲府駅
夜叉神峠
南御室小屋(素泊まり)
4:00発発
5:00〜5:40
10:35着
2日目 7月21日(日)
南御室小屋
薬師岳
観音岳
地蔵岳
白鳳峠
早川尾根小屋
アサヨ峰
北沢峠(テント泊)
5:00発
6:15〜6:25
6:50〜7:00
8:15〜8:35
10:35〜10:45
12:35〜12:55
15:40〜15:55
19:00着
3日目 7月22日(月)
北沢峠バス停
10:00発
北沢峠⇒戸台口⇒JR伊那市駅ーJR辰野駅ーJR塩尻駅ーJR中津川駅ーJR土岐市ーJR多治見駅:15:52着
            周辺地図はこちら


前日  7月19日(金)

深夜、駅の通路で寝る・・・初めての経験

午後年休を取って、食料を買いに行く。
帰ってまず、明日からの山行に備え、シャワーを3日分かけておく。

それから食料の用意。1日日夜・2日日朝と夜・3日日朝の4食

献立表を見ながら野菜を洗い、キッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れ、調味料を入れ、アルファ米など他の食品も入れて準備をし、パッキングにかかる。

前夜までに持ち物は並べてあるので詰めるだけなのだが、どうしてもいつものザックでは無理と分かり、一回り大きいザックに入れ替える。

流れる汗とともにやっと完了。

朝用のおにぎりも作って出発。

多治見駅でメンバー1人と、土岐でリーダーと合流。

2人ともシャワーをかけて来る余裕。

中津川行きの電車は通勤客でいっぱい。
中津川と塩尻で乗り換え、甲府駅に 23:38着。
23:00頃の電車の中は通勤客らしい人でいっぱい。

明日の6:00発のパスまでの仮眠場所を探してバス停へ行くと、既にそれらしき人がベンチで寝込んでいる。
一人一つとしてベンチはまだ空いている。
ザックを置きトイレへ行くことにする。

駅の外のトイレは遠くて暗くて危険そうなので、構内のトイレを借りるべく、駅員さんに頼んで改札口を通らせてもらう。

山ヤらしい人があちこちにたむろしている。

改札口を出ると、リーダーから「もっと快適な仮眠場所があるから代わろう」と提案。

駅の2階部分の通路がそれ。
なるほど、外のペンチより明るくて安全で窓は空いていて涼しく、車の排気ガスも無い。

ただし、通行人の話し声・足音・明るすぎの短所はあるが…

窓の下に陣取り、マットを敷く。雨具を枕にして横になる。眩しいので バンダナをアイマスク代わりにする。これで快適。

通路に寝るなんて初めての経験だが、すぐ順応してしまい、それぞれを楽しむことにしているので平気。

通路を歩く人の足音も話し声もそれほど気にならないが、人が走ると通路が揺れることと、時々のガッタンガッタンという列車の音と、男性のうるさい声が気になる。
「おい若いの。うるさいぞ。」と言いたくなるほど。

1日目  7月20日(土)

雨がひどくなり、南御室小屋で泊まることに

マットからずれないよう、時々確かめながらうつらうつらしていると、「広河原・夜叉神行きの方、4時のパスが出ますよ」と声がする。

後、15分くらいある。「おっ、臨時バスか?」と思い、ばっと起きてザックに詰め、トイレも済ましてパスに乗り込む。

どうも夜中、駅員さんが仮眠の人数を調べたらしく、パス2台が待っていてぴったり座れた。ラッキー。

切符を全員が買った所で発車。

高校生のパーティーも一緒。

「1時間12分ほどで着くのでそれまで眠っていてください。」と言って電気が消える。

夜叉神峠です」の声で目が覚める。5:00丁度。

3分の2ほどの乗客を乗せたままバスは広河原へ発車。

朝食、トイレ、水汲み、準備体操などを済まして5:40発。

「トップで歩かせてください」と頼む。そうでないと、とだんにえらくなってしまうから。

夜叉人峠小屋まで約1時間。日焼けを防ぐため、長袖シャツに換えてある。
つまり天気はこの時点で良かったのだが・・・

樹林帯の中は、日を遮って涼しいことは涼しいのだが、薄暗く風を通さないので 蒸し暑い

昨日のビールが全部抜けたかと思われるほどびっしょり汗をかいて休憩。 6:10〜6:15。

今日はスポーツ飲料を持ってきている。
いつも2日目になると、顔が腫れるのでそれを防ぐためいろいろ試しているが、これといったものが今の所無い。

そういう症状は高山病の一種であると新聞で読み、予防には水分をどんどん取り どんどん排泄することだとあったので、今回は意識的に水分を取ろうとゴクゴク飲むことにする。

