雨・風・ガスの2日間  
      
猿倉〜大雪渓〜白馬岳〜白馬大池〜栂池


                        『       』内は、図鑑やネット検索からの引用です



エゾアジサイ


頂上宿舎


白馬岳山頂

●場 所 長野県北安曇郡白馬村
●標高 白馬岳:2932.3m
●山行日 2020年8月12日(水)〜13日(木) 前泊
●多治見から
  登山口まで
JR多治見駅ーJR白馬駅=タクシーで猿倉へ
 
※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス ⇔その他
●参加者 丹羽
●コースタイム
前目 8/11 
JR多治見駅
JR白馬駅
猿倉(山荘泊)
11:23発(12:23)
15:50着
16:30頃着
1日目 8/12 
猿倉山荘
白馬尻
雪渓に入る
雪渓から出る
白馬頂上宿舎
6:25発
7:44
8:55
9:35
13:17着
2日目 8/13 
白馬頂上宿舎
白馬岳山頂
三国境
小蓮華
白馬大池山荘
白馬乗鞍岳
栂池自然園
栂池高原
白馬駅
多治見
5:16発
6:02
6:46
7:37
9:22〜9:30
10:16
12:40着
15:00発
15:51発
19:37着
 
 周辺地図こちら     


 前日 8/11(火)

計画書は、ずっと前に出来上がっている
あとは、天候を見て、山小屋に予約をし、
日付けを入れて出発するだけ

毎日、あちこちのサイトの天気予報を見ていた
ずっと傘マークがついていたのに、
急にお日様マークが並び出した

急いで山小屋に電話やネットで予約をし、
所属の会と長野県とココヘリに計画書を出して
出発した

久しぶりのお泊り山行
緊張したせいか、バスの時刻を1時間も間違えバス停に着
あれ? あるはずのバスが無い!
パニクッて、タクシーを呼んだ
タクシーに乗ってほっと一息ついて、タクシーの時計を見ると・・・
なんと!1時間勘違いしていた!
なんておバカさん!

1時間早い「しなの」に乗ったが、
白馬駅に着くのは予定していた時刻と同じ
(乗り継ぎの連絡が良くないため)

松本駅で軽食を食べながら待つ羽目・・・
出だしからこんなんでは、どうなることやら・・・と自嘲気味

↑ 電車の中から眺める空は、雲は多いものの青空〜
・・・・・・・・・・・・・・

特徴のある、有明山
有明(ありあけ)の駅から丁度見えたのでパチリ

遠くの山を眺めながら、あの山は何だっけ?
・・・なんて考えながら、楽しく乗っていた

 白馬駅に着いた 15:50
バスは16:00発車の予定
切符を買おうとすると、
「今日からそのバスは無い」と言われてしまった
えっ?何故? ネット検索して、ちゃんと調べておいたのに?

仕方なく、タクシー乗り場へ向かうと、
男性の登山者達に出会った
「どちらまで?」と尋ねると、「猿倉へ」の返事

「バスが無いのでタクシーを利用しますが
一緒にどうですか?」と誘うと
OKの返事
・・・・・・・・・・・・・
ネット情報は100%の信用はできない
電話が一番正確・・・ということをまたまた思い知らされた

丁度男性3人+私で4人
猿倉まで4400円 4人で割れば1100円
バス代より100円高いだけ
ラッキー
・・・・・・・・・・・・・
所がタクシー乗り場にタクシーがいない
電話をかけようにも番号が書いてない
また、切符売場へ行って
タクシー会社に電話をかけてもらえないかと頼むと
管轄が違うからと言って気乗りしない返事
そこを何とか・・・と頼んで、タクシー乗り場で待っていると
切符売り場のスタッフが電話番号を書いた紙を持ってきて
ここへかけて・・・と

しばらく待っているとタクシーがやってきた

雪渓のこと・落石のこと・熊の出没等、山の情報を
いろいろ話してもらい、有り難かった!

