1年ぶりの 木曽駒ケ岳


  ●場 所 長野県木曽郡南木曽町
  ●標高 2956m
  ●山行日 1996年8月31日(土)〜9月1日(日)
  ●多治見から登山口まで JR多治見駅ーJR武並駅ーJR木曽福島駅=タクシーで木曽駒高原スキー場(新和スキー場)へ・・・登山口
 
※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
  ●参加者 早川香、丹羽、早川博
  ●コースタイム 1日目
JR多治見駅

JR武並駅
JR木曽福島駅
新和スキー場
渡渉地点
5合目
8合目
山頂
馬の背尾根:引き返し
頂上木曽小屋

2日目
頂上木曽小屋
8合目
Aコース分岐(7合目)
キビオ峠
駒の湯
タクシーで木曽福島駅へ
1日目
6:07発
9:31
7:49
8:10〜8:25発
9:05〜9:10
10:05〜10:10
12:25〜12:35
14:15着
15:45
17:00着

2日目
6:00発
7:00〜8:20
9:00〜9:10
12:20
13:05着

              周辺地図こちら     


 1日目 8月31日

多治見労山の会員に誘われ、夏休みの最後までしっかり山へ行こうという計画に乗った。

今年の夏は、夏山合宿の早川尾根を最初に、伊吹、白山、白馬、宮之浦、木曽駒
・・・と、山づいている。

6:07発の中央線の一番の下りで、木曽福島駅へ。

途中の武並駅で会員夫妻と合流。

車内は高校生でいっぱいになってきた。

長野県の始業式は早い。

駅で帰りの列車の時刻をメモしている間にバスが発車したと聞き、
一瞬、「しまった!」 と思ったが、
大原行きのそのパスに乗ったら、1時間くらい歩かなければならない ので、
やっぱりタクシーで良かったわけ。

運転手さんは山好きの人らしく、いろいろと話し掛けてくれる。

「蘭」を取り に行って危うく宙づりになったことや、
「蘭」の種をまいて楽しんでいるという 話や、
手術して間がないのに、お客を乗せていったついでに御岳に登った話や、
今年はもう数回「大原」付近に熊が出た話などを聞きながら、
新和スキー場に着いた
約15分かかった。

