シャクナゲと展望と渡渉と・・・ 雨乞岳




東雨乞岳山頂



ホンシャクナゲ

●場 所 滋賀県東近江市甲津畑
●標高 1237.7m 
●山行日 2014年5月25日(日)
●コース 武平トンネル手前(P)・・・武平峠登山口・・・クラ谷分岐・・・東雨乞岳・・・雨乞岳・・・杉峠・・・コクイ谷出合・・・クラ谷分岐・・・武平峠登山口・・・武平トンネル手前(P)
●多治見から
  登山口まで
多治見=勝川IC=四日市IC=湯の山温泉=鈴鹿スカイライン=武平峠(P=登山口)
 ※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
●参加者 丹羽、守山、中山、小保
●コースタイム 多治見
勝川IC
四日市IC
武平トンネル手前(P)
武平峠
武平峠登山口
クラ谷分岐
東雨乞岳
雨乞岳
杉峠
コクイ谷出合
クラ谷分岐
武平峠登山口
武平トンネル手前(P)
6:05発
6:38
7:10
7:45頃〜8:05
8:20〜8:25
8:35
9:50〜9:55
12:05〜12:25
12:50
13:30〜13:40
15:10〜15:15
16:45〜16:55
17:55
18:10頃着
周辺地図はこちら
  




多治見から2時間弱で武平トンネルまで来た

TVのニュースで、「スカイラインが通行止め」との
報道があったと、同行者から聞いた

どこから「通行止め」か確かめるべく、どんどん進んでいったら
武平トンネルの入り口にゲートができていた

やむなく、ここからバックで駐車場まで戻った


帰宅してからネットで調べると
『滋賀県側において、平成26年5月22日に法面崩落があり、
県境である武平トンネルの入口において
通行止めをしております。

滋賀県側への通り抜けはできません。
解除時期は6月下旬を予定しています。』・・・とのこと




ここがその駐車場

広い駐車場は、まだ、がら空き

ここから数分のところに、武平峠へ登る登山口がある


アオダモの仲間:モクセイ科

アオダモの仲間には、
多治見などで見られるマルバアオダモのほかに、
アオダモ・ミヤマアオダモ・ヤマトアオダモ・アラゲアオダモ等が
あるそうだが、見分け方がよく分からない

また、手の届かない遠くに咲いているので
・葉のふちに鋸歯があるかないか
・葉に毛が多いか少ないか
・・・などが分からないので、判別は無理




シロヤシオ:ツツジ科

シロヤシオの咲く頃なので期待してきたが、
武平峠へ行く登山道にたくさん花が落ちているのを見、
枝にたくさん咲いている株を見つけ、
上へ行けば、真っ白な木々に会えるかと思っていたが
武平峠以降、まったく無し

山が違うとこんなに花が違うのか・・・と思えた




テンナンショウの仲間:サトイモ科-1

緑と白の仏炎苞を付けた株を見つけた

最近、すぐ中を覗くのが習慣になっているので、仏炎苞をめくってみると・・・
見事に90度に曲がった付属体(棒の先が緑色のもの)があった




武平峠

トンネルの手前の登山口から約15分

右:御在所岳、左:鎌ケ岳へ行ける

雨乞岳へは、坂道を下っていく




ヤマツツジ:ツツジ科-1

結局、トンネル出口付近の車道まで降りて
いつも駐車するスペース=登山口から登り始めた

予定のコースタイムに、約25分がプラスされた

カッコーやホトトギスの声を聞きながら
「緑の海」の中を歩く




テンナンショウの仲間:サトイモ科-2

しばらく雨が降っていないのに、登山道や岩場は濡れて滑りやすくなっていて、
細いトラバース道は気が抜けない

そんな細いトラバース道に、先ほどのとは異なる茶色の筋のあるテンナンショウの仲間を見つけた

中を覗くと、茶色の棒(付属体)は、やや前に傾いていた




確か以前は、御在所岳へと通じる登山道があったはずだが
今回、その標識はなかった

では、下山はまたこの同じ道になってしまう・・・



ギンリョウソウ:シャクジョウソウ科

南木曽岳では、ちょうど見頃だったが
ここはまだ、咲き始めたばかり

中を覗きたいが、首が固く、
持ち上げると折れそうだったのであきらめた

あちこちに点々と顔を出していた

まだ株立ちをしているのは少なかった




この山は、「○合目」という標識はない

その代わりが、この標識らしい

登山口が@、雨乞岳の山頂をHとしている

レスキュー用の立て看板もあるが、
この標識とは番号が異なる

B番は、平らな広場になっていて休憩にぴったり




標識B番を過ぎると、トラバース道はなくなり
歩きやすいたらたら登山道になった



ヤマツツジはまだ蕾ばかり

鮮やかな朱色なので、遠くからでも目を惹く

このヤマツツジのすぐ先がC番の標識で
そこからクラ谷に入っていく




ネコノメソウの仲間:ユキノシタ科

実ができていた




シャクナゲ:ツツジ科-1

対岸にシャクナゲの花が咲いていた

う〜ん、遠すぎる  もっと間近で見たい




イワカガミ:イワウメ科-1

イワカガミの群生が現れた

斜面に咲いていれば、しゃがまなくてもいいので嬉しい



   
   