 
 ↑ 左手は、「不帰ノ嶮」(かえらずのけん)から流れてくる川
右手は大雪渓から流れてくる川・・・の話も聞いた

雪が少なかったことに加えて
大雨が続き、雪渓はどんどん融けている
落石は音もなく来るので、
必ず前方を注意していること・・・という話も

   
 猿倉荘に到着 16:30頃
今日のお客は、計6名!
ネットで調べたとおり、
宿泊申込書はダウンロードして
記入して持ってきているので
手続きはスムース

タクシーの相乗りしてきたグループ 
   
 個室に私1人のみ
別グループも、それぞれ個室

缶ビール片手に
外のベンチに座って周りの様子を偵察

黄色い紙は、「白馬鑓温泉ルート」は
通行止め(鑓温泉が営業していないから)
白い紙は、「喫煙場所は無し」の注意書き
 
   
明日はここから登り始める
左 登山装備が必要なことと、
登山計画書の提出方法=3つあること
白馬尻小屋は営業中止なので
この先頂上宿舎までトイレばないこと・・・などの注意書き

   
 いつもならごった返している広場
この時間は人影無し

インドネシア人のグル―プから
タクシーを呼びたい・・・と頼まれたので
小屋のスタッフに引き継いだ

 エゾアジサイ:アジサイ科
もっと濃い色の花だと思っていたが
これは薄い青色
   
 ガマズミかな?:スイカズラ科
赤い実につられて近寄ったが
背が高いので詳しくは分からなかった

 調べ中
いい空をしている
明日、雨が降るなんてこれっぽっちも思っていなかった


ここをクリックすると大きく見えます
 
注意喚起の新聞記事

夕食
すべて使い捨てのできる食器
お代わりも、別食器で
サバの煮つけだけは半分にして
あとは完食
(サバでは痛い目に合っているから)

 山小屋シーツを持ってきているので
枕はシーツの下にして、
直接布団や枕に触れないようにしている

コロナ以前からの私の習慣


   1日目 8/12(水) 
   
早朝、雨だれの音が聞こえていた
1階に降りて外へ出てみると、
少雨程度の雨だった
所が、4時頃から、雨音が強くなり
ザーザーの降りになった

朝食 完食〜

6時に出発するつもりだったが、
雨が降り続いている
様子を見ながら外へ出るとすでに
登山者の指導が始まっていた

計画書を出して様子を尋ねると
天候が変化したことを告げられ、
「雨・晴れ」を繰り返すとか

 
ひどい降りではないので
出発することにした 6:25発

通い慣れた道だが
今日はどんな花に出会えるか期待いっぱい!

白馬鑓温泉への登山口
通行禁止の札
ウド:ウコギ科
大きな株だった
雨に濡れ重くなって、しな垂れていた

テンニンソウ:シソ科
咲き始めたばかり

エゾアジサイ:アジサイ科
ピンク花もあった

 
ソバナ:キキョウ科
これも、雨の重さでしな垂れていた
それを立て直して、パチリ

 ガスが上がっていきそう〜

雨具とザックカバーで歩く若者たち
すぐ、「暑い〜」と言って雨具を脱いでいた

エゾアジサイ:アジサイ科
そう、こんな深い青色が多い
濃いピンクもあった

 メタカラコウ:キク科
咲き始めたばかり
下から順に咲きあがっていく

 ヤマブキショウマかな?:バラ科
   
トモエシオガマ:ハマウツボ科
花がねじれたように咲く

水が少なければ、林道をまっすぐ進むのだが
今日はちょっと多いので
少し戻って、橋を渡った
 大雪渓から流れてくる水
かなりの水量
林道はここでおしまい(車が1台停まっていた) 7:15
ここから山道になる
出発から50分経った

 
   
タマガワホトトギス:ユリ科
黄色いホトトギス
右下 8/5:1224mの山で出会ったのは、
ヤマジノホトトギス(比較のため借りてきた)

 
 左手から流れてくる沢
水量が多い

   
 ミソガワソウ:シソ科
雨の重さで倒れていた
川の近くが好きな花

   
 オトギリソウの仲間:オトギリソウ科
ハイオトギリ
かな?
雨に濡れてぐっしょり

 オタカラコウ:キク科
白馬尻へ上がっていく沢道に
ずらっと黄色い花
 
オニシモツケ:バラ科
花から雨のしずくが垂れている

白馬尻に着いた
小屋は解体されて、建物もトイレも無し

「ようこそ大雪渓」とあるが、
今の時期は、ずっと遠くにちょっぴり見えるだけ ↓
 もう、「白馬大雪渓」ではないらしい
「秋道を通って・小雪渓は無し」・・・と、聞いている

