12月のタスマニアは花盛り
          タスマニア(オーストラリア) 
           (ホバート・ロンセストン・クレイドルマウンテンを基点に)


1・2日目 3日目 4日目 5日目 6日目
7日目 8日目 9日目 10・11日目 全行程
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タスマニア旅行のあれこれ タスマニアの動物


8日目 12月13日  クレイドル・マウンテンに挑戦したが・・・
   
ダブ湖〜マリオンズ・ルックアウト〜キッチンハット〜クレイドルマウンテン
     (途中で引き返す)〜ホーストラック〜オーバーランドトラック〜

     ロニークリーク・バスストップ

                  クレイドル・マウンテン・シャトーからロニー・クリークまでの地図はこちら
                          (地図では旧名のDoherty Cradle Mountain Hotelになっている)

                  ダブ・レイク・カーパークからクレイドル・マウンテン周辺の地図はこちら

ダブ・レイク・カーパーク

夜半、大雨と雷雨で目が覚める
今朝起きるとまだ大雨

でも、昨日の例がある
クレイドルマウンテンでは、夜中雨でも、
朝方雨やガスでも、あきらめないこと

だんだん良くなることもありうるから

ホテル出発の8:00前には
本当に雨が止み
用意しておいた雨具を
着なくても良くなった!

昨日と同じ8:20のシャトルバスで
ダブ・レイクへ

ガスが重く垂れ込め
昨日と同じような具合

今日の登山届けは
鈴木さんに書いてもらって出発
8:45発


大失敗!!

シャトルバスの中ではっと
共同食料を持ってくるのを
忘れたことに気づいた!!

どうしよう、引き返すか?
でも遅くなってしまう・・・

クレイドルマウンテン・ロッジには
売店があるというが
こんな朝早くからは
オープンしていないだろう・・・

2人合わせて持っているものは、
私のコーヒー用のお湯500cc、
鈴木さんの持っている
バナナとりんごとトマトと
各自1リットルくらいの水のみ・・・

どうするか考えながら
昨日下見しておいた
マリオンズ・ルックアウトへと
登り始める

険しいとはいいながらも
なんといっても短距離
少しの我慢で稜線へ出られる



決心!

タスマニア・スノウ・ガム
Tasmanian Snow Gum


登りが苦手の鈴木さんを後ろに
前を歩く

昨日、写真をいっぱい撮りながら
下ってきたコースを登るのだから
花もおなじみ

脇目も振らずに登っていく・・・と
私が15分で登るところを
鈴木さんは25分ほどかかることに
気づいた

彼女を待ちながら決心する
1)ここから別行動にする
2)鈴木さんの持ってきた食料は
鈴木さんの物とする
3)私はおなかのすかないうちに
速攻で登り、コーヒーのみを食料とする
(コーヒーなどの甘い飲み物だけで
祖母谷温泉から白馬村営宿舎まで
歩いたことがあるので大丈夫)

「申し訳ないが」・・・と
後から追いついた鈴木さんに宣告

反対を押し切って進む




クレイドル・サミットへの分岐

マリオンズ・ルックアウトに
1時間で着いてしまった!

時々後ろを振り返るが
彼女の姿は視野に入ってこない

天候は、よくならずに
雨が降ってきたので
雨具の上だけ着る

おまけにガスも濃くなり、
吹きっさらしのプラトー(高原台地)は
ホワイトアウトのように真っ白

昨日下見しておいて良かった!

後ろは全然見えなくなってしまった

昨夜の大雨で登山道は沢状態



ここから新しいルート

キッチンハットに着いた
10:15  ここまでで1時間半 快調!
中がどんなになっているか
覗こうとしたら、
若者が箒で掃除をしていた

「昨夜はここで泊まったのですか?」
・・・と聞くと 「No」の返事
そうだよね、ここはShelter Only
(避難小屋)だものね

分岐からは新しいルートになる

雨は降ったり止んだり
ガスも濃くなったり薄くなったり

はじめのうちは実線のmoderate

そしてsteepになり、
大岩がガラガラしてきた




時間のロス

ところどころに立っている
標識を目当てに登っていく

ガスが濃くなり、次の標識が見えない

ガレ場がまっすぐに
登っていっているので
てっきりそっちだと思って登っていったが
周りには1本も標識が見当たらず

それに足元があまりにも危険
こんなところは登山道ではない・・・
と判断して下り始めると、
先ほどまでガスに隠れていた
右手の標識が見えてきた

少しの時間のロス!

トラバース

直登ではなくトラバースだったのだ



プラトーを見下ろす

今歩いてきたプラトーと
キッチンハットを見下ろす

鈴木さんの姿が
キッチンハットの近くに見える


マーク?

時々薄れかけた赤色が岩についている

岩本来の色なのか
マーキングなのか定かではないほど

そして標識

ここらまではまだまだ頂上まで行ける
・・・と自信があった




ガレ場

こんな大岩が出てきても
何とかクリアできた

遠くに立っている標識を目指して
どこに足場を取るといいのか
全部自分の判断

「剣」や「槍」はあちこちに赤ペンキがあり
鎖や鉄梯子があるが
ここには一切なし

クレイドル・マウンテンに比べれば
「剣」や「槍」は軽い軽い!