 ホンシャクナゲ:ツツジ科-2

少し斜面を登れば、間近に見られる・・・登る価値はある…と判断してシャクナゲの根元まで登った

花びらが5枚なのでホンシャクナゲだった

濃いの薄いのと、微妙に色合いが違うところがまた、いいなあ!

ホンシャクナゲは、この一帯と下山路のコクイ谷に多かった




   
  
 エンレイソウ:ユリ科

大きな葉っぱのエンレイソウ   もう、実になっていた




   
 小沢を何度も渡渉しながらの緩い登り降り




ここで、やっと雨乞岳までの半分

どんどん、他のパーティーに追い越されていくが
「鎌」や「御在所」に比べれば静かな山が味わえる




   
 サワハコベ:ナデシコ科

花びらは5枚

『深く切れ込む』のが、ミヤマハコベ
『中裂する』のは、サワハコベだって

ではこれは・・・「中裂」なので、サワハコベ




 タニギキョウ:キキョウ科-1

薄暗いところを好む花



   
イヌガヤ:イヌガヤ科

素手で触ってみて、痛いか痛くないかをまず調べた  ⇒あまり痛くないのは、イヌガヤ

右  葉の裏にある白っぽい筋(気孔帯:きこうたい)が2本あるが、幅の広いのはイヌガヤだって

よく似ているカヤは、葉が痛い(のなんの)し、気孔帯(きこうたい)は幅が狭いそうである

葉の裏についている茶色っぽい丸いものは、雄花




 
1
 
2
 
3
シコクヒロハテンナンショウかな?:サトイモ科-3

1  葉が1枚で、掌状に分かれて、
2  緑色に白い筋のある仏炎苞は葉の下につき、付属体は棒状(ここは緑色)

3  葉のふちには、粗い鋸歯がある

⇒こんな特徴のあるテンナンショウは何か調べてみた・・・特徴が似ているのは「シコクヒロハテンナンショウ」
『分布は、四国・本州(山梨以西)・九州』と

それなら、この滋賀県にあってもおかしくないか・・・?




   
クワガタソウ:ゴマノハグサ科

沢沿いの登山道わきに咲いていた  花の直径、開ききっていないので1cm未満

「花目(=常時、花にピントがあっているので、どんな小さい花でも見つけてしまう人のことを言う・・・私流解説)」
になっている花好きの友人が、こんな小さい花を見つけた

花を見ながらの山登りに、スピード登山は禁物

常時、左右・上下に目を配って歩くので、早歩きが好きな人とは相容れられない




  
 E番の標識

まだ、たらたら歩きと、緩い上り下りが続く




   
  
コショウノキ:ジンチョウゲ科

こんな所で出会えるなんて、思いがけなかった

多治見では3/23に、藤原岳では4/1に出会っている

まだ咲き始めたばかりで、初々しい真っ白な花 




   
 ヤマルリソウ:ムラサキ科

ワスレナグサそっくりの花




 七人山との分岐F番に着いた

ここからいよいよ東雨乞岳の登りになる




    
サラサドウダン:ツツジ科-1

七人山との分岐から、サラサドウダンの群生になる・・・と記憶していたが、
季節が少々早かったらしく、花がまだ白っぽく、色づいていない木が多かった




   
ハルリンドウ:リンドウ科‐1

東雨乞岳山頂直下の稜線に咲いていたハルリンドウ

湿地が好きな花なのに、なぜこんな場所に? それも、あちこちでたくさん咲いていた




  
 東雨乞岳山頂  バックは雨乞岳

多治見では、最高気温が30.3度だったらしいが、ここは気持ちのいい涼しい風が吹き
日差しもやわらかで、のんびりと周りの風景を見ながら休憩できた




 
  東雨乞岳山頂から御在所岳を望む




 
東雨乞岳山頂から、これから進む雨乞岳を望む

山頂から右に続くなだらかな尾根が、杉峠への下山路

杉峠へは「とっても急な下り」という記憶があったので、あんななだらかな尾根ではないと思っていたが
見せてもらった1/25000の地形図には、山頂から延びる尾根はこれだけ