8:10着〜8:25発。

歩きはじめてから、斜めに傾いている標識に惑わされたが、
少し戻って林道を突き当たりまで進んだ。

道の両側は、サラシナショウマ、ジャコウソウ、 ヒヨドリバナ、ヤマアジサイ、
アキノキリンソウ
などが咲いていた。

堰堤を越えるために、山を登って下りると、幸ノ川(こうのがわ)の河原

3日ほ ど雨が続いた割には水量が少なく、難なく徒渉できた。

休憩。9:05〜9:10。

ここからいよいよ登りに入る。

カニコウモリオクモミジハグマがやけに多い。
特に花がくるっと巻き上がった白い小さなオクモミジハグマの花が印象的だった。

一つ二つあったぐらいなら気にもとめないで通り過ぎてしまう地味な花だが、
こんなにたくさん咲いていると「へ〜え、可愛いんだ」と意外な発見ができた。

樹林の中は薄暗く、先ほどまで暑く照っていた太陽も、
ガスが出始めて隠れてしまった。

セリバシオガマカニコウモリがた〜くさん咲いていた。

セリバシオガマは、まばらに咲くのが特徴。ぱらぱら咲き。
満開でもびっしり花がつくことはない。

話をしながら歩けるスピードで水場まで
しかし、ちょろちょろ程度で飲む気は起こらなかった。
去年と一緒。

少し登った所に5合目の標識、
ちょうど時間もいいので休憩。10:05〜10:10。

ところが少し登った所にまた5合目の標識。??おかしなこと。

オサバグサの葉っぱがいっ〜ぱい。
花のなごりが一つ。丸い実もできていた。

6合目は通過して少し上の広場で休憩。11:05〜11:15

7合目に近づいてくると、周りの風景が少し違ってきた。
岩の上を通るようにな り、紅葉の始まった木がちらちらと見えてきた。

同行者との話題は、近頃では人工的 な所に感動を覚えなくなったことや、
観光地が苦痛になってきたことなど。
自然の力に優るもの無し…で意見が一致した。

7合目通過
ここから今まで登り一辺倒だった道が、たらたら道も現れて一息つくことができた。

トリカブトの仲間や、クロトウヒレンの鮮やかな紫色や、
サラシナショウマの瓶ブラシのようなお花畑が出てきて、
秋の花を楽しみながら歩いた。

山姥の奇岩」の隙間にはまだ雪が残っていた。

パイプ製の桟橋を渡り、8合目に着。12:25〜12:35。

水を確保して出発。
この辺りからナナカマドが多くなっ てきた。
実は少し色づいてきていた。
チングルマの種ができている岩場を過ぎ、ヒョウタンボクの隙間を過ぎ、
ウメバ チソウがたくさん咲いている所を過ぎると、
森林限界が終わり、ヨツバシオガマ、 ウサギギク、イブキトラノオなどが
種になっている斜面に出た。

大きなドラム缶を過ぎると、ガレ場
ジグザグに登っていくと9合目の小屋。15: 45。

この辺り、トウヤクリンドウがいっぱい。
白地に緑色の筋がついてあだっぽい。 浴衣の模様風。

確かここから15分で頂上に着いた覚えがあるので
休み無しで頂上へ行こうと考えた。
ところが 、登りは40分とガイドブックには書いてあった。
あらま・・・

30分で頂上へ。14:15着。

  

木曽福島のこのコースでは、下山者はいても登山者がいなかったのに、
頂上には人・人・人・・・

ロープウエーで来た人らしい。

思っていたより風が寒くなく、雲も少し切れて、馬の背方面が見えた。

まだ時間が早いので宝剣か濃が池へ行こうかと話が出た。

宝剣は3人とも登ったことがある。
濃が池は私だけ。
なら、そっちへ行こうと決まった。14:45発。

馬の背では、花は全部終わり、チングルマの種とオヤマノエンドウ
大きい種だけがよくめだった。

どんどん下っていくうちに、もしかして「聖職の碑」まで行けるのではないかと話 し出た。

地図を見て確かめるが、コースタイムがはっきりしないし、
ガイドブックを読んでもわかりにくい。

濃が池への下りが×になっていたことと、池とは名ばかりの水たまりに幻滅して、
池へ下りるのはやめて「聖職の碑」へ行くことにした。

しかし、前方はガスで先が見えない・・・
行けども行けどもそれらしきものはなし。

帰る時間のことも考え合わせ 1時間たった15:45に、引き返すこととした。

下ってきた分、帰りは登りが続き、疲れた体と心にはきつかった・・・

今日の宿泊場所「頂上木曽小屋」にちょうど17:00着。

小屋番さんはちょうど食事の用意で忙しそう。
声だけ掛けてしばらく待っていた。
18:00からの夕食までは、食堂で自炊をしてもいい・・・といわれ、
明るい電気の下で急いで食事を作った。
いつものようにビールを飲みながら。

終わり次第、早々に荷物をまとめて寝室へ。

食事つきの人はこれから食事。

身軽な人が多かった。

大きな声で消燈時間21:00まで話し笑っている中を、目をつぶって寝る体制に入った。


 2日目 9月1日

夜中の2:00か3:00頃、「星がきれいだ!」とあたりはばからぬ声で言うのは
まあ、許せるが、自分が眠れないといって世間話を始めるのには我慢がならなかった。

「起きるまで黙っていてください」・・・と2回も言うはめ。

朝は朝とて、御来光を見に行くのにひっそりと出かければいいものを、
またまた大声でぺちゃぺちゃと喋って他人を起こしてしまう。

組織されていない中高年は、山のマナーを知らないんだろうか・・・

寝てもおれなくて、御来光は初めてという同行者の御主人のために出かけることにした。

今回、小屋泊まりは初めて・高山植物も初めて・・・と聞いていたし、
星がそんなにきれいならきっと御来光もすばらしいだろうと考えたから。

日の出は5:13頃と聞いているので5:00に出発。

外はだんだん明るくなってきて、 頂上もそれほど寒くはなかった。
  
  

