5月の低山ハイキング (長野県)  
   薮原駅〜峠山               
     〜鳥居峠〜奈良井駅
                      2017年5月14日

                            『       』内は、図鑑やネット検索からの引用です

  薮原駅〜峠山〜鳥居峠

  昨日の予定だったが、雨で今日になった
い〜い天気!!

多治見駅を6:55に乗ると、ここ薮原駅に9:19に着く

特急「しなの」の通過を待ったり、
かなりのんびりした「普通」だが、便利

車窓からは、青葉・若葉・ヤマザクラ・ハナモモなど
ずっと目を楽しませてくれた

9:30発




  ハナモモ:バラ科

1本の木に、ピンクと白の花

「咲き分け」とか「源平咲き」とか呼ばれている

DNAによって変異が引き起こされるらしい

   
 薮原宿の中を歩く

朝早いので、お店は閉まったまま




 フデリンドウ:リンドウ科

舗装道路脇の石垣の上で咲いていた

こんなところで・・・

初めは、ハルリンドウかと思ったが
あまりにも乾燥地

もしかして・・・と思って、
「根出葉(こんしゅつよう)」の有無を調べると、ない

「座布団」と呼んでいる根出葉がないので、フデリンドウ




   
 ニリンソウ:キンポウゲ科

昨年(2016/5/28)にここを訪れた時には出会っていないので、
まさかここで出会えるとは思っていなかった

民家の庭先にも、駅のプラットホームにも咲いていた  ありふれた花だったんだ

私にとっては貴重品  カラマツ林の下や登山道脇に普通に咲いていた




   
  クサノオウ:ケシ科

大きな蛍光色の花

茎を折ると、黄色い液が出てくる

名前のいわれとしては、下記の3つがある

『植物体を傷つけると
黄色の乳液を流すので草の黄

皮膚疾患に有効な薬草という意味で瘡(くさ)の王

『皮膚疾患以外にも鎮痛剤として内臓病に
用いられたことから、
薬草の王様という意味で草の王

薬になる・・・ということは毒にもなる・・・ということ




  タチツボスミレの仲間:スミレ科

多治見のタチツボスミレより花が大きい




   
 ヤマブキ:バラ科

鮮やかな黄色の花が満開〜  今日一番多かった花

皆、一重咲き




   
 まばゆい新緑・ひんやりした風・黄色いヤマブキ・木漏れ日の中を歩く




   
   
  
 イカリソウ:メギ科

上段  つぼみと開いたばかりの花

中・下段  にゅっと突き出ている白っぽい部分が、『距(きょ)』で蜜が溜まっているらしい  4本ある
赤紫色の部分は花びら  4枚

花の形が、舟の錨に似ていることから「イカリソウ」の名前




   
  ツボスミレ:スミレ科

湿ったところが好きな花




  フデリンドウ:リンドウ科

また出会ったね

「根出葉(こんしゅつよう)」は、なし




 
観測所跡で休憩 10:55〜11:05  シラカバの木が増えてきた

丸山公園へもちょっと立ち寄る

達筆な筆遣いの句碑が読めない(説明板の解説で、やっと判明)




   
   
 ミヤマエンレイソウ・深山延齢草 (別名シロバナエンレイソウ・白花延齢草):ユリ科

大きな葉3枚の真ん中に白い花

『3枚の外花被片と3枚の白い花弁状の内花被片、6本の雄しべをもつ花を生じる』・・・と

つまり、緑っぽくとがっている部分が、「外花被片(がいかひへん)=萼」

白い大き目の部分が、「内花被片=花びら」




   
 
 ボタンネコノメソウ(別名ボタンネコノメ):ユキノシタ科

多治見周辺でよく見かけるネコノメソウとは、一風変わった様子

葉っぱは緑  苞の基は黄色  萼が茶色で直立
鮮やかな色だから「ボタン」?

これは↓ 多治見周辺でよく見かける、
ヤマネコノメ
    
(2017/4/24 池田富士周辺で撮影  比較のため借りてきた




タチツボスミレの仲間:スミレ科

大きめの花があちこちにたくさん咲いていた




  左折したところが御岳神社

外国からの団体大勢と一緒に記念写真を撮っていたとか

腰が痛い私は、階段無しのたらたら道を歩いて
御岳神社へ




 
  御岳神社から御岳を遠望

ぼ〜んやりして、はっきり見えなかった  (多治見のホワイトタウンからの展望の方がずっと迫力がある)





 ここをクリックすると大きく見えます
  鳥居の下で集合写真  今日の参加者12名

11:25




  ここからトチノキ群生地になる



 
   
  コブシ(たぶん):モクレン科

花の下に葉っぱが1枚あれば「コブシ」と覚えているのだが、
遠目だし、葉が伸び始めているので、1枚にも2枚にも見える・・・  タムシバかも?




