多治見植物の会 6月例会         
初夏の伊吹山を訪ねて
      (頂上駐車場〜東遊歩道〜山頂〜西遊歩道)  〈2008年6月8日〉


                                                   

ヤマガラシ(別名イブキガラシ

全体の感じも葉の形も右の花とは違うように思えるが・・・



ハルザキヤマガラシ(別名セイヨウヤマガラシ)?

下の方の葉が羽状に裂けているので
左の花とは違うと思えるのだが・・・



ミツバツチグリ

ツルキジムシロはランナーを伸ばして広がる
小葉は5〜9枚

小葉が3枚ならミツバツチグリ
やはりランナーを出す

この花は、ランナーがあり、小葉が3枚なので
ミツバツチグリ



ウマノアシガタ

若い花はつやつやと光っているように見える

田の畦や野原に咲く花なので
こんな山の上に?と驚く

山で会うとついミヤマキンポウゲに見えてしまうが
違いは、葉が細かく切れ込んでいるのが
ミヤマキンポウゲ(7〜8月に咲く)

ウマノアシガタは3裂しているのみで背は高い
花期は4〜5月



ホウチャクソウ

東遊歩道にたくさん群生していた
かなり大きい花だった



ハクサンハタザオ

ひょろひょろした感じで毛がない



イブキハタザオ

ハクサンハタザオの仲間だが
しっかり立ち、毛深いのが特徴



イブキハタザオ:葉のアップ

毛が密生していることがよく分かる
クサタチバナ

今日はこの花に出会える!と期待していたとおり
東遊歩道にたくさん咲いていた

西遊歩道ふきんでは
種を巻いて増殖・保護しているそうで
山の斜面一面に咲いていてそれは見事だった・・・



クサタチバナ

白色の花が大変清楚である

タチバナ(ミカン科のタチバナ)の花に似ていることから
このように名づけられたらしい
ヒメウツギ?

『ウツギに比べるとやや背が低い(1.5mほど)
ウツギは1〜3mほどになる』・・・とある

花はそっくりなのでどこが違うのか?

葉に毛がないのがヒメウツギ・・・らしい

これからは葉っぱに触ってこなくては・・・



ヒメウツギ?

がくの色が赤っぽいのと、そうでないのがあるが
それがポイントでもないらしい

『葉の裏に毛がないのはヒメウツギ
ウツギは毛が密についている』・・・と
でも、葉の裏まで触ってこなかった・・・



ヒメウツギ?

ウツギの雄しべには「翼」が付いている
アップしてみたらよく分かった



ヒメウツギ

背が低くて株立ちになって岩の上に咲いているので
これなら条件にぴったり

では、ドライブウエー沿いに咲いていたのは
背が高いのでウツギになる・・・わけ?

東遊歩道脇の背の低いのは、みなヒメウツギ・・・?



ヒメレンゲ(別名コマンネングサ)

湿ったところや岩の上が好きな花

鮮やかな黄色で遠くからでもよく目立つ



ヒメレンゲ:咲き始め

よく似た花に「メノマンネングサ」があるが
これも花はそっくり
違いは、葉の形らしい

ヒメレンゲの葉は、『広線形』
・・・やや平たいということか?

メノマンネングサの葉は、『円柱形』
・・・丸くて肉厚ということか?

しかし、図鑑には、伊吹山で撮影した
「メノマンネングサ」が載っているので
両者があるのかも?



グンナイフウロ

伊吹山・東遊歩道にも西遊歩道にも
たくさん咲いていた

これはやや色が濃い目の花



グンナイフウロ

これはやや色が薄めの花

伊吹山より西南には
グンナイフウロはないという「西南限」の花



イブキシモツケ

ほとんどは蕾だった



イブキシモツケ

咲き始めの一枝
カノコソウ(別名ハルオミナエシ)

紫色の「花」ではなく、これは蕾

咲くと薄ピンクになる



キクムグラ?

花の下に小さな苞葉があるのが特徴らしいが
そこまで確認できなかった



コバノミミナグサ?

石灰岩地帯に生え、伊吹山の特産種

ミミナグサやオランダミミナグサに比べ
花が7〜8mmほどとぐんと大きい
(ミミナグサやオランダミミナグサの花は4〜5mmほど)

そして、花びらの先がくっきり裂け目ができ

高山植物のクモマミミナグサにも似ている



コバノミミナグサ?:葉のアップ

毛深いことがよく分かる

しかし、この葉の色は濃い緑色だし
葉の大きさが下の花より大きめなので
違う種類かな?と一瞬思ったのだが・・・
コバノミミナグサ

毛があることも花の大きさも上とそっくり
でも、これは葉が小さい



コバノミミナグサ:葉のアップ

毛深いが、やはり葉は小さい・・・
コバノミミナグサ

葉が小さく、毛があって、花が大きいので
条件にぴったり



コバノミミナグサ

花が大きくて美しい
キヌタソウ

広い範囲に群生していた
上部のこれから花になっていく部分をつまんでみると
ペチャンコ・・・花がすでに終わったということ?

