ラッセルで張り切りすぎ、頂上目の前にして引き返す 蓼科山 |
蓼科山山頂直下 |
●場 所 | 長野県茅野市 | |
●標高 | 2530.3m | ||
●山行日 | 2004年2月7日 | ||
●コース | 女神茶屋〜蓼科山山頂直下〜女神茶屋 | ||
●多治見から 登山口まで |
多治見IC=諏訪IC=ビーナスライン=女神茶屋前(P) ※ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス |
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●参加者 | 高田 丹羽 KT KJ 渡辺 | ||
●コースタイム |
多治見 女神茶屋前(P) 蓼科山山頂直下 女神茶屋前(P) |
5:10発 8:10〜8:35 13:00引き返す 14:45着 |
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地図はこちら |
多治見を出発する時は雪。 坂道が怖くて、家の前まで迎えに来てもらえないかしら・・・と弱気の電話を入れる。 中央道に入ってからもどんどん雪は降り続ける。 車は60キロでスピードが出せない。 登山口までへの時間がかかり過ぎれば 蓼科山は無理かも?? どこで引き返すか、 または、行き先を他の山に変更することも 考えのうちに入れないといけないな・・・と思うほどの降りよう。 かといって安全な道で登山口までいける山が思い浮かばない。 温泉に直行・・・?という冗談めかした話も出るほど |
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女神茶屋前の駐車場で |
諏訪ICを出る頃には、雪も止み道路にも積もっていない ビーナスラインの道沿いは、最近降ったあとがない 女神茶屋に着く頃には青空までのぞき始めた!! 女神茶屋へは雪の壁ができていて入ることはできなかった |
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女神茶屋前の駐車場 看板 |
女神茶屋前の駐車場に大型バスが1台いたので 団体ツアーか?と思ったところ、 ただの写真休憩らしくすぐ出発して行った つまり我々だけになった すぐその後1台の車が着た 2人パーティーだった |
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駐車場からショートカットして登山道へ行く踏みあとがあったので よし・・・と思い足を踏み出すと、腿までずぶずぶと潜る。 リーダーの声で、正常な登山口から登ることにする。 こちらは踏み跡はないが登山道の所だけへこんでいる。 恐る恐る足を出すと、それほどは潜らなくて、ほっ。 |
30分たった休憩場所 |
鹿?も登山道が歩きやすいのか足跡が残っている 視野を黒いものが・・・ はっと見ると、木の枝をリスが駆け回っていた |
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さっきの2人パーティー |
休憩中に追い抜いた さっきの2人パーティーがわかんを着けて先行 |
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あまり潜らないとはいえ、雪の中に潜った足を抜き出すには それ相応の負担がかかる。 1時間たった頃、トップを変わってもらう。 だんだん雪が深くなってきた 追い抜いたパーティーがわかんを着けている手前で我々もわかんを着ける。 |
たらたらの歩きやすい所は女性でどうぞ・・・ と勧められ、喜んで交代しながらトップを歩く。 いったん鍋底まで下ってからいよいよ登りに入る。 さっきのパーティーを今度は追い抜く。 急な登りのラッセルは大変。 トップんは、すいすいすいと登ってからしばらく休憩。 ハーハー喘ぎながらそこへ追いつくと、またすいすいすい。 |
深い雪の中を1歩1歩登る |
ラッセルは好きじゃない・・・というメンバーも長い足で距離を稼ぐ。 しかし、深くなると・・・足が攣る・・・ 私のラッセル方は、よいしょで1足、よいしょでもう1足。 なかなか前進しない。 お疲れのトップに少しでも休んでもらえれば・・・の気持ちで。 1人は、病み上がり。 行動しているときは出ないが、休憩時になると咳が出る。 |