  
  ハシリドコロ(別名キチガイナスビ):ナス科

『食べると錯乱して走り回ること』から、こんな名前が付いたと

『アルカロイドを主な毒成分とする有毒植物で、全草に毒があり根茎と根が特に毒性が強い

中毒症状は、嘔吐、下痢、血便、瞳孔散大、めまい、幻覚、異常興奮などを起こし、
最悪の場合には死に至る』・・・だって




   
 ヒゲネワチガイソウ髭根輪違草:ナデシコ科

白い花びら・茶色の葯・・・てっきり「
ワチガイソウ」だと思っていたが、
調べてみると、こんなことが書いてあった ↓

『まちがえやすいものには同じ属のヒゲネワチガイソウがある
ヒゲネワチガイソウの花は花びらが5〜枚だが,ワチガイソウは常に5枚

これらの画像は↑ 花びらが6〜7枚   ヒゲネワチガイソウってこと??




 
エンレイソウ:ユリ科

白い花ではないので「シロバナエンレイソウ」ではない

しかし、赤紫色でもない 普通のエンレイソウは赤紫色 ↓  比較のため借りてきた
   
2017/4/16伊吹山で撮影             2012/4/21 舟伏山で撮影
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

薄い赤茶色  これも↑ エンレイソウらしい

『花は
花弁(花びら)を持たず3枚の緑色または濃紫色のがく片を持つ』・・・と

シロバナエンレイソウ ↓は、
緑っぽくとがっている部分
「外花被片(がいかひへん)=萼と「内花被片=花びら」があった

比較のため借りてきた




    
  トチの大木に穴が開いている「子産の栃」

現代の「赤ちゃんポスト・こうのとりのゆりかご」




   
 ミヤマキケマン:ケシ科

ムラサキケマンは紫色の花   ミヤマキケマンは黄色の花

この花も多かった




   
 ジロボウエンゴサク:ケシ科

よく似ているヤマエンゴサクは、『苞葉が櫛の歯状に切れ込む』・・・と




 
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フデリンドウ:リンドウ科

峠山へ通じる林道を歩いていると、林道脇にフデリンドウの群生!!
下段  白花のフデリンドウもあった

花を拡大してみると、雌しべは開いているが、雄しべもまだ雌しべに寄り添っている

ハルリンドウは↓ 雌しべが開いている時は、雄しべは外側にくっついていた





タチツボスミレの仲間:スミレ科

斜面に吹き付けたように、スミレが大きな群落を作っていた




  鉄塔の近く、木が伐りはらわれた所から中央アルプスを展望

頭がちょっぴり見えるだけ




 
  少し林道を上がってカーブした所から、今度は御岳

多治見から見る御岳は三角形だが、ここから見る御岳は台形

御岳神社から見た山容より、大きく迫って見えた




  
シラカバとカラマツに囲まれた峠山へ続く林道を歩く

緩い登りだが、鳥居峠1197mから約200m上がらなければならない




  峠山到着  12:30   三角点の前で集合写真

NHKの通信基地の隣

暑いので日陰を探して昼食休憩




 
大きなパラボラアンテナの根元からの山と谷の様子

思いがけずワラビに目が留まり、しばらくワラビ採集  太くて立派なワラビだった

13:10頃出発




 ニワトコ:スイカズラ科

登ってきた林道を下って、鳥居峠・峠の茶屋へ

右  赤っぽく見えるのは『雌しべの柱頭で3裂している』って




  
  鳥居峠着  水場  13:45〜13:55

余裕で奈良井駅に着くと計算したが(15:19発)
次から次へと現われる花の撮影に時間がかかり、最後は速足で歩くはめになった・・・




   鳥居峠〜奈良井駅

   
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 ヒトリシズカ:センリョウ科

上段左  咲いたばかりのヒトリシズカ  葉っぱより花が先に咲くらしい

上段右  『雌しべの子房に雄しべ3個がつき、外側2個の雄しべの基部に黄色い葯がつく』・・・と

緑っぽいものがあるが、これが雌しべらしい

鳥居峠から降りて行くと、この花が多くなった




   
   
