花の観察は晴れの日がいい 藤原岳縦走 

      西藤原駅〜大貝戸〜藤原山荘〜鉄塔〜白瀬峠分岐〜山口〜西藤原駅





フクジュソウ



セツブンソウ


●場 所 三重県いなべ市
●標高 1128m 
●山行日 2014年4月1日(火)
●コース 西藤原駅・・・藤原山荘・・・白瀬峠分岐・・・鉄塔・・・坂本谷分岐・・・山口・・・西藤原駅
●多治見から
  登山口まで
JR多治駅ーJR名古屋駅・・・近鉄名古屋駅ー近鉄富田駅(三岐鉄道に乗り換え)ー西藤原駅・・・大貝戸登山口
 
※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
●参加者 丹羽、中山
●コースタイム JR多治駅
JR名古屋駅
近鉄富田駅
西藤原駅
登山口

4合目
8合目
藤原山荘
白瀬峠分岐
第一鉄塔
坂本谷分岐
山口
西藤原駅
近鉄富田駅
JR名古屋駅
JR多治駅

6:15発
6:56〜7:11
7:39〜8:14
9:00着発
9:10〜9:15
10:40〜10:45
11:45〜11:55
12:50〜13:00
13:45
14:20〜14:30
14:55
16:45〜16:50
17:40〜17:52
18:37〜18:58
19:26〜19:34
20:18着
周辺地図はこちら
  


ユズリハ:ユズリハ科

赤い葉柄と白い葉柄があった

『雌雄異株  葉柄は赤味を帯びる』・・・と覚えていたが、白っぽい葉柄があるのは、若いから??雌雄で異なるから??

藤原岳には、た〜くさんある

実生らしい小さい株がたくさんあるので、発芽率がいいようだ




 シロダモ:クスノキ科-1

葉脈がくっきりしている特徴のある葉っぱをもつ木があったので、「ヤブニッケイ」かと思っていた

しかし、ヤブニッケイより葉が薄いので、「シロダモ」ではないかと花好きの友人から教えてもらった

ふ〜ん、と思いながら見ていくと、これもシロダモ、これもシロダモ・・・というほど、たくさんあった
が、1株だけ、、葉腋に花の後のようなものをつけている木があった  (左の画像)(右は拡大)

家へ帰ってから調べると、
『雌雄異株  10〜11月、葉腋に1〜数個の無柄の散形花序を付ける

雄花には6〜8個の雄しべがあり、クスノキ科の特徴で、葯には弁がある
暖地の山野に普通に見られる』そうである     私は初めて

『雌花には退化した雄しべ6個と雌しべがある  実は、翌年の秋に赤く熟す』と

この画像は、どうやら雌花の後と思われるので、これは雌木らしい

このような花の後をつけている木は、ほとんどなかった




 
シロダモ:クスノキ科-2

『冬芽は黄褐色の鱗芽  大きく目立つ』とあるように、花芽かと思うほどだった

藤原岳には、背の低い木がたくさんあった  実生で育っているなら、ずいぶん発芽率が高い木である




 調べ中

イヌツゲの葉っぱに似ているなあ…と思いながら何気なく枝ぶりを見ていると、つんつんとした雄しべのようなものが見えた

??えっ、何だろう??   初めて見た・・・




 
 ミヤマカタバミ:カタバミ科

杉林の中に咲いていた

陽がまだあたらないので、花も葉も中開


『花弁は5個
『雄しべは10個、うち5個は短い 柱頭は5裂』と




 ヤマアイ:トウダイグサ科

地味な花だがまだ蕾

ふもとでは花が咲いていた
 スズカカンアオイ:ウマノスズクサ科

枯れ葉のすぐ下で咲いていた




シハイスミレ:スミレ科

葉の裏は紫色だった
 
ヒオドシチョウかな?:タテハチョウ科

地面に止まって羽を広げて、日向ぼっこのようにしていた




タチキランソウ:シソ科

よく似たキランソウとの見分け方は、
『上唇に注意!!    キランソウではほとんど目立たないが、タチキランソウは、上唇が大きく2裂する』と

   
では、これらの画像は上唇が2枚があるのでタチキランソウ




ヤマネコノメソウ:ユキノシタ科-1

杉林の中に咲いていた  黄色い雄しべに目が留まった

『花弁のない淡緑色の花  雄しべは8個でごく短い  4個の場合も多い』と




ヤマネコノメソウ:ユキノシタ科-2

上の花の隣に、蕾らしき株があった    拡大してみると、どうやら種らしい・・・




  
  8合目に着いた

昨年まで「聖宝寺コースは通行禁止」という札があったが、今回その札はなく、団体さんが登ってきていた




   
フクジュソウ:キンポウゲ科-1

8合目を過ぎると、フクジュソウの群生地になる

陽にあたって、ぱっと開いていた

左  全体の様子   右  花の中心を拡大

『この花は花弁を使って日光を花の中心に集め、その熱で虫を誘引している
その為、太陽光に応じて開閉(日光が当たると開き、日が陰ると閉じる)する』と

『毒草』だって

『萼(がく)は花びらと同字くらいの長さは、又はやや短く、上からはほとんど見えない』そうだが、
花びらと花びらの間から見える緑色っぽいのが、萼(がく)




