定期バス利用で9月の花の観察 伊吹山




ヒメフウロ


キセワタ

●場 所 滋賀県米原市
●標高 1377m
●山行日 2015年9月5日(土)
●多治見から
  登山口まで
多治見駅ー名古屋駅ー関ヶ原駅⇒伊吹山山頂駐車場(登山口)
 
※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
●参加者 丹羽
●コースタイム 多治見駅
名古屋駅
関ヶ原駅

伊吹山山頂駐車場
中央登山道で山頂
東登山道で駐車場
西登山道で9合目
5合目
3合目
上野登山口
7:06発
7:47〜8:03
8:49〜9:15
9:55
10:35〜10:55
11:35
12:10
13:15〜13:20
13:55
15:25〜16:05
    周辺地図はこちら
*「名古屋駅8:03発:特別快速米原行」は観光シーズンには大変混雑するので、
  大垣着の7:52に乗って、乗り換えた方がいい


セリ科

セリ科の花は似たものが多く、同定が難しい・・・




クサボタン:キンポウゲ科

2週前は、殆どが蕾だったが、今日はやや盛りを過ぎていた
くるっと巻いて花びらのように見える部分は、「萼」だって

『雌雄異株』    雌株・雄株のどちらにも雌しべ・雄しべがあるので、この段階ではどちらか分かりにくい




タカネナデシコかな?:ナデシコ科

低地に咲くカワラ(河原)ナデシコは、
『花びらの切れ込みが浅』く、
タカネナデシコは、『2/3くらいまで切れ込む』とか

これは、かなり深く切れ込んでいるので
タカネナデシコにした




キリンソウ:ベンケイソウ科





ヤマミゾソバ:タデ科

ミゾソバにしては、小ぶり
花色がピンクがかっていなくて白いので
ヤマミゾソバとした




テンナンショウの仲間:サトイモ科

多治見近辺のスルガテンナンショウより、
ずっと大型で、葉っぱも大きく、がっしりしている

伊吹山のテンナンショウは、付属体↓(棒状のもの)が緑色


2014/6/15伊吹山で撮影

スルガテンナンショウは白色




 
 テンニンソウか?フジテンニンソウか?:シソ科

フジテンニンソウは、『葉の裏の真ん中の葉脈に開出(立ち上がるようにつくこと)毛がたくさん生えている』そうなので
葉の裏の写真を撮ってみた↓

 
1
 
2
 
3

4

1〜2  多少の毛は見えるが、これをたくさんと言えるかどうか?である

3〜4  毛があるとは言えない

ネット検索してみても、葉裏の毛が多い画像は見当たらなかった・・・

しかし、伊吹山山頂付近のテンニンソウは、「フジテンニンソウ」というのが定説である

本当だろうか?  中央・東・西登山道脇の各所に群生があったが、
その中に両者が混じることはないのだろうか?

山頂にあるお店のおじさんに聞いてみると、「テンニンソウなんて雑草だよ」・・・だって

そのお店で「伊吹山花物語」シリーズを購入してみたら、
「フジテンニンソウ」はあるが、「テンニンソウ」の名前はなかった

「伊吹山の花図鑑」(岐阜新聞社)にも、「フジテンニンソウ」はあるが、「テンニンソウ」の名前はなかった

「伊吹山:自然観察ガイド」(山と渓谷社)には、『伊吹山には両方ある』と書かれている

「花の山旅L 鈴鹿・伊吹山」(山と渓谷社)には、「白色系の花」のページにはなく
「花マップH:伊吹山」のページ、中コースに「フジテンニンソウ」はあるが、「テンニンソウ」の名前はなかった


葉の裏の毛以外はそっくりらしいので困る・・・!!




シモツケソウ:バラ科

群生地は鹿ネットの中だけ




リンドウ:リンドウ科

中央登山道、山頂手前で




 
 イブキフウロ:フウロソウ科

花びらの先が3裂しているので間違うことはないし、迷うこともない




   
   
コイブキアザミ:キク科

頭花や葉をびっしりとつけ、棘も痛い  そばを通る時、手に触れると「イタタタ・・・」となる




 
1
 
2
 
3
ミヤマアキノキリンソウ?:キク科

.『アキノキリンソウの花は縦に長く伸びてまばらに付くのに対し、ミヤマアキノキリンソウは頂部に固まってつく傾向にある』・・・と

1・2の画像で花の付き方を考えると、ミヤマアキノキリンソウと言える

3  借りてきた画像(2015/7/30 南アルプス 百間洞山の家付近)は、
『縦に長く伸びてまばらに付』いているので、アキノキリンソウと言える

伊吹山で見かけたのは、大抵はミヤマアキノキリンソウに思えるのだが、どうなんだろう??