 ミツバツチグリ:バラ科

蛍光色で眩しい花色

鳥居峠から降りて行くと、この花が多くなった




    
  ラショウモンカズラ:シソ科-1

鳥居峠から降りて行くと、この花が多くなった

紫色の花で横向きに咲く

左  『渡辺綱が羅生門で切り落としたとされる鬼女の腕に見立てた』という名前の由来は、
この花のつぼみのことではないか・・・とがっしりした大きなつぼみを見て思った

   
   
   
  ラショウモンカズラ:シソ科-2

下唇が大きい・・・シソ科の花の特徴

『下唇は、下方に反り返って、2浅裂し、濃紫色の模様がある

花冠喉部の先端には開出する長毛が生える』・・・と説明の通り、長い毛がもじゃもじゃと生えている

下段  ちょっぴり見えているのが雄しべ(白い丸っこい部分)と雌しべ(とがっている部分で2裂している)




   
  タチツボスミレの仲間:スミレ科

また出会ったね




  フデリンドウ:リンドウ科

また出会ったね

   
   
 ニリンソウ:キンポウゲ科

また出会ったね

つぼみの時は、ピンク色がかっている事が多い  花びらのように見えるのは萼(がく)・・・花びらはない

下段  萼の先端がピンク色を帯びている花もある




   
  ミヤマキケマン:ケシ科

また出会ったね




  チゴユリ:イヌサフラン科

咲いたばかりの時は、こんなに深く屈んでいる

   
  クルマバソウ:アカネ科

葉っぱが、輪生しているので、「クルマ○○」という名前だろうと予想した

「クルマ」が頭につく花には、「クルマバソウ」と、「クルマムグラ」があった

どちらもよく似た白い小さな花だが、決め手は花の形

『花冠が4つに裂け、漏斗(ろうと)形だったらクルマバソウである』・・・だって

確かに漏斗型の花





   
 キランソウ:シソ科

地面にぺたりと張り付いて広がっていた




  シャク:セリ科

鳥居峠からどんどん降りていった
麓近くにたくさん咲いていた

白い小さな花がびっしり




 
   
   
 オオヤマフスマ(大山衾) 別名ヒメタガソデソウ(姫誰袖草)かな?ナデシコ科

白い小さな花




   
   
 ワダソウ:ナデシコ科

ワチガイソウとよく似ているが、『花びらの先端に切れこみがあるのが特徴』だって

今日は、ナデシコ科の花で似た者同士3種に出会えた!




   
  テンナンショウ(天南星)の仲間:サトイモ科

左  仏炎苞は、紫色の筋   付属体は紫色の棍棒状

多治見周辺でよく見かけるスルガテンナンショウ ↓ 
仏炎苞は、白地に緑色の筋  付属体は白色で先端が曲がっている
    
2017/4/24 池田富士周辺で撮影 比較のため借りてきた




 
  ヤマツツジ:ツツジ科

つぼみばっかり  花はひとつも咲いていなかった




    【コース】
    多治見駅6:55発―中津川で乗り換えて藪原駅下車9:19着〜9:30発⇒観測所跡広場⇒丸山公園で
    句碑を鑑賞⇒御岳神社⇒トチノキ群生地⇒林道⇒無線のアンテナ群⇒峠山山頂12:30⇒林道を
    戻って⇒鳥居峠⇒奈良井駅15:05頃着〜15:19発―中津川駅で乗り換えて多治見駅17:42着
                                 行動時間約5時間35分
                                                                        
   ・土曜日が雨だったので延期したが、天気は快晴!だった。
   ・雨上がりなので、葉っぱはキラキラ光って眩しい青葉・若葉。その緑の中を歩いた。
   ・峠山山頂付近には、たくさんのアンテナがあった。展望はまあまあ。太いワラビがはえていた。
   ・中山道歩きは海外の人にも人気らしく、団体さんに出会った。
   ・花が多いので写真を撮っていてかなり時間をとってしまい、奈良井宿は速足で通過しなければ
    ならなかった。
   ・標高と緯度が高いせいか、多治見近辺では簡単に見られない花がたくさん咲いていた
    ハナモモ・ニリンソウ・フデリンドウ・大型のタチツボスミレ・ヤマブキ(一番多かった)・
    イカリソウ・シロバナエンレイソウ・エンレイソウの緑花・ボタンネコノメ・ハシリドコロ・
    ヒゲネワチガイソウ・ヒトリシズカ・ラショウモンカズラ・クルマバソウ・シャク・
    オオヤマフスマ・ワダソウ・茶色の筋のテンナンショウの仲間など


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