キタダケソウに会いに行ったのに・・・
北 岳 (広河原〜肩の小屋往復)
 
●場 所 山梨県南アルプス市
●標高 北岳  3192,4m
●山行日 1998年6月27日〜6月28日
●コース 広河原〜肩の小屋〜広河原
●多治見から
   登山口まで
多治見=韮崎IC=広河原
※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
●参加者 丹羽 中山恭 平野明
●コースタイム 1日目 6月27日(土)
多治見
韮崎IC
夜叉神峠
広河原
肩の小屋
4:05発
6:50
7:35
8:05〜8:20
14:00着
2日目 6月28日(日)
肩の小屋
白根御池小屋
広河原山荘
温泉
韮崎IC
多治見
5:15
6:55〜7:10
8:55〜9:30
10:20〜11:10
11:45
14:20着
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1日目 6月27日


キタダケソウの見頃は6月始め

「北岳山荘は6/18から小屋を開ける」との情報を聞いた
6月初めに北岳山荘に問い合わせると、「キタダケソウは今が見頃だ」という返事。

もう、今では遅いかもと思いながら日程を決める。

4:05発。
途中で運転を2人で交代しながら、韮崎IC、6:50通過。
夜叉神峠、7:35通過。
8:05、4時間で広河原に着。車はおよそ80%の入り。

天気予報はそれほど悪くなかったが・・・

出発の前に、何度も地方気象台に電話をかけ予報を聞いた。
「確率30%で、薄日が射す」を期待していたが、林道に入ると雨。

車から降りて用意をしようとすると、雨脚が強くなってきた

雨の中、出発。8:20。

引き返すパーティーもいる

見慣れた懐かしい風景。
今日はどんな花に出会えるか楽しみ。

強い降りの中、下山してくるパーティーがある。
「もう、頂上へ行ったのか」と聞くと、雨が強いので帰る」とのこと。
「ええっ、そんなあ。」

我々はどこまで行けるのか、心細くなってきた。

天候が悪くても、二俣から小太郎尾根伝いにぐるっと周ってかえってこれる・‥と踏む。

堰堤を迂回する時、強風にあおられて水飛沫が舞い上がっているのを見かけ、美し さとともに、これからの行程が心配になる。

雨が弱くなってきた!

しかし、雨はだんだん弱くなり、雨具がじゃまになるほどになってきた。

登山道はいっも以上に谷川風となり、涼しさいっぱい。

ミヤマハナシノブが咲いていた。この花は丁度見頃。

後ろを振り返ると、早川尾根がくっきり見え始めた。

迂回路の手前で休憩。9:20〜9:30。

流れの激しい川を渡り、向こう岸に取り付き登る。

コマドリの赤いおなかと喉を 震わせて鳴く姿を近くで観察。

二俣の手前で雪渓

水場でおいしい水も味わって、また向こう岸に渡る。
どうどうと流れている。
前回ここには1滴の水もなかった・・・

岩ゴロゴロの道を登っていく。
左側はまだ、葉っぱがべたっとへばりついて雪が溶けたばかりの様相。

二俣の手前で休憩。10:20〜10:30。
いよいよ雪渓にかかる。

以前キタダケソクを見に来た時は、登山道に雪はぜんぜん無かったのにかったのに、今回はどっさり残っている。

天気が良くない時は、どうすべきか??

二俣の手前でカモシカか?横たわって死 んでいるのを発見。
近づこうとするパーティーがあったが、雪渓の下はゴーゴーと流れる大樽沢。止めて当然。

前方に八本歯のコルへと延びる雪渓が見えるが、稜線はガスの中。
予定通り直進するか、それとも右へ曲がるか決めかねる。

八本歯のコルからのトラバース道は、風に吹かれると危ないし滑りやすい。
二俣を右へ行けば北岳肩の小屋まで危険なところは無い。

悩んだ末、安全な方をとる。こんなことを二俣で相談しながら休憩、11:05〜11:20。

咲き始めの花に出会う

こっちは花いっぱいの道で楽しい。しかし、まだ咲き始めが多く、花盛りとはいえない。
ミヤマハナシノブ、タカネグンナイフウロ、ヨツバシオガマ、サンリンソウ、サンカヨウ、コイワカガミなど。

途中の登山道の脇で休憩。
オレンジのおすそ分け。ジューシーでおいしい。やっぱ、果物は元気になる薬。12:10〜12:20。


下ってきた人に様子を聞くと、「尾根はびゅんびゅん」だとか。

草すべりの花を見ながら小太郎尾根へ。
シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、キバナシヤクナゲが増えてきた。

上は寒いので下の尾根で休憩、13:18〜13:25。

稜線はすごい風!!

