南アルプス縦走 10日間     
             畑薙ダム〜光岳〜茶臼岳〜聖岳〜赤石岳〜荒川中岳〜
              烏帽子岳〜塩見岳〜間ノ岳〜北岳〜広河原


 7/26多治見〜畑薙ダム〜横窪沢小屋
1日目
 7/27茶臼小屋〜茶臼岳〜喜望峰〜易老岳〜光小屋
2日目
 7/28光岳〜易老岳〜喜望峰〜茶臼岳〜茶臼小屋
3日目
 7/29上河内岳〜南岳〜聖平小屋
4日目
 7/30聖岳〜兎岳〜百間洞山の家
5日目
 7/31大沢岳〜百間洞〜赤石岳〜中岳避難小屋
6日目
 8/1荒川中岳〜高山裏避難小屋〜小河内岳〜三伏峠小屋
7日目

 8/2本谷山〜塩見岳〜北荒川岳〜熊ノ平小屋
8日目
 8/3三峰岳〜間ノ岳〜中白根山〜北岳〜北岳肩ノ小屋
9日目
 8/4二俣〜広河原⇒甲府駅ー塩尻駅―多治見駅
10日目




ミドリハクサンイチゲ(八重咲き)

●場 所 静岡県・山梨県

●今日登った山の標高 三峰(みぶ)岳:2999m  
間ノ岳:3189.3m
中白根山:3055m  
北岳:3193m

●山行日 2015年8月3日(月) 9日目

●コース&
   コースタイム
熊ノ平小屋
三国平
三峰岳
間ノ岳
中白根山
北岳山荘
八本歯のコル分岐
北岳
北岳肩ノ小屋

5:05発
6:00
7:20
8:40
9:50
10:20〜10:55
12:25〜12:35
13:25〜13:35
14:25着


    周辺地図はこちら

                   


  9日目  熊ノ平小屋〜三峰岳〜間ノ岳〜北岳〜北岳肩ノ小屋  

熊ノ平小屋の朝食は3人きり

早朝、2時頃出発するグループもあった

ここからまた三伏峠まで引き返すというグループもあった

せっかくここまで来たのに??
車が置いてあるからだって




熊ノ平小屋玄関先と、テラス

5:05 出発





 
 北アルプスかな?




 
 昨日登った塩見岳




 
 三国平に出ると、風がびゅんびゅん吹いてきた

つばにワイヤーの入った帽子はなかなか便利   耳をふさぐようにかぶったり
日差しが届かないよう、庇をおひさまの角度に曲げたりとできるから

防風用に雨具を着るほどでもないが、これだけ強く吹かれると、体が中から冷えてくる

(間ノ岳からは、風がぴたりと無くなってじりじりの世界
さっきの風が恋しいほどの暑さだった)




 
富士山が、農鳥の左に見えた




 
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 まず目指すは三峰(みぶ)岳

岩ゴツゴツが見える




 
岩山をいくつも乗り越えて・・・→




 
 → 三峰岳に到着  7:20




 
 仙丈(左)と甲斐駒(右)が近くなってきた




   
おやまた、ライチョウの親子

ガスも出ていないのに・・・  そっと通り過ぎる




  
 やっと北岳が見えてきた(右)

左から、仙丈・・鋸岳・甲斐駒・北岳




 
 平らなピークに標識と人の姿  間ノ岳?




 
 山肌を削っているのは、北沢峠〜広河原線のバス道?




 
 間ノ岳山頂  8:40

女性の甲高い韓国語が聞こえてきた

早々に通過




 
 富士山も大きくなった




 
 鳳凰三山がこんな間近になった




 
 雲海の上の富士山  11時ころまではずっと右手に見えていた




 
 左から、鋸岳・甲斐駒・北岳




   
 イワツメクサ:ナデシコ科




 タカネツメクサ:ナデシコ科




   
トウヤクリンドウ:リンドウ科

大株があった  真上から覗くと、開いていた〜

今まで、トウヤクリンドウは、半開が精いっぱいかと思っていたが、違っていた

晴天続きだから?  日が差しているから??




