富士見高原登山口から

         
編笠山〜西岳周回



編笠山山頂


西岳山頂
●場 所 長野県北杜市小淵沢町・諏訪郡富士見町
●標高 編笠山:2524m 西岳:2398m
●山行日 2021年10月26日(火)
●登山口まで 茅野市の山荘=富士見高原ゴルフ場内(P)・・・登山口
 
※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
●参加者 白木、山崎、丹羽
●コースタイム 山荘
富士見高原ゴルフ場内(P)
登山口(登山届)
林道
五叉路分岐
工事現場
盃流し入口
1750m地点(あと3時間)
岩小屋
2100m地点(あと1時間45分)
2300m地点(あと1時間)
編笠山山頂
青年小屋
西岳山頂
不動清水
登山口
富士見高原ゴルフ場内(P)
5:30頃発
6:05頃〜6:10
6:20
6:38
6:47
6:53
7:00
7:39
7:48
9:07〜9:15頃
10:13
12:04〜12:15頃
13:20
14:37〜14:47
17:04
17:33
17:45頃着
   周辺地図こちら  コース図はこちら   


 4時起き、5時発で頑張ったけれど
出発は、5時半頃になってしまった・・・

夜中中ずっと雨だれの音
外へ出てみても、雨が降っていたので
雨具の上下とザックカバーを付けて
車に乗り込んだ

登山者用駐車場を探しながら
約40分で到着
広い駐車場に先客は1台

振り返ると山が白い!
昨日の雨は、やっぱり雪になっていたんだ!

 
 こちらの山が、編笠山?
こっちもかなり白い!

 
 標識に導かれ、登山口へ 6:10発

 
ここをクリックすると大きく見えます
ゲートの手前に
「富士見高原リゾート ハイキングマップ」があった ↑
現在地から40分ほどで、
編笠山と西岳の分岐がある・・・と

まずはそこまで行こう〜

 
 ゲートの横には、
人が通れるだけの隙間があり
そこを通り抜けると、登山届用のポスト 6:20
リーダーがポストイン

 
 山道になった
今日は、いつになく足が重い
いつものように歩いているだけなのに
ハーハーと息遣いが荒くなって苦しい
まだ歩き始めたばかりというのに・・・

そこで、「トップで歩かせて」と申し出た
若い頃はトップが好きで、定位置となっていた

デジカメを持つようになってからは
最後尾で歩き、
花や景色を撮りながら歩くようになったのだが
苦しくてはどうしようもない

リーダーに「30分たったら休憩とってね」とも
頼んでおいた

 
 林道に出た
「ハイキングコース→」の表示を見て山道へ

 
 「五叉路分岐」の標識 6:47
ここで編笠方面の道へ

 
 工事現場の横を通って、林道へ

 
 「盃(さかずき)流し入口」標識 7:00
左折すれば、
ここからも不動清水や西岳へ行ける
私たちは右折して編笠方面へ

「盃流し」って、なんのことだろうと思って
家に帰ってから調べてみると、
『平安時代に一枚岩に盃を流し、
流れる間に歌を詠んで興じる貴族の遊びがあり、
その一枚岩に似ていることから『盃流し』の名が付いた』とか

『50メートルほどの一枚岩のナメ滝になっている所』らしいが
『水量はあまりありません』・・・というから
まったく気づかなかった

説明板もなかった
そもそもどこにあるのか?
地理院地図にも無い

「不動清水」や、
文字が薄れて読めなかった「臼久保岩小屋」は
ちゃんと記載されているのに・・・

 
 もしかすると、
渡ったこの沢の上流にあるのだろうか?? 7:03

 
 歩いていると、こんな表示板が時々現れた
「ここは標高1750m
編笠山頂まで3時間00分」の文字 7:39

こんな札を「時刻表」と呼んで、
書いてある時間と自分たちの歩き方を比べていた

 
 「見晴台」という表示板があった
どこのことだろうと思いながら左手を見ると
大きな岩が並んでいた

もしかしてこの岩の上?  7:42
元気な二人が偵察に行ったが
どうも違っていたらしい

 
 大きな岩があり、
雨宿りできるような大きな穴があいていた
字の薄くなった表示板があったが
「臼久」と「小屋」は読めたが
後は??