調べ中




   
 調べ中

サラシナショウマの花穂にとまり、花の周りをぐるぐると回りながら蜜を吸っていた




 
 
サラシナショウマ:キンポウゲ科

よく似たイヌショウマは『花穂は先端が細くなる』

サラシナショウマは、『先端までほぼ同じで太い』

イヌショウマもあるらしいが、近くで見る限りは、皆、太さは同じものばかりだった




   
 リンドウ:リンドウ科

東登山道で

低地で見かけるリンドウは、ひょろっとしているが、
ここ伊吹山のリンドウは、がっしりしていた




   
  イブキトリカブトかな?:キンポウゲ科-1

東登山道に多かった

「イブキ」と名前が付くが、他のトリカブトとの違いが分からない・・・


   
   
 イブキトリカブトかな?:キンポウゲ科-2

上段  花の中がこんなにはっきり見えるのも珍しい

たくさんあるのは雄しべだろう

下段の左  2週前咲いていた株は、今日はすでに実になっていた

  下段の右  実は、よ〜く見ると3個・4個・5個などがある
・・・ということは、雌しべが3本・4本・5本あったっていうこと??




   
   
   
  ミツバフウロ:フウロソウ科

東登山道に多かった

2週前、ミツバフウロかどうか迷ったが、今日は葉に注目したので、はっきり同定できた

やはり、葉っぱが「ミツバ」になっていた

ゲンノショウコの葉っぱは3裂のものもあるが、ミツバフウロのように葉先が尖っていない
そして、ミツバフウロより花が小さい




  ハナウドの仲間:セリ科

白色の小さな花を多数つけるセリ科の花は多いが、
ハナウドの仲間は、内側の花より、外側の花びらが大きい・・・という特徴がある




   
   
 アケボノソウ:リンドウ科

今日も、虫ががたくさん蜜を舐めに来ていた




  
  鹿ネットができていた




   
 ゴマナ:キク科




 
 シオガマギク:ハマウツボ科(ゴマノハグサ科)

『花序は伸びて巴状にはならない』・・・ので、シオガマギクとした




   
 トモエシオガマ:ハマウツボ科(ゴマノハグサ科)

『花は茎の先に集まった葉状の苞のわきにつき、上から見ると巴状に見える』・・・ので
トモエシオガマとした





   
   
 ヒメフウロ:フウロソウ科

花の直径1cmちょっとで、とても小さい

萼や茎に毛がいっぱい




 
  クルマバナかな?:シソ科

図鑑を調べると、『茎にはまばらに下向きの毛がある』とあったが、
この花は『まばら』どころではない  茎にも萼にも葉にもびっしり毛がある




   
オオヒナノウスツボ:ゴマノハグサ科

2週前はちょうど見頃だったのに、
今日は、アップに耐えうる花が無し・・・


 
  鹿ネットの出口



   
   
 コイブキアザミ(と思う)キク科

『高さ50cm〜1m近くに生長して群生・茎の上部はよく枝分かれ、頭花は上向きに密生・葉は茎にびっしりつく
葉の先の棘は鋭い

伊吹山の山頂草原にのみ生育』・・・だって




 
 イワアカバナ:アカバナ科

よく似たアカバナは、雌しべの柱頭が棍棒状になっているとか
  
右  雌しべの柱頭が玉のようになっているのでイワアカバナとした

アカバナでも、これは白花




   
キアゲハ

イブキアザミの花にとまっていた

そっと近づいても逃げなかったが、近づきすぎるとふわり〜と行ってしまった




   
   
クサボタン:キンポウゲ科 センニンソウ属

『雌雄異株』なので、上段  雄花・雄株のよう

下段の白っぽい花は、雌しべの花柱が伸びているので雌花・雌株のよう
もうしばらくすると、センニンソウの花後のように羽毛状になっていく




 
 7合目の辺りから3合目を見下ろす

天気はいいのだが、霞んでいる




 
 琵琶湖も、ぼ〜んやり




   ゲンノショウコを集めてみた   5合目〜登山口間

   
   
