これで3度目 鳳凰三山へ
               地蔵〜観音〜薬師 
            (青木鉱泉〜鳳凰小屋〜三山〜青木鉱泉)





観音岳頂上
この素敵な青空!!


鳳凰小屋

●場 所 山梨県
●標高 地蔵岳 2764m   観音岳 2840m
薬師岳 2780m
●山行日 1998年10月3日〜10月4日
●コース 青木鉱泉〜鳳凰小屋〜地蔵岳〜観音岳〜薬師岳
〜青木鉱泉
●多治見から
    登山口まで
多治見IC=韮崎IC=青木鉱泉
※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
●参加者 丹羽 林 中山 佐藤
●コースタイム 1日目 10月3日
多治見発
韮崎IC
青木鉱泉
鳳凰の滝
鳳凰小屋
4:10
7:05
7:45〜8:03
11:15〜11:25
14:25
2日目 10月4日
鳳凰小屋
賽の河原
観音岳
薬師岳
青木鉱泉
5:40発
6:25
8:30
9:40
14:10着
地図はこちら


1日目 10月3日

今シーズン初のいい天気

4:10、多治見発。
駒ヶ根、5:35通過。

空は嬉しい青空。今年の夏秋の天候は不順。日曜日も雨が多い。

晴れ晴れマークの出た土曜日、今シーズン初のい〜い天気。

長野分岐、丁度6:00。

諏訪のSAで朝食。6:05〜6:25。
みそ汁をテルモスの お湯で作って朝食とする。
お湯もSAで手に入るので、今度から持ってこなくても いいと分かる。

青木鉱泉までは分かりにくい道

韮崎のIC、7:05。そこからの地図は、メンバーの1人が青木鉱泉に電話して聞いておい てくれたおかげで、少し迷っただけで無事青木鉱泉に着。

ナイト一工場」の中を走る道で、知らなければここでずいぶん迷うだろうなと思われる。
この工場の中(市長さんの工場だって)を通らなければ鉱泉に行けない1本道。

鉱泉のマイクロバスが通る道にしては、舗装も無いがたがた道。

上手な運転でよかった〜

道路地図には左 回りの道もあるが、鉱泉が勧める道でこれだけなんだから推して知るべし。

すれ違いも困難で、「崩壊の危険」もあり、運転の腕があるドライバーでよかった!

工事中の川を渡り、7:45、やっと着。
既に5〜6台の車が駐車してあるし、身支度を整えている人もいる。

すぐ鉱泉のおじさんが来て駐車料金の徴収。1400円なり。

ドンドコ沢を登って滝見へ

8:03発、すぐ青木鉱泉の水場。「傭酒な建物」と評される鉱泉。

登山届けを出してドンドコ沢ルートへ発、8:08。

鉱泉のおじさんから、「川の方へ下った方 が30分は山ルートより早くなる」と聞いて喜んだが、なんのことはない。工事中でキャタピラ跡のついている広い暑さジリジリの道

「こんなだったら山ルートの方が良かったね」と言い合う。

川の傍で、休憩、8:40〜8:50。
堰堤を登り、まだこんな工事中の広い道を歩くのかとげんなりしていたら、やっ と山道に入った。

急な山肌をジグザグに登って上へ上へと「忍」の一字で足を出す。
細いトラバースのザレザレの道。

登りより下りが苦手

岩場よりも嫌いな下り気味のザレ場
へっぴり腰になる所もあって気が抜けない。
ずるっと行けば下まで落ちる。
ザレでなくてもとにかく細い。

先程のドンドコ沢・ジリジリ道で追いぬいたパーティーの声が後ろから聞こえて来る。
先に行ってもらおうと丁度時間も来たので休憩しているが、ちっとも姿が現れない。9:35〜9:45。

この辺りは、ヤマブドウの色づいた葉っぱがびっしりと空を覆っている。
「実はない?」とメンバーが尋ねる。青空をバックにしてじっと眺めているとぽちぽちと 丸いものが。
「あれ、実じゃない?」「そうそう、たくさんあるわ〜」と皆、感激。