テントとフライとポールは男性2人で。
食料も男性2人が担いでいる ので、私は果物係に徹することにする。

まず1回目はブドウを勧める。

高校生のパーティーが追い抜くが、先生がいない。
あれっ?・・・ということからリーダーがいた和歌山県の高校山岳部の話が出る。
楽しく聞きながら、夜叉神峠小屋に着。6:45〜6:55。

「わ〜い、見えた〜。北岳だ〜」と思って見ていたのはどうやら間の岳らしい。
真正面にど〜んと裾広がりの山容。

そういえば、北岳への登りは右側が急だったからなあ・・・ということで正面が間の岳とする。

2人は写真を撮っていたが、この後、山の写真が撮れたのは20時間後

アップタウンのある道を杖立峠に向かう。
薄暗い樹林の中の急登や恵那山のようなたらたら道が続く。
ガスが出始めて、樹の閤からの景色が見えなくなってきた

台風の影響がでてきたのだろうか。
この1週間、ぎんぎらぎんの好天気だったのに、今になって悪くなるなんてついていない。

リーダーは梅雨明け1週間をねらって1ケ月も前から休暇を取っているというのに。
休憩、7:40〜7:50。

今度はりんごを勧める。

パイプを組み合わせて作ったケルンのある所が杖立峠
まだ時間的には早いが 「休みましょう」と、リーダーの声でザックを降ろす。8:20〜8:25。

地図では、峠小屋からこの峠まで2時間とあるが、正味1時間20分できている。
なかなかいいピッチだわと感心する。

また、アップタウンのある道となる。
と、雨がばらばらしはじめる。

樹林帯の中だし、どうせ雨具を着ても暑いので、濡れて涼しくなっていいわ・・・と思うことにする。

そのうち背の高い木の無い、開けた所に出る。

休憩の時間なのだが、樹林帯に入るまで・・・と思いながら歩いていると、雨が止んだので休憩を取る。9:25〜9:35。

どうやらこの辺りが山火事跡らしい。
道理で大きな木が無い。その分背の低い花が元気に育っている。

樹林帯の中の湿った道を緩く登っていくと、小さな広場。ここが苺平

薄暗くて 苺なぞ、一つもなし。(ここへ来るまでの間には確かにシロバナノヘビイチゴがあった)

