多治見0:35発。
今日は、千種から乗った同行者が自由席を確保してくれていた。
信濃大町で計画書を出す時、
「竜王からの下りと薬師からの下り、雷に気を付けて毎日のようにあるから」
・・・と警告された。
バスで扇沢へ。
朝食を済ませ、乗車券を通行券に換え、7:30まで延々と約1時間半並ぶ。
なにしろ乗り物に乗っているのは正味80分程なのに、
最初のバスから最後のトンネルバスまでだと延々4時間15分
といった気が遠くなりそうな時間になる。
荷物の重さは15kgで400円。
五色ケ原の志鷹さんにお礼のウィスキーが入っている。
トロリーバスは400人程の人を全員乗せ連なって走る。
並ぶ必要はなかった。
黒部ダムに着くとひたすら速足で次の駅、黒部湖へと向かう。
この橋の上を車椅子に乗せられて通ったことを覚えている。
(*1991/7/27〜7/29 室堂〜五色ケ原〜薬師〜雲ノ平〜黒部五郎〜折立の計画2日目、一の越山荘から1時間ほどのところを下山中転倒、 し ばらくして血尿と腹痛の中五色ケ原山荘へ、 痛みが強くなるがガスのためヘリは無理、翌日鎮痛剤を飲みながら自力下山、平の小屋から黒部ダムまで船で
移送、大町市民病院に入院、安静にして2週間後退院、自宅療養)という経験をしている。
その時のお礼がてら「五色ケ原〜薬師岳」縦走を計画した)
次はケーブルで黒部平へ。
少しでも早く室堂へと思っているが、ここも待ち時間があるので外へ出てみる。
昨年、対岸の稜線を歩きながら赤いロープウエイが動いているのを見ている。
今、そこへ来ているわけ。
真正面に赤沢岳がド〜ンと聳えている。
その左に鳴沢、右に針ノ木と並んでいる。
懐かしい〜
ロープウエイに「1」の札で入り、
黒部湖を見下ろしながら上って行く。
まだトンネルバスがある。
臨時のバスでやっと室堂に着く。
予定より15分ほど早い。
外へ出ると周りの山が見える。
そうか、ここはこんな景色だったんだと分かる。
前回はガスの中で何も見えずじまい。
身支度をして9:22発。
整備された岩の道を観光客と歩く。大勢の人出。
うん、こんな雪渓もあったな・・・などと思い出しながら歩く。
一の越山荘まで楽に到着。
コースタイムに1h30とあるが、うっそー、
休憩しても1時間弱で着いてしまった。
10:19〜10:25。
雄山に向かって続々と続く人の群れ。ここは観光地なんだ。
手軽な3000mなんだ。
周りはガスの中。
時折頂上を目指す人の群れが見える。
我々は五色ケ原へ向かう。まずは浄土山へ。10:57〜11:05。
やっとガスが晴れ、立山・劔が見え始めカメラを取り出す。
さあ、ここからは慎重に。
確か浄土山の下りでこけたはずだから。
ここかな?ここかな?と思いなが下って行く。
確かに足場の悪いガレ・ザレ場。
左には竜王岳(2872m)のゴツゴツを見ながら。
しかし、とうとうこれといった決め手は見つからなかった。
見覚えのある大岩(気持ちが悪くてここで休んだ)
ジグザグの登り(ここでトイレへ行き血尿に気づいた)は記憶にあった。
雪渓は今年は小さく、前回おっかなびっくりだったけれどすいすいと通過。
同行者も軽アイゼン無し。
雪渓を渡った所で休憩。11:58〜12:10。
12:53〜13:05、獅子岳着。
黒部湖をバックに入れて記念写真。
後は下って登って五色ケ原だから、焦ることはない。
木道を伝い(前回は無かった)、お花畑の中を快適に歩く。
この景色見たさにはるばるやってきた。
長いジグザグの下りに入って、下って下ってザラ峠に着。14:03〜14:10。
ここから少し登れば五色ケ原の台地。
おなかが痛くて痛くて・・・の記憶がある登り。
五色ケ原ヒュッテはまだ再建されていなかった。
新しくできた木道がずう〜っと続いている。
こりゃあ歩きやすいわ・・・と作った人に感謝。
皆、人力だろうにね。
ハクサンコザクラやコバイケイソウをカメラに収めたりしながら
のんびり最後の道を楽しんで歩く。
五色ケ原山荘に着。15:03。
約5時間35分の行動時間。
宿泊の手続きをし、志鷹さんにお土産を渡し、
部屋に荷物を置いてビールを自動販売機で買い、
外で景色を見ながら飲む。
お・い・し・い〜
食事がおいしいとの案内があったので今日は食事つき。
相部屋のもう一人は、単独行の女性。
なんと!
お風呂にも入れる!