前には真っ白な深い雪だけ |
樹林の間は、まだまだ・・・。 樹林を抜けて、岩稜を登ると頂上・・・と思いながら、 とにかく目の前の1歩をこなす。 岩に着いた雪の所では、いくら蹴りこんでもぐっと踏ん張れない。 5本指を雪に差し込んで、手の力でぐいと体を引き上げる。 いつもは攣らない私の足も、深い雪から足を抜くときに痛たたたた・・・。 交代にラッセルする。 上を見ると、やっと黒い岩が見えてきた。 あそこを登れば頂上・・・やっと先が見えてきた。 |
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頂上直下の休憩場所 |
風が少しでも来ないところを・・・と木の下へ。 雪の重みで枝が垂れ、格好の風除けになっている。 |
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ここから風が強くなるので目出帽をかぶる。 手の指先がじんじんと痛い。 曲げたり広げたりと運動をして少しでも和らげようと努力する。 ポリタンクの蓋が凍って開かなくなった。 私のストックは疾うに凍って長さ調節ができなくなっている。 |
休んでいる間にさっきの2人パーティーが頂上を目指す。 我々も出発。 樹林を抜けたので風が強い!。 ところが、最初の岩の所で、KJさんの足がなかなか上がらない。 後ろから押しても体が上がらない。 指を使ってみて・・・とか、ピッケルの尖っている所を雪に刺して・・・と アドバイスをする。 やっと1つ乗り越えた。 「女神茶屋へ」・・・という道標のある所。 さあ、いよいよ岩稜地帯。風が強い。濃いガスで視界もよくない。 トップはさっきから風の吹きつけるところで後ろが追いつくのを待っている。 岩には黄色のペンキで矢印。 鎖は雪に半分埋もれている。 無雪期なら、とんとんと岩の頭を踏んであっという間に頂上へ・・・だが、 こんな強風時、そうもいかない。 KJさんのゴーグルが凍って足元が見にくくなっているらしい。 行動が緩慢になってきた。 岩を乗っ越すのに苦労している。 KTさんが下りてきて腕を引っ張る、私はザックの紐を引っ張る。 やっと乗っ越せた。 「ここで座って待っていてください。様子を見てきますから」・・・とリーダー。 「ええっ?こんなところで?」 こんな風の強い所で待っていたら見る見る間に体温を奪われる。 今まだ元気な人もどうなるか分からない。 そして、「下山口が分からなくなるかも・・・」と心配そうな声。 なるほど、もっとガスが濃くなればあの標識も見つけにくくなるかも・・・と思い、 「引き返しましょう」と言う。
13:00丁度、引き返し始める。 |
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引き返し45分後の休憩 |
さっき、休憩した木の陰まで下る。 あの冷たかった指先も体を動かしていれば温かくなっていた。 |
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休憩していると、あの2人パーティーが下ってきた・・・ 我々が体力を使い疲れているのに、 我々がラッセルした後から登ってきて、頂上へ行ってもう帰ってくるなんて・・・ 皮肉・・・ 結局、冬は体力勝負か・・・ あの2人パーティーだけなら、絶対ここまでさえも来れなかっただろうに・・・ ラッセルで奮闘したパーティーが頂上を踏めないなんて・・・ わかんの中の足はどんどん前へ来て、歩きにくくなってきた。 下りはアイゼンのほうがいいかも・・・と思ったが、 「わかんで行きましょう」のリーダーの声に従う。 じっとしていると寒くなる。とにかく行動しよう。 下山開始。
後ろが出っ張ったわかんでも、何とか急な下りが下りられた。 上から見ると、よくもこんな急な所を登ってきたもんだ・・・と感心するくらいの急斜面。 延べ9人の踏んだ跡なのでしっかりしたトレースになっている。 そこを、慣れてくると、つるっ、つるっと滑りながら下るので早い早い。 岩の所はさすが慎重にしたが。 アイゼンだとこうはいかなかっただろう。 |
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雪も少なくなり、あのじんじんとした痛さがなくなってきた。 雪も少しだが降ってきた。 落ち着いた所で休憩を取る。 ここから、駐車場まで一気に下ってしまった。 |