家に帰ってから調べると
「臼久保岩小屋」だと分かった
『修験者や狩猟者が使ったという岩の洞窟』だって

 
 「時刻表」 7:52
「ここは標高1800m 
編笠山頂まで2時間50分」の文字
さっきの時刻表から10分歩いたってこと

おやまあ、ほぼ時刻表通りに歩いている!

 
 雪が現れた
昨日の雨がここでは雪だったんだ

 
 「時刻表」 8:15
「ここは1900m 
編笠山頂まで2時間30分」の文字

さっきの時刻表から20分歩いたってこと
実際は? 23分 まあまあ

 
 「時刻表」 8:30
「ここは2000m 
編笠山頂まで2時間10分」の文字

さっきの時刻表から20分歩いたってこと
実際は? 15分 
 
 登山道が平らになっている所で休憩

 
 同行の2人は元気〜

 
 「時刻表」 9:07
「ここは2100m 
編笠山頂まで1時間45分」の文字

さっきの時刻表から25分歩いたってこと
実際は? 37分 休憩していたからね

 
 だんだん陽が上がってくると
木の葉についていた雪が、
風と共に雨のように降ってきた

「雪シャワー」と名付けた
カメラで撮れるか試してみたが・・・
残念! はっきりとは写らなかった

 
 地面の白さが増えてきた

 
 雪の上に足跡が付くようになった

 
 「今年初めての雪〜」と
この頃は喜んでいたのだが・・・

 
 1cmだった積雪が、
この頃だと3cmくらいになった

 
 苔の緑と、雪の白!

 
 「時刻表」 9:40
「ここは2200m 
編笠山頂まで1時間15分」の文字

さっきの時刻表から30分歩いたってこと
実際は? 33分 まあまあだね

 
 この頃になると 10:09
登山道がへこみ、その間に積もった雪が融けて
シャーベット状の水溜りになってきた

水溜りを避けて歩いていたが
避けきれない所もありズブリ・・・

 
 「時刻表」 10:13
「ここは2300m 
編笠山頂まで1時間」の文字

さっきの時刻表から30分歩いたってこと
実際は? 33分 まあまあだね

ここまではまあ順調だった
あと1時間くらいで山頂へ行けると思っていた

 
 ところが、登山道の凹みは、だんだん深くなり
大きな岩々が行く手を遮ってきた

雪が無ければ、すいすいと登れるところだが
登山道の雪も深くなってきて、
岩の上にも雪が積もっている

どこが登山道で、
どこが登山道じゃないかの
判断が付きにくくなり、
どう進んで行けばいいか?
どこへ足を置くと安全か?
雪があっても
岩と岩の間が空洞だったら?
・・・と迷いながら確かめながら登っていくので
なかなか前進しない

時々見える赤テープや、
黄色い表示板に励まされながら
上へ上へと登って行った

手袋ははめているが
岩の上の雪を払ったり、木の幹をつかんだりするので
ずぶ濡れ(まだ夏用の手袋だった)

「ちょっと絞るので待ってて」・・・と言いながら
ぎゅっと水を絞りまたはめる

濡れていても素手よりは暖かい

大岩を乗り越えるのに、
手を引っ張ったり
お尻を押してもらったり
の奮闘

とうとう疲れてしまったので
替わって」・・・と言い、二番手に替わり
私は最後へ

その時ちらと後ろを振り向いて
撮った写真がこれ ↑ 10:51

さっきの時刻表から40分経った

リーダーが、「休みますか?」と聞いたが、
この悪路を早く脱出しないと!」と応えた

とにかくこの樹林帯を抜け出れば、
岩ゴロゴロ地帯になって、
雪は解けているはず
・・・と期待していた
から

所がそうはいかなかった

登っても登っても岩ゴロゴロ地帯にならない

やっと樹林を抜け出したと思ったら
雪が積もっている岩ゴロゴロ地帯だった・・・

もうカメラを出す元気もなかった・・・

樹林の中の岩場も嫌だが
雪のついている岩ゴロゴロは、
もっと嫌な場所だった

大きな黄色いj矢印や標識はあるが、
どの岩に足を置くといいか・・・の判断が難しい

岩と岩の間にぽっかり穴が開いていたら?
そこへ足を突っ込んでしまったら?
岩の上に乗ってバランスを崩したら?
岩の上の雪に乗って、つるっと滑ったら?

