夏山合宿 仙丈ケ岳・甲斐駒(駒津峰) |
仙丈ケ岳 |
●場 所 | 山梨県 | |||||||||||||
●標高 | 栗沢山 2669m 仙丈ケ岳 3033m 駒津峰 2669m | ||||||||||||||
●山行日 | 1999/8/5〜8/7 | ||||||||||||||
●多治見から 登山口まで |
多治見=中央道=伊那IC=戸台のバス停⇒北沢峠・・・テント場 ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス |
||||||||||||||
●参加者 | 丹羽、林、中山、加藤律、早川、校榛、加藤幸、水野裕 | ||||||||||||||
●コースタイム |
|
事前のミーティングは8月1日、メンバーの1人に共同装備を持ってきてもらう。 共同装備の重量を計って均等割りをした。
7:15、集合場所に集合。計画通りに2台の車に分乗して、多治見駅でメンバー2人をピックアップ。 7:35、多治見ICで入り、9:05、伊那ICで下りる。 戸台のバス停に10:00着。 10:15のバスに乗るには丁度いい時刻。 駐車スペースも バス停に近い所に停めることが出来た。 会計係に切符を買ってもらう(往復で) ジリジリと暑い。 「仙丈岳の花」の本を購入。 定期バスはJRが遅れているので、臨時バスに乗車。 バスの運転手さんはやっぱり解説つき。 ちょっと歯切れが悪いがそれでも熱心に説明して下さる。 “ブットリア”という外来種が見えなかったので、帰りは是非にと思う。 レンゲショウマの咲いている所でもバスが停まり説明。 山側とは反対の座席だったけれど覗き込んで観察した。 下向きに咲いていた。 タカネビランジのところも要請し て停めてもらったり(ここのは色が濃い。シロバナは無いそうだ)楽しみながらの1時間だった。 山は、鋸岳は見えるのに、甲斐駒も仙丈もガスの中(帰りも同じ)
北沢峠に、11:15着。 テ ント場までの林道もヤマオダマキ・レイジンソウ・カニコウモリなどが目を楽しませてくれる。 食料が計10キロあると聞いてなぜ???と思ったが、15分だからと分散しないで交代で持つことにする。 テント場の手続きを会計係にしてもらって、場所取りをする。 「2つのテントが向かい合って張れて、トイレに近い所」の条件にぴったりの場所があった。 すぐ、テントを張って、荷物を整理して、昼食とする。 隣りはこれが逆だった。
食べ終わってもまだ12時台。 散歩に行こうと誘って栗沢山へ。 ところがほんとの 「さんぽ」と思っていた人がいて、びっくりする。 行き・帰りとも2時間のコース。 樹林帯の退屈な登りがほとんど。 コイチョウラン・シヤクジョウソウ・ギンリョウ ソウ・ハクサンシヤクナゲ・ゴゼンタチバナ・セリバシオガマ・コフタバランなどの花が咲いている。 頂上近くになると岩稜地帯となって展望も開けるのだろうが、全然見えない。 稜線に近づくにつれガスの中に入り、頂上では細かい霧雨もガスと一緒に流れているので寒い。 雨具をつける。14:20、栗沢山頂上着。
アリドオシランを後から登ってきたメンバーが見つけたと言っていたが、私は未確認。 栗沢山で 記念写真を撮ってすぐ下りる。 ところが標識の角度の方には下り口がない。 赤ペンキもない。しかし、ここしか下れないと思う所の岩・岩から下りることにする(これでOK)。 けっこう急な下りで足元注意。 途中、ホシガラスの群れに出会う。 彼らは木のてっ ぺんがお好み。 あちこちのてっぺんに胸に白い点々のあるカラスが止まっているのは見事である。 そして、ライチョウ。逃げもしないで人を気にする風でもない。2羽いた。 ずっとガスで展望がきかなかったのに、仙水峠が近くなってきた地点で、さあ〜っと ガスが晴れ、摩利支天の白い岸壁が見えてきた。 迫力あるう〜 下界も見える。 メンバーの1人は、雨の中の山行にめげていたが、「ワンダフル」と言って喜んでいる。 目の前には、明後日降りてくる急な斜面が見え、登山道のジグザグも見え隠れして いる。 仙水峠までが長い。15:40、仙水峠着。 ミヤマホツツジの赤色の濃い花があった。
ここからは溶岩地帯のような黒い石がどっさり。 ひょいひょいとスピードが出る。 仙水小屋でトイレへ行きたい人がいたので、他の人に「先に行っていいよ」と声をかけ、トイレの2人を待って最後から歩く。 いくつも堰堤を乗り越えてテント場へ出た覚えがあるので、今度こそ、今度こそと思いながら歩く。 計7つ?だった。 約1時間でテント場に着。 すぐビールを買い込み、2つのテントの間で夕食を作りな がらビールを飲む。 これがたのしいんだよね。 食料係は2人。 メニューを書いて分けて袋に入れてある。