   
 ゲンノショウコ:フウロソウ科   赤花

『赤花は西日本で、白花は東日本で多く見られる』そうだが、伊吹山では、半々といったところ


   
   
  ゲンノショウコ:フウロソウ科  白花

赤と白の中間のピンクもある




 
 6合目の辺りから、ススキ越しに3合目を見下ろす




 
 5合目から山頂方面を振り返る




   
   
キセワタ:シソ科

昨年の8/31 初めてこの花に出会った

2週前、3合目付近に咲いていたが、
バスの時刻が気になり、写真を撮る間もなく急いで下山したことが心残りだった

まだ咲いているだろうか・・・と期待していたが、盛りをやや過ぎ、アップに耐えうる花はほんのわずか・・・  残念!

シソ科の特徴である唇型の花をつけるが、上唇の上部が白い毛でふわふわにおおわれている
その様子を『花に着せた綿』に見立てて名づけられたとか

先回の同行者から、「茶花に使う」と聞き、そのいわれも聞いた

『9月9日の重陽(ちょうよう)の節句の前夜、菊の花を綿でおおって、
その露や香を移しとり、翌朝その綿で身体を拭うと長寿を保つという』・・・と

へ〜え、そうなんだ・・・

そうそう、そういえば・・・秋、霊仙山に登った時、山頂付近はキクの花がいっぱい咲いていて
キクの香りを楽しんで歩いたことがあったっけ・・・




  ハクサンフウロとエゾフウロの違いが分からなくて、

    3合目付近にたくさん咲いていたそれらしき花を集めてみた

まず、違いを表にしてみた  ↓
 
   @ 茎・  A 花弁  B 
ハクサンフウロ  伏毛

エゾフウロより
毛が少ない


基部に白毛が密生

濃色の脈


伏毛

掌状に5〜7深裂

葉柄に下向きの毛

エゾサンフウロ 開出毛

ハクサンフウロより
毛が多い
花弁が重なる

 
掌状に5裂し、裂片はさらに裂けて細片となる



               伏毛(ふくもう)    茎や葉などの面に密着して寝ている毛
                  *
開出毛(かいしゅつもう)  茎や葉などの面に対して直角に伸びている毛
                    
                                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

             ? 『エゾフウロは花弁が重なる』とあるが、
                咲き始めのハクサンフウロなら重なっていることもありうるから、決め手とはなりにくいのでは?

   
 
@ 茎・萼の毛は伏毛 (下段の画像)
A 花弁の基部に白毛が密生 濃色の脈あり 花弁は重なっている(開ききっていない状態だから)
B 葉は、細片ではない

ハクサンフウロかな?


   
@ 茎・萼の毛は不明
A 花弁の基部に白毛が密生 薄い色の脈あり 花弁は離れている
B 葉は、不明

ハクサンフウロかな?


   
 3
 @ 茎・萼の毛は不明
A 花弁の基部に白毛が密生 濃い色の脈あり 花弁は離れていない
B 葉は、細片ではない

どちらとも言えない


   
 4
 @ 茎・萼の毛は不明
A 花弁の基部に白毛が密生 濃い色の脈あり 花弁は離れていない
B 葉は、細片ではない

どちらとも言えない


   
 5
@ 茎・萼の毛は不明
A 花弁の基部に白毛が密生 濃い色の脈あり 花弁は離れていない
B 葉は、細片ではない

どちらとも言えない


   
 6
 @ 茎・萼の毛は不明
A 花弁の基部に白毛はあるが、他より少なめ 濃い色の脈あり 花弁は離れていない
B 葉は、不明

どちらとも言えない


   
 @ 茎・萼の毛は不明
A 花弁の基部に白毛が密生 濃い色の脈あり 花弁は離れていない
B 葉は、細片ではない

エゾフウロかな?
雌しべが開いているのに(雄しべ先熟)、花弁が重なっているから


   
 @ 茎・萼の毛は不明
A 花弁の基部の白毛は少なめ 濃い色の脈あり 花弁は離れていない
B 葉は、不明

どちらとも言えない


 ハクサンフウロとエゾフウロの相違点ははっきりしないので、同定に困った
    
   *花ばかりに目がいってしまったが、茎や萼・葉の様子も撮らないと同定できない

   *雄しべ先熟なので、雌しべが開いている状態の時、花弁が重なっているかを調べないと同定できない

   *花びらの形や枚数が違うとか、花弁に筋がないとか、はっきりした相違点が無いので分かりにくくて困った・・・



   
  