・・・など、考えられそうな不安要素がわんさかある

1歩1歩が緊張の連続!
先頭を登るには、体力と共に判断力が必要

そんな危険な岩ゴロゴロ地帯が
行けども行けども続いた

私は最後なので、
前の2人が通った足跡をたどっていけば
危険性は2人より少ないはず

上を見上げると、
2人は、ストックを短くして
四つん這いのようになって登っていく

途中で、先頭を替わりながら
上へ上へ・・・

小さな標識が見えた
もしかしてあれが頂上直下の標識か?
・・・と喜んで登っていくが
ただの通過点でがっくり

こんな
喜びと、がっくりが何度も繰り返され
とうとう、
今までにない大きな標識が見えてきた

見覚えのある標識!
もうすぐ頂上だよ〜と叫んだ

 
頂上だった〜! 12:04

「あと1時間」の「時刻表」から
約2時間の大奮闘だった!

雪の為に難易度がピンと跳ね上がった
編笠山登山となった

この
二人の体力と粘り強さとパワーに感謝!
よく頑張った!


やっとカメラを出す気持ちの余裕が出てきてパチリ

足元を見ると、踏み跡があった
青年小屋から登ってきたのだろうか?

 
 
 頂上から-1
上 遠くに富士山
下 ぐっと引っ張り寄せた

 
 頂上から-2

 
 頂上から-3
 
 頂上から-4

さっきまで青空だったのに
急に雲が出てきた

 
 頂上から-5
蓼科方面がガスってしまった

 
 
 頂上から-6
観音平へは、踏み跡があった
道標の向こうに富士山

 
 頂上から-7
全天がガスってきた
登りがこんな小さな岩だったらよかったのに・・・

吹きっさらしの場所では、休憩もできない
風の来ない陽だまりを見つけ
行動食をおなかに入れる

この編笠山頂まで、標準コースタイムで4時間15分
既に、出発から6時間たっている

ここから、スムーズに行ったとして
駐車場まで3時間50分

うまくいけば、明るいうちに着ける

もう、ゆっくり休んでいる余裕はないので
ポケットに行動食や非常食を入れて
食べながら歩くスタイルで降りよう

アイゼンを着け、12:15頃出発

   雪のない編笠山の様子 2011/7/10の画像から借りてきた 今回のコースの逆コース
 
 
 
 
 
   雪のない編笠山の様子 2014/9/12の画像から借りてきた 観音平〜編笠山〜権現岳コース
 
 
 

 
 青年小屋までは急坂を20分で下る(はずだった)

樹林の中はすいすいと行けたが
岩ゴロゴロ地帯の途中から、
青年小屋から登ってきたはずの
踏み跡が
プッツン
と途絶えた

登ってきた人はいったいどこを歩いてきたのか??

また、一足一足に神経を使う下りになった
雪が無ければ、ひょいひょいと
岩の頭を踏んで行けるのに
2倍3倍の時間がかかる

先程の登りでコツをつかんだ仲間が
先頭を替わってくれた

後を付いて行ったが、
ひやり・そろりの下りになり
平らな地面に下りたって、
やっと地に足が付いた気分!

20分の所を1時間以上かけて降りた
青年小屋に13:21


 
 青年小屋と編笠山を振りかえって
記録の為にパチリ  13:25

ここでゆっくり休んでいるわけにはいかない
西岳までたらたら道を1時間
西岳から2時間ちょっとで登山口


編笠との合流点からは記憶のある登山道なので
暗くなったとしてもまだいい

立ち休憩で、
水分と食べ物を口に入れすぐ出発

スピードの出ない私が、
とにかく先頭でどんどん歩くしかない
・・・の思いで、先行した

私はチェーンアイゼン
2人は、10本と8本のアイゼンをはいていたが
歩いているうちに緩んできたようで
外すことになった

スマホのバッテリーの交換の間も
私は「先に行ってるから」と、とにかく前へ前へ

わき目も振らず・・・とはまさにこのこと
カメラを取り出すこともなしに、
西岳到着〜 14:37 ↓

 
  「着いたよう〜」と、大声で知らせた
「は〜い」の返事があったので
それほど距離は離れていないようだった

あんなに一生懸命歩いても、
1時間では着かなかった(1時間12分)

西岳の頂上直下だけが、急登だけで
後はたらたら歩きだった

これが急な登りの連続だったら
もっと時間がかかっていただろう

西岳に着いた時には、
編笠山も富士山もガスに隠れていた

 
 こちらの南アルプス側もはっきりしなかった・・・

 
 2人を待っている間に、ガスが晴れて
富士山が姿を現した

もっと近くへ引っ張りよせてみた ↓
 
 なんて秀麗〜
均整の取れた姿!
雪があると神々しくさえ思える・・・

 
 2人が到着〜

 
 編笠も姿を現した!