トンカツは1切れがどうしても食べられず・・・
それでも心配なので胃腸薬を飲んでおく。
それとアリナミンも(顔の腫れを防ぐため)
水は豊富。トイレはきれい。小屋は清潔。快適な小屋。
5:00小屋発。
出がけに乳飲料を貰う(有り難く頂戴する)。
外はガスガスで足元しか見えない。
しばらく木道が続く。
どうも五色ケ原全体をぐるりと囲んであるらしい。
お花畑が右にも左にも続く。
雪渓の上、風の来ない所で休憩。5:30〜5:35
寒くてすぐ出発。
鳶山頂上通過、5:45。
まだお花畑が続く。
道の分かれている所に出会ったが、我々は南へ行くのだからと左に道を取る。
後から来た年配の夫婦連れが追い越し、とうとう最後まで合わなかった。
相当なスピード。
下りの道、風の来ない所で朝食。
本来なら景色のいいところでガスをを沸かし、のんびりと楽しみたいのだが、
風が強く、ガスガスではその気にもならない。
貰った乳飲料とパンで済ます。6:30〜6:45。
その間にも上から下からと登山者が来る。
下からの登山者に「何時発ですか?」と尋ねると、「3時45分」だそうな。
真っ暗の中を花も見ず景色も見ず、足元も悪いのになぜ?
楽しみの無い山登りだねと言い合う。
上からは7人の中高年パーティー。
このパーティーとは何度も抜きつ抜かれつとなり、
結局薬師岳山荘に10分早く着くということになった。
(このパーティー3日目には黒部五郎岳の方へと去って行った)
周りは相変わらずのガス。
しかし、お花畑はずう〜っと続き、「これなら年を取っても来れるね」と言い合う。
(後でそうでないことが分かったが・・・)
なだらかな草原のような所、樹林の中、
岩ゴロゴロの掘り割りのような所などを通って、
登りに入った所で風を避けた岩で休憩。7:35〜7:45。
そこを登ると雪渓のある広場。
先程追い抜いた例の7人パーティーが、「ここが越中沢岳だ?」と言っている。
まさか、五色の山荘から4時間とコースタイムに書いてあるのに、
今はまだ休憩をとっても3時間にもなっていない。あり得ない。
所が5分も登らないうちに本当に越中沢岳に着いてしまった。7:54通過。
近頃の地図は中高年向きに書いてあるんだということになったが、
それにしてもこの違い!
(地図には「無雪期の晴天時、女性を含む5〜6人のパーティー仮定した
標準山行時間である」と書いてある)
もしかすると予定のスゴ乗越小屋以上に行けてしまうかも・・・と考え始めた。
スゴの頭の見える下り道で休憩。8:30〜8:45。
やっとガスが晴れ初め、遠くの山並み、これから下って登る道など周りが見え始めた。
先が見えることはいいが、うえ〜っ、あれだけ下りってまた登るの?・・・
と、辛い状態も分かるわけ。
赤い屋根の小屋が見える。もしかしてあれがスゴ乗越小屋?まだまだ遠い。
9:00、取り付き。
見上げるような登りが待っている。
「忍」の一字でガレ場を登る。
スゴの頭を左に見たピークに9:20着。
7人の先客がいるので少し降りたところで休憩。
またガスが出て何も見えなくなった。
ここを下れば小屋だと言い聞かせ、コースタイムは2時間30分。
なら、2時間で行けるかも・・・という気になって降りていく。
スゴ乗越の広場で休憩。10:07〜10:18。
地図では少し登ってたらたらと歩いて、下って登れば小屋に着くとある。
ニッコウキスゲの群落があちこちに。
思っていたより早く、10時半に着けるか?という予想が、
スゴ乗越小屋、11:05着という結果。
7人パーティーは25分ほど早く着き、ビール・ワインで昼食らしい。
2時間半が、休憩をとって3時間05分。
長かった〜 しんどかった〜
しかし、中途半端な所。
11時から宿泊という気にもならず、かといってこれから5時間の行程も大変。
小屋に着くのが4時か4時半。
悪くすれば5時。
う〜ん、先程のしんどさで前へ進む気が失せ始めていたが、
休んで元気になればこんな狭苦しい小屋で
これから夜までの時間を持て余すことは必定。
進む!に決定。
我々も昼食。
しかしパンなるものは喉を通らず。
同行者は、パンとミカンとお茶を口の中で混ぜ合わせながら食べるのがコツという。
私には無理・・・
食べないと持たないという彼女に比べ、
私は脂肪を削って歩けるので食べなくても普通に歩けてしまう。
11:30発。
まずは間山への登り。
気持ちのいい高層湿原風な所からいいよ登り。
7人パーティーが休んでいる所を追い抜きざま、
「いいピッチですね」と褒められた。
「ビールとワインを飲んでいませんから」「50分は歩きますので」と応対して歩く。
登りの途中で休憩。
12:20〜12:25。展望よし。
