花の伊吹 今年はどんな具合??
       
        伊吹山  (下山は、バスで米原駅へ)

 




三角点


山頂草原植物群落


タヌキ??
アナグマ??

●場 所 滋賀県米原市
●標高 1377m 
●山行日 2023年5月5日(金:祝日)
●コース 上野登山口・・・2合目・・・4合目・・・8合目…三角点…山頂駐車場
●多治見から
  登山口まで
JR多治見駅ーJR名古屋駅(新快速で)ーJR近江長岡駅⇒バスで上野登山口へ
 
※ ー鉄道 =自動車 ・・・徒歩 ⇒バス
●参加者 丹羽
●コースタイム JR多治見駅
JR名古屋駅
JR近江長岡駅
伊吹山登山口
1合目
2合目
日本武尊の祠
4合目上
5合目
6合目
7合目
8合目
山頂山小屋
三角点
西登山道分岐
山頂駐車場
JR米原駅
6:03発
6:46~7:00
8:00~8:25
8:40~8:55
9:35
10:00~10:05
10:56
11:20~11:25
11:32
11:51
12:11
12:35
13:13
13:38
13:52
14:38着~15:20発
16:40着
周辺地図はこちら   地理院地図
コース図はこちら   


 関ケ原の辺りでは、伊吹の姿は見えず
今日の予報は曇り
曇りのまま1日が終わるかと思っていたら、
近江長岡駅に降りれば、半分は雲の外

駅前は整備され広くなっていた
バス客多し ずらりと並んでトイレ前まで

 
  あちこちに寄ってから、やっと伊吹山登山口バス停に着
若者たちは、スマホ決済

駅前のトイレより、格段にきれいなトイレ
何といっても、洋式でペーパーがある

 
 おにぎり1個おなかに入れてから登山口へ
受け付けで協力金300円払う
代わりに、新しくなった地図と「花だより」を貰った

分厚い紙に、きれいなカラー印刷
以前よりきれいな花の画像
「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」の名あり

計画書をポストインして出発 8:40
   
 ササバギンラン:ラン科
階段を登りながら、後ろを気にせず
両側の花を見ながらのゆっくりペースで
おや、すぐに、真っ白な
ササバギンランに出会った
株のみ

少し登った所にまた一株

この花、群れない性格のよう

 
 ハクサンハタザオ:アブラナ科
この花も真っ白
風に揺れて・・・止まった所をパチリ

 
 ツボスミレ:スミレ科
白地に紫の筋模様

 
 キランソウ:シソ科 
↑ これはまだ小さい株だが、
そのうち、ランナーを四方に出して地面を這うようになる  ↓    
 
 ↑ この株だけ、ランナーを出していた
勢力を伸ばしているね!

   
 ヒメウズ:キンポウゲ科
この花もか細く、風に揺れてゆ~らり

左 小さな花(直径1cm程)で下向きに咲くが
右 実は上向きになる
種を遠くまで飛ばさなきゃいけないからね

 
1合目に着いた 9:35
ゆっくり歩きなので、休憩必要なし
素通り~

 
 稜線の上は曇り空

 
 ↑ 花の色は黄色
 
 ↑ こちらの花色は白っぽい
・・・・・・・・
この両者、離れた所にあったが、比較のため並べてみた

今頃花が咲くグミは、
ナツグミかな?
そうとばかりは言えないことが分かった

ナツグミか?アキグミか?  違いを調べてみた 
 
   花の咲く時期  実のなる時期 花の色     木の高さ 
 ナツグミ  4月~5月  5月~6月頃 黄色 楕円形  高い  
 アキグミ  4月~6月  9月~11月 黄色  丸い  低い 

*花の咲く時期が微妙に重なっているし、
どちらも花の色は似ているので、判別が難しい

秋になって実がならなれば分からないってこと??