テント経験の少ないメンバーと新人メンバー2人に、テント生活 のノウハウを話す。 ・自分のものは自分で管理 ・あれどこいった?ということは周りの人を不安にするから言わないで黙ってやる ・真ん中に背を向けない ・横を向いて行動する ・マットを敷くとお尻が痛くない・・・など。 翌朝、「夜中うるさかった」という声があった、私は近頃図太くなって小屋でない限り声は上へ逃げていくので気にならない。
4:00起床、朝食をとって雨具を着て5:45発。 北沢峠の1番手前の入口から入る。 すぐに暑くなって雨具を脱ぐ。 「今日はこれを 脱いだり着たりかも」といった通りになってしまった。 はじめは樹林の中のゆるい登りのトラバース。 花は無し。登り切ったところで休憩。6:40〜6:45。 本格的な登りに入るが、聞いていたほどの強烈さはない。普通の登り。
雨粒が大きくなってきたので雨具の上を着る。そして、また登り。 登りの途中だが、時間が来ている。 狭い所なので二手に分かれて休憩。7:45〜7:50。 すぐ上がった所に広い場所。 ここからは樹林帯を出るのでガスも雨も強くなる。 雨具のズボンを穿くように指示。 森林限界を過ぎハイマツ地帯になる。花は少ない。ガスで展望もきかない。 楽しみがなく、ひたすら足を前へ出すだけ。
小仙丈に着。「標識を見ておいて」と念を押す。 立ったままで休憩、8:45〜8:50。 ガスの中にぼんやり見えているピークがある。 あれが頂上?いや違った。もっと向こうにもピークがある・・・の連続。 先が見えないのは実に気持ちが疲れる。 頂上間近になった頃、きれいなお花畑が左に見える。 うんうんこの景色見覚えがある。もうすぐだ・・・ 前回は確かぐるっと迂回した覚えがあるが、今回はそのまま直に登 ってしまうようになっている。 上から団体が降りてくるのを待って仙丈ケ岳頂上へ、9:33着。 仙丈ケ岳
ガスと風と雨が強い。すぐ下りる。 ちょっと下へ行けば風はなくなるので、ピークの見える所で休憩する。9:45〜9:50。 「ヤッホー」の声。10分後くらいにゆっくり組も到着。 稜線を通らずにザレの道をジグザグにトラバースする。 ヨツバシオガマがあるくらい。
建設中の仙丈小屋の横を通って下る。 2階建ての鉄骨。頑丈なものができるよう。 仮設トイレがあったが、「従業員用」。 ポンプアップしてある水場の水は作業員用らしい。ほんのちょろちょろ程度。 チングルマ(種)の大群生・モミジハグマ・ハクサンフウロ・ウサギギクなど。 トイレ場探しに苦労する。「いつもここはトイレに適地?と思って歩くといいですよ」とアドバイス。 馬の背分岐で休憩。10:45〜10:50。 馬の背ヒュッテまでは、花数が少なくて淋しいが、一応「お花畑」。 ヒュッテの中 で休憩も出来ないらしい。 南アルプスは休憩料を取る・・・という話をする。 どんどん下る。下から人が上がってくる。 馬の背ヒュッテは満員になりそう。
薮沢ヒュッテとの分岐で後ろを待つ。 どちらへ行こうか迷ったが、同じ道を通らない沢沿いの道にする。 選択はよかった。花いっぱいの快適な道。 ミソガワソウ・センジュガンピ・ミヤママンネングサ・クガイソウ・クルマユリ・タカネグンナイフウロ・オニシモツケ・シナノオトギリ・マルバダケプキなど、沢を渡って対岸へ行くまで続くい〜い道だった。満足、満足。 橋の手前の小さな広場で休憩、11:45〜11:50。 橋を渡ってからは樹林になって薄暗くなる。 ハクサンナズナの種・コイチョウラン(こんなにいっぱいはすごい)とコフタバランとミヤマタニタデくらい。 途中、滝見台を覗いて下る。 下から来る人は雨具も着けないでの軽装。 雨は降って いなかったのかしらん? 休憩、12:45〜12:50。おなかもすくはず。
アリドオシランの純白の花を見つける。 大平小屋にやっと出る。タマガワホトトギスがいっぱい。トイレは有料だったとか。 ここからまだ軽い登りがある。ゆるくても登りは登り、えらい。林道に合流する。 「北沢峠遊歩道」があると書いてある。 誰も行く気はないらしい。 バス停の前を通過してテント場へ。 ついでに北沢峠のトイレへ入る。ほかほか便座で水洗。うれしくてみんなに知らせる。 雨具は生乾き。後は全部びっしょり濡れている。ロープを出して張り巡らし、濡れ たものをかける。