間山12:43通過。
7人パーティーは休憩。
このパーティー、早く歩くが休憩時間を長く取るので、
結局は我々ののんびり山行とほとんど変わらないか遅くなると解釈。
ここからはガレが多くなり、今までののんびりお花見山行とは一味違ってくる。
目の前の山頂が立派なので、あれが薬師かと思ったが、近すぎるので否定。
2832mのピークと、北薬師の2900mと、本物の薬師の2926mの3つがある。
最初のピークで休もうと心づもりしていくと、
足元で奇妙な声。なんと、ライチョウの声。
親と2羽の子供。
五竜の登りで見た頃より大きくなっていた。
ピークで休憩、13:14〜13:25。
地図ではたらたらか少しの登り程度で薬師岳に着くことになっている。
岩ゴロゴロを登っている時、ぽつりぽつりと雨。すぐ止む。
岩稜・岩屑地帯を通り、北薬師下。
風をよけて休憩。14:15〜14:20。大きな雪渓の上で。
すぐ北薬師着。14:27通過。
「ここで風雨が強いと薬師岳までの道は困難」と書いてあるが
ここまで来て今更戻るわけにはいかないよね。
ガスガス。
野口五郎岳のような岩ゴロゴロをたどり、カールを左下に見下ろし、
痩せ尾根を通りガスの中を歩く。
雨が今度は大粒で降ってきた。
雨具を着けながら振り仰ぐと、稜線に何やら人工的な十字が見えた。
そしてケルンのようなものも。
早い!
「スゴ乗越から4時間で薬師岳」とあるが、今は休憩をとってもまだ4時間前。
もし頂上なら嬉しいなと言い合いながら少し登ると
本当にお社のある薬師岳頂上。
15:23〜15:33。
お社の裏、風の来ない所で休憩。
ジグザグの砂礫地帯を下って屋根のない避難小屋を見てどんどん下る。
と、急にガスの中から赤い屋根の小屋が見え始めた。
16:07着。
手続きを済ませ、ビールを飲む。
(ずっと早くに追い抜いて行った男性2人パーティーが
高校野球を見ていた。
急いで歩いて、小屋でTVを見るのが趣味?なんて思ってしまった)
ビールがおいしくない。
食事を作りながら飲むことにする。
外で始めると同行者が、「寒いから」と言って中へ入ることを提案。
お客が夕食を食べている隣の土間で食事。
今日はどうも3回転らしい。
おいしくないビールを捨て、食の進まない同行者を気づかい
サラダは明日に回して片付ける。
急な階段を命綱を握って2階の屋根裏風のゴザ敷きに上がる。
満員というふうでもなく、ゆとりを持って休めた。
予定のバスに間に合わせるためには朝4時発でないといけない。
初めての道を暗いうちに下ってしまうのはもったいないという気もする。
かといって、後のバスではぐんと遅くなってしまう。
ま、ゆっくり帰ることにして眠る。
5:10発。快晴。槍もバッチリ。
薬師方面もバッチリ。
昨日が今日だったら・・・と惜しむ。
お花畑を楽しみ、くっきりはっきり見える山を見ずに下るのも惜しく、
地図を取り出し山の名前を調べながら薬師平へ降りる。
なだらかな草原のような私が想像していたのとぴったりの薬師平。5:54通過。
このまま太郎小屋まで行けるかと思ったら大間違い。
樹林に入って、岩ゴロゴロの谷川沿い(懐かしい水)の道を下ってキャンプ場へ。
トイレもゴミ捨て場もある。
管理が大変だろうな・・・と心配。
ここから二つ山を越してやっと太郎小屋着。6:50〜8:48。
食事をゆっくりとり、さてこれからどうするか・・・を相談。
タクシー会社に電話したり、時刻表を調べたり、
特急料金を払わない方法を考えたりして
結局タクシーで富山まで。
そこから普通を乗り継いで帰る・・・と。
13時にタクシーを予約し、出発。
この道は3回目。
何度通っても遠い。
10:05、大きな木の下で休憩。
まだ目の前には登りがある。
下からはどんどん登山者の波。
この暑い時間の登りは大変。
坂道の途中で休憩、11:36〜11:45。
登山口はすぐそこ、11:50着。
もうタクシーが待っていた。
顔を洗い、髪を拭き、肌を拭い、着替えをし、冷たい飲み物を飲んで乗車。
12:09発。眠くない。
13:40、富山駅着。
駅の3階で昼食。
いか焼き定食と生ビール。美味しい〜
15:11発。乗り換え乗り換えして22:26多治見着。
この間、全然眠くなく、家に帰っても目はぱちぱち。
翌20日になって無理やり横になった。
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以下の写真は、どこで撮ったかの記憶がなく、メモも無く
捨てるには忍びなく、ここに並べてみた 2020/9/7 記
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