 3合目で  パラグライダーが空を舞っていた




  
   
 ワレモコウ:バラ科

3合目に多かった




   
  
 ツルボ:ユリ科

3合目に多かった




 
ツリガネニンジン:キキョウ科

山頂〜3合目間で




   
タムラソウ:キク科

3合目で




   
 サルトリイバラ:サルトリイバラ科

赤くなっていた

3合目で




ママコノシリヌグイ:タデ科

白花  痛そうなトゲ

3合目で

 
   
 マルバハギ:マメ科

3合目で


 アカスジカメムシ

セリ科の花の蜜や種子の汁が好きだって

3合目で




   
メドハギ:マメ科

3合目で




   
コゴメグサの仲間:ハマウツボ科(ゴマノハグサ科)

イブキコゴメグサは、『下唇は開出して3裂し黄斑がある』らしいので、イブキコゴメグサではなさそう

3合目で




   
  
ネナシカズラ:ネナシカズラ科(ヒルガオ科)

茎にぐるぐる巻きついている白い花があった

『長いつるを伸ばして寄主にからみつき、寄生根をだして養分を吸収する』・・・だって

巻きつかれた木や花は、養分を吸い取られて枯れてしまうんだろうね・・・

花の中の茶色っぽい部分は雄しべの葯

3合目で




   
 カンボク:スイカズラ科

3つに分かれた葉が特徴

3合目で




ホオズキ:ナス科

誰かが植えたのだとと思っていたが、自生らしい

3合目で


 
   
 コマユミかな?:ニシキギ科

赤っぽい実がたくさん生っていた

3合目で




 ボタンヅル:キンポウゲ科

2合目で


   
 ミツバウツギ:ミツバウツギ科

5合目〜2合目間で




 ノブドウ:ブドウ科

2合目で


   
  メハジキ:シソ科

2合目で




  
   
 ナンテンハギ:マメ科

1〜2合目間で、笹の中に紛れて咲いていた

多治見近辺でよく見かける「ナンテンハギ」だと思って撮ったが、
帰ってから調べてみると、「ミヤマタニワタシ」というよく似た花があることが分かった

違いを調べてみた ↓

  生育場所  小葉    
ミヤマタニワタシ  山地〜深山の林下

狭卵形で先は尾状にとがり縁はやや波打つ

顕著にジグザグになる

花期に苞が目立つ

ナンテンハギ
(フタバハギ)
(タニワタシ)
平〜低地の日当たりのよい所

楕円形で先端はすこし尖る

上部でややジグザグになる

開花前に落ちる


山地であることから、「ミヤマタニワタシ」かと思ったが、
苞が見当たらないことから、ナンテンハギとした




 
2015/6/20撮影 クララの花
  クララ:マメ科

2合目〜1合目間に多い




   
 ママコノシリヌグイ:タデ科

1合目〜登山口間で

するどい棘・・・




 セセリチョウの仲間

ヒヨドリバナの花にとまっていた


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2週前(8/22)の伊吹山・・・花の名前を調べるうち、分からないことが山ほど出てきて、
バスがあるうちに(9月は土日のみ運行)また伊吹山へ行こう・・・と思って、また訪れた

たった2週間なのに、盛りが過ぎたもの・花が終わったもの・新しく咲き始めたものなど、花の交代が思いのほか早かった

先回の課題が少しでも解決できないものかと期待していたが
解決できたものは、ほんの少し

またまた、頭を悩ます課題が出てきた・・・これの解決は来年へ持越し

下記のページをあらためて見ると、ずいぶんいいかげんに花の名前を同定していたことが分かり赤面している
順次、決定的なものから訂正していく

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2015/8/22 伊吹山の様子はこちら

2015/6/20はこちら

2014/8/31はこちら

2014/6/15はこちら

2010/6/27はこちら 

2013/8/24はこちら

2008/6/8はこちら




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