この実で作ったお酒はおいしいんだって。

トゲトゲの角のあるブナの実もたくさん落ちていて、中には三角の形をした種が入っている。

カメラの具合が・・・

出発しようと立ち上がり、肩にかけようとした男性メンバーのザックに、カメラのひもが絡まっていたらしく、「ごちん」と私の肩にぶつかった。
そのショックで「外見はどこも傷んでいない」といって喜んだのだが、シャッターが下りにくくなってしまったとあとでわかった。

先程のパーティーに先を譲って後から出発。

ところがすぐ後で、休憩にぴったりのとても素敵な小広場があってがっかり。
小さな滝を見ながらのんびり休憩できる所。

1つ1つ、滝を見に行く

知らないってこういうことだね。
後ろから来たパーティーに名前を聞いたが、彼らも初めてらしくてどうやら無名の滝らしい。

この滝を右に見て登る岩の所で、女性メンバーがつるっと足を滑らせた。
後ろから来た人に道を譲ろうとしたらしくバランスが崩れた。
しかし、擦り傷だけで終わってほっとする。

また、無名の滝が現れた。

先程のパーティーはここで休んでいる。
豊富な水量で、休憩にぴったりだが、我々はまだ時間にならないので素通り。

水飛沫を上げている 沢を渡るのでズボンの裾を靴下の中に入れる。

南精進の滝」へ

沢を渡った所に、「南精進の滝」の標識。

今日は滝巡りも予定に入っているので、左の道に入る。
10:15〜10:20。ドードーと流れる立派な滝である。
滝見の場所が狭いので交代して覗く。

  

「鳳凰の滝」へ

また分岐に戻って、今度は「鳳鳳の滝」を目指す。
沢を渡った所で休憩。10:40〜10:50。

ここから登りに入り、ぐんぐん登ることになる。

鳳凰の滝」への近道分岐を左に入り、途中でザックを置いて滝見に出かける。
背中が軽いと楽々。
う〜ん、いい眺め。11:15〜11:25。

    

「白糸の滝」へ

また元に戻り、ザックを背負って、次は「白糸の滝」を目指す。
ここが一番登りがきつかった。もういいかげん登りが嫌になるし、白糸の滝はなかなか姿をあらわさないしで、急登の途中で休憩を取ることにする。11:50〜11:55。

先程のパーティーは水場でやっぱり休憩していた。

どうやら1度前に来ているらしく、いい場所で休んでいる。

我々よりスピードは速いのに、休憩の時間が長いので結局は遅くなるといったパターン。

気を取り直してまた急登を上ってやっと「白糸の滝」着。12:20〜12:25。

  

滝壷まで下りられるようだが途中の所で滝見をする。

ナナカマドのいっぱいついている木がたくさん生えている沢で休憩。
重そうに垂れ下がっている。12:50〜13:00。

先程のパーティーは水場で必ず休んでいるから ここでも休むかな?と思ったら、ここは素通り。

「五色の滝」へ

彼らを途中で追い抜いて次は「五色の滝」。13:15〜13:20。

  

さっきのカメラの調 子が悪いので、他メンバーのカメラを借りて滝を写す。

先程のパーティーも到着。
彼らは下まで降りていくらしい。

彼らのザックの傍にビ ニール袋。何が入っているんだろう。今度出会ったら聞いてみようといいながらとうとう会わずじまいだったが翌日聞いてみるとやっぱり茸だった。

鳳凰小屋へ

北御室小屋跡(朽ち倒れた小屋の残骸がある)で休憩。
なんていい所にあったん だろう。

もう鳳凰小屋まで20分とある。のんびり休んで行こうということで休憩、13:55〜14:10。

沢沿いに上って鳳凰小屋着、14:25。きれいな小屋。水も豊富
テント場はさらさら の砂の上。良いテント場である。

手続きをして早速小屋の前のテーブルでビール。
暑いからと日陰を選んだがすぐ寒くなってフリースを出す。

夕食も、ビールを飲みながら作って食べるのも手慣れたもの。
献立はいつもと同 じポテトサラダと干し大根の煮物、それに、ベジタブルステーキがなかったのでほう
れん草ソーセージ