 
 ウスバシロチョウ
2合目手前の草むらを、
ふわり・す~うっと飛び回っていた

 
 2合目着 10:00~10:05
ベンチは先客でいっぱい 子ども連れも多い
段差のある場所に座って休憩

   
テンナンショウの仲間:サトイモ科
これはチョコレート色系
多治見近辺ではめったに会えない

   
 テンナンショウの仲間:サトイモ科
こちらは、白地に緑色系
この配色は多治見近辺でよく見かけるが、
中の棒(付属体)は白色でぐにゃりと曲がっている
 ↑ これは、真っ直ぐで緑色

 
 2合目を過ぎ下界が見える場所から、
1合目と麓の様子をパチリ
麓にあった大きなセメント工場は、20年ほど前に閉鎖されたとか
赤い屋根は、昔、スキー場があった頃の名残り

   
 アオダモ:モクセイ科
ん? いい匂いがしてきた…と思って辺りを見回すと
高木にびっしり、ふわふわの白い花

 
 ホタルカズラ:ムラサキ科
周りの草に押しつぶされそうになっていた

   
 ミツバウツギ:ミツバウツギ科
「葉っぱが三つ葉になっているウツギの仲間」という意味

 
 やっと山頂が見えた
正面の少し凹んだ所に登っていく(9合目)

就学前の子供が、「疲れた~」…とエンスト
「てっぺんへ行けば、ソフトクリームがあるよ
ラーメンもあるよ」と声を掛けた
後で分かったが、私と同じバス下山組だった

 
 今日の目的の一つは、
鹿害から守られている場所で「春の花」を観察すること
3合目の休憩所手前の獣害防止ネット内に入ったが
早すぎたのか、遅すぎたのか…花の姿は無し

ネットを出て、もう少し先にある
ネット内を目指した

『日本武尊遭難の地』と言われている
お社付近にも花の姿なし

ネットの中にもこれといった花は無し

ええ~っ、どうしちゃったんだろう??

   
 オドリコソウ:シソ科
白花とピンク花
両者は少し離れた所に咲いていたが、
比較のため並べてみた
どちらも、ぱらっぱら…で群生ではなかった

 
 メイン道路に合流し、4合目を過ぎた所で休憩 11:20

      タチツボスミレの仲間を並べてみた ↓
 
  ↑ 花が大きい 耳(上弁)が長い
 
 ↑ 花は大きいが耳(上弁)は長くない
 
 ↑ 紫と白が入り混じっていた
 
  ↑ 花は大きくない
・・・・・・・・・・・・・・
スミレの判別は難しい!

 
 5合目から山頂付近を見上げた 11:32
何だか、白い石が目立つなあ・・・と思った

 
 6合目手前から
旧ロープウェイ駅と、5合目の青い屋根の小屋を見下ろした

周りの背の低い木は、
コクサギ
ちょうど花が咲いていた

 
 6合目 11:51通過
辺りの白い石や岩が気になる
こんなに石ゴロゴロだった?
こんなに荒れていた??

 
 遠くにぼんやりと琵琶湖
手前に剥き出しの石・岩・・・

 
 5合目上の避難小屋
その周りにも、ゴロゴロと石・岩…

 
 登山道は深くえぐれて、石・岩がゴロゴロ

 
 この白いのはみ~んな石??
こんなにたくさんの柵って、あったっけ??

 
 山側から「白い石と岩の川」が下へ続いている
余程の大雨が降った??

 
 これはまた!
丈の低い木(
コクサギ)がなぎ倒されている!

 
 広い幅の「白い石と岩の川」が、斜面を下って行った痕

 
 これも!
 
 これも!
木の板で補修されているが、長くはもたないよ

 
 やっと、7合目 12:11

 
 石・岩が流れた後
花の種も花の根も、
み~んな流されてしまった??

 
 記憶にある風景と違う…

 
 休憩ベンチのある所だが、
こんな赤土だらけと石・岩の場所だった??

