巨大な建造物とその技術に声なし・・・
   エジプト歴史の旅(大神殿とピラミッドと・・・)
  (ルクソール・エドフ・コムオンボ・アスワン・ギザ・カイロ・アレキサンドリア)


 

1・2日目 11月10・11日 
ルクソールへ
3日目 11月12日  4日目 11月13日 
5日目 11月14日
 
6日目 11月15日  7日目 11月16日 
 全行程 エジプトの旅 あれこれ エジプトの地図はこちら 


1・2日目 11月10日(火)・11日(水)           

11/10  
 
関西空港〜ルクソールへ
   
名古屋駅裏に集合し(7:30)、
専用車で関西国際空港へ向けて出発

エジプト航空963便、14:10発まで待つ
エジプト航空は初めての体験

ルクソールまで直通で約14時間かかると聞いている




日本時間の真夜中、翌日の02:50頃に
ルクソール空港に到着
機長の話では「風が弱かったので早く着いた」そうである

日本とは7時間の差・・・時計を合わせる

バスの方へ歩いていく途中で
ルクソール空港を振り返って見た
小さな空港だった




たくさんの観光バスが待っていた
エジプトは観光国なんだ!

その中の1台に乗り込む
大型バスなのに、今回の参加者はたった13名
プラス添乗員1名と、ガイドのヘバさん、アシスタント1名




ホテルのセキュリティーチェックの関門をくぐって
ルクソールのホテル・「ソネスタ・セントジョージ」へ

5つ星ホテルとあって豪華な調度品





11/11  

 ソネスタ・セントジョジ・ホテル(ルクソールで2連泊した)

朝食はビュッフェ・スタイル
生野菜や果物・生ジュースは敬遠するようにと
何度も言われてきたので選択肢が少なくなる

そのレストランからベランダへ出てみた
ナイル川の向こう岸には
大きな気球がいくつも揚がっていた

茶色い丘のようなものも見える
(後で分かったが、あの山の麓に遺跡があった)




セネスタ・セントジョージ・ホテル

川岸のベランダから写した





ルクソール(ナイル川西岸)
 メムノンの巨像

専用車で30分ほど行った所に
とてつもなく大きな【メムノンの巨像】があった(約18m)

これでまず度肝を抜かれたが、
そのあと続々と出会う巨大建造物の序盤であった

正しい名前は、【新王国時代絶頂期のアメンホテプ3世の像】

この坐像の後ろには彼の葬祭殿があったようだが
後の王様たちが石材として利用したらしく
(今で言うリユース)完全に破壊されてしまったという

紀元後27年に起きた地震によって
この巨像たちにひびが入り、そこへもってきて
激しい温度差によるきしみや、
ひびの中に風が入り込むことによって起こる音などから
「像が歌う」といわれてきた曰くつきの像である




向かって右側の像(これが泣いた像である)
膝から下までの長さは、約3m

アメンホテプ3世の像なのに『メムノン』と呼ばれるのかは
ギリシャの伝説からきているようである

《メムノン王はトロイ戦争で亡くなり
その母が嘆き悲しんで1日1回の生き返りを
ゼウスに頼んだところ
ゼウスはそれを聞き入れたので、
朝日が昇るとき物悲しい声をあげたといわれている・・・》

ひびによる音を、メムノンの声だと考えたわけである

今は、ローマ時代に補修工事がされたので
音はしなくなった・・・そうである

そんな昔の工事から今に至るまで
またひびが入っただろうが(目で見た限りではひびがある)
現在は、近くに寄れないようロープが張ってあるだけである




向かって左側の像

顔がなくなっている




向かって左側の像の横のレリーフ

この図柄は、
エジプト王の玉座の側面に必ず描かれているという
『上下エジプトの統一の図』である

上エジプトの象徴ロータスと
下エジプトの象徴パピルスの茎を
両側の神が引っ張るという図で
『上下エジプトの統一』を表しているそうである

よく似たレリーフが
このページの下の方:ルクソール神殿にもあった





ルクソール(ナイル川西岸)
ハトシェプスト女王:葬祭殿

メムノンの巨像から2kmほど北へ行ったところに
【ハトシェプスト女王の葬祭殿】がある

はるか遠くに見える葬祭殿までは、この車に乗っていく

11月だというのに、気温は軽く30度を超えている
ただし、日陰に入ると涼しい

ヘバさんは必ず我々観光客を日陰の中に案内して
そこで、説明をしてくれた

4〜9月の最高気温は、35度〜41度だという

観光シーズンはやはり気温の下がる今なのである
【ハトシェプスト女王の葬祭殿】

舌を咬みそうな名前なのでガイドのヘバさんは
「ハトちゃん」と言って説明していた

彼女はエジプトで最初の女王として名前が残っている
それもかなり強引な方法でらしい

トトメス2世の側室の息子トトメス3世が
6歳で王位を継いだ際(ハトシェプスト女王は義母に当たる)
後見人として実権を握り、
諸外国との貿易を盛んに行なったようである