山へ来て、気の合った友人とビールを飲みながら食事を作るのって好きだなあ・・・
ビールは流れる水の中に冷やしてあるので十分につめたくておいしい。

  

寒くなって来た頃からは、熱燗に切り替える。

5時ごろから布団割りをするといっていたので、受付けへいくが、まだ夕食の準備中で、どうやら食事が終わってかららしい。

ともかく部屋へ上がり込むことにして、2階の上段へ登る。

布団は出さないようにと言われているらしく、皆ゴザの上に寝転んだり座ったりして休んでいる。

ひどい小屋があったものだ。
疲れてここまで登って来たお客を布団にも寝せず、ごろ寝させておくとは・・・
仕方なく我々もだべって時間をつぶす。

そのうち夕食らしく、波が引くように下へ降りていってしまい、残ったのは数えるほど。

ふーん、自炊って少ないんだね。

また、人が増えて、いよいよ布団敷きの采配をする小屋番さんが上がって来た。

ザックは階段の横へ、布団2枚に3人掛け布団はなくシュラフが1枚ずつ、それ でも寒かったら毛布をいるだけ使うようにと。

それも、右半分が空いているのに、左に詰めて入れて1人1枚の布団でないなんていったいこの小屋どうなっているの・・・と憤慨してしまう。

シュラフは、湿っぽいと聞いたのでいっぺんに使う気が無くなり、毛布だけにする。

夜中、「アワプクタッタニエタッタ・・・」などと嬌声が聞こえて来た。

消燈が8時といやに早いのは、従業員の娯楽のためかと勘繰ってしまうほどの大声であった。

いびきも聞こえて来たが、近頃は、「「いつかは止むだろう」と達観できるようになっているので、気にしないようにして眠ることにした。
2日目 10月4日

雑煮を食べて出発

4:00起床。
自炊小屋に入って雑煮を作る。
手作りの草餅を冷凍庫から持って来たが、なかなか柔らかくならず、これは失敗だった。

5:40発。小屋の前で記念写真を撮り合ってから、地蔵岳を目指し樹林帯の中を登る。

  

モルゲンロート!

丁度朝日が出て来た所で、モルゲンロート(茜色の朝日)で、木々が赤く 染まって、神秘的な光景にであった。

ほんのわずかな時間のみで茜色は終わって、 いつもの夜明けとなってしまった。

白ザレは、まるで雪

白ザレに出てからは、丁度雪の上を歩くようにザック、ザックと足を踏み出し、 稜線(犀の河原)までの辛抱と思って黙々と歩いていたら、1人のメンバーが遅れ始めた。

あとで聞くと「頭痛と吐き気」で高度障害らしい。
すこし休んで、スピードを落としたらよく なったよう。

賽の河原」着。6:25。

  

オベリスクから北岳・仙丈・甲斐駒が見えた

ここ初めてのメンバーと一緒にオベリスクに向かって少しだけ登ってみることにする。
ちょっと上がっただけで北岳が見えた

岩は元々好きじゃないとのことで、すぐ岩の根元に戻る。

岩の裏側へ行くと、甲斐駒・仙丈がはっきり見える。
6:55発。

アカヌケ沢の頭へ行く途中、すれ違った人から「カモシカを見ましたか?」と尋ねられる。
残念なことに我々は見なかった・・・

北岳が良く見える「頭」からは、ルンルンの稜線歩き

白砂青松」の言葉どお り。本当に雪か?と思うほどの白さ。

  