力不足

傾斜もきつくなってきたので
雨具が邪魔になってきた

岩をしっかりつかむために
軍手もストックも邪魔

雨具と軍手を取り
ストックを片付けて
本気で岩登りをしようと決心する

ところが、少し進むと
オーバーハング気味に
覆い被さっている岩が
なかなかクリアできない

何度もトライしてみるが
もしここをクリアしても
下りはどうする?・・・と自問してみると
登り以上にヤバイなあ〜・・・の答え

まだ、分岐から45分しかたっていない

まだまだこの先
こんな風な岩が続くとしたら
私の力では無理・・・と判断




あきらめて下山・・・

あきらめて下山・・・と決める

鈴木さんははるか下

彼女が来るまで待とうとも思ったが
風が強くて寒くて寒くて

ゆっくり下山しながら待つことにする

丁度、平で、ちょっとした
スペースのあるところがあったので

登ってきた鈴木さんに
「行けるところまで行ってきたら」
・・・と勧める

彼女はダブルストックで
雨用の手袋まではめている

彼女が引き返す頃を見計らって
温かいコーヒーを作る

もう、頂上はあきらめたので
今後は同一行動とする



あの バーン絶壁(Barn Bluff) ・・・の向こうは?

何度も振り返りながら
自分の力のなさを悔やむ

ネットでは
『登山路は急な坂ですが、
登山経験がある方には
それほど難しくありません。
天候不良の場合には冷たい強風が
もろに当たってきますので、
登頂するべきでないルートと言えます。
キッチン小屋(Kitchen Hut 標高:1,100m)
からは往復2時間ぐらいになります。
登頂ルートにはケルン(cairns)と
岩に赤いマークをしてあります。
登山路には大きな岩々が
不規則に折り重なって続いています。』
・・・とあり、楽観していたのだが・・・

千々岩さんには無理・・・と言われていたし
バスの運転手さんにも
無理・・・と言われていたが
それでもあきらめ切れなくて
チャレンジした結果がこれ

2時間といわれても、
足の長い、歩幅の大きい人の
2時間かも知れないので、
あまり当てにはならない




日本の山なら?

ただ歩けば着く・・・といった山なら
何時間でも歩けるが
そうではなかった

千々岩さんに尋ねたとき
『通常8時間かかり、
天候にも左右される
難しいコースです。
シャトルバス利用で個人で歩くのは
お勧めできません。
もし行かれるようでしたら、
現地ガイドを予約していくことを
お勧めします。
ガイドの予約は時期的に
難しいかもしれませんが。』
・・・とあった

日本の山で言うなら
宝剣岳に鎖も手がかりも何もなしで、
ところどころにある標識を頼りに、
ついている赤ペンキの色を
かすれさせて、
今ある数の10分の1くらいに
減らして、
極楽平から登る・・・
といった感じかな?



後ろ髪を引かれながら

右側の高い岩の左の根元に
登るはずだった・・・
下界はまだガスの中

登頂をあきらめたので
周りの景色や花が目に入るようになった



滴る水

ここが水源
昨夜の大雨のせいか
水量も多い



葉っぱに特徴あり

水源の上に並んで咲いていた

ピメレア・セリセア?
Pimelea sericea?




キク科の花

この花は初見

オレアリアの仲間
Oleariaの仲間

雨に洗われて

雨に洗われて生き生きした
葉っぱと花



振り返って

あのバーン絶壁(Barn Bluff)の右端へ
行ってきたんだと振り返る

どんどん登ってくる人がいる
「トップへ行ってきましたか?」
と聞かれたので
「I can’t go to the top.
Because, many big rock」・・・と答えた

雨はまだ降ったり止んだり




キッチン・ハット

大きなザックを担いだ若者ばかり
日本のように中年はいない・・・ようだ



何度も振り返って

遠くに歩いたルートが見える
さあ、これからどうする?

食料は少ないけれど
このまま悔しい気持ちで帰りたくない

まだ、歩いていないHORSE TRACK
(ホーストラック)へ行くことにする

Crater Peak(クレイター・ピーク)
という展望地もある

昨夜の雨で湿地は本当の湿地になり
板の上を歩いてもずぶずぶ沈むほど

人も全然いない静かなルートで
花を見ながらのんびり歩けて
だんだん心の波が収まってきた




クレイドル・マウンテンの
バーン絶壁(Barn Bluff)

また振り返る

尾瀬より太郎平の湿地を思わせる
広々とした高層湿原




湿地の花

これは初見

ストライプド・アイブライト
Striped Eyebright
道が沢になっている

ざぶざぶと沢のような道を歩く
湿地の花

今が盛りの湿地の花

ストライプド・アイブライト
Striped Eyebright




湿地の花

これも

ストライプド・アイブライト
Striped Eyebright


HORSE TRACK

前方の小高いところが
クレーター・ピーク?



湿地の花

背が低い

ストライプド・アイブライト
Striped Eyebright


湿地の花

これも湿地の花

レイオネマ・モンタナム
Leionema montanum




湿地の花

これも湿地の花
湿地の花

これも湿地の花

ストライプド・アイブライト?
Striped Eyebright?