今日は別々のテントでの夕食。いつ雨が降ってくるかも分からない から。 乾かしながら夕食を作りビールを飲む。熱燗で飲む人も。 明日は3:00起きの5:00発と相談して就寝。 夜中、ざあーつと雨の音。それも度々。 明日は中止か?とあれこれ考えながら朝を待つ。
3:00に起きると空には星。あれまあ。 朝食は雑炊。この方がはやくできる。 でも、食欲が無く、お茶が精いっぱいのメンバーもいる。 夜型の生活者にはテント生活は適応しないらしい。 また、雨が降ってきた。 今日の日程をどうするかサブリーダーと相談する。 「ほんとは行きたくないけれど、合宿なら行かないかんわな。」だって。 行かない理由をあれこれ考えて、とにかく5:00発の予定なので、5:00まで待ってもう一度決定することにす る。
時間が来るまでテントの中でゴロゴロしていると、青空が見えてきた。朝焼けもきれい。 しかし、それは北沢峠の方面。 甲斐駒は暗い雲の中。5:15まで待って決定とする。 やっぱり青空。渉外係に小屋まで今日の天気を聞きに行ってもらったが、それほど悪い返事ではない。
下界は晴れでも山の上は分からないし・・・ ま、駒津峰だけ行ってもいいことだし、そこで頂上へ行くかどうかもうー度考えてもいいことだし・・・と考える。 5:25をめどに出発の用意をする。 5:30発。 メンバーの1人は、おなかの調子が悪いらしい。 彼女は、「今日の山行を止める」という。了解。 暗い樹林の結構急な登り。花は無し。 6:15〜6:20、休憩。
鋸岳や林道ははっきり見える。 仙丈ケ岳方面の山腹は日もあたっている。 しかし、稜線はガスの中。 雨に濡れたぬかるんだ道。樹林帯。黙って歩く。 コバノイチヤクソウ(花が連なっ ている)発見。 時間が来たが「あと10分」の標識があったので「休まずに行くよ」と声をかけて稜線に出たら、風と雨が強く降っている。 「雨具を着けて」と指示を出す。「ついでにザックを開けたんだから休憩」とも。7:25〜7:35。
その頃、新人メンバーの足取りは重かったらしい。やっとのことで足を出していたとか。 本人も「足が上がらなかった」そうだ。 双子山はすぐ上。通過。 団体が雨具を着けたり休憩したりしている中を通る。 せっ かく登ったのにすぐ下って、また、登り。 ここから1時間で駒津峰。 行き交う人に聞 いても甲斐駒はパスした人ばかり。よほど条件が悪いんだ。 駒津峰、8:25着。風がビェービューなので風を避けて休憩。 駒津峰から下山 風をさえぎるもののない稜線になるので、写真を撮って下山と決める。 続々と下から登ってくる。 急な下りに気をつける。 ここからの道は、仙丈とも違う、双子山とも違う独自の花が沢山咲いている。 ミヤマシャジン・コゴメグサ・コマツシャジン (初見・何に似ているかもわかりにくい花)・タカネバラの花びら・大きな背丈を越えるハクサンシヤクナゲなど。 途中、同じ多治見労山仲間のファミリーと出会う。 下にテントを張って来たという。 このあたりは雨具も邪魔なほどの天候。でも、上はガスガスのビュービューのザーザーだよと情報を 伝える。 ところが雲の切れ目から時々山容が姿をあらわす。くやしいねえ。 摩利支天の左に甲斐駒の頂上付近も見える 登れなかった山を背景に写真を撮って 出発。 どんどん下って峠まで行こうと思ったが「休みたい」の声で休憩、9:30〜9:40。 すぐ下が峠。 1時間の所を45分でテント場へ。 留守番していたメンバーのおなかも治って卵スープを飲むほどの元気。
全員到着してからテント撤収。 「共同装備を先に片付けて。個人装備は後で」と指示。 パッキングができてバス停へ。 人数が集まればバスが出るというので、バス停で待つことにする。 長谷村の特設郵便局や、出前のビール販売(こちらの方が安い)、水洗トイレ、臨時バス増発などサービスが芦安と大違い。 数千万円のトイレも長谷村だけが出資したと聞く。 15人ほど集まったので、12:20バス発。 「レンゲショウマのところで停まって下さい」とリクエストすると、ちゃんと停まってくれた。 また、この南アルプス林道を1日掛りで歩く人もいるとか。 いいな、いつ か実行しよう。
バスの無線で仙流荘にも連絡が入り、温泉に入れることになった。 狭い温泉に8人もの団体が入るのは所詮無理。 からすよりも早い行水で出る。 ロビーで早川さんは会計報告。我々は売店を見る。花の本と(これにコマツシャジンが載っていた)干し大根を購入。 外で反省会を開いて解散。 |