雨がひどくなったので木陰で休憩。10:05〜10:15。

雨はひどくなるいっぽうだし、雷の音が遠くに聞こえ始めたので、早足で小屋に急ぐ。

30分とあるが何とかそれよりも早くと濡れた木の上に乗らないように走るように急ぐ。
南御室小屋に着。10:35。20分で着いた。

小屋の前は大勢の人。
中へ入ると休憩料が必要。
少し待てばやむかもしれないので、外のテントの下へ入る。

以前にはな かった高床式のような作り方の休憩所である。
足元は、丸太が隙間を空けて組んであるので、何やら危なっかしい。

先客に挨拶して奥へ入る。囲いも無いテント布の 屋根だけなので、寒い。
男性は着替え、私は雨具を着込む。

ガスを出して暖かい飲み物を作ることにする。
ミルク、コーヒー、ブランデー入り紅茶と各自好みのものを飲む。お・い・し・い〜。

雨はますますひどくなり、とてもこれから歩き出す気にならない。

でも、まだ午前。もう少し様子を見ることにする。

その間にも、ファミリーが雨の中でテントを張ったり、「ふわく」のパーティーが冬のオーバー手袋をして出かけたり、ずぶぬれで小屋に入るパーティーがあったりしている。

我々は、つい、こっくりこっくりを始めてしまう。
ここで泊まりましょう」‥とリーダーの決定の声。

小屋の中へ入ると誰もいない。
「こんにちわ」と声をかけると小屋番さん。
素泊まり、布団なし・食事無しでお願いします」というと「それはありがたい」の返事。

ところがそれからがひどい。「ここには荷物を置きませんので、右手の小屋に置 いてきて、必要な物だけ持ってきてください」と言われる。

ザックを持ってその 「小屋」へ行ってみると、中は荷物と人とで満員。

その上明かりも無い暗い物置小屋。
そこで横になっている人、座ってじっとしている人など異様な光景。

「ここで 泊まるんですか?」と尋ねると、否定の返事。
じゃあ、どういう人なんだろう。雨宿りか?
我々は、手荷物を持って小屋の中へ。

手続きを済ませてから案内された所は、薪置き場兼自炊場兼素泊まり客用の場所兼布団置き場といった所。

  
    雨のため、薪小屋のような部屋で泊まることになった

それなのに何と3000円もする。
小屋番さんに「自炊をしたいのでザックを持ってきてはいけないかしら」と聞くと「いい」との返事。

土間に新聞を敷き、メンバーから提供されたビニールをその上に敷いて、その上にザックを置く。

しばらくシュラフカバーに入ってうつらうつらしてから、おなかも空いてきたので夕食に取り掛かる。

メニューは、マーボー野菜・五目御飯・ 赤飯・サラダ

食糧係として、日ごろ家では手伝っていないだろう男性2人に「卵の殻むいてね、きゅうり切ってね、にんじん薄く切ってね、お湯沸かしてね」などと立ち働いてもらう

おかげで、とてもスムーズにおいしく出来上がる。もちろんピールを飲みながら。

隣のパーティーのメニューは、ポトフ。

自炊組は我々を含めて3組のみ

明日の天気予報を聞きながら、アルコールを飲みながら、またうつらうつらする。

雨がおさまらないかと期待するが、ラジオは山梨に「大雨洪水警報」と言っている。

ふと目を覚ますと、天窓を叩く雨の音がなくなっている。
ワ〜イと思って喜んでいると、また降ってくるといった具合で、明日の天気が心配になる。

明日は、「午前中雨、所により雷、午後から曇り」らしい。

雨が降っていても明日は出発と決め、本格的な夜寝に入る。
明日の3:00までい ったい何時間寝なければならないのか数えてみる。
まだ8時間もある。昼寝もして、その上8時間は大変・・・

人間は、目をつぶっていれば眠れるものだと分かる。

夜中寒くなって、雨具のズボンをはく。
薄いシュラフカバーだけでは雨の日はちょっと寒い。

この小屋のトイレは、流水方式。何もかも流してしまって環境問題は大丈夫なのか心配になる。

水は冷た〜いのが豊富で、流れ放題

小屋番さんのサービス不足と思われることが多い。
ずぶぬれで来た人や寒さに震えている人がいるのに、ストーブをなかなか焚かず、焚いてもぴったりくっついていても寒いくらいしか薪を入れないなんて。不人情な。

2日目  7月21日(日)

雨の中、雷にせかされて予定コースを変更

3時5分前にリーダーが目を覚ます。目覚しも無しで。すご〜い。

自炊場は空いている。
隣の部屋はまだ熟睡中なので、静かに行動。

メニューは、 雑炊・ベーコンエッグ・漬物・味噌汁
3人とも要領よくさっさと作り、おいしくできる。 5:00発。

雨はひどくはないが降っている。 小屋の裏へ回り込む。
すぐの急登。薬師岳小屋までたらたらもあるがほとんど登り

ヘッドランプ無しでも大丈夫の明るさ。休憩、5:30〜5:40。みかんを勧める。

きのうたっぷり眠ったせいか、雨降りで暑くないせいか、スピードが私好みのせいかどんどん歩けてしまう。

展望台についても北岳はガスの中。ミルク色一色

薬師小屋の貯蔵所になっている大岩を過ぎ、薬師小屋に着。6:05。
泊まりの登山者が出発の用意をしている脇を通って頂上へ。10分で頂上着。6:15〜6:25。

雨は一段と強く降ってくる。展望ゼロ。

早々に観音岳に向かって出発。
本来なら、 白峰三山を左手に眺めながらの稜線漫歩のはずが、雨に打たれての稜線歩きとなっ てしまった。

白ザレの道がたらたらと続き歩きやすく、気を抜いても大丈夫な程。

ものの30分で観音岳に着。6:50〜7:00。

先に頂上についいていたパーティーが「北岳がきれいに見える〜」などと言っている。
もちろん見えるはずが無いのだが見える気分だけ味わっているらしい。
早々に、次の地蔵岳へ向かう。