 
   
 ニリンソウ:キンポウゲ科
ニリンソウのある場所の土は、赤土…
周りが流されても、頑張って耐えていたんだね…

   
キンポウゲ科
麓で背が高いと、
ウマノアシガタ
高度が高い場所だと背丈は低くなり、
ミヤマキンポウゲになるのだろうか?

 
 展望台が見えた
そこから降りてくると、ここ9合目になる ↓
 
 ロープもしっかり張られていた

   ネコノメソウ  の仲間を集めてみた
   
ヤマネコノメソウ:ユキノシタ科
↑ これと ↓ これは、同じものだろうか??
 
   
   
 ↑ 花が咲いた後に・・・
   
↑ 種ができるわけだが、
左 ゼリー状というかピーナッツ型というか…
その中で種が作られつつあって
右 小さな種がいっぱいできるってことだね!
それにしてもすごい数の種!!

 
↑  ホクリクネコノメ かな?アカヒダボタン かな?ユキノシタ科
  ネコノメソウの仲間は多くて、同定は難しい…

 
   
ヒロハノアマナ:ユリ科
以前は、2~3合目あたりにど~っさり咲いていたが
今回は見当たらず
山頂近くなってやっと会えた

 
   
 ヤマエンゴサク:ケシ科
色は薄紫~薄青~薄ピンクと
微妙に違う花が咲いていた

 
 
ニリンソウ:キンポウゲ科
山頂周辺に広い範囲で咲いていたが、
間隔がまばらで密ではなかった
 
 
 『伊吹山寺 覚心堂』というらしい 13:13
避難小屋にもなるとか
入ったことはないが、風が冷たかったので、
建物の横・屋根の下で風をよけて休憩

 
 山頂のお店が、数ヶ所

 
 鹿害を防ぐ保護地の中には
ニリンソウヤマエンゴサクが咲いていた

 
 ネットの向こうに、弥勒菩薩像の祠

 
 三角点 13:38

さて、バスは15:20発
予約してなくても座席が空いていたらOKと聞いている

2時間あれば一番距離の長い東登山道が良さそうだが
この寒さと、花の咲き具合を考えると
西登山道が良さそうと考えた

以前は、東登山道が一番花が多いと思っていたが
最近は鹿害のせいか、本当に少なくなってしまった

ぐるっと山頂を歩いてから下山しようと思い
「殉難碑」の方へ行こうとすると
大きな動物が、ガリッガリッ・ギシッギシッ
何か(草?)を一生懸命食べている姿が見えた
近くにいた女性2人に、「あれは何だと思います?」と
声を掛けると、「タヌキじゃない?」という反応

   
 登山道から4~5m離れた所にいるのだが、
1人でこの先進むのはちょっとね…だったが
こちらを見もしないで一心不乱に食べているから
そっと行けばいいか…と覚悟し、
音を立てないようそっとそっと通り過ぎた

後ろからさっきの女性2人組、
前から数名が近くを通っても
頭を一度も上げることなく食べ続けていた

家へ帰ってから「伊吹山:自然観察ガイド」を調べたが
「タヌキ」という名前は出てこなかった

代わりに、アナグマかもと思われる記述があった
『山麓から山頂まで比較的たくさん生息・日中でも山道を歩いている・
顔つきからタヌキと間違われることも多い』…と

あんなに熱心にガシガシ食べていたのは何だろうと興味を持った

 
ここが「碑」
ここから左へ回り込むと、お店の裏にある日本武尊の像に出る

・・・・・何が難なのか調べてみた ↓
『伊吹山の山岳気象観測史、2人の犠牲者の名が刻まれている。
1人は1931年12月15日、測候所の勤務交代のために登山中、
3合目で猛吹雪に遭って遭難した。
もう1人は、その3年後の1月15日、山頂付近の雪庇(せっぴ)が崩落して
引き起こした雪崩に巻き込まれた。
この2人の殉難之碑が測候所跡に建っている。』と
「伊吹山の気象」という冊子より引用させてもらった

 
 はるか下に、山頂駐車場が見下ろされた

 
 左前方が、「日本武尊」の碑
記念写真を撮る為らしい順番待ちの人が
ずらりと並んでいた

 
 さあ、下山しよう 13:52
寒くてビールの気分ではない…

 
 セントウソウ:セリ科
真っ白で小さな花の集まりだった

   
 ミミナグサ:ナデシコ科
花びらの切れ込みが可愛い!