   
 ミヤマキンバイ:バラ科

蛍光色の花




 タカネヒゴタイかな?:キク科





  
 チシマリンドウ:リンドウ科




 
 何度もここを通っているが、北岳山荘〜間ノ岳間に、こんな岩場があったなんて、記憶にない・・・

北岳山荘からすぐ中白根、そしてすぐ間ノ岳…という感覚だった




 
 北岳が近くなった

北岳山荘はまだまだ遠い




 
 地蔵岳のモニュメントがはっきり見える  いったん下って登った所が観音岳

白い山肌もくっきり




   
   
 ミドリハクサンイチゲ:キンポウゲ科

あれ?変わった花??  登山道のすぐ近くに緑色の花が咲いていた

それも八重咲きで

へ〜え、こんな花もあるんだ・・・(花の中央の黒っぽいものは種)

いい物見〜つけた〜

帰ってから調べたところ、「ミドリハクサンイチゲ」

数ある山行の中で、初めて出会った!   これで「コイチヨウラン」と合わせ、初めてが2つになった




 
間ノ岳を振り返る




中白根山  これでも3000mはある(3055m)  9:50




 
北岳へつながる道が2本  尾根道とトラバース道

勿論、花の多いトラバース道を通る予定




 
 北岳山荘  いつもはこの小屋に泊まる  10:20

だが、今日はまだ10時ちょっとすぎたばかり

こんなに早く小屋についても仕方がない   で、肩ノ小屋に泊まる計画

おなかも空いた頃なので、「昼食になるようなものはありますか?」と尋ねると
「カップヌードル」「緑のたぬき」「赤いキツネ」がある・・・と

う〜ん、油揚げが好きなので「赤いきつね」を頼んだ

お湯は自分で入れ(どこまで入れたらいいのか初めてで分からず…ま、線まで入れればいいんだよね)
時計を見ながら5分待って、食べ始める  お茶の無料が嬉しい

水も蛇口から出る  以前100円で購入した記憶があるが、今回は無料

日陰の椅子を選んで、大きな油揚げ入りうどんを食べた


さて、ここから北岳肩ノ小屋まで、地図上では2時間ほどだが、ここからのトラバースは花が多い

ゆっくり見ながら歩けば3時間かな??




   
10:55発

テント場を抜け、トラバース道へ




ハクサンイチゲ:キンポウゲ科

花がまだ咲き残っている




アキノキリンソウ:キク科







オンタデかな?:タデ科

赤いのは受粉した印

雌雄異株なので、これは雌株




タカネヤハズハハコ:キク科




キンロバイ:バラ科

初めての出会い

このトラバース道には多い




 
11:08  もう富士山が隠れ始めた




ここにも鹿ネット

但しここは背が低く、天井があるタイプ




北岳山荘と間ノ岳を振り返る




チシマギキョウ:キキョウ科

何度も会ったね〜

翌日、稜線を離れると、ぱったりと姿を消した




 イブキジャコウソウ:シソ科

そういえば、
インドヒマラヤにも同じ顔をした花が咲いていたっけ




   
   
 タカネナデシコ:ナデシコ科

このトラバース道、この花がとても多い

濃い色・薄い色・白っぽい色など、色とりどり




 
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キンロバイ:バラ科

大きな株もある

稜線の道にも黄色い塊が見えていた




   
 
タカネシュロソウ:ユリ科

ここで、初めて出会った




 ミネウスユキソウ:キク科

白っぽい部分は葉

『葉の表面に生える綿毛が、あたかも降り積もった雪のように見えることから名付けられたという』だって

ホント、これらはまるで初雪・・・っていう感じ




   
   