踏み跡をたどって進んでいくと。先のパーティーが「このルートでいいか」と尋ねる。

はっきりした記憶はないが、これだけ踏み跡がしっかりしていれば違うはずが無い。
それにこのルートのほかに分岐はなかったはず。

木の幹をくぐり、乗り越え、急な道を下っていくとザレた尾根に出た。

天狗岩を横から見、白砂青松風の曲がった松を見、岩を乗越し地蔵岳への分岐に着。

ここから下りると賽の河原に出るはず。
滑りやすいつるつるの道を下りる。

記憶に間違いはなかった。
子授け地蔵の並んだ所に出た。
それでもまだ地蔵岳はガスの中。もっと近づいた所まで登り、男性2人はオベリスクアタックへ。

私は雨の中、傘を差して休憩。
上の方から、赤い雨具は見えたそうだが私の方からは見えず。
「ヤッホーと言ってね」と約束しておくんだったと後悔。8:15〜8:35。

彼らは、「指」の根元まで行ったそうな。
それから先はチムニーになっていて「ちょっと無理」だったそうだ。

歩きにくい尾根道を通って分岐点まで戻り、尾根伝いに高嶺へ向かう。

途中すれ 違ったパーティーは地蔵岳への分岐を見失い通り過ぎたそうな。
間違えたあげ<の登りは心理的にもつらいことは経験から分かる。

やはり展望はさかず、真っ白いガスの中を尾根伝いに高嶺へ(標示はないので多分)。

丁度1時間。8:35〜8:45。
ここからの下りがきついことは記憶にある。足元に気をつけて−歩一歩下る。

北岳を見ながら休んだことなど思い出しながら下っていく。

40分のコースタイムが50分かかり、ええっと驚く。

白鳳峠に10:35〜10:45。
このころになるとザックも雨をたっぷり吸って重いこと。
木の下で休憩。

この先は私にとって未踏の地。嬉しいな。心が騒ぐ。

のっけから木の枝に道が塞がれている。押し分け押し分け露払いをしながら登っていく。

「間道」といった風情の道で人があまり通っていない。

次の広河原峠まで山一つ越さなければならないのだからと我慢して登る。

ところが40分のコースタイムになっても峠に着かず、50分になっても書かず、やっと1時間たって広河原峠に着。長い長いコース。11:45〜11:55。

まだ雨は止まず。木の下で休憩。

ここから40分で早川尾根小屋
今日の宿かと思って歩いていると、向こうから 大団体。
どうやら高校総体の下見とトレーニングらしい。

リーダーは10年前を懐かしく思い出しながら声をかけている。
ところが最後の役員らしい人は、人を待たせておいて挨拶もせず、さっさとすれ違ってしまう。
最後のリーダーが帽子を取って挨拶する風習はリーダーの高校(和歌山)だけなのか、近頃はすたれたのかと、話題に上る。

さすが70人以上が通っただけのことはある。
さっきまでの歩きにくさとは大違 い。しっかりと道ができてしまった。
もっとも滑りやすくなった所もできたが。

早川尾根小屋に着。まだ、雨。
御室小屋のような冷たい仕打ちかと思いきや、親切に「中に入って休んでいい」の返事。

小屋の中はがら空き。小屋番さんが一人でストーブの番。
「座って休みなさい」と勧められるが遠慮していつものように立ったままで休憩。12:35〜12:55。

まだ雨は降っているし時間は早いし、3人とも昨日ぐっすり眠っているので体力も残っているようだと判断したらしく、リーダーから「先へ行きましょう」の声。

高校総体のメンバーから、「いいピッチだ」とお褒めの言葉を貰ったことと、小屋番さんから「雷も来ないし、なかなかいいピッチだし、行けるでしょう」のお声がかか ったことも後を押したらしい。

メンバーの1人は水を補給して、さあ、出発。

登って下って登って下って、次の登りが一番きつかった。

見上げれど見上げれど登りが続いている。

雨は止みそうで、メンバーの1人はポンチョを脱いでしまっている。

そのきつい登りの途中から雲の切れ間がやっと現れた。
下界が見える山の稜線が見える。きれ〜い。何度も声が出る。

登り切った所で、リーダーも雨具を脱ぐ。私は着干しにする。

ここからの登りは緩くなり歩きやすい。

途中、団体以外で初めての人に出会う。

北岳の撮影をずっと待っているのだそうな。

あれがアサヨ峰と思い込 んだピークは違っていてガックリ。

まだまだそこから40分かかった。

天気は不安定で、山が見えたりガスで見えなくなったりでいそがしい。

アサヨ峰着。15:40〜15:55。
ゆっく りでも歩いていればいつかは着く」とリーダーから励まされ出発。

栗沢山まで1時間。軽い軽いと思っていたら、ゴロゴロと遠雷の音
リーダーは、「雷は横へ飛ぶこともあるから」と、「急いで樹林帯へ」と激を飛ばす。

先ほどまで足が痛いといっていたリーダーが、さっさと走れてしまうのかすごい。

「丹羽さん、ここだけは急いでください」と言われ、あえぎあえぎ足を速めるが、走り登るなんてできない。

稜線で身を隠す場所も無い所なので、とにかく樹林帯へと、最初の仙水小屋の予定を止め、栗沢山からすぐ下りれる道へと急ぐ。

何とか逃げ込めた所で休憩。

アサヨ峰から休憩無しでここまで来てしまった。
休憩を取ろうとグレープフルーツを取り出したが、雷鳴で慌てて片づけて出発し、栗沢山もさっと通過し、雷から100%安全な樹林の中で休憩を取る。

