花が呼んでいる |
白馬岳 (猿倉〜白馬岳〜栂池) |
白馬岳の頂上で ガスで何も見えない 三国境付近から雪倉・朝日方面を望む ガスが切れてやっと遠望ができる |
●場 所 | 長野県 | |||
●標高 | 白馬岳 2932m | ||||
●山行日 | 1998年6月13日〜6月14日 | ||||
●コース | 猿倉〜白馬尻〜村営頂上宿舎〜白馬岳〜 小蓮華岳〜白馬大池〜栂池 |
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●多治見から 登山口まで |
多治見=猿倉 ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス |
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●参加者 | 丹羽 中山恭 平野明 | ||||
●コースタイム | 1日目 6月13日(土)
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乗鞍のハクサンイチゲが6月7日に満開という新聞記事を見て、矢も立てもたま らなくなって計画。 花の好きな新人メンバーも誘うと二つ返事。 これで花好きが3人揃った。 朝、4:05発で、7:25には猿倉に着。 梅雨前線は南の方だから北の白馬は 少しは良いかな、雨の中でも花が見れればいいわ・・・と自分を納得させて出発。8:00。
猿倉のトイレはまだ戸が締まっていて使用不可。 猿倉荘の中では1パーティー が食事中。 懐かしい1年前の記憶をたどりながら歩く。 山はガスの中で何もみえない。花は、 タニウツギとオオバミゾホウズキくらい。 狭い登山道に入るとキヌガサソクやサンカヨウ、シラネアオイが咲いている。 私は初見ではないが、二人は初めての花なので感動が新たでいいなあ・・・ その他、ここまでに見た花
白馬尻の小屋はまだ建設中。トイレもなし。 小屋の横でアイゼンをつける。 私は 8本歯、新人メンバーは4本の軽アイゼン。 雨具を着て出発、9:00〜9:20。 前後していた夫婦パーティーはここまでらしい。 前には外人さん1人のみ。 ベンガラをたどって登りに徹する。 下ってくる数パーティーがいる。今日は土曜日なのに?
葱平は、多分此処らあたりだろうと思われる平らなところを右に見て登る。 9:45〜9:50、10:15〜10:20、落石のないところで休憩。 上手にグリセードで下ってきた人に、「お上手ですね」と声をかけ、雪がどこま であるか尋ねると、「稜線まで」という答え。わあお! で も、雪は続いているがやはり階段状のところで一度土の上に出るように登山道ができている。 アイゼンを外し、段差の大きい階段を上っていくとミヤマガラシやウルップソク、シナノキンバイ、ミヤマオダマキが咲いている。 雪が解ければ即、夏 なんだ! 「あなたたちを待っていたわ」というようにきれいに並んだミヤマオダマキ。 本 当に今が見頃。
雪渓が溶けた水が流れているガレ場を登って、また、アイゼンを着ける。 今度は小雪渓のトラバース。12:10発。 先程パテ、横になっていた2人パーティー と、つかず離れずの外人さんの計3人の足跡があったおかげで歩きやすかったが、滑れば一巻の終わりの急斜面。 新人メンバーに「気をつけてね」と声をかける。 彼女はストックもなしの4本歯で、ぴったりくっついて歩けてしまうから凄い!! トラバースが終わるとお花畑になるはずの所は、まだまだ真っ白い雪の下。
花はなしか・・・とちょっぴり残念。 ハクサンイチゲがやっとここから登場。 まだ背も低く、咲き始めたばかりの初々しさ。 新しくできた避難小屋は、どうどうと流れる水場の前に有り快適そう。 先程のパテパ ーティーはここが今日のねぐららしい。 1株のミヤマシオガマの赤色が目立つ。 雨がぽつぽつ降っていたが、雨脚が強くなりそうなので大きな看板のある所から雨具を着る。12:45〜12:55。
小屋の見えるところへ行くと、ここらあたりから稜線上の花が目立ってきた。 チンマアマナ、ウルップソウ、ベンケイソウ、キバナシャクナゲ、オヤマノエンドクなど。 小屋で宿泊手続きを平野さんにしてもらう。 「自炊は土間」ときいて、「上の小屋へ行こうかな」と口から出てしまった。 ま、良いか、と思いなおす。 客が多ければ土間な んてできっこないが、どうやら私達が初めてのお客らしく混みそうもないと判断する。 その他、ここまでに見た花
さっきの外人さんはテント場へ。 しかし、風が強いので結局は小屋泊まりに変更。 我々を含めてお客は4人のみ。 「白馬鐘の方へ行けるか」と電話とおなじ質問をすると「行けます」という同じ答え。 でも、雪渓の途中で会った人から、「向こうへはいけない」と聞いている。 どうしようか。 着替えをして濡れたものを乾かしながら、ストーブの前でビールを空ける。 スト ーブがあってこその飲み物。 ついでに花の復習。