   
イブキボウフウかな?セリ科

セリ科の花は判定が難しい

もこもこした塊に、白っぽい部分と赤っぽい部分があるのに、目を惹かれた

よ〜く見ると、ツボミのうちは赤紫色で、花が開いてくると白くなるようである

そして、種になると黒っぽくなるのかな?(下段)




 
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 登山道の両側はずう〜っとお花畑




   
 キタダケヨモギかな?:キク科

白っぽいヨモギの仲間が目についた

「北岳」の名前をもらったキタダケヨモギだろうか?    北岳、仙丈ケ岳、千枚岳の特産種だって

『植物体全体に多く毛が生えるため、白っぽく見えるのが特徴

頭花は、うつむいたように同じ向きにいくつもつける』・・・と





 
   
 キタダケトリカブトかな?:キンポウゲ科

背が低く、北岳のトラバース道に咲いているので、「キタダケトリカブト」だろう

翌日下山時に出会ったトリカブトの仲間は、背が高かった




   
 タカネグンナイフウロ:フウロソウ科

おなじみの花




ミヤマアワガエリかな?イネ科

野原にあるエノコログサ(ネコジャラシ)そっくりの形

『花期は6−8月、
径1cm長さ5cmほどの、丸ブラシの様な穂に、
淡紫色を帯びた細かな花(雄しべ?)を付ける』・・・と




   
 イワオウギ:マメ科

薄クリーム色の花




イブキトラノオ:タデ科

そういえば、これのそっくりさんが
インドヒマラヤにも咲いていた




   
 
ハゴロモグサ:バラ科

薄黄色の小さな花がかたまっている

『日本固有種。 北海道の夕張岳と北アルプスの白馬岳、南アルプスの北岳などに分布』だそうだが
スペインで、そっくりさんを見たことがある




   
 イワアカバナ:アカバナ科

赤花と白花があるが、これはその中間のピンク

よく似た花にアカバナがあるが、
こちらは、『雌しべの柱頭は棍棒状』
  
『イワアカバナは、雌しべの柱頭は頭状(球状)』・・・だって

この画像を見ると、円くて大きいので
「イワアカバナ」とした




ミヤマクワガタ:オオバコ科

薄紫色・濃い紫色など、花色はいろいろある

これは色が濃い方




   
クロクモソウ:ユキノシタ科

漢字名は「黒雲草」   これは、「黒」というより、「赤みの強い紫色」

左  全体の様子   右  黒っぽいものは、実




  
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 イブキトラノオが群生するお花畑




   
カンチコウゾリナ(別名タカネコウゾリナ)かな?
:キク科

よく似た花に、「ミヤマコウゾリナ」があり、
両者とも『全体に剛毛が生え、総苞が黒いという共通点』がある

区別は、
『カンチコウゾリナは葉先が尖り鋸歯が鋭いのに対し、
ミヤマコウゾリナは葉先が丸く、下部に大きな葉が付く』だって

さて、これはどうだろう??
花ばかりに注目して、葉に目がいっていない・・・




 ウメバチソウ:ユキノシタ科



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ミヤママンネングサ:ベンケイソウ科





梯子がいくつもあるトラバース道


 
  
 ここで八本歯のコルと合流し、いよいよ登りが始まる




 
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 以前は、ザレの登りだったが、
今はその防止策が施されていて
歩きやすくなっていた




 ここにもお花畑

 
   
 シコタンソウ:ユキノシタ科

咲き始めは、花びらの模様もはっきりして可愛い〜




   
 タカネナデシコ:ナデシコ科

白っぽい花




ここで、稜線の道と合流



 
   