   
 メギ:メギ科
鋭く長いトゲだこと!

 
駐車場に着いた! 寒う~! 
お店に入って、脱いでいたベストと上着を着込んだ
そして、カップ酒を熱燗にしてもらった 14:38

 
 バスはどこ?
お店の人に聞くと、トイレのそばに停まっている…と

15時からドアが開くとかで、
ザックの整理をしながら待っていた

ここのトイレは、洋式の水洗トイレもあるが
ペーパーがない
ええ~っ、妙なものを使ったら、
後々、かえって大変じゃないか…って思った

15:20発  利用者はかなりの数

 
 バスの車窓から-1
濃いガスと強風
こんな時でも鳥の渡りを待っている人が大勢いた
 
 バスの車窓から-2
右の方に伸びている山道は、
「伊吹北尾根」への道
ここも花が多いコースだが、しばらく歩いていない
 
 バスの車窓から-3
山また山…
”♪ ~ぎいふはきのおくに、やあまあのおくうにい~♪” を実感
 
 バスの車窓から-4
大きなカーブと、右斜面から「石の白い川」…
 
 バスの車窓から-5
ドライブウエイを仰ぎ見る
 
バスの車窓から-6 伊吹山登山口付近
伊吹山はぼ~んやり
登山口バス停で大勢が下車
ここに車を置いて、歩いて山頂へ
帰りは楽々バスで下山し、
ここで車に乗り換えて帰宅・・・というプランらしい
 
 
 JR米原駅 16:40着
17:06発の快速豊橋行きに乗車
↑ これは、醒ヶ井駅付近から

登りは花を見ながら歩き、下山はバスで楽々…
この方法、なかなかいいね
******************

●2011年~今まで 伊吹山を訪れた記録 ↓2011年以前も合わせると、約30回!(自分でもびっくり!) 
  春の伊吹山 2017年4/16  2016年5/21  2016年4/9 2018年4/4 
2019年3/23 2021年4/10
  初夏の伊吹山 2015年6/20  2014年6/15 2017年6/10 2017年7/9
  盛夏の伊吹山 2015年8/22  2014年8/31   
  秋の伊吹山 2016年9/3  2015年9/5
  冬の伊吹山 2015年2/7  2011年3/13   2011年2/6
              ****************** 
●多治見発の列車、6:03発の次に6:14発があるが、名古屋での乗り換え時間が4分と慌ただしいし、先頭に並べば座れるはずという計算をしたが、計画通り座れた。

●今日貰った「伊吹山花だより:第65号:令和5年5月」(上野区:ユウスゲと記帳植物を守り育てる会発行)には、16種の花が紹介されていた。
・キバナノレンリソウ・エビネ・エゾノタチツボスミレ・クサボケ・アヤメ・クルマムグラ・チゴユリ・
ハクサンハタザオ・タツナミソウ・イブキガラシ・シラユキスミレ・ヒメフウロ・フタリシズカ・クサタチバナ・ホタルカズラ・ウリノキ                      (咲いていた花に色を付けてみた)

●伊吹山がいつからこんな白い石の山になったか、 「伊吹山の土砂崩れ」でネット検索してみた。
「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」のページを見ると、『2020年の7月の大雨が原因だった』と報告されていた。
その頃は、コロナのために県外の山へ行くことは自粛していたので、こんなにひどい状態になっていたとは知らなかった

毎年夏に開かれていた「かっとびマラソン」も今年は催行されないとか…
あんな、登山道を大勢の選手が走ったら、そりゃあまたまた荒れるに違いないからね…
                   ******************


 
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