年配の男性が雨の中を登ってきた。どうやら小屋の人らしい。 白馬鑓方面の話をすると、「まだ雪が多くいつものルートと違うコースになっていること」や「ペンキもは っきりついていない」の返事を聞き、また、「以前雪渓で道に迷い夜中の10時頃小屋へ着いた」という話も聞いて、エスケープルートに変更することに決める。 そっちはしっかりペンキがついているとのこと。
さあ、寒い土間で夕食作り。 外は風がビュービューと吹きすさんでいる。 お湯が沸くのが待ち遠しい。 手際よく御飯、サラダ、ステーキと作って食べる。 土間へ入 ってくる人みんなが「あ、良い匂い」と声をかけては通り過ぎる。 たっぷり食べてかたづけ。あとは寝るだけ。 終わりかけに外人さんが自炊道具を持って降りてきた。 彼は、綿の半ズボンやゴアではない雨具で白馬は2回目らしいが山に詳しくないようである。 19:00前には夢の中。夜じゆう風がビュービュー。
朝方、風はおさまったらしく、静かになった。 4:00起床。窓の外に山が見えるラッキー。 朝食は雑煮。簡単にできてしまう。 さあ、雨具を上下つけて出発。5:20。 すぐ雪渓が有り、べんがらがついているが、稜線を通れば雪はないとの進言で方向転換。 テント泊の若者パーティーの後ろからついていく。 なるほど雪はひとかけらもなく夏道と同じ。 両側に、ハクサンイチゲ、ウルップソウ、ミヤマキンバイを見ながら頂上へ。
その途中、ハクサンイチゲの蕾に似ているが、純白ではないつぼんだ花を見かける。 最初はハクサンイチゲと思っていたが、黄色い花びらが開いているのを見つけ てから、立ち止まって図鑑を調べたり、ハクサンイチゲのつぼみと比べたりして、これがあの「ツクモグサ」と分かる。 なー〜んだ。さっきからいっぱいあったんだ! そういう目で見ていけば区別ははっきり分かる。
6:05、頂上着。 頂上で記念写真を撮って、食事中の若者パーティーを横に見て稜線漫歩。 白馬岳山頂 右も左もお花畑。 右の切れ込んだ崖下はどっさりの雪。 ペンキに導かれて三国境へ。 その手前でさあ〜っと遠くの山並が見え始め「シャッターチャンスですよ」と声をかけ る。 三国境で 雪倉も朝日方面もバッチリ。 雪の模様が夏山らしい。6:40通過。 その他、ここまでに見た花
三国境からは、ザレた山肌が続く。 ここは強風に吹かれまくったところ。 ミネズオウやツガザクラ、ウラシマツツジの小さな花が足元に。 雪渓を回り込んで登山道を離れるが、ルートはできている。 「アップダウンの連続で白馬大池へ行く」・・・と頭の中にコースが入っている。 ミヤマアズマギクや、ミヤマダイコンソク、アオノツガザクラの咲き始めに出会う。 7:05〜7:10。暑くて雨具を脱ぐ。 小蓮華着、7:25。 三国境を過ぎて暑くて脱いだ雨具をまた着用。8:00。
ここらにコマクサが咲いているはず、ここらでライチョウを見たからいるかも・・・の予想がぴったり。 コマクサも咲き始め。囲われた石の間で5cmもない背丈なのに、ちゃんと咲いている。 ライチョウもまだ冬毛がまだらになっている。 白馬大池の手前は雪が一面。 ハクサンコザクラやイワイチョウが咲く湿地も雪の下。 ぎょっとしたのは、我々の前に歩いた足跡がはっきりしないこと。 今日は勿論、昨日も歩いていないよう。 その上、白馬大池山荘も戸締まりがしてあり、メロンを 食べる予定が食べれない、休憩もできないと分かり、この先登山道が雪解けの水で埋没してはいないかと不安が胸をよぎる。 (メロンは新人メンバーがボッカで持ち上げている!!!) その他、ここまでに見た花
ペンキを忠実に踏み外さないようにと声をかけて池を回り込むことにする。 濡れた泥の上に足跡がくっきり付いていたのを見てほっ。 池の水は多くもなくいつもの ように岩場わたりをしていけばちゃんと向こう側へ出た。 稜線へ出たところで休憩。 雨の中、立ったままで行動食をおなかに入れる。 白馬乗鞍の山頂付近は平坦なので岩を跳んで歩く。 下ったところに雪渓。
始めは、無 しでも良いかと思い足を踏み出したが、やはり傾斜が急。 途中でアイゼンを着ける。 しかし、あっという間にまたはずす。 この当たりにジムカデがあるはずと思っていたらピンポーン。有りました! すれ違う登山者に会うが、乗鞍までという返事。 天狗原の木道が見下ろせる。 大きな岩・岩のあたりも雪、雪。 登ってきた人の足 跡を踏んで下る。 岩の間を水の流れる所も、時々雪。 ショウジョウバカマがつぼみをのぞかせている。ここはまだ春なんだ。
雨も止んでいたので下ったところでメロン休憩。 甘くてジューシーでおいしい! 担ぎ上げた苦労が報われる。 ここまで来ればゴールは間近い。 あとはどうやって車の所(猿倉)までもどるか。 木道で、まだ小さいミズバショウを見る。チングルマも。 イワナシのピンクの花、リュウキンカの黄色、コイワカガミと最後まで花の道。 登山口に11:30着。 その他、ここまでに見た花
栂池へ下りると、今日はサイクリングの大会らしく、観光客に混じって漕ぎ上がって来て、座り込んでいる。 ゴンドラ・リフトを乗り継いで下界へ。 バスはすぐにはなく、タクシーの運転手さんに聞くと、猿倉まで6000円くらいだと。 お願いしますと言って車中の人となる。 おりから雨も強くなってきて、幸運を喜び合う。 近道を通って猿倉へ。 そして、一路、多治見へ。 ノンストップで多治見着。16:35着。 |