サンカヨウの実:メギ科
紫色の実

 レイジンソウ(伶人草):キンポウゲ科
トリカブ
トの仲間

キヌガサソウ(衣笠草):シュロソウ科
花の盛りは過ぎていた

雪渓が近づいてきた

ケルンに着いた 8:11
確かこの辺りから雪渓に降りたこともあるが
今回はまだまだ・・・

オオバミゾホウズキ:ハエドクソウ科
花の盛りは過ぎ、花が点々と落ちていた

雪渓は近づいてきたが、
まだまだガラガラの道を歩く

降りきた登山者とすれ違った
登って来た道を振り返ると、雪渓からもわ〜っと水蒸気

 
 対岸の枝沢 前方に人が集まっている
そろそろ雪渓に降りる場所らしい

山側へ行く人・雪渓へ降りる人・・・
どちらへ行こうか迷った・・・

 
チェーンアイゼンを着けて
雪渓へ降りた 8:55

この頃はまだ前方の山も
人も見えたのだが・・・

下山してきた人らしい
アイゼンを外していた
 
  
 あの一番凹んでいる場所を目指して
・・・と思っていたが
 
 前も後ろも真っ白になってしまい
足元は、汚れた雪渓とスプーンカットの跡だけ
頼りにしたいベンガラの跡も無し
あるのは、アイゼンの歯の跡だけ

下ばかり見て歩くわけにもいかないが、
こんなに真っ白では、落石があったとしても見えない

アイゼンの歯の跡がたくさん残っている場所を探しながら
人の気配・声に耳を澄ましながら登る

少し待てば誰か登ってくるか、
又は降りてくるか・・・などと考えるが
前にも・後ろにも人影無し
・・・・・・・・・・・・・

しばらくして、途中の岩が露出した所にいた男性が
降りてきた人に
「道に迷ってここまで来たが
友達にここまでアイゼンを持ってきて・・・と伝えて」と、
伝言を頼んでいたのには驚いた

友達の特徴を説明していたが、
果たして見つかったのだろうか?

何故、アイゼンも持たずに雪渓を降りようとしたのだろう?
・・・・・・・・・・

その場所を過ぎても、ガスは薄れない
アイゼンの歯の跡を探しながら、上へ上へと登って行った

大きな岩(両手で抱えるくらい)がごろごろしているのは、落石!

1人の男性が、ふいっとガスの中から現れた

挨拶をして別れ、彼が降りてきた方を目指した

私の頭の中では、かなり右に振っているような気がしていた
こんなに右寄りでいいのだろうか?と不安に思いながらも
アイゼンの歯の跡を探しながら登って行くと
人の声がした!

 
 前方に、ぼお〜っと人影が見えた
ここからアイゼンを着けて雪渓を下るようである
子ども連れ! ロープで縛ってあったが大変!

 
 彼らが降りてきた方へ
ガラガラの道を登って行くと
青い雨具の人影と、赤いテープ↓と、トラロープがあった

登山道に出た!

右手の雪渓を見ると、もっと先まで登って行く人影もあった

 
 クロクモソウ:ユキノシタ科
ほっとして、花にカメラを向ける余裕も出てきた

暑くて仕方がないので、雨具の上を脱いだ

 
 
 ↑ まだ残っている雪渓

   
 ウルップソウ:オオバコ科
咲き残っていた株

ヨツバシオガマ:ハマウツボ科
これは見事!
ちょうど見ごろ

  
 左手、杓子岳側の稜線が、ガスの切れ間から覗いた

  
ピンクは、ヨツバシオガマ
黄色は、ミヤマキンポウゲタンポポの仲間

 
 雪渓はまだ上部まで続いている
ガスは晴れそうで晴れない・・・

   
   
ミヤマオダマキ:キンポウゲ科
咲き始めは下を向いていて
終わりが近づくと、だんだん顔をあげる

 
 ウサギギク:キク科

ミヤマダイコンソウ:バラ科
 
下山者も続々

後ろを振り返るが
まだガスはすっきりととれない

 黄色は、ミヤマキンポウゲ

   
クロクモソウ:ユキノシタ科
こちらは赤っぽい花

アラシグサ:ユキノシタ科
こちらは薄黄色の花

ウルップソウ:オオバコ科
おや、また会ったね

アカバナの仲間:アカバナ科
皆つぼんでいた
お日さまが無いと開かないのかも

 
ヒメクワガタ:オオバコ科
小さな花 気を付けて見ていないと見逃してしまう

オンタデ:タデ科
左 赤っぽいのは雌株
右 雄株

稜線が近づいてきた

 
 前方にいる人が見えてきた
こんな所で休んでいると危ないのに・・・

 
 振り返ると、雪渓上に落石がごろごろ
登って来る人影も見える

 
 