クレーター・ピーク近くで

これは初見

ストライプド・アイブライト
Striped Eyebright


クレーター・レイク

クレーター・ピーク
13:30着

昨日は、この湖の向こう側を歩いた




同じ花?

あんまり背が低いので
違う花か?と思ったが
よくよく見ると同じ・・・?

レモンタイム
Lemon-scented Boronia




HORSE TRACK

どこまでも続くHORSE TRACK
遠くの小高いところが
先ほどいたクレーター・ピークを
振り返る



HORSE TRACK

こちらは反対側
これから進む方
HORSE TRACK

本当に可憐な花

レモンタイム
Lemon-scented Boronia


HORSE TRACK

だんだん背が高くなってきた

ピンク・スワンプ・ヒース
Sprengelia
(Pink Swamp Heath)




HORSE TRACK

これは花か?花の終わった後か?

ピメリアの仲間
HORSE TRACK

背丈10cmほどの花

レイオネマ・モンタナム
Leionema montanum

HORSE TRACK

この花も背が低いので
違う花か?と思ってしまった

プリックリー・ビューティー?
Prickly Beauty?




HORSE TRACK

この花も背が低い

スワンプ・メラレウカ
Swamp Melaleuca


暑くなってきた

下るにつれ気温も上がったのか
暑くなってきた
雨具をようやく脱ぐ



ラン?

たった一輪のみ咲いていた

アルパイン・カラデニア
Alpine Caladenia




おなじみの

地面にへばりついて大きな花を咲かせる

ギニア・フラワー
Guinea Flower


集まると豪華

鮮やかな黄色なので
集まっているとはっと目を惹く



分岐

OVERLAND TRACKとの合流点

遠くに
マリオンズ・ルックアウト

昨日も歩いた合流後の道
ここからはOVERLAND TRACKとなる




今日はゆっくり

昨日は走ってバスに間に合わせたが
今日はのんびり花を見ながら歩く

バウエラの若葉

地面から咲いている?

茎がほとんどなく
地面から咲いているような花

スカイ・リリー
Sky Lily




ワラビーの糞?

あっちにも、こっちにも
CRADLE VALLEY

ロニー・クリークに架かる橋


Ronny Creek

ロニー・クリーク
Creek(小川)




ワラビーの糞?

あっちにも、こっちにも
古いのも、新しいものも



BOADWALK

遠くの白いものが
ロニークリーク・バスストップ

このBOADWALKの上には
いたるところに糞がある



ウオンバット

ずっと先を歩いていた鈴木さんが
盛んにこちらに向かって
手を振っている

じっと立ち止まって
草原を眺めているので
何かいるな!と思ってカメラの用意


無心にバリバリと音をさせて
草を食べているウオンバットがいた

正面から見ると可愛い小熊のよう




ウオンバット

横向きのウオンバット

ずっと見ていても動じないので
バスストップの方へ歩いていき
向こうから来る2人連れに
「向こうにウオンバットがいましたよ」
・・・と言うと、
「ここにもいますよ」・・・と



ウオンバット

なるほど!バス道の反対側にいた

そして、のそのそと
車道を横切っていくではないか

そんなゆっくり歩いていたんじゃあ
110kmのスピードを出す車に
はねられるはず




ウオンバット

道を横切ったウオンバットは
水路に下りて、水を飲み始めた

そっと近づいても動ぜず

しばらく見ていたが
15:20発のバスに乗車して帰る
シャトルバス

このシャトルバスには
何度もお世話になった

1日10$の入園許可証を持っていれば
何度乗っても無料
車道の傍の花

インフォーメーションからシャトーへ
帰るまでの花

マウンティン・ロケット
Mountain Rocket


車道の傍の花

この道を歩いて帰るのも今日が最後

コトラ・フィリクラ
Cotula filicula


車道の傍の花

車道脇の草むらの中に
小さな花が咲いている


シンクエフォイル・クラネスビル
Cinquefoil Crane's Bill




車道の傍の花

これも

スモール・セントジョン・ワート
Small St John's Wort
車道の傍の花

これも

スレンダー・スピードウエル?
Slender Speedwell?
車道の傍の花

これも
外来種で
キンポウゲの仲間


16:00ホテル着
シャワーを浴びてから
ギャラリーへ出かける
ギフト・ショップと
10の部屋に分かれて写真が展示

ここで花の本を見つけ購入
こちらは写真がきれい
これで2冊




今日のディナー

18:00からはビュッフェになるので
その前のすいている時間に
Quoll's Restaurantへ
ナポリタンを半分ずつ分けて食べる



今日のディナー

カルボナーラを
半分ずつ分けて食べる

明日はチェックアウト
パッキングをしてから就寝




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花の名前を調べるにあたって参考にした本

「WILDFLOWERS of TASMANIA」・・・ A Field Guide by R.F.(Bob)Minchin DCM
「A Guide to Flowers & Plants of Tasmania」・・・LAUNCESTON FIELD NATURALISTS CLUB

AJPRの千々岩さんには、図鑑では分からなかった花の名前を教えていただきました。