山頂を向こう側にぐるっと巻いてから、このなだらかな尾根へと出ることが、後で分かった




   
 ハルリンドウ:リンドウ科‐2

東雨乞岳から雨乞岳へ進む登山道の両脇にも、またまたハルリンドウ

下界で見るより、なんだか花が大きく感じられる




 
 雨乞岳への途中で、鎌ケ岳とそれに続く鎌尾根を振り返る

かなりのとんがり・・・「鈴鹿の槍ヶ岳」と言われるのも、まあうなづける




  
 雨乞岳への途中で、東雨乞岳を振り返る

ついさっき、あの笹の中の道を歩いていた




 
 雨乞岳に到着

こちらの山頂は狭く、見晴らしもよくない

武平峠から反対まわりのコースで来た男性2人連れに情報を聞く

「間違いやすい場所があるから気を付けて」と




  
  先ほど見たなだらかな稜線の左側は、
ミツバツツジやシャクナゲがあちこちに咲いていた

しかし、傾斜が急なので近くまで降りることはできず




 
 右手に東雨乞岳を見ながら、杉峠へ

この緑の中に、シロヤシオの白色が全く見えない




   
 イワカガミ:イワウメ科-2

稜線の岩場に、葉が小さく、背丈も低いイワカガミが群生していた

コイワカガミかと思ったが、
『イワカガミの花は下向きで、コイワカガミの花は横向きにつく
イワカガミの葉には鋸歯があるが、コイワカガミの葉には鋸歯がない』とのこと

ここの花は横向きに咲いているが、葉には鋸歯があるので、やっぱりイワカガミだろうか・・・




 
 レスキューポイントの看板

ここから急な下りが始まる

以前はまっすぐ降りた記憶があるが、今回、右の方へジグザグに降りるようになっていた




ヘビノボラズの仲間:メギ科

背丈ほどのこんもりした木に、た〜くさん花をつけていた

茎には溝のようなへこみがあり、鋭いとげがいくつもあった

花柄と萼が赤いのが目立ち、葉には鋸歯はない

・・・・・・・・・・

よく似たものの特徴を表にしてみた    『山渓ハンディ図鑑4「樹に咲く花」』より
   枝  葉  花
メギ  縦の溝と稜がある
各節に長さ7〜10mmのとげが
1〜3個つく

長さ 1〜5cm
幅5〜15mm
ふちは全縁
裏面は白色

2〜4個が垂れ下がってつく
萼片は花弁とほぼ同じ大きさ

オオバメギ 溝や稜は不明瞭な円柱形
とげはほとんどない

長さ 3〜8cm
幅1〜2cm

総状花序
花序は葉よりやや長い
3〜8個が垂れ下がってつく

ヒロハヘビノボラズ 稜や浅い縦の溝 
各節に長さ8〜20mmのとげが
3〜5個つく

長さ 3〜10cm
幅1.5〜3cm
とげ状の細かい鋸歯

総状花序
10数個垂れ下がる
花序は葉と同長または長い
花軸や花柄が赤褐色になるものを
アカジクヘビノボラズという


⇒ 一番該当するものは「メギ」だが、「赤いジク」だけが当てはまらない

「アカジクメギ」があればいいのにな・・・




   
 フイリフモトスミレ:スミレ科

花の盛りは終わり、これは残り花




 杉峠に着いた

期待していた「ワダソウ」はなかった


   
   
 ヤマシャクヤク:ボタン科

いつもの一角に、今年も咲いていた

白っぽい花びらと、クリーム色っぽい花びらがあった




   
シコクヒロハテンナンショウかな?:サトイモ科-4

登りで見かけた、1枚葉のテンナンショウが群生していた

掌状の葉で、
緑色に白い筋のある仏炎苞は葉の下につき、付属体は棒状(ここは皆、白色)

葉のふちに、粗い鋸歯があるのも同じ

⇒四国・本州(山梨以西)・九州に分布しているという「シコクヒロハテンナンショウ」だろうか




   
ツリバナかな?:ニシキギ科

大木にた〜くさんの蕾がついていた




   
サラサドウダン:ツツジ科-2

ここまで下って来ると、花色がはっきりしてきた

上の方では、まだ緑色のような赤みが少ない花が多かった




 
1
 
2
 
3
イワカガミ:イワウメ科-3

1・2  小型、葉は小さい、鋸歯あり、樹林の中、花は横向き

3  大型、葉は大きい、鋸歯あり、樹林の中、花は下向き

どちらも、イワカガミかも・・・




  
 ホンシャクナゲ:ツツジ科-3

下山路にも、少しだが、ホンシャクナゲの木があった

これから進むコクイ谷は、多かった〜




   
   