後は下るだけと呑気に考えていたら、とんでもない。
足が疲れているか、濡れた木の根を踏み、つるっと滑ったりすることがたびたび。

ここで怪我をしては大変。
ゆっくりでも安全に・・・と、私は左の弱い膝をかばって横向きになって下りていく。

途中、リーダーが「先に行ってください」と珍しいこと を言う。
たばこを吸いたいからだというが、「高校ではそういうのは許された?」と聞くと、否定の返事。
「では、待っていましょう」と答える。

3人とも足にきているようなので、スピードが落ちているらしくなかなか下に着かない。
しかし、沢の音がだんだん大きく聞こえるようになり、近づいているな・・・と励まされる。
幸い、雷にも雨にも会わず、夕日が斜めに差し込んで木の間から光の帯が幾筋も見える。

「こんな景色が見えるこんな時間に、山を歩いているなんて、普通は有り得な いよね」と言い合う。

犬の声も時々聞こえ、もうすぐだと分かるがなかなか着かない。

やっと、建物の屋根が見え、沢で汚れた靴を洗い、橋を渡ってテント場へ

リーダーは手続き。もう1人のメンバーは、さっそ<ピール。
私は流れる水で顔を洗い体を拭きさっぱりとさせる。19:00着。
結局14時間の行動時間になった。

水場にも近い、トイレにも近い所でテントを設営。

男性2人は川で体を洗おうと出かける。

私はテントの中で着替えを済まし、さっぱりする。

外は既に暗く、たいていのテントでは夕食を済ませ歯磨きの時間。

我々はこれから夕食。

テントの中で食事作り。ビールを飲みながら作る。
チャーハン、ポテトサラダ、干し大根の煮物の献立。

お酒の代わりにフランデーを少し貰い、隠し味とする。
2人の協力がいいのでスムーズにおいしく出来上がる。

食後、メンバーの1人は、すぐ眠りの世界へ。
リーダーと私は、ウィスキーを飲みながら山談議で23 時まで。

外は天の川も見える満天の星
花ほど、星に詳しくないのが残念。 就寝。

明日は山登りはなし。ゆっくり寝ていてもいいとのこと。
(計画では、甲斐駒ケ岳往復だったが、疲れがたまっているだろうからと変更)

3日目 7月22日(月)

天気になったら下山

起床。まず優雅に朝の飲み物を取ってから朝食作りに取り掛かる。

雑煮と海草サラダ

荷物はパッキングを終えて、外で乾燥させておく。
10:00のパスまで近くを散歩することとする。

のんびり広河原方面へ歩きながら 甲斐駒を見たり、小仙丈を見たり花の名前の復習をしたりして、昨日歩いた稜線を地図で確かめながら歩いて行き、また戻る。

テントを畳み、予定通りのパス・電車を乗り継ぎ、塩尻まで。

たまたま中津川行きの列車が待っていたので、リーダーお勧めの釜飯弁当を買ってもらい乗車。

うん、具も多く、なかなかの味。

昨日の今頃はどこにいたかなあ・・・と楽しく思い出しながら帰途につく。

中津川で乗り換え、多治見へ。
リーダーは土岐で下車。

長い早川尾根縦走だった

確認した花
ゴゼンタチバナ     ハリブキ      ヤナギラン      キパナノコマノツメ
シナノオトギリ     キソチドリ      ヨツパシオガマ    イワインチン
ヤグルマリウ      チンクルマ     ハクサンイチゲ    タカネピランジ
クルマユリ       カイタカラコウ    コウモリソウ     ホタルブクロ
ムラサギツリパナ   ヤマブキショウマ  ミヤマカラマツ    ミヤマハンショウヅル
センジュガンピ     ヒオウギアヤメ   ミネウスユキソウ  ミヤマオタマキ
ハクサンオミナ工シ  ツマトリソウ      キパナシヤクナゲ コケモモ
タカネグンナイフウロ ミヤマダイコンソウ  モミジカラマツ   シナノキンパイ
オオウパユリ      マイツルソウ    ヤマハハコ      カニコウモリ
クガイソウ       チョウジコメツツジ  コイウカガミ
     ムカゴトラノオ
シナノナデシコ

  「山行記録1996年〜2000年」に戻る

  トップページに戻る