その頃、エジプトでは
女性に王位継承権があったにもかかわらず
王にはなれなかったそうなので
髭をたくわえた男性の姿として壁画にあらわされている

トトメス3世が成長すると、
彼女は、彼を辺境の地の警備に送るなどしたことから
彼が実権を握った後、
彼は義母のハトシェプスト女王を恨んで
壁画にある彼女の姿をすべて削り取ってしまったそうである




坂道を登っていくと2階部分に続き
さらに3階へと坂道は続いている

1997年12月、テロリストによって銃撃されたのは
この2階に見える部分である(正しくは3階)
(ニュースでこのテラスを見た記憶がある)

背後には大きな岩山がそびえていて、
その向こう側には【王家の谷】が広がっている
(徒歩でも山越えができるそうである)




レリーフ-1  供物

壁に描かれている供物は
描かれている呪文によって本物となり
死者は、それによって生前と同じように生命力を維持でき
死者の復活の旅に備えることができるといわれている





レリーフ-2  アメン神

2枚の羽毛冠を被るテーベ(今のルクソール)の王

その後、太陽神ラーと集合して
アメン・ラー神となり、最高神となったそうである


エジプトの神様についてはこちら
レリーフ-3

左側の人物が削られている
それも丁寧に削ったので、輪郭が分かる
たぶん、ハトシェプスト女王

右は、ラー神(ハヤブサの頭を持った神)


エジプトの神様についてはこちら




レリーフ-4 
ソカル神(左:ハヤブサの頭を持った神)に
供物を捧げるトトメス3世(右)

ソカル神=ハヤブサ:隼の頭を持った墓地の神
(同じくハヤブサ:隼の頭を持つ神にホルス神がいるし
まだほかにも、メンチュ神・コンス神・・・もいるらしい)




レリーフ-5
アヌビス神(左:山犬の頭を持った神様)と供物(右)

アヌビス神=ミイラ作りの神・墓地の守護者

ガイドのヘバさんが熱弁をふるっている


エジプトの神様についてはこちら




太い柱 ハトホル女神の像


エジプトの神様についてはこちら




 
至聖所  3階部分




オシリス神の立像  3階部分
正面から見たオシリス神


エジプトの神様についてはこちら




ハトシェプスト女王の頭部の部分

ルクソール(ナイル川西岸)
王家の谷

* ここは、カメラ禁止なので、画像はなし。

* 1枚のチケットで、3ヶ所のお墓に入れる。(ラムセス9世・ツタンカーメン・ラムセス1世の3ヶ所を見学した)
  パチン・パチン・パチンと昔のバスの車掌さんのようなパンチで穴を開けてくれた。

* はじめの2ヶ所は、外でヘバさんの説明を聞いた後、皆と一緒に入ったが(ガイドのヘバさんは入れない)、
  最後の1ヶ所だけは「ご自由に」とのことだったので、「階段が一番急だが、壁画は美しい」お墓に入った。





ルクソール(ナイル川東岸)
 カルナック神殿

見学の前に、ミニチュアを見て全体像を知る
ふ〜ん、なるほどこんな感じだったのね・・・




カルナック神殿:アムン神殿(アメン神殿)

エジプトで最大規模の遺跡だと言われている




スフィンクスが両側に並んでいる参道:左側
でも、ここのスフィンクスは羊の頭!




スフィンクスが両側に並んでいる参道:右側

この参道はルクソール神殿へと続いていたそうである




第1塔門




第1塔門を過ぎると中庭があり
ついで第2塔門へと続いている




第2塔門の前には大きな柱がある

その手前には
同じような石柱の土台らしきものが並んでいるが
当時は、こんな大きな石柱がずらりと並んでいたらしい




第2塔門の右側にはラムセス2世の立像




第2塔門の左側にはピヌジェム王の立像

ピヌジェム王がどんな人だったのか調べてみたが
はっきりとは分からなかった




これが正面
大列柱室-1
第2塔門を通ると大列柱室で、最大円周が15m
(大人11〜12人が手をつないで抱えられるほどの太さ)
という巨大な柱が134本立っているとか

柱の上部が蕾のように閉じていて
パピルスの未開花を表している柱が122本

開花状に開いている柱が12本並んでいるそうである
(すべてを数えなかったが、とにかく多い)