雲海がもこもこしてそれはそれはきれい〜

  

槍も、御岳 も、乗鞍もみ〜んな雲の上

座ってじっと待っている。と、ぱあ一つと太陽が出てきた!

久しぶりのきれいな太陽!

寒いから帰るという同行者を引き止めて見ていたので、
陽が登ったらすぐに引き返した。

小屋は朝食の準備で食堂は使えない。水も有料。

なら、水の豊富な8合目で 朝食はどう?と提案した。

寒くない?と、同行者は危ぶんだが、「大丈夫」と請け合って出発することにした。

小屋の前で記念写真を撮って6:00発。

  

下りは早い早い。

いつもながらもったいなく感じながら下りて行った。

若者が1人、玉の窪山荘前の見晴らしのいいところに腰を下ろしていた。
どうやらそこが彼の朝食の場所。
彼は神奈川から出張でこちらへ来たついでに山に登りにきたそうな
・・・ということを8合目で追いついた彼から聞いた。
なんて有意義な使い方!

我々はもっと下る。
また、ウメバチソウの群落を見て、ヒョウタンボクを見て8合目へ。
7:00着。

日が射して暖かく、空は真っ青

ゆっくり朝食作り。
1時間20分も休んで8:20発。

また、秋の花が見られる!

山姥の奇岩」を過ぎて7合目へ。9:00〜9:10。

ここからAコースへ。

ほとんど水平に移動。

夏草岳からの道と合流して6合目

ここから延々2合目の登山口まで3時間かかった。
コースタイムとえらい違い。

薄暗い樹林の中は長いと陰鬱になってくる。
口数も少なくなり黙々と足を速めた。

5合目の上と4合目で休憩して、やっとキビオ峠へ。12:20着。

朝、あんなに快晴だっ たのに、
10時ごろからガスが出始めて、木の間からの景色は見えなくなってしまった。
が、下界 はジリジリの天気。

帽子と軍手でしっかり武装して駒の湯目指して歩いた。
この林道には秋の花が多い。
シデシャジン、フシグロセンノウ、ツリフネソウ、 キツリフネソウ、ナンバンハコベ、
ミズヒキ、キンミズヒキ、ハギ、ツリガネニン ジン
など。

駒の湯に、13:05着。温泉に入った。
ここは初めて。土色のお湯。

同行者は体だけ洗っていた。
私は髪の毛も全部、しっかり洗った。

そしてビール。お・い・し・い〜

タクシーも列車に間に合うように来てくれたので乗車。

こん な時間なのに、満員だった。
昼食代わりに、立ちながらパンをかじった。

中津川駅からは座って多治見へ。


*その他の花
ミネウスユキソウ(コマウスユキソウかも) コウモリソウ、オヤマボクチ、 オトコエシ、
ミソガワソウ、 オヤマリンドウのつぼみ、 ギンリヨウソウの実、 ゴゼンタチバナの実、
フジカンゾウ、クサフジ、 ミヤマダイコンソウ、 カワラナデシコ、イワツメクサ、
オオバタケシマランの実、 ヤマハハコ、シラヤマギク、 ホタルブクロ、 マツムシソウ、
コウシンヤマハツカ(と思う)、 シラタマノキの実、 シシウド、シラネニンジン、 ウド、
オトギリソウ、 クサボタン、サンカヨウ、 クロクモソウ、ミツバオウレン、
タマガワホトトギス、マイヅルソウの実
など、たくさんの花に出会えて、幸せ〜



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