6月の始めで花が終わっていて、葉が4枚の輪生で
段々になっていて・・・いったい何の花?

ツクバネソウ?でも、こんなヤワな感じではない・・・
キヌタソウの葉にそっくりだが
天辺に一花ではないし・・・
何だろう??何だろう??と考えながら
歩いていくと・・・



キヌタソウ

天辺に蕾のついている株があった
これから白っぽいもこもこした花が咲きそう

だったら、キヌタソウではないのか?

疑問は、頂上で出会った監視員?の人に
「質問をしてきた!」という、熱心な会員からの報告と
『茎は四角形で無毛』を実際に触ってみた会員の報告と
「葉にある3個の脈が目立つ」特徴を合わせた結果
キヌタソウと判明!!

7〜9月が花期なので、それ以前はこんな具合らしい



ノビネチドリ

頂上付近に1株だけ咲いていた

あちこちに盗掘らしい跡があっただけに
あっという間に無くならないか
心配するほど美しいランの仲間

花びらの先が『3裂する』とあったが
ぱっと見には確認できず
ノビネチドリに似ているラン・・・ということにしたが・・・



ノビネチドリ:花のアップ

パソコンで大きくアップしたところ
「3裂」がはっきりと分かったので
ノビネチドリに決定
オドリコソウ

頂上付近はみなピンク色だった
イヌナズナ

「野原でよく見かけるナズナ(ペンペングサ)の実は
丸みを帯びた逆三角形だが
このイヌナズナは、実が楕円であることが特徴」
・・・と、監視員?さんに説明を聞いた



ヒメイズイ

アマドコロの仲間

監視員?さんに説明を聞いた



タチイヌノフグリ

オオイヌノフグリの仲間だが、花はとっても小さい
野原などで見かける花が
こんな山の上にも運ばれてきたわけ?



イブキタンポポ

伊吹山の特産種

『花の裏側にある「総苞片(そうほうへん)」が
黒緑色を帯びている』のがイブキタンポポ
・・・とあったので
咲いているタンポポの裏側をひっくり返しながら歩いていた

多くは総苞片がそり返っているセイヨウタンポポだったが、
これは、そり返っていないし、黒っぽい緑だし・・・
イブキタンポポだろうということになった



イブキノエンドウ

カラスノエンドウと似ているが
花が大きめで薄紫色をしているので
なんとなく感じが違う・・・で区別している

咲く時期も5〜7月で遅めではある。

北海道と伊吹山のみに限られているそうだ

『北海道では牧草として導入され』、
『伊吹山のは、織田信長の頃に薬草に混じって
ポルトガルから持ち込まれた』・・・・とある



ニョイスミレ(別名ツボスミレ)

東遊歩道脇にたくさん咲いていた



ニョイスミレ

紫色の筋があるのが特徴
ミヤマコアザミ

このずんぐりむっくりで痛いとげがたくさんあるアザミ、
蕾が覗いていることからもうすぐ咲くらしい
・・・ということなら、ミヤマコアザミになる
(ミヤマコアザミの花期は5〜8月)
伊吹山の特産種である

コイブキアザミはやはり石灰岩地に生えるが
花期が9〜10月と遅く、花がたくさん集まって咲くんだって




ミヤマコアザミ:葉のアップ

本当に痛いのなんの!
ツメクサ

庭や道端でよく見かける花が伊吹山に?



オオタチツボスミレ

大き目のタチツボスミレ・・・という感じ

葉が丸みがあって葉脈がくぼんでいるのが特徴



マムシグサ

槍の穂先のような茶色の葉から伸び始めたところ

緑色の筋があるところ(仏炎苞:ぶつえんほう)は
花を包んでいる「苞(ほう)」で
中にある棒のような物の下部に雄花や雌花がある
(雌雄異株)

「伊吹山お花畑植物ガイド」には
オオマムシグサとあったが・・・

緑色の筋のほかに、紫色の筋のものもあるそうだ

マムシグサ:苞のアップ:雌株

苞の下の方の合わせ目がくっつき隙間がないのが雌株
→→→花粉をつけた昆虫がこの筒の中に入ると
逃げようにも逃げ出せず、もがいているうちに
花粉を雌しべにつけ受粉させることになり、
そして最後には、筒の中で
死んでいくようになっている構造・・・だと
なんともはや・・・・

花粉をつけた昆虫が脱出できて
雌花に到達するためには
出口が開いていなければならないので
昆虫が出られる穴が開いているのが
雄株

でも、昆虫がそう順序良く雄株の次に雌株と
うまく入ってくれるとは限らないので
100%完璧な方法というわけでもないようだ・・・

でも、これからは畏敬の念を持って
マムシグサの仲間(テンナンショウ)を見ることにしよう!



ハナイカダ:雌株

花は普通1つ



ハナイカダ:雌株:花のアップ

花びらは4枚

熟すと黒くて丸い実になり甘みがあるという



ハナイカダ:雄株

花は数個



ハナイカダ:雄株:花のアップ

雄花


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