 
 富士見高原を目指して
私は一足先を急ぐことにした 14:47

 
 2〜3人の踏み跡が心強い

 
 南アルプスも雄大〜
カラマツの黄色も素晴らしい

カメラはこれで終わって、
あとはひたすら下へ下へ

ところが、足の速い2人がちっとも降りてこない
おかしい・・・
どこかで道を間違えたか?と思って
スマホを見たが、
ジオグラフィカは忠実に尾根の上を降りていた

では、後ろの2人が道を間違えたか?と思い、
ストップして待っていた

チェーンアイゼンに、雪と枯葉と泥がついて
邪魔になったので脱いだり
クマの活動時間だと思って
熊避け鈴もつけながら待っていたが
気配がない

「お〜い」を何度か呼ぶと、やっと返事があったので
また先を急いだ

後から聞くと、すれ違った男性に、
「急な下りは雪が無くてもアイゼンを着けた方がいい」
と聞き、アイゼンを着けていたそうである

邪魔だなあと思ったら脱いで・・・と言って、
また先を急いだ

このコースは、編笠の登りに比べると
道標や案内板が少ない

↓ これがその少ないうちの1つ

 
 小広場 15:35
確かに広場になっていた
ここから歩きやすくなるかと思ったが
まだまだ・・・

明るいうちに、陽のあるうちに
安全な所まで降りなきゃの思いで
どんどん下った

ちょうど立木が倒れて、ベンチのようになっている所で
後ろの2人を待つことにした

飲んだり食べたりをしてさっと済まして
今度は3人揃ってどんどん歩いた

鹿の群れに出会ったが
横目で見るだけにした

陽は沈んだがまだ周りは見えた

下の方に広場があって
ベンチも並んでいる所があったので
きっとあそこが「不動清水」に違いない・・・と思った

 
 やっぱり、「不動清水」だった 17:04

ちょろちょろと流れる水に、
「長命水」の立て札があった

2人はその水を汲んでいく・・・と

 
「富士見高原登山口」(約30分)の文字に励まされ
私は先に林道へ

薄暗くなったが、林道の上には木がないので
まだ明るく感じた

後ろから林業工事の関係車が
何台も追い越して行った

林道から山道に入る所で
ヘッドランプを出して点けた

山道は木が茂って暗かった
でも、この山道は行きに通ってきた道
記憶に残っているので、安心感はあるし
もうすぐゲートだと分かっている

ヘッドランプ2つと、ミニライト1つで
足元を照らしながら
ゲートに着いた! 17:33

一番星が大きく白く見えた

ゲートからは車道を歩いて
駐車場に到着〜! 17:45
西岳から約3時間、
1回の短い休憩だけで歩き通してしまった!


みんなよく頑張った!

色々考えさせられた山行となった


***************
 
 私の記念の1枚 〈山崎さんより〉
 
頂上ですね!!!

 
 着きました!会えて嬉しい!!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あの編笠山、西岳との格闘が思い出され、
懐かしいような、気が引き締まるような、
楽しかったような、怖かったような、
とにかく、またとない貴重な体験をしたなぁ
・・・と感慨深いです。

今、茅野から見る編笠山、西岳は
穏やかで優しい表情をしています。
あそこにいたこと夢のようです。
そしてまた、登りたくなるに違いありません。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 私の記念の1枚 〈白木さんより〉
 
 
 笠山頂を目指して・・・

指先の感覚がなくなる

登っても登っても、まだまだ続く

覚悟を決めていざ行かん!!

 
  青年小屋間近!
しかし雪が・・・

容易に先に進ませてくれない、まじか〜

 
  Tamaちゃ〜ん
至福!最高の眺め

 
 朝日を浴びて登り・・・
 
 夕日に急かされ降りる・・・
よく歩いた〜


    
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