雪の少ない冬山 |
蝶ケ岳 (釜トンネル〜上高地〜徳沢園) |
蝶ケ岳の頂上で 穂高の山並み |
●場 所 | 長野県南安曇郡安曇村 | |||||||||||
●標高 | 蝶ケ岳2664m | ||||||||||||
●山行日 | 1998年12月27日〜29日 | ||||||||||||
●コース | 釜トンネル〜上高地〜徳沢園(泊)〜蝶ケ岳 〜徳沢園〜上高地〜釜トンネル |
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●多治見から 登山口まで |
多治見駅ー塩尻駅ー松本駅 Ж 釜トンネル・・・ 上高地・・・徳沢園 ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス Жタクシー |
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●参加者 | 林、丹羽、中山、八槙 | ||||||||||||
●コースタイム | 1日目 12/27
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地図はこちら |
*山行は1998年12月。このページを作ったのは2020年9月。
山行記録を整理する作業の一環です。
冬山の個人山行、どこにしようかと散々迷った挙句に決めた蝶ケ岳。 リーダーに、現地との連絡から タクシー会社への予約など一切お世話になっての楽々山行。 松本に9:10着。 松本からのタクシーは、「5人乗ればバス運賃とあまり変わらない」というお値段。 運転手さんは、「迎えに行ってあげるし、 温泉に入っている間待っていてあげるし、 お迎え料金も要らないし、1人3000円でいいし・・・」と。 下ろされた所は釜トンネルの前。便利だね〜。10:05着。 これが高速バスだと、坂巻温泉か中の湯かのどちらかになり、 ここまで歩かなければならない。 身支度(テントマットとフリースとわかんを外に縛り付けて)して出発、10:30。 薄暗い電灯がぽつんぽつんと着いているだけの暗いトンネル。 アイゼンがいるとも、ヘッドランプがいるとも、ガイドブックには書いてあった。 覚悟はしている。 最初のうちは凍っていないのでいらなかったが、 だんだんと進むうち、分厚い氷の張っているところへ差し掛かった。 おりしも電灯が間遠になり、足元が分かりにくくなってきたので 2人だけヘッドランプを点けることにしたが、 全面凍っているのでは、2つでは足りず 足元が分かりづらかった・・・と後で聞く。 右手にストック、左手で壁面を触りながら、1歩1歩確かめて通る。 やっと出口に着いた!。なんと明るいこと!。 ここからもまだ暗いトンネルがあるかと覚悟していたが 後は雪崩止めの明るいトンネルばかりで、 最大の難関は通り過ぎたと分かりほっとして休憩、11:00〜11:10。 |
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上高地まで2時間、緩い登りを歩く。 そこからまた2時間で今日の幕営地の徳沢。 休憩を含め、5時間我慢すればいいんだ・・・ と分かっているので重いザックも我慢できる。 が、肩が痛い。 上高地まで歩き、ザックが重く肩に食い込む 河童橋で |
大正池の前で休憩、11:35〜11:45。 穂高がよく見える。池に「逆さ穂高」も写っている。 明日の天気がいいとは限らない。 思い立ったときがチャンス・・・と男性メンバーに撮影を勧める。 穂高をバックに大正池前で |
たらたら登って下って、上高地に12:30〜12:50。 リーダーは新しい靴の調子が悪く、痛くてスピードが出ない。 あと2時間の我慢。 次は明神か・・・と思いながら歩くが、 肩は痛むし、腰は痛いし、我慢できず もう少しと分かっているが「休憩しよう」と声をかける。 13:35〜13:45、休憩。 いつもは50分で10分の休憩というリズムで歩くが、 こう重くては50分は歩けない。 う〜んと背伸びをしたり、肩を叩いたりする。 |
すぐ、明神。素通りして徳沢を目指す。 もう1回休憩を取る。14:20〜14:25。 少し休んでザックを下ろしていると肩が休まる。 足元にはりす?の可愛い指つきの足跡。 徳沢に14:55着。テントはチラホラ程度。 トイレに近い雪面に設営。 徳沢の手前から穂高を望む |
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水とビールを探しにいく。 5月あのドードーと流れていた川の水は1滴もなし。 ええーっ?! 中山さんが小屋に問い合わせた時「水はあります」の情報はどうしたの? 小屋に入って小屋番さんに聞くと 「水はミネラルウオーターのこと」だって!そんなあ! 仕方なく水500ccを2本400円で購入。 |
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リーダーはテルモスに白湯を持ってきている。 それで雪を溶かしながら水を作って夕食の用意。 定番の牛肉の野菜巻き・ほうれん草ソーセージ・干し大根の煮物のメニューで ビール・ブランデーのお湯割りを飲みながら、作り且つ食べる。 食べてしまえばやることなし。 すぐにシュラフに潜り込む。 雨具のズボン・フリース・帽子を着込んで、まあまあの寒さで朝を迎える。
