大雪の 坂本谷へ |
●場 所 | 三重県藤原町 | ||||
●標高 | 藤原岳へ行く予定だったが(1120m)途中で引き返した |
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●山行日 | 1997年1月26日(日) | ||||
●コース | 西藤原駅〜白瀬峠までも行けなかった〜引き返して西藤原駅へ |
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●多治見から 登山口まで |
JR多治見駅ーJR名古屋駅ーJ近鉄富田駅ー三岐鉄道西藤原駅・・・坂本谷登山口 ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス |
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●参加者 | 林、丹羽、蓑田、中山 | ||||
●コースタイム |
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地図はこちら |
朝起きると、雪が舞っていた。 滑らないよう慎重にミニバイクを運転したので、いつもより時間がかかった。 4日前に、三重県は大雪警報。 どれだけの積雪があるか期待で胸が膨らんだ。 多治見駅に、メンバーの1人、姿が無かった。 (あとで聞くと、やはり慎重運転のため時間に遅れ、走り去る列車を見送ったそうである。 彼はそこであきらめず、車で追っかけ、我々を西藤原駅で出迎えてくれた) 電車の中からの鈴鹿の山並みは真っ白! うれしいな! 暖かい電車の中で、雨具のズボンも、スパッツも全部つけてしまって準備完了。 駅舎を出ると、彼が待っていた。 車は駅前の駐車場に駐車。 彼は寒い車外で身支度。 9:25発。 坂本谷登山口までの道にも雪が積もっていた。 ここがこんなに積もっているのはこれで2回目。 ラッセルをした挙げ句、稜線にも出れずにテント泊した3年前の大雪の日以来。 坂本谷登山口、9:55〜10:00。 雪は柔らかいのでストックを使った。 ピッケルはザックに付けておいたが、雪の ため登山道の嵩が高くなり、 普通なら難なく潜って行ける木の下も、ピッ ケルがつっかえてしまい、 しばしば後ろのメンバーの手を借りて外さなくてはならなかった。 周りの雪ははこんもりふんわりで、優に1mは有りそう。 途中で、尾根の方へ登っていくしっかりしたトレースを見つけ、 中電の分岐までの近道かと思い右へ曲がった。 坂本谷の方には1パーティーが休んでいるのを確認した。 このルート、ぐんぐん急な尾根を登っていく。 雪の多い時しかこんなルートは 取れないから・・・と、楽しんで登って行った。 登り詰めた付近で大勢の人の声が聞こえてきた。 「坂本谷からのルートと合流したんだ」・・・と思 ったのは早計。 実はこの急登のルートは、訓練のために作ったらしく、ここでスト ップ。 「ここですこし遊んでいきますから」という声を聞き、 ここからやむなく深い雪の中をラッセルすることになった。 左へ行けば坂本谷方面だと思い、緩い下りをズブッ、ズブッと踏み込んでいった。 真っ白な雪の中へ新しい1歩を踏み出すのは何ともいえない快感! しかし、天気があまり良くない。 雪が舞い、あたりはガスっている。 遠目がきかない。 いったいどの辺に居るのだろうと、地図を開いて確認することにした。 既に 12:00。 ところがリーダーは、珍しく地図を持ってきていない。 いつもの勝手知ったる坂本谷だ・・・と考えたとか。 私の登山地図と、もう一人のメンバーの2、5万分の1の地図と を見比べ見比べ、 結論を出した。 (1)坂本谷にほぼ直角に尾根を登ったわけだから、左へ下れば坂本谷の登山 道へ出られる。 (2)今来た道を戻れば確実だが、またさっきのパーティーに出合 うのは「ばつ」が悪い。 (3)このまま前進するのは視界も悪いし、登りのラッセル は体力がいるし、 それにもうこんな時間ではリミットまですぐ。 ・・・ということで、 (1)の左へ進路を取ることにした。 どんどん下るので楽は楽だが、もしこれで戻って登り返すことになると 相当な体力と時間 がかかるだろうなあ・・・と考えると一抹の不安がよぎった。 と、斜面が急角度になり、ガスっていることもあって、もう一度考えることにした。 一度は引き返すことも考えたが、トラバース気味に緩い斜面を選んで下れば 登りよりぐんと楽だ・・・ということで、少し休んで下ることに決定。 リーダーはこれからに備えてしっかり行動食を食べていた。 私は心配で食欲も失せてしまっている。 さあ、出発。 下りは本当に楽々。 ずずずっ、ずずずっと下っていった。 と、下前方にラッセルの跡が見えた! 「登山道が見えるよ!」と声がほころぶ。 谷について休憩。12:30〜 12:45。 谷の底まで下りてから、ちょっと上の登山道までの、 ほんの少しの距離が手強い。 踏めども踏めども雪はさらさらで、足の起き場ができない。 まるでその場足踏み運動。 先頭を交代してルート作りをやってもらうことにした。 膝で雪を押してと教科書通りにやるのだが、なかなかはかどらない・・・ やっとのことで登山道と合流〜 他人の作った後はなんて楽なの!と感激。 ところが少し進むと数人のパーティーが休んでいるのが見えた。 その先は真っ白の雪。 彼らがここまでルートを作ってきてくれたわけ。 もし、我々が右に進路を取らず、 幸運にも中電の分岐あたりまで行けたとしても、 ルートがなく立ち往生していただろ う。 お礼を言って、休んでいるパーティーの前に出て、さあ、ラッセルの開始〜 交代、交代でリミットの13:30まで進んだ。 雪が止み、あたりが明るくなって様子も良く分かるようになってきた。 しかし、この大雪でいつもの景色とは大違い。 いったいどの辺りなのか確信が持てない・・・ 谷が無くなった所が曲がり角なのか・・・ 13:35〜13:45の休憩のあと下山開始。 先程のパーティーはまだこれから進むらしい。 下りはるんるん。 他人が作ったルートを歩くのは楽だが、つまらなくもある。 我々が下りてきた所はどこかなと探しながら下りていくと、 まるで獣でも通っ たかのような跡がそれ。 そして、何と、あんなに時間を掛けあんなに苦労した 尾根道への入り口から出口までは、 「逆U字型の隙間」にするとたったの10分! な〜んということ!・・・と、驚きあきれてしまった。 あの「少し遊んでいく」パーティーたちも訓練を終えたらしく、 ザイルやカラビナ、ヘルメットなどを整理していた。 そのうちの1人から「丹羽さ〜ん」と声をかけ られた。 何と、愛知労山の「ひがし山の会」の女性だった。 彼女も相変わらず元気らしい。 今日は積雪期の訓練に最適だっただろうね! 駅に15;05着。 駅前に停めてあった車に便乗させてもらって、 リーダーは勝川駅へ。 私達は多治見まで送ってもらった。 |