上の稜線へ出ると予想したよりももっと、ビュンビュン・ビシバシ・ヒューヒュ ーの世界。
このまま行ってもどうせ頂上へはいけない。
なら、白根御地小屋で泊まってもいいのでは?と思わせるほどの強風。

しかし、このまま行けばもうすぐ小屋。
思い直して前進。
花は久しぶりのイワウメがドッサリ。チシマアマナハクサンイチゲも。

雨と風を防いで下を向いて歩く

時々前方を見て小屋の姿が無いか見るが、なかなか近づかない。

やっと、14:00、肩の小屋に着。

小屋の中には大勢の人

中は薄暗く大勢の人がひしめいている。

べたべたの雨具やザックはビニールシー トの上に置いてと言われ、まず水を切る。
自炊場は外。屋根だけかけてある所。
ええっ!? 北岳山荘とえらい違い。
一つ星と四つ星の差くらい
仕方ない。 ストープの前で暖を取るが、周りでたばこを平気で吸っているので嫌になる。

我々 の布団の近くでは、中高年団体の宴会中で近寄れないし。
メンバーの1人は「寒い」と言って着替えをする。

そのあとも食欲がなくて高度障害かも?

風の吹きつける場所で自炊

元気なもう1人のメンバーと二人で炊事することにして外へ出る。

雨脚はそれほどでもないが、風 が強く、ガスの火がなかなか着かないし、ついても吹き消されそうなので、新聞紙で囲ったり、タオルで囲ったりして風を防ぐ。

今回ガスを二つ持ってきたのであっちとこっちで能率良く出来上がった。

それをテーブルへ持ってきて、早い夕食を始める。

メンバーの1人は食欲が無いので余ってしまった。
周りの人に勧めたが迷惑らしかった。すぐ夕食だもんね。

「夕食ですから開けてください」の声の頃にはほとんど終わりかけていてラッキー。

宴会も考えもの・・・

ストーブも消してしまったので、布団の方へ場所を移す。

まだ、宴会をしているが、中山さんの具合が悪そうなので布団を敷き、横になるように勧める。
周りの人のことを考えてほしい。

花の復習をして寝ることにする。

タオルを顔にかけ、ラジオの音がうるさいので「消してください」と注意する。
聞きたかったら、イヤホーンで聞いてほしい。

普通の布団の半分大の幅なので、頭と足を交互にして休むことにする。
隣りのう るさい中高年は、私のおなかの横に頭を並べている。嫌だあ・・・


2日目 6月28日

暖かい朝食をとる

4:00起床。
そっと抜け出し、二人でお湯を沸かし雑煮を作る。

布団のかたづけは後回し。

すぐでき上がる。
部屋の中へ持ってきておいしく食べる。

隣り で冷たい弁当を食べているグループがあるが、我々の方がリッチでおいしい。

もう一度お湯を沸かして暖かいコーヒーやミルクを飲む。うーん、おいしい。

頂上はまた今度にして下山

5:15、栽培されているキタダケソウを見て出発。
頂上はまた今度。

尾根から外れると嘘のように風が無く穏やか。

分岐からすぐ下に白根御地小屋があると思っていたが、何がなにが。
草すべりをぐんぐん降りる。

キバナアツモリソウ・・・これで2回目

ラッキーなことはキバナアツモリソクを数株見つけたこと。

先頭の私が見逃したものを、2番手のメンバーが見つけた!
こっちのルートにもあるんだね!

やっと着いた、6:55。

白根御地小屋は新しく増築がされている。
増築小屋の屋根の下で行動食をおなかに入れる。
屋根付きは有り難い。

エスケープルートの尾根道を取るので 、初めての山道となる。

どんな道だろう。いつもながら期待に胸が膨らむ。7:10発。

樹林の中なので、キソチドリやゴゼンタチバナ、カニコウモリなどのおなじみの花。

木曽駒や南駒のような道を下る。
違いは梯子が何度も出てくること。

二俣との分岐に8:30着。

今回の山行も終わりに近づいてきた。

左に川、右は大樺沢。
ここを登ってくる人がいる。大樺沢の方が花がきれ いで明るいのになんで?と思ってしまう。

そうか、白根御地小屋泊まりの人か・・・とあとで納得。

広河原山荘に8:55着。

着替えしないまま温泉へ

バス停で暖かい飲み物を飲んで、車へ戻る。

「温泉へ入って帰ろうよ」と勧めたので、着替えしないで出発、9:30。

村営の温泉、2回目。
洗い場の窓から山並が見える。気持ちいい。
さっぱりして山菜そばを食べて帰路につく。10:20〜11:10。

韮崎IC、11:45通過。

多治見に14:20着。



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