展望はだめでも足元は花いっぱい
スイス・アルプス
               (サンモリッツとミューレンを起点に)


5日目 7月4日 シルスマリア・マルモラへのハイキング(H−4)
        

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               (H−1)・(H-2)というのは、ハイキング1日目、ハイキング2日目のことです


バス停で

今日は、9:20発のバスに乗る計画
いつもよりゆっくりできる

8:00開店のコープで
今日の行動食と夕飯の買い物をして
いったんホテルへ帰り再度出直す

バス停へ行くと
ジャパニーズの一団が
何かトラぶっているよう

どうしたのですか?と聞くと
コルヴァッチ行きのバスが来ない・・・と

彼女たちが待っていたのは
コルヴァッチを素通りするバスだった

時刻表を見せて説明し
一緒のバスに乗ることにする

約30分でシルスマリアに到着



シルス・マリアへ

昨日の馬車道のような
馬糞の混じった空気を吸いたくないので
馬車で最奥まで入り
帰りは馬車の通らない道を歩いて戻ろうか
・・・と話し合っていた

馬車のいるところで聞くと
出発までだいぶ時間がある
それなら歩いた方がまし・・・と思い、
ハイキングコースの出発点を探すが
これがよくわからない

帰りのバスの時刻に合わせて
戻ることも必要なのでメモをする

うろうろしていると
ガイドらしき男性が声をかけてくれた
地図を見せて
フェックス谷の奥まで行きたい・・・と言うと、
「もう少し進んでから左へ行くといい」・・・と
教えてもらった




ハイキングのスタート地点

客待ち顔の御者と馬

料金を見てくれた林さんが
「結構な値段だよ」・・・と言う

ハイキングコースは
馬とは違う、自転車も入らない静かな道

歩こう!と決める



これはいい!

柵がしてあり、
人しか入れないようになっている

これは鋭角に曲がるタイプの柵



コースタイムもばっちり

地図とコースタイムと
花の写真まで用意されていて安心



大きなイブキトラノオ

北海道で見たことがあるほどの
大きなイブキトラノオ
本州では見かけないなあ・・・

こんな広い平らな道はつまらない!

前を歩いていた女性が
ふいっと左側の斜面を登って行くのが見えた

「分岐で標識がなければ
どちらの道を行っても同じ」・・・と
菊池さんも言っていた

方向は同じ
だったらこちらの方が花いっぱいで
面白そう!・・・と左折





画面をクリックすると大きく見えます
フェックス谷へも行ける

進んでいった先は
静かで花いっぱいで
山らしい登りのあるコース

あの広い道とは離れて行くような気もしたが
標識を見ると
フェックス谷へもちゃんと行ける

放牧地の間を抜けるので
あちこちに柵があり
人は通れても、牛が通れないような
仕組みになっている



いろいろな柵のタイプ

牛の糞があちこちに落ちている道を
注意して歩く

牛はどこでも歩くのでいたるところに
彼らが通った踏み跡がついている

気配はカウベルの音のみ

この柵は、ぐるぐるっと回して
通り過ぎるタイプ

樹林の中は、
今までとは違った花も出てきて楽しい〜



フェックス谷を見下ろす

だんだん高度が上がる

上流に向かって谷の左側の山の斜面を
トラバースしている感じ

この谷は、車乗り入れ禁止
交通手段は馬車のみ・・・と聞いていたが
よく見ると家の横には車も見える

住人のみは許可されているのかしら?

ただ動いているのは
赤い馬車(速さから分かる)と人だけ・・・

ここまで登ってきたのに
谷へ下りるのもどうもね・・・
平坦な道よりこの山道の方が
花も多そう・・・と思い
谷へ下るのをやめ
そのままトラバースを続けることにする





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セギ湖?

このエンガディン地方には湖が多い

サンモリッツ湖(Lej da San Murezzan)
シャンフェル湖(Lej da Champfer)
シルヴァプラナ湖(Lej da Silvaplauna)
セギ湖(Lej da Segi)

セギ湖も見えてきた

牛の近くを通るときはびくびく・・・
なんといってもここは彼らの領地
我々は通らせてもらっているのだから



天候はすっきりしない

稜線近くに雲がかかり
山容がはっきりしない

でも、足元には花がいっぱい!!