 トラロープと赤テープが登山道を示しているが
右手の斜面は、岩・石が不安定

 
 ミソガワソウ:シソ科
傾斜が緩くなると、お花畑になる

   
クロトウヒレン:キク科
つぼみの時は、こんな鮮やかな花になるとは思えない
地味で黒っぽいつぼみ

シロウマオウギ?イワオウギ?:マメ科
白馬に咲いているから、
シロウマオウギとは限らないし・・・

クルマユリ:ユリ科
鮮やか〜

ハクサンフウロ:フウロソウ科
雨に打たれて花びらが痛々しい


ここをクリックすると大きく見えます

ここをクリックすると大きく見えます
 左 岩屋跡手前の沢を渡る 10:50
水量は多いが、橋があるので有り難い

右 渡り終わって、振り返った
水しぶきを上げて流れている
・・・・・・・・・・・・・・

岩屋跡上の小広場で、お昼休憩
猿倉荘のお弁当を開いた
酢味のおにぎりは美味しく食べられたが
デニッシュは、スポーツドリンクと一緒に飲み込んだ
脂っこいものには、食欲わかず

   
 メタカラコウ:キク科
オタカラコウ
とそっくりだが
葉っぱも小さく花数も少なく
猛々しさが無い

トリアシショウマ?ヤマブキショウマ?
何年たっても、見分けがつかない・・・ 
   
 ハクサンフウロ:フウロソウ科
花びらが散ると、雌しべが目立つ(右に見える)

ミヤマコウゾリナ:キク科
 
 後ろを振り返る
大雪渓上は、まだガスの中?

 
ハナウド:セリ科
周囲の花は、内側の花より大きいのが特徴

左手の対岸
雪渓が崩落しそう・・・

 
 トリアシショウマ?:ユキノシタ科
花が小ぶり

キバナカワラマツバ:アカネ科
伊吹山の花より繊細
 
 
 タカネナデシコ?:ナデシコ科
こんなにぐっしょり濡れていては
同定ができない・・・

シロウマアサツキ:ヒガンバナ科ネギ属
以前は、葱平(ねぶかっぴら)に多かったが
今回は、数えるほどだけだった
 
  
キク科
名前が思い出せない・・・

 
タカネイブキボウフウ?:セリ科
セリ科は難しい・・・

 カラマツソウ?ミヤマカラマツ?
:キンポウゲ科


トリカブトの仲間:キンポウゲ科
秋の花がもう咲いていた

小雪渓の名残?

 
 オタカラコウ:キク科
葉っぱが大きい、花びらの数も多い

 
黄色はオタカラコウ、朱色はクルマユリ?

雪渓のある沢から離れ、急な登りに入った
後ろを振り返って、パチリ

 
ウサギギク:キク科
皆、同じ向き

トリカブトの仲間:キンポウゲ科
次から次へと花が現れる

 
 ミヤマダイコンソウ:バラ科
  
 テガタチドリ:ラン科

 
 ミヤマダイモンジソウ:ユキノシタ科
水場に咲いていた
葯の朱色のかわいいこと!

 
右も左もお花畑〜

汗で濡れるか、雨で濡れるか・・・
雨は降っているが、風が無いので
雨具無しで歩いていた

左斜面は、黄色いオタカラコウの群生

 
右は水量の多い沢
勢いよく、しぶきをあげて流れ下っていた
黄色は
オタカラコウ

ウメバチソウ:ユキノシタ科

イワギキョウかな?:キキョウ科
花の中を見れば、
イワギキョウチシマギキョウかが
すぐ分かるのに・・・

頂上宿舎に着いた 13:17
猿倉から約7時間かかった

稜線に近づくと風が強くなったので雨具を着たが
全部びしょぬれ
ダウンロードしてきた宿泊申込書を
受付に出して手続き
2階の1室「鑓」を指定された ↓
乾燥室はあるが、更衣室は無いそうなので
同宿の人がまだ到着していないのを見計らって
着替えをした

2段ベッドの上は使わずに、片方は4人限定
もう片方も4人限定で、計8人
・・・・・・・・・・・・・・

同宿の人は、八王子から来たという女性2人組
後から分かったが、雪渓入り口や出口付近で一緒だった人達

夕食

到着した時に、缶ビールとお昼のお弁当の残りを食べたので
おなかが空いていない
カレーもご飯もお替り無しで、カツはパス

ケーキはしっかりゲット

お代わりする際は、新しいお皿に替えていた
これもコロナ対策?
・・・・・・・・・・・・・・・・・

同宿の女性たちとは、花好きということで
話が弾んだ

明日は「祖母谷(ばば谷)」へ下山する予定だと聞いた
長いコースで有名な場所

下ったことはないが、登ったことはある
もう20年前のこと(2000/7/23〜7/30



   次の日へ続く
  
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