大列柱室-2
柱にはくっきりとレリーフやヒエルグリフが残っている
大列柱室-3
これは、開花状に開いている柱




大列柱室-4
これも開花状に開いている柱
ヒエルグリフやカルトゥーシュ
(楕円形ような枠の中に王様の名前が書かれている)もある




大列柱室-5
未開花を表している柱
大列柱室-6
修復途中の柱




さらに進んでいくと、
2本の巨大なオベリスクが立っている

左の、先端の角度の鋭い方が【トトメス3世のオベリスク】

右の、先端の角度のゆるい方が
【ハトシェプスト女王のオベリスク】




そのオベリスクにもぎっしりヒエルグリフが描かれている

カルトゥーシュも見える

カルトーシュについてはこちら


カルトーシュとは、楕円形の枠のことで
それに囲まれた文字は、ファラオの名前で
ファラオにのみ許されたあらわし方だそうである

しかし、複雑なことは、
1人のファラオに、1つの名前とは限っていないことで
「誕生名」「即位名」など
全部で5つの名前があったそうなので
探すのがややこしくなる




もっと奥に進んだ右手に、【聖なる池】がある

大きな池で、ここで神官たちは身を清めたそうであるが
今では、かえって汚れてしまいそうである




【大スカラベ=フンコロガシ】
フンコロガシは、古代エジプトでは神聖化されている
ちょっと見には、コガネムシに見える

朝、太陽が昇り、夕べには沈むのは
このスカラベ=フンコロガシの力によるものだと
考えられていたそうである
(丸い糞を太陽にたとえるとは、なんともすごい発想である)




カルナック神殿のレリーフ-1
浮き彫りになっている




カルナック神殿のレリーフ-2
こちらは、彫ってある
浮き彫りと比べると粗雑に見える











ヒエログリフの基本形式についてはこちら




カルナック神殿のレリーフ-3
ヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)もある



右はその拡大部分

ヒエログリフは、
右から・左から・上からと自由に読むようになっている
ただし、人や動物の絵が向いている方から
となっているそうである

つまり、右の拡大写真でいうと
上から読んできて
顔の向いている右から左へ読むわけである



ルクソール(ナイル川東岸)
 ルクソール神殿

カルナック神殿見学後、いったんホテルへ戻って休憩

夕方、ライトアップされたルクソール神殿へ再出発

入り口から入ると
照明に浮かび上がったオベリスクと
ラムセス2世の巨像に目を奪われた
「すご〜い」のほかに言葉が出ない

ここが第1塔門で、以前は2本のオベリスクがあったそうだが
右側の1本はパリのコンコルド広場にあるという
「へ〜え、よく運んだものだねえ」・・・が第1感想
「えっ、持ってっちゃっていいの」・・・が第2感想




第1塔門の入り口の両側に
1対の立像と1対の坐像があって人間を見下ろしている

そのどれもが、ラムセス2世
これは、立っているラムセス2世




これは、座っているラムセス2世
左に座っているラムセス2世を近くで見上げる




こちらは、右に座っているラムセス2世
第1塔門をくぐると中庭に出る
周りとは雰囲気の違うモスクがあった

ガイドのヘバさんの説明では
『見上げるような高いところに入り口があります。
モスクを建てる時、このルクソール神殿は砂に埋まっていて
あの入り口のところまで砂があったのです。
下にこんな神殿があるとは知らずに建てられました』




第2塔門の所には、
またまたラムセス2世の座像が1対ある
第2塔門をくぐると
未開花式パピルスの列柱がずらりと並んでいる(74本だって)
そしてまた、ずらりと大きな立像が並んでいて
どれも皆、ラムセス2世の像




一体をアップにするとこんな感じ
もちろんラムセス2世の像
未開花式パピルスの大列柱




これも未開花式パピルスの大列柱
塔門にはもちろん壁画が描かれている




こちらは開花式パピルスの大列柱(高さ16mあるそうだ)
ラムセス2世の頭像

このころの王様はすべて付けひげをつけ
「ネメス」という頭巾を付けている




ラムセス2世と妻のネフェルタリ
夫婦像が同じ大きさであることは珍しい




レリーフ-1
中央にカルトゥーシュが見える
そのカルトゥーシュに描かれているヒエログリフで
王様の名前が分かるそうだ


カルトゥーシュについてはこちら




レリーフ-2
ロータス(蓮の花の図柄が見える)




レリーフ-3

ラムセス2世が座っている横の部分のレリーフ

上エジプト(ナイル川の上流の方)と
下エジプト(ナイル川下流の方)の統一を
象徴するレリーフで
上エジプトの象徴:ロータス
(蓮の花:左の人物の足の間)と
下エジプトの象徴:パピルス:(右の人物の足の間)を
結び付けている図柄である


現在も修復中の壁

次のページへ