ぜ〜んぶお花畑〜

黄色・白・ピンク・紫・・・・と
色とりどりの花

結局、フェックス谷へ下りるのはやめ
マルモレ(Marumore)のピークを
目指すことにした

ちょうど上から降りてきた一団の先頭には
先ほどの親切なガイドの男性の姿

彼らは違うコースから登ってきたが
「グッド」だったと言う

じゃあ、その道を下りに使おう!と決める





画面をクリックすると大きく見えます
マルモレ(Marumore)

2202mのピーク

これはシルヴァプラナ湖かなあ?

ここまで登ると花も変わってくる
でも、放牧地に変わりはない



恐る恐る

柵の仕切りのないところで牛に遭遇すると
目を合わせないよう
ストックが凶器に思われないかと
短く隠し持って、恐る恐る通り過ぎる

安全なところまで通り過ぎてからやっと
写真を撮る気にもなれる



こちらは安心

柵の外にいれば安心

じっくり観察もできる

こんなに草をいっぱい食べて
運動もしっかりしていれば
牛乳もチーズもおいしいはず・・・か

こんなにゆっくり静かに
花いっぱいで歩けるのに
早く帰るのはもったいない

帰りは、地図を見ながら
ロープウエイの方まで足を伸ばし
元のバス停近くまで帰るコースを選ぶ




町に着いた

広い平坦な道は避け
花の多そうな道を選びながら下山

出たところはぴったりバス停のそば



ここは車も通る

とたんに賑やかになった

いったいどこから人が湧いてきたんだろう?
と、思えるほどの賑やかさ




バス停

バスの時刻を確かめ
まだ余裕時間があったので
ビールを飲むことにする



パラソルの下でビール

歩いた後は、ワインよりビールがいい

汗を拭くほどにはかかないので
いつも首から垂らすタオルの出番はなし

ビール小瓶 1.1フラン(約100円)