4:40起床。 4人とも眼鏡が凍り付いていた。 シュラフとシュラフ カバーはまとめて大ビニールに入れ、すぐ食事の用意。 雑煮。 今日のお餅は早く煮える。 小松菜は茹でておいたがじゃりじゃりと凍っていた。 コツフェルからあふれ ないように、 かまぼこやお餅を先に出しておく方式はなかなか良かった。 トイレへ順番に 行くので結構時間がかかり、結局、出発は6:50。 靴をテントのなかで履いたり、アイゼンを着けて出発したりは、 新人にとっ て初体験。 背中は軽々で足取りも軽い。 問題はリーダーの靴。 我慢して歩いているの でスピードは出ない。 @休憩7:10−7:20。 茜色に輝いている朝焼けの前穂を左手に見ながら登る。 アイゼンが良く効いている。 A休憩8:15−8:25。 小ピークで。 登りがきつかった・・・というメンバーもいたが、私は楽々。 B休憩9:15−9:25。 長塀山手前で。 あの尾根を登ったら…あの尾根を登ったら…と思いながら歩くが着かない。 やむなくもうちょっとと思いながら、平坦地で休憩。 空はまぶしい青空。 太陽に背を向け て。 途中すれ違った2パーティーに、どこでテントを張ったか・・・と尋ねると 1つめのパーティーは、「長塀山で」。 もう1つのパーティーは、「その手前で」・・・と答えたが なるほどきちんと整地してあった。 「妖精 の池」は雪の下。 池の周りを通らないですぐ尾根に登っていくルート。 そして待って いた展望台。C休憩10;25−10;45。 どーんと目の前に響え立つ穂高連峰。 これこれ、この景色が今日のご馳走〜 足元も雪。 5月より多少雪の量が多いかな?といったほどの違いで 後はそっくり同じ。 空は痛いほどの青空。 サングラスをはずすと目が開けておられない。 単独行の男性 に記念写真を撮ってもらって頂上を目指す。 稜線は赤茶色の山肌が見えがっかり。 D頂上12;00着。本当の頂上は30分先。 しかし、雪の無い稜線を行ってくる 価値は無し。 蝶ケ岳山頂で 横尾へ下りるならそれも良いが、リーダーの足は 下りになると痛みもひどくなる事が予想されるので もと来た道を引き返すことにする。12:15発。風は微風。 せっかく来たんだから、さっきの展望台でもう少しゆっくりしようと話がまとまる。 蝶ケ岳展望台から-1 蝶ケ岳展望台から-2 蝶ケ岳展望台から-3 新人には雪山の下りのラッセルの醍醐味を味わってもらいたく勧める。 E12:25−12:35。景色を満喫して帰る。 行動用のお茶が乏しくなり、節約して1口ずつ回して飲む。 帰りはスピードがつくが、足の痛いリーダーを慮ってスピードを落としている。 F長塀山、13:45−13:55。 これ以降、「30分おきに休ませて」・・・という希望で、時計を見ながら歩く。 お茶はあと1なめ程度のみ。 私はこんな時でも乾燥バナナなら 口に入るので ぽりぽり食べる。これこそ非常食。 G14:25−14:30。 新人に「尻セードで下ってもいいよ」と勧めると あっというまに姿が無くなってしまった。 H15:00、「休憩の時間だよ」というと、「ゆっくりなら休まなくていい」とい うので通過。 徳沢に15:30着。 新人は15:05着。 ビールも我慢して山を見ながら待っ ていたという。 テントの数が増えているかと思ったらプラスマイナスで少し減った ほど。 早速、ビールと水を買いに行く。 彼は、まず1本は山を見ながら・・・といって飲んでいる。 我々は、寒くなるからとテントの中で。 水用の雪が足りなくなったのでビニール袋を持って採集に。 夕飯を作りながらビールとブランデーのお湯割りを飲む。 献立はコンビーフとニ ンニクの芽炒め、 ポテトサラダ、たたきごぼう。 今日はヤッケも着てシュラフの中へ。 おかげで上半身はOKだが、雨具のズボンの下半身は薄ら寒かった。
夜中、風が出てきた。 5:30起床。 天候の崩れはない。 朝ごはんとみそ汁、煮豆の献立。 テント撤収は風が強く飛ばされないように2人がかりで。 またまた穂高のモルゲンロートを見る。 7:45発。 軽くなったはずのザックなのにやっぱり肩が痛くなる。 8:15−8:25、明神の手前で休憩。 すれ違う人が多くなった。 9:00−9:05、上高地の手前で休憩。 リーダーは「40分で」というが、 20分はまあまあ。 それをすぎると肩が痛み出すので、ストックを後ろに回してザックを持ち上げたりして 肩を休ませながら歩く。 上高地、9:35−9:55。 松本タクシーの松浦さんを頼もうとしたが彼は今日お 休み。 彼と同じ条件を飲んでくれるか気になったが 交渉次第でというわけで12:0 0に予約。 釜トンネルをめざして歩く。 後からリーダーが「丹羽さん、早かった」と言っていたが、 足の痛いはずのリーダーがどんどんついてくるので どんどん早くなってしまったというわけ。 大正池、10:35−10:45。 一昨日見えた穂高の稜線は雲の中。 カメラをすえて待っているカメラマンがいるが、さてどうなるか? 11:15−11:25。トンネルの入口で。ずいぶん早く着いた。 ヘッドランプを用意していよいよ恐怖の釜トンネルへ。 入口は風除けかシートで覆ってある。 左手でトンネルの壁面を触りながらツルツルの道を手探りで進む。 ライトの光が弱くな って見にくい。 水の流れているところなら滑らないだろうと思い、 そろりそろりと歩きやっと出口。11:38。 ものの10分ほどだったが延々と長く感じた。 タクシーはもう待っていて、松浦さんと同じ条件でいいということで早速乗車、 11:43発。 すぐ坂巻温泉。 熱くてい〜いお湯。 カラスの行水のつもりだったがやっぱり30分は掛かってしまった。 運転手さんありがとう。12:17発。 松本までゆったりと乗っての大名旅行。 13:10着。 駅上のレストランに入って 生ビールと鰻玉どんを食べる。 14:11発。青春切符を買い割安で帰る。 席も空いていて3人(4人)で反省し ながら帰る。 多治見駅には、新人さんの奥さんのお迎え。 ありがとう〜 |
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