   
フクジュソウ:キンポウゲ科-2

左  全体の様子   右  花の中心を拡大

『花びらは10〜30枚で、一定しない   雄しべ多数  雌しべ多数』と

中央の緑色が、雌しべのかたまり   それをぐるりと取り囲んでいるのが雄しべ




   
フクジュソウ:キンポウゲ科-3

登るにつれ、大きなまとまりとなって咲いている花も出てきた

藤原岳には何度も来ているが、雨水で地面がえぐれたようになっている箇所が増えていた

そんな所では花数も少なかった・・・雨と土砂で押し流されてしまったのだろうか・・・と思いながら登った




   
ここをクリックすると大きく見えます
フクジュソウ:キンポウゲ科-4

左  まるでパラボラアンテナのように花びらを開いていた

右  斜面にずう〜っと連なって咲いていた




 
ここをクリックすると大きく見えます
 
ここをクリックすると大きく見えます
 フクジュソウ:キンポウゲ科-5

花束のように固まって咲いていた

フクジュソウの花はここだけではなく、
藤原山荘の手前や、天狗岩へ行く途中や、縦走路の途中でもたくさんあるはずだから・・・と、先を急いだところ、
9合目を過ぎ、藤原山荘に近づくとともに、パタッと花が減り、天狗岩へ行く途中にも縦走路の途中にも
あるはずの所なのに、まったく花を見かけなかった・・・  なぜ???




 
  藤原山荘に到着

さすが、平日  登山者の姿が少ない

休憩しようとベンチに腰を掛けていると、後ろでごみを燃やすような動きが見えた

嫌だなあ…  こんなところで・・・と思っていたら、どうやらトイレ紙の焼却らしい

ガソリンと灯油の混合油(と聞いた)にボワッと火が付いたので、急いで荷物をまとめて裏の高台へ避難




  
   裏の高台から、藤原岳を望む

今日は、縦走して山口へ降りるというロングコースなので、山頂も天狗岩もパス




 
 セツブンソウ:キンポウゲ科-1

天狗岩へ行く途中、左右に目を凝らしながら歩いていくと・・・「あった〜」

セツブンソウがぱらぱら…咲いていた

これは、蕾かな




   
セツブンソウ:キンポウゲ科-2

左  全体の様子   右  花の中心を拡大

中央が紫色の雄しべでぎっしりの花を見つけた

『花びらのような白いものは、萼(がく)片
『花びらは退化して黄色の蜜槽となり、多数の雄しべと共に雌しべの周りに並んでいる

雌しべは2〜5個あり、5月の中ごろに熟し、種子を蒔いた後で地上部は枯れてしまう』と

では、外側に並んでいる黄緑色の玉が、『蜜槽』かな?




   
セツブンソウ:キンポウゲ科-2

左  全体の様子   右  花の中心を拡大

5枚の白い花びらのようなものは『萼(がく)片』

先端が黄緑色の玉のようになっているものが、『花びらが退化した蜜槽』

紫色のものは雄しべ  雄しべの中に隠れるようにしているのが雌しべ




   
セツブンソウ:キンポウゲ科-3

左  全体の様子   右  花の中心を拡大

雄しべが広がりはじめ、赤紫色の雌しべが見えてきて、 『蜜槽』が黄色になってきた




   
セツブンソウ:キンポウゲ科-4

左  全体の様子   右  花の中心を拡大

白色・黄色・紫色・赤紫色と、カラフル


セツブンソウは、群落を作らず、ぱらぱらっとそれぞれの所で咲いていた

1株見つかれば、その辺りにもあるはず・・・と探したが、発芽率は低いようだ




  
  白瀬峠への分岐

天狗岩方面からは人声がするが、白瀬峠へのコースでは誰とも出会わず




   
セツブンソウ?

黄色い蜜腺もなく、紫色の雄しべもなく、中央の雌しべは薄黄緑  萼片の数も多い・・・

セツブンソウではないような・・・   では、ミスミソウ??  葉がないので断定できず

もしかして、フクジュソウの白版??




  
  第一鉄塔に着いた  伊吹山を望む

山頂付近に雪がちょっぴり




 
  第一鉄塔から霊仙山を望む

5日前、あの稜線にいた




 
  第一鉄塔から御池を望む

斜面に雪が多い

次に見える第二鉄塔から、鉄塔巡視路を下る(白瀬峠経由よりだいぶショートカットできる)

雪が多いとアイゼンが必要だが、今日は雪と雪の間を抜けて、アイゼンなしでひたすら下って行った




  
  坂本谷分岐に着いた

まだ「通行止め」




   
 アセビ:ツツジ科

この尾根はアセビが多い  他の花はなし




  子向井山経由の尾根道を下る


   
   
ミスミソウ:キンポウゲ科-1

この辺りにあるはず・・・と左右の地面を見ながら歩いていくと・・・・あった!