街中を走る馬車

馬糞が見当たらないのは
定期的に掃除しているからだろう・・・と
話がまとまる



バスでサン・モリッツへ

時刻表にあった
サン・モリッツ行きばかりでなく
ポントレジーナ行きでも通ることを
切符売り場の人に教えてもらい
予定より早いバスに乗る

切符売り場の見当たらないところでは
運賃は、乗車した際行き先を告げて買う

片言の英語でもちゃんと通じるし
領収書までちゃんと出てくる

今日は朝買っておいた野菜やハムなどと
林さんが持ってきてくれたパックご飯と
味噌汁の献立





シルスマリア・バス停からマルモレ経由でぐるっと回ったときに出会った花

ナデシコ科 ナデシコの仲間

カワラナデシコにそっくり



キク科 ノコギリソウの仲間

花がいっぱいついているノコギリソウ
豪華でかわいい



キク科 エゾコウゾリナの仲間

茎に白い毛が
ふわふわといっぱいついている




キキョウ科 ホタルブクロの仲間

イワギキョウにそっくり



マツムシソウ科 マツムシソウの仲間

タカネマツムシソウよりずっと背が高い



タデ科 イブキトラノオの仲間と
バラ科 ワレモコウ


一面に咲いていた




キンポウゲ科 キンポウゲの仲間

花は小さめで背が高い



オミナエシ科 カノコソウの仲間

ツルカノコソウにそっくり
背が高い




ナデシコ科 マンテマの仲間

あちこちでたくさん見かけた
それも群生で




日が照っていないと
花が半分閉じたようになる
茎がなよなよしてしっかり立てない




キンポウゲ科 キンポウゲの仲間

ハクサンイチゲの小型版・・・
といったところ



ユキノシタ科 ユキノシタの仲間

暗い樹林の中が好きなよう



ツツジ科 ツツジの仲間

いわゆるアルペンローゼのこと
アルペンローゼ畑・・・くらいたくさんあった




ゴマノハグサ科 ママコナの仲間

キバナママコナ・・・といった感じ



キンポウゲ科 センニンソウの仲間

ミヤマハンショウヅルにそっくり



ナデシコ科 ミミナグサの仲間

大きく切れ込んで、
まるで10枚の花びらのように見える




バラ科 オランダイチゴの仲間

シロバナノヘビイチゴにそっくり




ゴマノハグサ科 シオガマギクの仲間

背が高くヨツバシオガマに似ている



シソ科  ★

背丈は10cmほど




マメ科 オヤマノエンドウの仲間 

マメ科の白花は少ない



マメ科  

こちらの黄花の方がよく見かけた



ユキノシタ科 ユキノシタの仲間

斜上して伸びて行く




ナデシコ科 マンテマの仲間

横に大きく広がるようにして咲く



マメ科 クサフジ

懐かしい!クサフジがこんなところに



シソ科 イブキジャコウソウの仲間

これまた懐かしいイブキジャコウソウ



ユリ科  

鮮やかなオレンジ色で遠くからも目立った
このハイキングコースだけに咲いていた




マメ科 ゲンゲの仲間

薄紫色の優しい花色



リンドウ科  

大きな花!
虫がいっぱい集まっていた



ラン科 ハクサンチドリの仲間

斑入りが特徴
湿地が好き





キク科 シオンの仲間

たくさん集まっていたので・・・
ミヤマアズマギクにそっくり



ヤナギ科 ヤナギの仲間

ふわふわの毛がいっぱい



セリ科 ★

ハクサンボウフウにそっくり




キンポウゲ科 トリカブトの仲間

レイジンソウにそっくり



マメ科 イワオウギの仲間

株立ちになって美しい赤紫色だったので



キキョウ科 ホタルブクロの仲間

珍しく固まって咲いていた




キク科 ミヤマコウゾリナの仲間

白い毛がいっぱい!



マメ科 シャジクソウの仲間

レンゲにそっくり



ベンケイソウ科 ★

固まってたくさん咲いていたので




バラ科 キジムシロの仲間

キジムシロにそっくり



アブラナ科  ★ 

米粒のような小さい花をつける
風に揺られてピントが合わせにくい

カナダでも咲いていた





キンポウゲ科 キンバイソウの仲間

全開しないでこれで精一杯開いている



バラ科 チョウノスケソウ

こんなところで
チョウノスケソウに出会うとは!
カナダでもいっぱい咲いていた



リンドウ科 リンドウの仲間

青みが強いリンドウ




キク科   ★ 

葉が、タンポポのように切れ込みがない

マメ科 ミヤコグサの仲間

葉っぱが葉先に3枚、基部に2枚



フウロソウ科 フウロソウの仲間

標高の高いところで始めて見たときは
珍しい〜と思ったが
だんだん低くなると、
どこにでも咲くようになった




キク科 アザミの仲間

大きなアザミ
これはまだ蕾




ムラサキ科 ワスレナグサの仲間

あんまり空色がきれいだったので



サクラソウ科 サクラソウの仲間

数少ない花だった



キンポウゲ科 キンポウゲの仲間

艶々と光ったように咲いている

ヤナギ科 ヤナギの仲間

6cmくらいの背丈で、
並んでいたのが面白くて





テガタチドリ・・・のように、「   の仲間がつかない場合は、学名が同じで同一の花としました。
イブキジャコウソウの仲間・・・のように、そっくりに見えても学名が違うものは、「仲間」としました。

は、日本にはそれに類する科がない花か
    手持ちの図鑑では分からなかった花です。
は、日本では該当する属がないものです。


そのコースで始めてみた花には、ピンク色を付けました
前にも見たが、写真を撮ったのは始めて・・・も含みます


参考にした図鑑  
 Fleurs DE MONTAGNE     Jean−Denis Godet
 Blumen der Alpen        
 スイスアルプス 高山植物ポケットガイド  岡田 季代子
 日本の高山植物  山と渓谷社
 日本の野草     山と渓谷社
 山渓ハンディ図鑑 高山に咲く花  山と渓谷社
 山渓ハンディ図鑑 山に咲く花    山と渓谷社

 牧野新日本植物図鑑         北隆館


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