ハハコヨモギ:キク科

『茎の頂に薄黄色の小さな花がこんもりと上向きに固まって咲く

頭花は十個以上付き、葉も茎も灰白色の毛が密生して、手のひら状の葉は細かく切れ込む

中央アルプスのほか南ア北岳周辺だけに成育している』・・・だって




   
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 ウラジロキンバイ:バラ科

『ミヤマキンバイに似ているが、
茎や葉の裏に綿毛が生えていることが名前の由来

北海道の礼文島や夕張岳、中部地方の白馬岳、八ヶ岳、
北岳、荒川岳などに生育する』・・・だって




 もうすぐ稜線




ムカゴユキノシタ:ユキノシタ科

赤いのが「ムカゴ」

ここで初めて出会った




   
ミヤマオダマキ:キンポウゲ科

青色の部分は、「萼」   中央の白っぽいのが花びらだって




   
 ミヤマミミナグサ:ナデシコ科

クモマミミナグサ・タカネミミナグサと
似たような名前の花があるが
この花は、花びらが
『白色5弁で2中裂し、更に先端が浅裂するので、
花弁先端が細かく裂けた様に見えるのが特徴的で、
よく似た他の仲間とはかなり印象違って見える』・・・と

こんなに細かく切れ込みがあるので
一目で違いが分かる




ちょっとした岩場を登ると、山頂は近い
   
  
 シコタンハコベ:ナデシコ科

『花びらが5枚の白い花をつける   花びらは深く2つに裂けているので10枚のように見える』

咲いたばかりの花は、「葯」が赤色!




   
北岳山頂  13:25〜13:35

周りはガスで何も見えない




  
   
 イワベンケイ:ベンケイソウ科

『雌雄異株  雌株は果実期に果実が赤くなるのでよく目立つ』・・・と

ではこれは?  雄株・雄花のよう




   
 タカネナナカマド:バラ科

実が垂れているのでタカネナナカマド




山頂を振り返る

人が集まっているのが小さく見える  標識も
 
   
チョウノスケソウ:バラ科

咲き残り   ここ山頂直下で数輪咲いていたのみ




 
ウラジロキンバイ:バラ科

北岳山頂を過ぎても、咲いていた




両俣小屋分岐

肩ノ小屋はもうすぐ


 
 ガスが切れると、肩ノ小屋が見えた




   
チシマギキョウ:キキョウ科

こちら側にも咲いていた




   
 イワオウギ:マメ科

こちらr側にも咲いていた




肩ノ小屋に到着  14:25

宿泊の手続きのついでに、ビールを頼む

ここには何と!生ビールがある  900円也
(玄関右側が生ビール販売所)

缶ビールに比べると、味が「なるい」=柔らかい
喉にキューッと来ない




   
 テラスで飲んでいると
名前を呼ばれて、寝室の番号が書かれた紙をもらった

飲み終わってから2階へ行こうと思っていたら
急に雷がゴロゴロし始め
大粒の雨がざあ〜っと降ってきたので、
慌ててカップを持って軒先へ避難




雨どいから落ちる雨を受けるバケツに
みるみる間に雨水がたまってくる
 
   
20分ほどたつと雨が止んだ

が、その後何度も雨が降ったり止んだりを繰り返した




夕食

遅く着いたので、夕食の順番は2回目だったが
「数が余ったから」と言って、
単独の私を呼びに来てくれたので
有難く1回目の夕食の席に座った

サバの甘酢あんかけがおいしかった

ご飯はいつものように8分目に減らしてもらった




  
 17:05  夕食が終わって外へ出ると、鳳凰三山に陽が当たり始めた

白い山肌もよく見える   地蔵岳のモニュメントもくっきり




 
 山頂も見え始め、避難していた人たちも外へ出てきた

この頃到着した登山者は、草すべり分岐手前の樹林帯で雷を避けていた・・・とか




 
反対側の山は、まだ雨が降っているよう

その後、このまま落ち着くかと思ったら、雷は何度も行ったり来たりしているのを、夢うつつで聞いていた


・・・・・

部屋は、まあまあのゆとり

15年前に比べると、建物は広くなり、部屋も多くなり、ぼっとんトイレもなくなっていた

手洗いの水は無いので、アルコール消毒液が置いてあるのが嬉しかった




 
 次へ続く
 

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