この花も、ぱらぱら・ぽつりぽつりと花を咲かせていた




   
   
ミスミソウ:キンポウゲ科-2

『顎(がく)片のように見えるのは茎葉、花びらのように見えるのが顎(がく)片、花びらはない

花びらのように見える顎(がく)片の数は6〜10と変異があり、
色は大平洋側では白色、日本海側では薄青・紫・赤などを帯びる』と

藤原岳も霊仙山と同じく、白色のみ

『雄しべは多数つき、葯が白色〜淡紅色』だって(拡大してみると色がついていることが分かった)




   
   
ミスミソウ:キンポウゲ科-3

『葉は三裂し、裂片の形が三角形で先端が鈍頭のものをミスミソウ
円頭になるものをスハマソウとするが、中間形もあって区別しにくいこともある』と

気をつけて葉先のとがり具合を観察したが、このとがり方なら「ミスミソウ」だと思った

しかし、帰りの三岐鉄道の車両に貼ってあったミスミソウらしき花の名は『スハマソウ』だった


フクジュソウもセツブンソウもミスミソウも、みなキンポウゲ科

日が当たらないとパッと開かないものばかり

今日は素晴らしい快晴なのでパッと開いて見つけることができたが、曇り空だったら見逃していたかもしれない・・・




  
 ダンコウバイかな?:クスノキ科

この明るい黄色は、ダンコウバイと思ったが、断定は難しい




   
キブシ:キブシ科

左 全体の様子  右  近づいてパチリ

金の鎖のように垂れ下がっていた




   
ヤマネコノメソウ:ユキノシタ科

杉林の中に咲いていた  黄色い雄しべが6個見える

多治見のヤマネコノメソウは、雄しべが4個




   
 林道に出た

しかし、まだこれから西藤原駅まで長い

いろいろ見るものがあれば、長くても平気




 ミヤマカタバミ:カタバミ科

この付近は、ミヤマカタバミがびっしり
   
 コショウノキ:ジンチョウゲ科

この前、諏訪町で蕾を見てきた、あのコショウノキ

「香りも一緒」だって
(私は霊仙山以来花粉症で鼻が利かない・・・)




調べ中

赤っぽい実のようなものができていた

何だろう???

「タブノキ:クスノキ科」に似ているが・・・
もしそうなら、この立派な実のようなものは、
『花と葉が入った混芽』らしい




   
調べ中

カエデの仲間?  シデの仲間? 何だろう??




   
   
   
スミレ科

畑の傍・土手などに咲いていた

背丈は低いのに、花が大きい  多治見では見たことがないなかなかの豪華版




  
 アブラチャン:クスノキ科

「葉が出る前に小さな黄色の花が咲きます。昔は、この木の丸い実から油をとったそうです。」
・・・というヒントが書かれた板があった

では、アブラチャンということになるが、パッと見には、シロモジにそっくり


よく似た仲間の相違点を表にしてみた

  花   葉  実
アブラチャン  花序には柄がある
雌雄異株
葉が開く前に黄色の花が3〜5個集まってつく
やや透明感がある

 
卵状楕円形
先端は急に鋭くとがる
長さ5〜8cm




直径1.5cm程の球形
シロモジ 雌雄異株
葉が開く前に黄色の花が3〜5個集まってつく


三角状広倒卵形で上部は3裂
切れ込みのない葉もある
3脈が目立つ


直径1cm程の球形
 クロモジ 雌雄異株
葉が開くのと同時に黄緑色の小さな花が集まってつく
すがすがしい香りがする

倒卵状長楕円形
先端は鈍形
長さ5〜10cm


直径5mm程の球形 
 ダンコウバイ 雌雄異株
葉が開く前に黄色の小さな花が散形状にまとまってつく
花序には柄がない

広卵形で上部は3裂
切れ込みのない葉もある



直径8mm程の球形 

葉が出てくれば間違えることはないが、花だけの状態だと自信がない・・・

落ちている葉を拾って調べることができると、花好きの友人から教わった




 
 ツクシの大群落!

採る元気もなく(ハカマを取る手間も面倒だし・・・)、写真だけ撮って素通りして駅まで歩いた






*ハプニングの連続の1日だった

何年振りかで電車を利用したので、名古屋駅で降りる階段を間違え、あたふた・・・・@

富田まで座っていこうと考え、空いていた一番前の車両に乗ってしまったため、
三岐鉄道への乗り換えに手間取り、電車を見送ってしまい30分ほど待つはめ…・A

杉林の中を下山する際、サングラスを外してポケットへ入れたはずが、どこかで落としてしまった…・B




 山行記録(2011年〜現在まで)へ戻る