ヤマツツジ:ツツジ科-2

川べりに近づくと、ヤマツツジが俄然多くなった




   
 川を渡ったところで休憩

これから杉峠へ戻るという単独の男性に出会った

「コクイ谷はかなり荒れていますよ」の声に
気持ちがキュッとなった

大丈夫、何回も来ているし、
反対まわりで来ている人ともすれ違っているし、
事前にネット検索で最近歩いている人の情報も得ているし、
頑張って行こうと、自分に言い聞かせる




 すぐ、もう一つの川に出る

土砂が流れだし、押し流された木?が積み重なって、
以前とは景色が一変していた


   
コケイラン(別名ササエビネ):ラン科

川のすぐそばに1株だけ咲いていた




 コクイ谷は
一般ルートではない破線ルートであることは知っている

この地図のコクイ谷に沿ったルートが
「廃道」になっているのが気にかかる

とにかく、「コクイ谷出会」まで行って判断しなければならない




 ここが「コクイ谷出会」

「武平峠」への標識もあるし、
記憶にある、良く踏まれた道もある

気を引き締めて出発




   
 確かに、谷は荒れてはいた

しかし、霊仙山の谷山谷に比べれば、
足元にも及ばない(かな?)

沢沿いの登山道が途中でなくなることもあったが
水量が少ないので、沢の石伝いに行くことができた

雨の後や水量の多い時、このルートは避けた方が無難

周りのペンキや赤テープに常に目を配りながら
歩きやすいところを選んだ




 タニギキョウ:キキョウ科-2

休憩したところに咲いていた



   
ここが一番の難所

ここの岩場が崩れたらしく、どうやって降りるか・・・が難問  右手の沢は深、く流れも速い

トップは、残置のテープシュリンゲにつかまって降りようと試みたが、
「岩がつるつる滑って、足がかりがない」・・・と

大変な難儀をしながらともかく1人は下へ降りることができた、が、下を覗いて「うへえ〜!」

さて、残った我々3人をどう降ろすか・どう降りるか・・・が問題

岩に向かって右手の方なら「ごつごつして足場があるからどうか」と言われたので偵察に行ったが、
上から見下ろすと、崖がせり出していて足場が見えないので無理・・・と、判断

今あるテープシュリンゲに、ロープシュリンゲを足して手掛かりにし、それにつかまって降りることになった

トップが持っていた15m位のシュリンゲを投げてもらって、ダブルにして
計4本のシュリンゲなら体重を支えることができるだろう

滑り止めの「コブ」を作ってもらい、ストックは皆手渡しで先に下ろし、さあ、降りよう!

滑りやすい岩に注意して、ズルズルと・・・降りた!

3番目・4番目の人に「芋虫のようにズルズル下りれば大丈夫!」と言って、無事全員降りることができた・・・!!




  
難所の次は、滑りやすい渡渉

ここで1人がドボンと足が水の中に入ったが、「尻餅でなくてよかったよ〜」と、妙な慰め方をする

靴の中の水を出し、後は体温で乾かすことにして先へ進む

しかし、あの崩れた岩場、他に降りやすいところはなかったのかと振り返ってみたが
沢の方にある赤テープへ行けば、もっと危険そうに思えた




   
 
ホンシャクナゲ:ツツジ科

コクイ谷には、ホンシャクナゲが多かった




 
クラ谷分岐まで何度も渡渉したが、迷うことなく進むことができた




   
 やっと戻ってきたクラ谷分岐C番の場所

【注 意書きの看板には
 道迷いにより、日没を迎え下山できなくなる
遭難事故が多発しています。
 特に
コクイ谷出合からクラ谷分岐まで(地図の赤
点線区間)
の間で迷うケースが多発しています。
 同所は
危険な個所が多い沢です。十分な装備と
読図力のある熟練者
以外は入山を控えてください。
と書いてあった

登山地図には以前から「迷いやすい」とあったが、
沢の左右に目を配り、どこが一番安全に歩けるかを
考えながら歩くことが重要だと思った




武平峠登山口に到着〜

クラ谷分岐からここまで80分とあったが、60分で来れた



   
ヤナギの仲間:ヤナギ科

行きに撮れなかったので、帰りにパチリ




 ロングコースを無事に下山でき、ほっとして駐車場へ


   2008年5月11日の雨乞岳はこちら

    2007年6月2日の雨乞岳はこちら
    
   2005年5月28日の雨乞岳はこちら

   その他、2002年3月31日・1999年5月30日・1992年11月3日・1987年7月12日にも来ている
 

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