途中、コケモモがあったのでコケモモ酒の話をしていたが、緑の葉っぱの中に点々 と赤い色があるのを見つけてからは、夢中になってしまった。

ダケカンバの葉っぱも台風のため、もぎ取られたり、傷ついたりで美しい黄葉とはならずに、どうやら秋は終わってしまうらしい。

ルンルンと歩いて、確か前回、急な岩場を通った覚えがあるが・・・と期待していたのに、そこは避けて樹林の中をぐるっと回るコースになっていた。

観音岳のふもとで休憩。7:55〜8:05。

先行メンバー2人は、先に観音岳に 向けて出発。
後から2人で出発。

ところがルートが違っていたらしく、 左側のハイマツ帯から「おーい」の声。
「新しいルートを開拓してきたの?」と応える。

4人で観音岳に着。8:30。
たくさんの人で賑わっている。

  

早く下ると勿体ない

岩場に登って四方を眺める。今シーズン最高の天候。
8:45発。

後は薬師岳が残っているだけ。
薬師岳に着いたらもう下山。
あまりにももったいないので、「どこかでゆっくり休もう」と声を上げる。

  

「さんせ〜い」と、丁度 コケモモがあまりにもびっしりなっているのを発見してしまったので、採集し始め
ると、後から後からと目に入り止めることができなくなってしまった。

コケモモ休憩

とうとうザックも降ろして本格的に採集するコケモモ休憩となった。9:15〜9:30。

まだまだ目についたけれどそんなに採っちゃあ悪いからと思い止めることにした。

すぐ薬師岳に着。9:40。

ここからは嬉しい初めての道

初めての道を青木鉱泉へ

真っ赤なナナカマドの実がたくさんなっているのを見つけた。ナナカマド酒が作れるらしい。

大きな岩の間を通って下る。
昨日から後になり先になりのパーティーを追い越し て紅葉の道を下っていく。
気持ちの良い道は、今度はシャクナゲの道に替わり、次いで薄暗い樹林帯へと代わっていった。

「難路」の道も山らしい静かな道で気に入ったが、同じような景色が続くと嫌になってしまう。

10:30〜10:40、御座石で休憩。
大きな岩が傾いている所。ナシを貰う。

代わり映えのしない、しかし静かな山道をせっせと降りていく。

11:30〜11:40、イチヤクソウの前で休憩。みかんを食べる。

いつのまにか笹が出てきて、里も近いかと思ったがなかなか近づかない。

12:30〜12:40、林道に出た所で休憩。

また、山道に入ったが、沢はまだまだずっと下の方。
いいかげん嫌になったがどんどん下りる。

13:20、やっと林道に出て、林道歩きとなる。
こういう道は足が痛くなる。

川を渡ってショートカット

どこで沢を捗るのかと思いながら歩く。
壊れかけた橋があり、赤い大きな矢印もあるし、向こう側は昨日歩いた工事用道路のところで、悩む。

橋は安全か?なぜ、立 入禁止になっているのか?青木鉱泉への標識が無いのはなぜか?と。

安全をとってもう少し先まで林道を歩くことにする。
と、やっと、青木鉱泉の標識
「増水のときはもっと先の橋を渡ってぐるっと回って鉱泉へ行く様に」と案内 してある。

様子を見に行くと、梯子があり、河原へ下りれるようになっている。

飛 び石伝いなら行けると踏んで渡り始める。
ぐらつく石を避けながら、「せいのっ」 と飛び移る。

慎重なメンバーは、片足が水の中に入っても安全をとった。彼女らしい。

向こう岸についてすぐ、青木鉱泉に着。14:10。

温泉はパスして帰る

高い温泉は止めて、水でぬらしたタオルで体を拭く。

せめてビールぐらいはと、宿の前の広場で瓶ビールを頼む。お・い・し・い〜

下山報告は、衛星電話で。

ブドウ棚の様にしてぶら下がっているのは紛れもない期待のヤマブドウ

落ちていたといって拾ってきたのを、少し味見をする。

15:20発、韮崎IC、16:03。


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